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レッスンルーム |
智絵里 |
プロデューサーさん、おはようございます……。 |
P |
顔色が悪いね |
智絵里 |
顔色が……悪いですか? すみません、ちょっと貧血気味で……。 今日、初めてスタジオでダンスレッスンをしたんですけど……。 |
思うように身体が動かなくて……何度も足がもつれて……。 トレーナーさんにため息をつかれてしまいました……。 やっぱり……慣れないことをすると……だめですね……。 |
私、部活もアルバイトも経験なくて…… 身体を動かすのも苦手ですし……。 |
せっかく、プロデューサーさんがくれたチャンスなのに…… 期待に応えられなくて、本当に本当に……すみません……。 |
P |
まだまだこれから! と励ます |
智絵里 |
ありがとうございます。 プロデューサーさんはやさしいですね……。 でも気休めだってことは、自分が一番、分かってます……。 |
何をやっても劣等生……こんな私がアイドルなんて……きっと無理ですよね……。 |
だから……だからプロデューサーさんも…… わ、私なんか早く見切りをつけて…… 他の方のプロデュースに専念した方がいいと……。 |
P |
クローバーの栞を 見せる |
智絵里 |
それは……私がプレゼントした四葉のクローバーの栞…… プロデューサーさん、捨てずに持っていてくれたんですか……? |
……ごめんなさい。 さっきの話、聞かなかったことにしてください。 私、間違ってました……。 |
アイドルはみんなに希望を与えるお仕事だから……。 『無理』なんて言葉は…… 一番、言っちゃいけないこと……ですよね……? |
P |
頷く |
智絵里 |
……もう、大丈夫です。私、思い出しましたから……。 プロデューサーさんの笑顔と…… 四葉のクローバーに誓った願い……。 |
これからも、泣き言は言うかもしれませんけど…… できるかぎり、がんばります。 だから、プロデュース、お願いします……! |
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