体質の改善が、一日や二日で出来るはずなどない。
麻尋がそれに気づいたのは、股間の毛を奪われ、幼女のような服を着せられた後だった。
おねしょも治らず、決められた時間の我慢もできないまま、もう五日が過ぎている。
(晃揮、心配してるかな・・・)
大学には、この五日間一度も行っていない。土日を挟んでいるとはいえ、心配になるころだろう。
とはいえ、おむつのまま行くようにと言われては、とても家を出る気にはなれなかった。
続けられた特訓の末、すっかり赤ちゃんの姿になった麻尋は、
おしっこの臭う布団の中で、ぼんやりとみなみを待っていた。
おむつを自分で換えようとした仕置きで、両手はお腹の上で縛られている。
体を起こすのも難しく、起きたところで何も出来はしないのだから、
じっとしている以外になかった。
(なんで、こんなことになったんだろ)
自室のベッドに寝かされながら、ぼんやりと考える。
みなみは幼馴染で、親友で、いつも助けてくれる頼りになる存在だった。
陸上部のエースで、スポーツ推薦も取れる状況にありながら、
自分を心配して同じ大学を選んでくれた。
ルームシェアも、一人暮らしを不安がる自分を思っての提案だったとわかっている。
(みなみ・・・)
顔だけを動かし、チェストの上を見やる。
そこには、みなみと抱き合って優勝を喜ぶ自分の写真が立てられていた。
みなみの部屋にも同じ写真が飾られ、友情の証でもあるユニフォームがその横に貼り付けられている。
(どうしちゃったの・・・みなみ・・・)
あの闊達で面倒見のいいみなみは、どこへ行ってしまったのだろう。
ここ数日のみなみに感じるのは、得体の知れない恐怖と不安だけだった。
一緒の風呂に入るなど当たり前だと思っていたが、今のみなみには肌を晒したくない。
ましてや、おむつの世話をされるのは、苦痛でしかなかった。
だが、作り上げられた力関係に、今さら逆らうこともできない。
ただじっと我慢し、玩具にされるしかなかった。
「おはよー、麻尋ちゃん。今朝はおねしょしなかったかなぁ?」
「ちっち・・・出た」
異様に高いテンションで、みなみが姿を見せた。
麻尋は昨日のお漏らしで命じられた、幼児言葉でしぶしぶ答える。
よほど屈辱なのだろう。声は震え、顔は真っ赤に染まっていた。
嘘をつけば仕置きをされる。
その恐怖に逆らえない自分への苛立ちも、悔しさの一因に違いない。
閉ざされた口はきつく引き結ばれ、奥歯が軋んでいるのが感じられた。
そんな姿に感じるのは、嗜虐の快感なのか被虐への羨望なのか。
みなみは陶然と麻尋を見下ろし、自分の体を抱きしめて震えた。
「そっかー、しちゃったんだぁ」
いつになく上機嫌で布団を剥がす。
篭っていたおしっこの臭いが広がり、みなみが目を細めて息を吸い込んだ。
瞳は布団に横たわる麻尋の体を嘗め回し、体を包むパステルブルーのロンパースを、
こんもりと膨らんだ股間を、おむつのせいで蟹股になっている素肌の太ももを、
楽しそうに眺めている。
「おむつ、換えようね」
「おむちゅ、かえゆ・・・」
真っ赤になって言葉を真似る。
そんな麻尋の股間に回ったみなみは、傍らに換えのおむつとおむつカバーを用意し、
ロンパースの股間のホックを外した。
黄色いおむつカバーを開き、紙おむつのテープを外していく。
「そういえばね、麻尋ちゃん」
「・・・んぅ?」
「立木くんが心配してたよ。どうして大学に来ないんだって」
「・・・・・・」
携帯には、何度も連絡が入っているだろう。
だが、赤ちゃんには早いといってみなみに奪われてしまった今、
それを確かめる術は無かった。
「調子が悪いって答えておいたけど、立木くんは優しいね。お見舞いに来るそうだよ」
「み、みなみ?」
股間を拭いながら、世間話のように軽く告げる。
だが、その内容は流せるようなものではなかった。
思わず素に戻って問い返してしまう。
「き、着替えなきゃ。いつ来るの?」
「二コマ目が休みだから、その時間に来るって言ってたけど・・・」
「二コマ目・・・。十一時ごろ?」
ロンパースとオムツを開かれ、下半身を丸出しにした姿のまま、時計を確かめる。
八時二十分の表示に、声に安堵が混ざった。
今から風呂に入り、着替えておけば、何とか誤魔化せるだろう。
「みなみ、今日は特訓お休みにして」
「なんで?」
「なんでって、晃揮に見せられないよ、こんな格好」
「・・・遅いと思うよ?」
さわやかに微笑み、膝を押さえる。
起き上がろうとして出来ず、もがいている麻尋の耳に、玄関からの声が届いた。
聞きなれたその声に、ロンパースの少女が青ざめる。
「登校前に寄るようにお願いしておいたんだよね。勝手に上がっていいからって」
「う・・・そ・・・」
信じられない状況に、震えが止まらない。
こんな姿を見られたら、全てが終わってしまう。
おかしな趣味の女だと、誤解を受け軽蔑されてしまう。
「みなみ、布団! 布団をかけて!」
「・・・ダメだよ。もう、諦めなよ」
「みなみ!」
何とかしようと、体を揺する。
だが、両手が使えない状況では、逆らいようもなかった。
足音はついに部屋の前で止まり、控えめなノックが伝わってきた。
「麻尋、入っていいか?」
「むっ、んっ!」
「いいよ、入ってきて!」
みなみの手が、麻尋の口を塞いだ。
代わってはっきりと入室を許可し、裏切りに驚く麻尋を嘲る。
「大丈夫か、麻尋っ!?」
ドアを開いた晃揮が、ノブを持ったまま固まった。
自分が見ている光景が信じられず、何が行われているのか理解できない。
見たほうも、見られたほうも、言葉が出なかった。
おしっこの臭う部屋の中、麻尋は逃げるように顔を背け、
晃揮はゆっくりとみなみに目を向けた。
「おはよう、立木くん」
「久留米、何をしてる?」
「見ての通りだよ。麻尋のおむつ換えてるの」
「ち、違っ! これは違うの! 晃揮、違うのっ!」
「何が違うの? 麻尋がおねしょで汚したから、おむつを換えてあげてるんじゃない」
「・・・おねしょ?」
「そうだよ。麻尋はまだおねしょが治らないの。しかたないからおむつをして、
わたしが換えてあげてるの」
「・・・おむつ?」
呆然と呟く晃揮の姿に、麻尋が絶望を浮かべ、みなみが嘲弄を覗かせた。
もう一押しで、晃揮は麻尋を見捨てるだろう。その確信を胸に、言葉を重ねる。
「おねしょだけじゃなくて、お漏らしも酷いの。だからずっとおむつをしてるんだよ。
ふふっ、知らなかったでしょ?」
「・・・確かに、知らなかった」
「これが本当の麻尋だよ。毎日おねしょして、おむつを汚してる。
こんな女の子だって知っても、好きでいられるかなぁ?」
試しているというよりも、嘲っている声だった。
判ったらさっさと帰れと、そう促しているのが伝わってくる。
晃揮はみなみに向ける瞳を僅かに細め、同じ目を麻尋に向けた。
「ち、違うの。毎日じゃなくて、今日はたまたま体調が悪くて、
おトイレ行けないからってこれを・・・」
必死に言い訳するが、ロンパースまで着ていてはどうにもならない。
不機嫌に黙り込んだ晃揮の姿に、麻尋は涙目で口を閉ざし、
みなみは勝ち誇った微笑を浮かべた。
「今日だけじゃないよ。証拠を見せてあげる」
立ち上がったみなみが、晃揮の脇を走り抜けた。
手を使えない麻尋が、おむつの上で足を閉ざし、背中を向ける。
その気持ちが判るのだろう。晃揮は無言で毛布を掴み、麻尋の体を覆い隠した。
「ほら、これ。全部麻尋のおむつだよ」
駆け戻ってきたみなみが、透明のゴミ袋を突き出した。
中には黄色く汚れた紙おむつが無数に詰まり、怪しい臭いを漂わせている。
背後に聞こえた言葉に、麻尋が肩を震わせ、嗚咽を響かせた。
「麻尋はね、ほんとはおむつが好きなんだよ。おむつにお漏らしするのが好きで、
おねしょもわざとしてる」
「・・・そうなのか?」
「そうだよ、麻尋は変態さん。お漏らしマニアでオムツフェチなの。最低でしょ?」
「・・・そうだな。最低だな」
「・・・こう・・・き?」
気持ちを寄せていた男の言葉に、泣き顔の麻尋が振り返った。
涙で歪む視界の中で、晃揮が拳を震わせている。
眇められた両目は、震える麻尋を外れ、酷薄な笑みを浮かべるみなみを捕らえていた。
「そう、最低なんだよ。立木くんもこんなおむつ女のことなんか忘れて・・・」
「ふざっけるなっ!」
「ひっ!」
激しい罵声と共に、平手が襲い掛かる。
とっさに腕で庇ったが、男の力に抗いきれず、みなみの体が床に転がった。
「最低なのはお前だ! おねしょがなんだ! おむつがなんだ! そんなことで、
俺が麻尋を嫌いになるかよ!」
「な、なんでだよ!? おねしょだよ? お漏らしだよ? 大学生にもなって、
おむつしてるんだよ?」
「好きでしてるなら、どうして腕を縛られてる! どうして必死に隠そうとしてる!
全部お前の仕業だろうが!」
「ち、違うよ! おねしょは本当にするんだからっ!」
「つまり、他の話は嘘なんだな?」
冷静に言い当てられ、みなみが口をつぐんだ。
晃揮はその前に立ちはだかり、鋭い眼光で見下ろす。
「何でこんなことをした?」
「なん・・・で・・・? なんでって、決まってるじゃない・・・」
みなみの瞳に涙が浮かび、憎しみに染まった顔が上げられた。
むき出しの敵意に晒され、晃揮が動揺を浮かべる。
「あんたが告白なんかするからっ! 麻尋を奪おうとするからっ!
麻尋はわたしのなのっ! 幼稚園の頃から、ずっとわたしが面倒見てきたんだからっ!」
「何を言ってる?」
「幼稚園でも、小学校でも、麻尋のお漏らしは全部わたしがごまかした!
中学でも高校でも、全部わたしが上手くやった! 麻尋は、わたしが一番知ってる!
麻尋は、私が一番しっかり守れる! 割り込んできたあんたなんかに渡せるもんかっ!」
「・・・だから、麻尋の秘密を見せて嫌わせようとしたわけか」
「そうだよ。なのに、なんで平気なの? どうして許せるの?」
「このバカがっ!」
泣きながら睨みつけるみなみの頬を、晃揮が平手で打った。
唖然と見上げる瞳を睨み、怒りに震える声を必死に抑える。
「お前は麻尋の気持ちを考えたことがあるのか? どれだけ悩んだが判っているのか?
どれほど苦しんだか理解してるのか!?」
「わ、判ってるよ! 麻尋のことは、全部判ってる!」
「・・・麻尋、俺をどう思っている?」
不意に優しい声になり、背後を振り返る。
激しいやりとりを心細く見守っていた少女が、予想外の問いにうろたえた。
「な、なに? なんで、いきなり?」
「いいから、答えてくれ」
「す、好き・・・だよ。ずっと、ずっと前から・・・好き」
「だそうだ。知っていたか?」
「・・・知ってたよ。だから、こんなことをしたんじゃない」
ふてくされた態度に、晃揮が苛立ちを見せた。
みなみは怯えながらも虚勢を張り、目の前の長身を睨みつける。
「自分の秘密に苦しんで、悩んで、答えを出せずにいたんだろう。そんな麻尋を見ながら、
お前は自分の気持ちだけを満たそうとした。俺に麻尋を取られないように、それだけを考えた。
麻尋のことをまったく考えてなかっただろう?」
「・・・麻尋は、わたしだけのものなのに」
「麻尋はおもちゃじゃない。他人にいいように弄ばれる悔しさ、
少し理解させてやる必要がありそうだな」
「ひっ、いっ、痛っ!」
乱暴に髪を掴み、引き起こす。
爪先立ちになって両手であがく少女に、晃揮が低く言い放った。
「お前が麻尋にやったこと、そのまま返してやる。他人におむつを換えられる恥ずかしさ、
身を持って経験してみろ」
「ひ・・・あ・・・」
冷たい視線に、体が硬直した。足が震え、立っていることが出来なくなる。
追い詰められた状況に、不意に胸が高鳴った。
激しい動悸に全てが歪み、膝から崩れて両手をつく。
「麻尋、大丈夫か?」
「晃揮、あの、これは・・・」
「話は後でしよう。とりあえず、着替えてくれ。目のやり場に困る」
「あ・・・、や・・・」
解いて貰った両手で、慌てて丸見えになっていた割れ目を隠す。
内股になって後ずさった麻尋が、ごそごそとタンスを探って身なりを整えた。
最初に手にしたワンピースを被り、晃揮の脇に進む。
「麻尋、こいつをどうする?」
「・・・みなみ」
晃揮に怯える親友の姿を、麻尋が同情を込めて見下ろす。
酷い目に合わされはしたが、その行動は自分への想いが原因だった。
受け入れられはしないが、そんな気持ちを見せた相手を、無下に責めるのは躊躇われる。
「酷いことは、しないであげて」
「お前は、酷い目に合わされたんじゃないのか?」
「うん・・・。でも、あれはおねしょの治療で・・・」
「・・・そんなわけないだろう」
「え?」
恥じらいながらの言葉は、呆れ顔でのため息にかき消された。
どこまでもみなみを信じている想い人に、ゆっくりと首を振って現実を突きつける。
「こいつは自分の趣味でやったんだよ。お前のことを悪く言ってたが、
こいつのほうがとんでもない変態だと思うぞ」
「変態? みなみが?」
「そうだろう?」
「ち、ちがうよ。麻尋のことは、おねしょを治すために・・・」
「なら、あの袋はなんだ? 寝小便の治療に、使い終わったおむつが必要とは思えんが?」
「あれ・・・は・・・」
痛いところを突かれたのだろう。みなみが口ごもり、目を泳がせた。
麻尋が不安げに、そんな親友を窺っている。
「あれをどうするつもりだったんだ? 何のためにとっておいたんだ?」
「・・・別に、どうも・・・」
「訳も無く取っておくようなもんじゃないだろう? まあ、だいたい見当はついてるが」
薄笑いを浮かべ、布団の上に広げられたままの紙おむつを拾い上げる。
麻尋が真っ赤になって奪おうとするが、晃揮は片手でそれを制し、みなみに突きつけた。
「あ・・・」
汚れたおむつが、黄色い内側が、みなみの顔に寄せられる。
目の前に広がる麻尋の色と、鼻に届く麻尋の臭いに、みなみの瞳が蕩け、
口が半開きになった。
「やっぱりか・・・」
「あ・・・」
みなみの変化に確信を得た晃揮が、ぶら下げていたオムツを引いた。
転がされているゴミ袋に歩み寄り、口を掴んで持ち上げる。
「正直に答えろ。でないと、こいつを全部処分するぞ」
「だ、だめっ!」
半泣きのみなみが悲鳴を上げた。右手を伸ばしておむつの袋に取り付こうとする。
そんな姿を、麻尋が驚きを浮かべて見つめた。
「なら、答えろ。麻尋が汚したおむつを、何に使ってた」
「に、臭いを嗅いだり、履いたり・・・」
「みなみ!?」
「ふん、とんだ変態だ。よく他人のことを言えたな?」
麻尋が固まり、晃揮が嗤った。
告白を強いられた少女は、怯えた瞳で親友と呼んでいた相手を見上げる。
驚愕に染まっていた顔が、少しずつ変化して嫌悪を形作った。
その光景をじっと見つめながら、みなみは自分の体を両手で抱きしめている。
「何のためにそんなことをした?」
「こ、興奮して、体が熱くなって、我慢できなくなって・・・」
「何が我慢できないんだ?」
「オ、オナニー・・・。麻尋のおしっこ嗅いで、オナニーするの。すごく気持ちいいの」
「・・・こうか?」
「ひあっ! 麻尋の臭い! 麻尋のおしっこおっ!」
震えながら告白するみなみの顔に、広げたおむつが被せられた。
汚れたおむつを押し付けられながら、みなみは昂ぶった声をあげる。
晃揮がそれを床に落とすと、みなみは貪るようにそれを求め、床にはいつくばった。
自ら顔をおむつに押し付け、両手をジャージに潜らせる。
何をしているのかは、明らかだった。
あまりに浅ましいその姿に、麻尋が吐き気を堪えるような顔をしている。
「このために、お前にオムツをさせてたんだよ」
「なに、こいつ・・・。こんな奴に親友ヅラされてたの?」
見下ろす瞳にあるのは、嫌悪と侮蔑だった。
あまりに冷え切った声に、顔を上げて窺ったみなみが、ぶるぶると震える。
汚いものをみるような、あまりに冷たく無慈悲な瞳。
今まで、決して自分にだけは向けられなかった瞳が、今は自分を見据えていた。
「はっ、はああっ!」
「な、なに?」
麻尋の視線に射抜かれながら、みなみが体を抱きしめて震えた。
惚けた顔で涎を零し、細かく震えている。
絶頂を迎えたのだろう。ジャージの股間がじっとりと濡れ、変色していた。
「満足したか?」
「あ・・・」
低い声に、おどおどと顔を上げる。
望みを果たして冷静さを戻したのだろう。怯えた瞳が揺れていた。
「そんな真似までして、今さら恥ずかしいとか言うなよ?」
「いっ・・・やあっ!」
晃揮が持ち出した紙おむつに、みなみが激しく首を振った。
予想以上の拒絶に怯む晃揮の横で、みなみの裏切りに憤る少女が腕を組む。
「何がいやなの?」
「おむつ! おむつはいやっ!」
「どうして?」
「は、恥ずかしいからっ!」
「ふーん、そう。おむつが恥ずかしいんだ」
目を細め、低く呟く。その声に震えるみなみに歩み寄り、音高く足を鳴らした。
「恥ずかしいって判ってて、あたしに無理やり使わせたんだ?」
「ま、麻尋は・・・」
「呼び捨てるな、この変態!」
「ひっ!」
信じていただけに、許せないのだろう。怯えるみなみをつま先で小突く。
「恥ずかしいならちょうどいいよ。あたしがどれだけ恥ずかしかったか、教えてあげる」
「その気になったか」
晃揮が笑い、オムツを差し出した。
麻尋は受け取りながらも小首をかしげ、想いを告げた相手を見上げる。
「晃揮がしないの?」
「こいつの股をじっくりと観察することになるが?」
「・・・あたしがやる」
付き合うと決めた以上、他の女の裸など見せたくない。
晃揮の気遣いを悟った麻尋は、自らの手でおむつを広げ、みなみの足元にしゃがんだ。
逃げようとする背中を晃揮が押さえ、腕を捉える。
「足を開いて」
「やだ! やだあっ!」
「何を嫌がる?」
必死の抵抗を見せるみなみに、晃揮が嘲りの声を投げた。
袋に詰まった汚れおむつを指差し、喉の奥で笑う。
「あれを履いてマスかいてたんだろ? おむつには慣れっこじゃないか?」
「み、見られるのはいやっ! 見られるのは恥ずかしいっ!」
「勝手なこと言うなっ!」
身勝手な台詞に、麻尋が逆上した。足を強引に開かせ、内股を平手で叩く。
痛みに硬直したみなみの股間を眺めながら、おむつを強引に尻の下に差込み、股に通す。
「あ・・・あぁ・・・」
自分がおむつに包まれる様に、みなみは愕然と震えている。
もたもたとテープを止めた麻尋は、膨らんだ股間に手のひらを乗せ、強く押し込んだ。
「ひっ!」
「柔らかいでしょ? おしっこしても、ちゃんと吸ってくれるよ」
「いや・・・。そんなのしない・・・」
「我慢したいならすればいいさ。できるなら・・・な」
晃揮がみなみの腕を取り、背後に回させた。
麻尋に指示して紐を用意させ、後ろ手に縛る。
おむつが隠れないよう、シャツの裾を縛った晃揮は、みなみを床に転がし、
改めて麻尋を抱き寄せた。
「さて、麻尋」
「な、なによ・・・」
間近で名前を呼ばれ、今さらながら赤くなる。
全てを知られた今、まっすぐ見つめられるのは、それだけで恥ずかしかった。
「お前もおむつをするか?」
「な、な、なに言ってんの、あんた・・・」
「いや、言ったことの責任を取ろうかと」
おむつをしていようが気にしない。
ついさっき言い切ったその言葉を、証明するつもりなのだろう。
晃揮の意図を掴んだ麻尋が、頬を染めながら逡巡し、布団に尻をついた。
「ん・・・」
赤く染まった顔を横に向け、手探りで紙おむつのパックを引き寄せる。
掴んだ塊を無造作に突き出したのは、精一杯の感情表現だったろう。
「よ、よし・・・。それじゃ・・・」
言っては見たものの、まさか受け入れられるとは思っていなかったのだろう。
晃揮はぎこちなくそれを受け取ると、困ったように麻尋を見下ろした。
困惑をぶつけ合う時間に耐えられなかったのだろう。
麻尋は自ら体を倒し、下着を脱いで膝を立てた。
「じゃあ、するぞ?」
「・・・訊くな、バカ」
戸惑いに満ちた声に、不機嫌な呟きが投げつけられる。
自分の不慣れさが腹立たしかったが、ここまで来てそれを呪っていても仕方ない。
晃揮は大きく息を吸い、つばを飲み込んだ。
みなみには冷静に対処できたのに、麻尋を前にすると緊張が押さえられなかった。
細かく震える膝に手のひらを乗せるが、左右に開くのにまた逡巡してしまう。
(この奥に・・・)
足を開かせれば、麻尋の全てを目の当たりにできる。麻尋の全てを知ることが出来る。
愛おしい少女の全てを自分のものにする。
その瞬間を目の前にして、晃揮は最後の覚悟を固めた。
「よし!」
「ふぁ・・・」
思い切って膝を押し開く。隠していた全てを晒され、麻尋が奇妙な声を上げた。
「うぉ・・・」
開いた足の向こうには、麻尋の全てが眠っていた。
飾り毛を奪われた深いスリットが、ぷっくりと盛り上がった柔らかな土手が、
淫靡に濡れ光る艶やかな秘肉が、晃揮の瞳を引きつけ、言葉を奪う。
(すげ・・・)
実際に女の子を見るのは初めてのことだった。
写真や動画とは違う、生身の女の子。
手を伸ばせば触れられる場所に、顔を寄せれば匂いが感じられる距離に、
一番愛おしい異性が存在している。
「麻尋・・・」
「だ、だめっ!」
晃揮が太ももを抱え、顔を寄せた。麻尋は必死にその頭を押し返し、逃げようともがく。
「わ、悪い。見てたら、押さえられなくなって・・・」
「あ、あの・・・。晃揮が嫌な訳じゃないの。ただ、あの・・・。おしっこが・・・ね?」
「・・・ああ」
困り顔での言い訳に得心する。
おねしょのおむつを開かれている場所に踏み入ったのだから、
麻尋はまだシャワーも浴びていない。
軽く拭いて貰ったとはいえ、おねしょの臭いが残っている場所を嗅がれるのは、
女の子として耐えがたいのだろう。
「気にしなくていい。今も、これから先も・・・」
「晃揮・・・?」
「おねしょもおむつも受け入れると言っただろう? 漏らしたままだって、
俺はそのまま受け入れるよ」
「だ、だめ! 汚いから、だめ!」
「・・・麻尋」
「え・・・?」
拒絶を繰り返す麻尋の前で、晃揮が膝立ちになった。
ベルトを外してジーンズを下ろし、いきりたった己をさらけ出す。
初めて目にする昂ぶった男の姿に、麻尋が目を見開いた。
「俺のこいつは、汚いか?」
「汚くなんか・・・ない」
「触れるか?」
「・・・うん」
「口にできるか?」
「・・・たぶん、大丈夫」
麻尋を男に奪われるのが耐えられないのだろう。みなみが背後で首を振っている。
だが、麻尋はおずおずと手を伸ばし、脈打つ晃揮にそっと触れた。
「熱い・・・」
「こんないいもの見せられちゃな」
晃揮の視線が麻尋を見つめている。
今さらながら恥ずかしくなったのだろう。口を引き結び、恨めしそうな目で晃揮を睨む。
「お前は俺を汚くないと言った。だが、男ってのは、トイレに行っても拭かないぞ。
振って終わりだ」
「・・・うん」
「だから、お前も気にすることはないんだ。洗って無くても、汚くなんかない」
「でも・・・。ひっ!」
晃揮の詭弁にまだ抗おうとする。その声が詰まり、悲鳴に代わった。
言葉よりも行動で示すつもりなのだろう。
晃揮が麻尋の股間に顔を埋め、舌を這わせている。
「や・・・あ・・・。汚いのに・・・。汚いのにぃ・・・」
「気にするなと言ってる。どうしてもというなら・・・」
「ひゃん!」
晃揮が体を巡らせ、股間を麻尋の顔に寄せた。
目の前に揺れる男の竿に、麻尋が思わずじっと見入る。
「そいつの世話をしておいてくれ」
「う、うん・・・」
うつ伏せてなおそそり立つものを両手で挟み、そっと握る。
股間に感じる舌の動きに気を奪われながらも、その先端に舌を伸ばし、軽くなぞった。
それだけのことで晃揮の動きが止まり、堪える声が聞こえてきた。
「んふ・・・」
勢いづいた麻尋が、伸ばした舌で亀頭を包んだ。先っぽだけを唇で挟み、舌先でなぞる。
初めての男は、とてつもなく熱く、どことなく生臭かった。
だが、そんな感覚を凌駕して、晃揮への愛おしさが麻尋を動かした。
小さな口いっぱいに晃揮を受け入れ、はみ出る竿を両手で挟み込む。
「くっ!」
「んぶっ!?」
初体験の口技に、昂ぶった童貞が耐えられる筈も無い。
すぐに晃揮が息をつめ、麻尋の口に精を迸らせた。
こちらも初めてとあって、受け止めることなどできなかったらしい。
麻尋が慌てて口を離し、頬で晃揮の精を受け止めた。
「わ、悪い。我慢できなかった」
「いいよ、別に・・・」
おしっこを舐めて貰っているという負い目があるのだろう。
精に顔を汚した麻尋が、不機嫌に応じた。
ティッシュの箱を探し当て、頬のぬめりを拭い取る。
「・・・麻尋」
「・・・うん」
体を起こした晃揮に、いよいよかと緊張を高める。
だが、晃揮は気まずそうに唇を歪め、探るように問いかけてきた。
「ゴム、持ってるか?」
「・・・あるわけないでしょ」
思わず不機嫌な声がでていた。
晃揮は心底情けない様子でうなだれ、大きなため息をつく。
「生って訳にはなぁ・・・」
「・・・今度にしようよ」
どこか安堵を見せる麻尋に、晃揮が不安を浮かべる。
聞くべきではないと判っていながらも、つい言葉にしてしまう。
「俺とじゃ嫌なのか?」
「違うよ、バカ」
晃揮の純朴さに笑みが零れた。
どこか情けない表情を見つめながら、僅かに頬を赤らめる。
「初めては晃揮がいいよ。でも、それは一番きれいなあたしで迎えたいの」
「・・・そうか」
判らないでもないのだろう。晃揮が穏やかに頷き、麻尋の頭を撫でた。
ふんわりと目を細める少女を見下ろし、紙おむつを手にする。
「おむつ、しようか」
「ん・・・」
はにかみながら頷き、腰を持ち上げる。
晃揮は開いたおむつをお尻の下に滑らせ、腰を下ろさせた。
信じられない光景を目の前にし、晃揮が唾を飲み込む。
おむつの上に乗った麻尋は、蟹股に足を開き、自分の全てを晒していた。
口を開いた柔らかな穴は、艶かしく濡れ光って晃揮を誘っている。
「ねえ・・・、恥ずかしいよ・・・」
「わ、悪い。つい・・・」
「もう・・・」
ふてくされながらも、どこか嬉しそうに見える。
そんな少女に見とれながら、晃揮はおむつの前あてを持ち上げた。
デリケートな場所を慎重に覆い、左右を持ち上げてテープを留める。
「これでいい・・・のか?」
「うん、大丈夫だよ」
自信なさげな晃揮に頷きを返し、麻尋が立ち上がった。
細身の体をおむつに包み、少し蟹股に立っている。
「どう・・・かな?」
「似合ってる・・・と言ってもいいのか?」
「正直、びみょう・・・」
「だよな。でも、すごくかわいいぞ」
「お漏らししても、嫌わない?」
「大丈夫だと言ってるだろう?」
涙顔で頷き、晃揮に抱きつく。
晃揮は華奢な背中をしっかり抱きしめ、柔らかな髪を撫でた。
麻尋がそれに気づいたのは、股間の毛を奪われ、幼女のような服を着せられた後だった。
おねしょも治らず、決められた時間の我慢もできないまま、もう五日が過ぎている。
(晃揮、心配してるかな・・・)
大学には、この五日間一度も行っていない。土日を挟んでいるとはいえ、心配になるころだろう。
とはいえ、おむつのまま行くようにと言われては、とても家を出る気にはなれなかった。
続けられた特訓の末、すっかり赤ちゃんの姿になった麻尋は、
おしっこの臭う布団の中で、ぼんやりとみなみを待っていた。
おむつを自分で換えようとした仕置きで、両手はお腹の上で縛られている。
体を起こすのも難しく、起きたところで何も出来はしないのだから、
じっとしている以外になかった。
(なんで、こんなことになったんだろ)
自室のベッドに寝かされながら、ぼんやりと考える。
みなみは幼馴染で、親友で、いつも助けてくれる頼りになる存在だった。
陸上部のエースで、スポーツ推薦も取れる状況にありながら、
自分を心配して同じ大学を選んでくれた。
ルームシェアも、一人暮らしを不安がる自分を思っての提案だったとわかっている。
(みなみ・・・)
顔だけを動かし、チェストの上を見やる。
そこには、みなみと抱き合って優勝を喜ぶ自分の写真が立てられていた。
みなみの部屋にも同じ写真が飾られ、友情の証でもあるユニフォームがその横に貼り付けられている。
(どうしちゃったの・・・みなみ・・・)
あの闊達で面倒見のいいみなみは、どこへ行ってしまったのだろう。
ここ数日のみなみに感じるのは、得体の知れない恐怖と不安だけだった。
一緒の風呂に入るなど当たり前だと思っていたが、今のみなみには肌を晒したくない。
ましてや、おむつの世話をされるのは、苦痛でしかなかった。
だが、作り上げられた力関係に、今さら逆らうこともできない。
ただじっと我慢し、玩具にされるしかなかった。
「おはよー、麻尋ちゃん。今朝はおねしょしなかったかなぁ?」
「ちっち・・・出た」
異様に高いテンションで、みなみが姿を見せた。
麻尋は昨日のお漏らしで命じられた、幼児言葉でしぶしぶ答える。
よほど屈辱なのだろう。声は震え、顔は真っ赤に染まっていた。
嘘をつけば仕置きをされる。
その恐怖に逆らえない自分への苛立ちも、悔しさの一因に違いない。
閉ざされた口はきつく引き結ばれ、奥歯が軋んでいるのが感じられた。
そんな姿に感じるのは、嗜虐の快感なのか被虐への羨望なのか。
みなみは陶然と麻尋を見下ろし、自分の体を抱きしめて震えた。
「そっかー、しちゃったんだぁ」
いつになく上機嫌で布団を剥がす。
篭っていたおしっこの臭いが広がり、みなみが目を細めて息を吸い込んだ。
瞳は布団に横たわる麻尋の体を嘗め回し、体を包むパステルブルーのロンパースを、
こんもりと膨らんだ股間を、おむつのせいで蟹股になっている素肌の太ももを、
楽しそうに眺めている。
「おむつ、換えようね」
「おむちゅ、かえゆ・・・」
真っ赤になって言葉を真似る。
そんな麻尋の股間に回ったみなみは、傍らに換えのおむつとおむつカバーを用意し、
ロンパースの股間のホックを外した。
黄色いおむつカバーを開き、紙おむつのテープを外していく。
「そういえばね、麻尋ちゃん」
「・・・んぅ?」
「立木くんが心配してたよ。どうして大学に来ないんだって」
「・・・・・・」
携帯には、何度も連絡が入っているだろう。
だが、赤ちゃんには早いといってみなみに奪われてしまった今、
それを確かめる術は無かった。
「調子が悪いって答えておいたけど、立木くんは優しいね。お見舞いに来るそうだよ」
「み、みなみ?」
股間を拭いながら、世間話のように軽く告げる。
だが、その内容は流せるようなものではなかった。
思わず素に戻って問い返してしまう。
「き、着替えなきゃ。いつ来るの?」
「二コマ目が休みだから、その時間に来るって言ってたけど・・・」
「二コマ目・・・。十一時ごろ?」
ロンパースとオムツを開かれ、下半身を丸出しにした姿のまま、時計を確かめる。
八時二十分の表示に、声に安堵が混ざった。
今から風呂に入り、着替えておけば、何とか誤魔化せるだろう。
「みなみ、今日は特訓お休みにして」
「なんで?」
「なんでって、晃揮に見せられないよ、こんな格好」
「・・・遅いと思うよ?」
さわやかに微笑み、膝を押さえる。
起き上がろうとして出来ず、もがいている麻尋の耳に、玄関からの声が届いた。
聞きなれたその声に、ロンパースの少女が青ざめる。
「登校前に寄るようにお願いしておいたんだよね。勝手に上がっていいからって」
「う・・・そ・・・」
信じられない状況に、震えが止まらない。
こんな姿を見られたら、全てが終わってしまう。
おかしな趣味の女だと、誤解を受け軽蔑されてしまう。
「みなみ、布団! 布団をかけて!」
「・・・ダメだよ。もう、諦めなよ」
「みなみ!」
何とかしようと、体を揺する。
だが、両手が使えない状況では、逆らいようもなかった。
足音はついに部屋の前で止まり、控えめなノックが伝わってきた。
「麻尋、入っていいか?」
「むっ、んっ!」
「いいよ、入ってきて!」
みなみの手が、麻尋の口を塞いだ。
代わってはっきりと入室を許可し、裏切りに驚く麻尋を嘲る。
「大丈夫か、麻尋っ!?」
ドアを開いた晃揮が、ノブを持ったまま固まった。
自分が見ている光景が信じられず、何が行われているのか理解できない。
見たほうも、見られたほうも、言葉が出なかった。
おしっこの臭う部屋の中、麻尋は逃げるように顔を背け、
晃揮はゆっくりとみなみに目を向けた。
「おはよう、立木くん」
「久留米、何をしてる?」
「見ての通りだよ。麻尋のおむつ換えてるの」
「ち、違っ! これは違うの! 晃揮、違うのっ!」
「何が違うの? 麻尋がおねしょで汚したから、おむつを換えてあげてるんじゃない」
「・・・おねしょ?」
「そうだよ。麻尋はまだおねしょが治らないの。しかたないからおむつをして、
わたしが換えてあげてるの」
「・・・おむつ?」
呆然と呟く晃揮の姿に、麻尋が絶望を浮かべ、みなみが嘲弄を覗かせた。
もう一押しで、晃揮は麻尋を見捨てるだろう。その確信を胸に、言葉を重ねる。
「おねしょだけじゃなくて、お漏らしも酷いの。だからずっとおむつをしてるんだよ。
ふふっ、知らなかったでしょ?」
「・・・確かに、知らなかった」
「これが本当の麻尋だよ。毎日おねしょして、おむつを汚してる。
こんな女の子だって知っても、好きでいられるかなぁ?」
試しているというよりも、嘲っている声だった。
判ったらさっさと帰れと、そう促しているのが伝わってくる。
晃揮はみなみに向ける瞳を僅かに細め、同じ目を麻尋に向けた。
「ち、違うの。毎日じゃなくて、今日はたまたま体調が悪くて、
おトイレ行けないからってこれを・・・」
必死に言い訳するが、ロンパースまで着ていてはどうにもならない。
不機嫌に黙り込んだ晃揮の姿に、麻尋は涙目で口を閉ざし、
みなみは勝ち誇った微笑を浮かべた。
「今日だけじゃないよ。証拠を見せてあげる」
立ち上がったみなみが、晃揮の脇を走り抜けた。
手を使えない麻尋が、おむつの上で足を閉ざし、背中を向ける。
その気持ちが判るのだろう。晃揮は無言で毛布を掴み、麻尋の体を覆い隠した。
「ほら、これ。全部麻尋のおむつだよ」
駆け戻ってきたみなみが、透明のゴミ袋を突き出した。
中には黄色く汚れた紙おむつが無数に詰まり、怪しい臭いを漂わせている。
背後に聞こえた言葉に、麻尋が肩を震わせ、嗚咽を響かせた。
「麻尋はね、ほんとはおむつが好きなんだよ。おむつにお漏らしするのが好きで、
おねしょもわざとしてる」
「・・・そうなのか?」
「そうだよ、麻尋は変態さん。お漏らしマニアでオムツフェチなの。最低でしょ?」
「・・・そうだな。最低だな」
「・・・こう・・・き?」
気持ちを寄せていた男の言葉に、泣き顔の麻尋が振り返った。
涙で歪む視界の中で、晃揮が拳を震わせている。
眇められた両目は、震える麻尋を外れ、酷薄な笑みを浮かべるみなみを捕らえていた。
「そう、最低なんだよ。立木くんもこんなおむつ女のことなんか忘れて・・・」
「ふざっけるなっ!」
「ひっ!」
激しい罵声と共に、平手が襲い掛かる。
とっさに腕で庇ったが、男の力に抗いきれず、みなみの体が床に転がった。
「最低なのはお前だ! おねしょがなんだ! おむつがなんだ! そんなことで、
俺が麻尋を嫌いになるかよ!」
「な、なんでだよ!? おねしょだよ? お漏らしだよ? 大学生にもなって、
おむつしてるんだよ?」
「好きでしてるなら、どうして腕を縛られてる! どうして必死に隠そうとしてる!
全部お前の仕業だろうが!」
「ち、違うよ! おねしょは本当にするんだからっ!」
「つまり、他の話は嘘なんだな?」
冷静に言い当てられ、みなみが口をつぐんだ。
晃揮はその前に立ちはだかり、鋭い眼光で見下ろす。
「何でこんなことをした?」
「なん・・・で・・・? なんでって、決まってるじゃない・・・」
みなみの瞳に涙が浮かび、憎しみに染まった顔が上げられた。
むき出しの敵意に晒され、晃揮が動揺を浮かべる。
「あんたが告白なんかするからっ! 麻尋を奪おうとするからっ!
麻尋はわたしのなのっ! 幼稚園の頃から、ずっとわたしが面倒見てきたんだからっ!」
「何を言ってる?」
「幼稚園でも、小学校でも、麻尋のお漏らしは全部わたしがごまかした!
中学でも高校でも、全部わたしが上手くやった! 麻尋は、わたしが一番知ってる!
麻尋は、私が一番しっかり守れる! 割り込んできたあんたなんかに渡せるもんかっ!」
「・・・だから、麻尋の秘密を見せて嫌わせようとしたわけか」
「そうだよ。なのに、なんで平気なの? どうして許せるの?」
「このバカがっ!」
泣きながら睨みつけるみなみの頬を、晃揮が平手で打った。
唖然と見上げる瞳を睨み、怒りに震える声を必死に抑える。
「お前は麻尋の気持ちを考えたことがあるのか? どれだけ悩んだが判っているのか?
どれほど苦しんだか理解してるのか!?」
「わ、判ってるよ! 麻尋のことは、全部判ってる!」
「・・・麻尋、俺をどう思っている?」
不意に優しい声になり、背後を振り返る。
激しいやりとりを心細く見守っていた少女が、予想外の問いにうろたえた。
「な、なに? なんで、いきなり?」
「いいから、答えてくれ」
「す、好き・・・だよ。ずっと、ずっと前から・・・好き」
「だそうだ。知っていたか?」
「・・・知ってたよ。だから、こんなことをしたんじゃない」
ふてくされた態度に、晃揮が苛立ちを見せた。
みなみは怯えながらも虚勢を張り、目の前の長身を睨みつける。
「自分の秘密に苦しんで、悩んで、答えを出せずにいたんだろう。そんな麻尋を見ながら、
お前は自分の気持ちだけを満たそうとした。俺に麻尋を取られないように、それだけを考えた。
麻尋のことをまったく考えてなかっただろう?」
「・・・麻尋は、わたしだけのものなのに」
「麻尋はおもちゃじゃない。他人にいいように弄ばれる悔しさ、
少し理解させてやる必要がありそうだな」
「ひっ、いっ、痛っ!」
乱暴に髪を掴み、引き起こす。
爪先立ちになって両手であがく少女に、晃揮が低く言い放った。
「お前が麻尋にやったこと、そのまま返してやる。他人におむつを換えられる恥ずかしさ、
身を持って経験してみろ」
「ひ・・・あ・・・」
冷たい視線に、体が硬直した。足が震え、立っていることが出来なくなる。
追い詰められた状況に、不意に胸が高鳴った。
激しい動悸に全てが歪み、膝から崩れて両手をつく。
「麻尋、大丈夫か?」
「晃揮、あの、これは・・・」
「話は後でしよう。とりあえず、着替えてくれ。目のやり場に困る」
「あ・・・、や・・・」
解いて貰った両手で、慌てて丸見えになっていた割れ目を隠す。
内股になって後ずさった麻尋が、ごそごそとタンスを探って身なりを整えた。
最初に手にしたワンピースを被り、晃揮の脇に進む。
「麻尋、こいつをどうする?」
「・・・みなみ」
晃揮に怯える親友の姿を、麻尋が同情を込めて見下ろす。
酷い目に合わされはしたが、その行動は自分への想いが原因だった。
受け入れられはしないが、そんな気持ちを見せた相手を、無下に責めるのは躊躇われる。
「酷いことは、しないであげて」
「お前は、酷い目に合わされたんじゃないのか?」
「うん・・・。でも、あれはおねしょの治療で・・・」
「・・・そんなわけないだろう」
「え?」
恥じらいながらの言葉は、呆れ顔でのため息にかき消された。
どこまでもみなみを信じている想い人に、ゆっくりと首を振って現実を突きつける。
「こいつは自分の趣味でやったんだよ。お前のことを悪く言ってたが、
こいつのほうがとんでもない変態だと思うぞ」
「変態? みなみが?」
「そうだろう?」
「ち、ちがうよ。麻尋のことは、おねしょを治すために・・・」
「なら、あの袋はなんだ? 寝小便の治療に、使い終わったおむつが必要とは思えんが?」
「あれ・・・は・・・」
痛いところを突かれたのだろう。みなみが口ごもり、目を泳がせた。
麻尋が不安げに、そんな親友を窺っている。
「あれをどうするつもりだったんだ? 何のためにとっておいたんだ?」
「・・・別に、どうも・・・」
「訳も無く取っておくようなもんじゃないだろう? まあ、だいたい見当はついてるが」
薄笑いを浮かべ、布団の上に広げられたままの紙おむつを拾い上げる。
麻尋が真っ赤になって奪おうとするが、晃揮は片手でそれを制し、みなみに突きつけた。
「あ・・・」
汚れたおむつが、黄色い内側が、みなみの顔に寄せられる。
目の前に広がる麻尋の色と、鼻に届く麻尋の臭いに、みなみの瞳が蕩け、
口が半開きになった。
「やっぱりか・・・」
「あ・・・」
みなみの変化に確信を得た晃揮が、ぶら下げていたオムツを引いた。
転がされているゴミ袋に歩み寄り、口を掴んで持ち上げる。
「正直に答えろ。でないと、こいつを全部処分するぞ」
「だ、だめっ!」
半泣きのみなみが悲鳴を上げた。右手を伸ばしておむつの袋に取り付こうとする。
そんな姿を、麻尋が驚きを浮かべて見つめた。
「なら、答えろ。麻尋が汚したおむつを、何に使ってた」
「に、臭いを嗅いだり、履いたり・・・」
「みなみ!?」
「ふん、とんだ変態だ。よく他人のことを言えたな?」
麻尋が固まり、晃揮が嗤った。
告白を強いられた少女は、怯えた瞳で親友と呼んでいた相手を見上げる。
驚愕に染まっていた顔が、少しずつ変化して嫌悪を形作った。
その光景をじっと見つめながら、みなみは自分の体を両手で抱きしめている。
「何のためにそんなことをした?」
「こ、興奮して、体が熱くなって、我慢できなくなって・・・」
「何が我慢できないんだ?」
「オ、オナニー・・・。麻尋のおしっこ嗅いで、オナニーするの。すごく気持ちいいの」
「・・・こうか?」
「ひあっ! 麻尋の臭い! 麻尋のおしっこおっ!」
震えながら告白するみなみの顔に、広げたおむつが被せられた。
汚れたおむつを押し付けられながら、みなみは昂ぶった声をあげる。
晃揮がそれを床に落とすと、みなみは貪るようにそれを求め、床にはいつくばった。
自ら顔をおむつに押し付け、両手をジャージに潜らせる。
何をしているのかは、明らかだった。
あまりに浅ましいその姿に、麻尋が吐き気を堪えるような顔をしている。
「このために、お前にオムツをさせてたんだよ」
「なに、こいつ・・・。こんな奴に親友ヅラされてたの?」
見下ろす瞳にあるのは、嫌悪と侮蔑だった。
あまりに冷え切った声に、顔を上げて窺ったみなみが、ぶるぶると震える。
汚いものをみるような、あまりに冷たく無慈悲な瞳。
今まで、決して自分にだけは向けられなかった瞳が、今は自分を見据えていた。
「はっ、はああっ!」
「な、なに?」
麻尋の視線に射抜かれながら、みなみが体を抱きしめて震えた。
惚けた顔で涎を零し、細かく震えている。
絶頂を迎えたのだろう。ジャージの股間がじっとりと濡れ、変色していた。
「満足したか?」
「あ・・・」
低い声に、おどおどと顔を上げる。
望みを果たして冷静さを戻したのだろう。怯えた瞳が揺れていた。
「そんな真似までして、今さら恥ずかしいとか言うなよ?」
「いっ・・・やあっ!」
晃揮が持ち出した紙おむつに、みなみが激しく首を振った。
予想以上の拒絶に怯む晃揮の横で、みなみの裏切りに憤る少女が腕を組む。
「何がいやなの?」
「おむつ! おむつはいやっ!」
「どうして?」
「は、恥ずかしいからっ!」
「ふーん、そう。おむつが恥ずかしいんだ」
目を細め、低く呟く。その声に震えるみなみに歩み寄り、音高く足を鳴らした。
「恥ずかしいって判ってて、あたしに無理やり使わせたんだ?」
「ま、麻尋は・・・」
「呼び捨てるな、この変態!」
「ひっ!」
信じていただけに、許せないのだろう。怯えるみなみをつま先で小突く。
「恥ずかしいならちょうどいいよ。あたしがどれだけ恥ずかしかったか、教えてあげる」
「その気になったか」
晃揮が笑い、オムツを差し出した。
麻尋は受け取りながらも小首をかしげ、想いを告げた相手を見上げる。
「晃揮がしないの?」
「こいつの股をじっくりと観察することになるが?」
「・・・あたしがやる」
付き合うと決めた以上、他の女の裸など見せたくない。
晃揮の気遣いを悟った麻尋は、自らの手でおむつを広げ、みなみの足元にしゃがんだ。
逃げようとする背中を晃揮が押さえ、腕を捉える。
「足を開いて」
「やだ! やだあっ!」
「何を嫌がる?」
必死の抵抗を見せるみなみに、晃揮が嘲りの声を投げた。
袋に詰まった汚れおむつを指差し、喉の奥で笑う。
「あれを履いてマスかいてたんだろ? おむつには慣れっこじゃないか?」
「み、見られるのはいやっ! 見られるのは恥ずかしいっ!」
「勝手なこと言うなっ!」
身勝手な台詞に、麻尋が逆上した。足を強引に開かせ、内股を平手で叩く。
痛みに硬直したみなみの股間を眺めながら、おむつを強引に尻の下に差込み、股に通す。
「あ・・・あぁ・・・」
自分がおむつに包まれる様に、みなみは愕然と震えている。
もたもたとテープを止めた麻尋は、膨らんだ股間に手のひらを乗せ、強く押し込んだ。
「ひっ!」
「柔らかいでしょ? おしっこしても、ちゃんと吸ってくれるよ」
「いや・・・。そんなのしない・・・」
「我慢したいならすればいいさ。できるなら・・・な」
晃揮がみなみの腕を取り、背後に回させた。
麻尋に指示して紐を用意させ、後ろ手に縛る。
おむつが隠れないよう、シャツの裾を縛った晃揮は、みなみを床に転がし、
改めて麻尋を抱き寄せた。
「さて、麻尋」
「な、なによ・・・」
間近で名前を呼ばれ、今さらながら赤くなる。
全てを知られた今、まっすぐ見つめられるのは、それだけで恥ずかしかった。
「お前もおむつをするか?」
「な、な、なに言ってんの、あんた・・・」
「いや、言ったことの責任を取ろうかと」
おむつをしていようが気にしない。
ついさっき言い切ったその言葉を、証明するつもりなのだろう。
晃揮の意図を掴んだ麻尋が、頬を染めながら逡巡し、布団に尻をついた。
「ん・・・」
赤く染まった顔を横に向け、手探りで紙おむつのパックを引き寄せる。
掴んだ塊を無造作に突き出したのは、精一杯の感情表現だったろう。
「よ、よし・・・。それじゃ・・・」
言っては見たものの、まさか受け入れられるとは思っていなかったのだろう。
晃揮はぎこちなくそれを受け取ると、困ったように麻尋を見下ろした。
困惑をぶつけ合う時間に耐えられなかったのだろう。
麻尋は自ら体を倒し、下着を脱いで膝を立てた。
「じゃあ、するぞ?」
「・・・訊くな、バカ」
戸惑いに満ちた声に、不機嫌な呟きが投げつけられる。
自分の不慣れさが腹立たしかったが、ここまで来てそれを呪っていても仕方ない。
晃揮は大きく息を吸い、つばを飲み込んだ。
みなみには冷静に対処できたのに、麻尋を前にすると緊張が押さえられなかった。
細かく震える膝に手のひらを乗せるが、左右に開くのにまた逡巡してしまう。
(この奥に・・・)
足を開かせれば、麻尋の全てを目の当たりにできる。麻尋の全てを知ることが出来る。
愛おしい少女の全てを自分のものにする。
その瞬間を目の前にして、晃揮は最後の覚悟を固めた。
「よし!」
「ふぁ・・・」
思い切って膝を押し開く。隠していた全てを晒され、麻尋が奇妙な声を上げた。
「うぉ・・・」
開いた足の向こうには、麻尋の全てが眠っていた。
飾り毛を奪われた深いスリットが、ぷっくりと盛り上がった柔らかな土手が、
淫靡に濡れ光る艶やかな秘肉が、晃揮の瞳を引きつけ、言葉を奪う。
(すげ・・・)
実際に女の子を見るのは初めてのことだった。
写真や動画とは違う、生身の女の子。
手を伸ばせば触れられる場所に、顔を寄せれば匂いが感じられる距離に、
一番愛おしい異性が存在している。
「麻尋・・・」
「だ、だめっ!」
晃揮が太ももを抱え、顔を寄せた。麻尋は必死にその頭を押し返し、逃げようともがく。
「わ、悪い。見てたら、押さえられなくなって・・・」
「あ、あの・・・。晃揮が嫌な訳じゃないの。ただ、あの・・・。おしっこが・・・ね?」
「・・・ああ」
困り顔での言い訳に得心する。
おねしょのおむつを開かれている場所に踏み入ったのだから、
麻尋はまだシャワーも浴びていない。
軽く拭いて貰ったとはいえ、おねしょの臭いが残っている場所を嗅がれるのは、
女の子として耐えがたいのだろう。
「気にしなくていい。今も、これから先も・・・」
「晃揮・・・?」
「おねしょもおむつも受け入れると言っただろう? 漏らしたままだって、
俺はそのまま受け入れるよ」
「だ、だめ! 汚いから、だめ!」
「・・・麻尋」
「え・・・?」
拒絶を繰り返す麻尋の前で、晃揮が膝立ちになった。
ベルトを外してジーンズを下ろし、いきりたった己をさらけ出す。
初めて目にする昂ぶった男の姿に、麻尋が目を見開いた。
「俺のこいつは、汚いか?」
「汚くなんか・・・ない」
「触れるか?」
「・・・うん」
「口にできるか?」
「・・・たぶん、大丈夫」
麻尋を男に奪われるのが耐えられないのだろう。みなみが背後で首を振っている。
だが、麻尋はおずおずと手を伸ばし、脈打つ晃揮にそっと触れた。
「熱い・・・」
「こんないいもの見せられちゃな」
晃揮の視線が麻尋を見つめている。
今さらながら恥ずかしくなったのだろう。口を引き結び、恨めしそうな目で晃揮を睨む。
「お前は俺を汚くないと言った。だが、男ってのは、トイレに行っても拭かないぞ。
振って終わりだ」
「・・・うん」
「だから、お前も気にすることはないんだ。洗って無くても、汚くなんかない」
「でも・・・。ひっ!」
晃揮の詭弁にまだ抗おうとする。その声が詰まり、悲鳴に代わった。
言葉よりも行動で示すつもりなのだろう。
晃揮が麻尋の股間に顔を埋め、舌を這わせている。
「や・・・あ・・・。汚いのに・・・。汚いのにぃ・・・」
「気にするなと言ってる。どうしてもというなら・・・」
「ひゃん!」
晃揮が体を巡らせ、股間を麻尋の顔に寄せた。
目の前に揺れる男の竿に、麻尋が思わずじっと見入る。
「そいつの世話をしておいてくれ」
「う、うん・・・」
うつ伏せてなおそそり立つものを両手で挟み、そっと握る。
股間に感じる舌の動きに気を奪われながらも、その先端に舌を伸ばし、軽くなぞった。
それだけのことで晃揮の動きが止まり、堪える声が聞こえてきた。
「んふ・・・」
勢いづいた麻尋が、伸ばした舌で亀頭を包んだ。先っぽだけを唇で挟み、舌先でなぞる。
初めての男は、とてつもなく熱く、どことなく生臭かった。
だが、そんな感覚を凌駕して、晃揮への愛おしさが麻尋を動かした。
小さな口いっぱいに晃揮を受け入れ、はみ出る竿を両手で挟み込む。
「くっ!」
「んぶっ!?」
初体験の口技に、昂ぶった童貞が耐えられる筈も無い。
すぐに晃揮が息をつめ、麻尋の口に精を迸らせた。
こちらも初めてとあって、受け止めることなどできなかったらしい。
麻尋が慌てて口を離し、頬で晃揮の精を受け止めた。
「わ、悪い。我慢できなかった」
「いいよ、別に・・・」
おしっこを舐めて貰っているという負い目があるのだろう。
精に顔を汚した麻尋が、不機嫌に応じた。
ティッシュの箱を探し当て、頬のぬめりを拭い取る。
「・・・麻尋」
「・・・うん」
体を起こした晃揮に、いよいよかと緊張を高める。
だが、晃揮は気まずそうに唇を歪め、探るように問いかけてきた。
「ゴム、持ってるか?」
「・・・あるわけないでしょ」
思わず不機嫌な声がでていた。
晃揮は心底情けない様子でうなだれ、大きなため息をつく。
「生って訳にはなぁ・・・」
「・・・今度にしようよ」
どこか安堵を見せる麻尋に、晃揮が不安を浮かべる。
聞くべきではないと判っていながらも、つい言葉にしてしまう。
「俺とじゃ嫌なのか?」
「違うよ、バカ」
晃揮の純朴さに笑みが零れた。
どこか情けない表情を見つめながら、僅かに頬を赤らめる。
「初めては晃揮がいいよ。でも、それは一番きれいなあたしで迎えたいの」
「・・・そうか」
判らないでもないのだろう。晃揮が穏やかに頷き、麻尋の頭を撫でた。
ふんわりと目を細める少女を見下ろし、紙おむつを手にする。
「おむつ、しようか」
「ん・・・」
はにかみながら頷き、腰を持ち上げる。
晃揮は開いたおむつをお尻の下に滑らせ、腰を下ろさせた。
信じられない光景を目の前にし、晃揮が唾を飲み込む。
おむつの上に乗った麻尋は、蟹股に足を開き、自分の全てを晒していた。
口を開いた柔らかな穴は、艶かしく濡れ光って晃揮を誘っている。
「ねえ・・・、恥ずかしいよ・・・」
「わ、悪い。つい・・・」
「もう・・・」
ふてくされながらも、どこか嬉しそうに見える。
そんな少女に見とれながら、晃揮はおむつの前あてを持ち上げた。
デリケートな場所を慎重に覆い、左右を持ち上げてテープを留める。
「これでいい・・・のか?」
「うん、大丈夫だよ」
自信なさげな晃揮に頷きを返し、麻尋が立ち上がった。
細身の体をおむつに包み、少し蟹股に立っている。
「どう・・・かな?」
「似合ってる・・・と言ってもいいのか?」
「正直、びみょう・・・」
「だよな。でも、すごくかわいいぞ」
「お漏らししても、嫌わない?」
「大丈夫だと言ってるだろう?」
涙顔で頷き、晃揮に抱きつく。
晃揮は華奢な背中をしっかり抱きしめ、柔らかな髪を撫でた。
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