なぜないのか疑問だった

冒険者×光メイメイ8




2月14日、バレンタイン。
女性が想い人や大切な友人に手作りのチョコを渡す、というのが一般的。
それは"女神"とて例外では無いようで―――


「……よし、完成っ…!」


バレンタイン前夜、とある拠点のキッチンはまだ明るかった。
そこには少女の人影が一つ。どうやら、彼女は翌日のために"何か"を作っていたようだ。
いつも少女の傍らにいる翡翠色の鱗を持つ蛇は、眠そうにあくびを一つ漏らす。


「後は冷蔵庫に入れて、っと。我ながら上手く出来たかな?」

「……マスター、喜んでくれるといいんだけど」






翌日。
女神達が用意してきたチョコレートが、この日を心待ちにしていた男性陣へ。
誰に渡すために作ったかは人それぞれ。故に、一つも貰えない哀れな男性が――


「ハッピーバレンタイン!スピカ達特製のチョコレートなのですよ!」

「喜んでもらえると幸いです」


――いなかった。
スピカ、ヴェルダンディが全員分のチョコレートを準備していたためである。
まさか貰えると思ってはいなかった一部の男性が狂喜乱舞したのは、また別の話。


「いやー、盛り上がってるな、といっても夜遅いから騒ぎすぎるなよ?」

「あっ、ご主人様もスピカ達のチョコレートどうぞなのです!」


主人とて例外では無かったようで、星機神と時女神特製のチョコレートを手渡される。
他にも感謝の気持ちとして多くの女神達からチョコレートを受け取るが、その中にはいつも隣にいる少女の姿は見えなかった。
冒険者は彼女の所在が気になって仕方ない。


「なあヴェル、メイメイが何処にいるか分からないか?」

「ん……そういえばメイメイちゃんがいませんね。部屋に行ってあげてはいかがでしょう?ご主人様のことを待っているかもしれません」

「そうだな、とりあえず行ってみるか」


冒険者はメイメイの部屋にいくため、リビングを後にした。


「……とは言ったものの、もう遅いし寝てるかもな」


リビングはまだ賑わっていたとはいえ、既にだいぶ遅い時刻。
他の女神達と一緒にチョコを作っていたとなれば、疲労感と眠気は過大なものだろう。
そんなことを考えているうちに、冒険者はメイメイの部屋の前へと辿り着く。
直後、ドアが勢いよく開け放たれた。幸いドアに激突はしなかった。


「あっ、マスター!来るの遅いよ!」

「………もしかしなくても、俺のこと待ってたり?」

「あったりまえでしょ!さぁさぁ入って入って!」


冒険者は、今まさに彼女の部屋を出ようとしていたメイメイに連れ込まれてしまった。
彼女はずっと主人が部屋に来るのを待っていたらしいのだが、来るのが遅いので主人の部屋に行こうとしていたようで。
部屋のドアを開けたらちょうど冒険者がいたので部屋に連れ込んだ、ということだそう。


「ささ、座って座って!」

「急かすなってば…して、要件はなんだ?」


そう問うと、メイメイは主人に向き直った。
心なしか、彼女の頬が紅く染まっているように見える。


「分かってるくせに、意地悪なんだから」


机に置いてあった黄色の箱を手に取り、それを主人に差し出す。


「いつもありがとう。ハッピーバレンタイン、マスター!」


冒険者は、照れくさそうなメイメイから差し出された箱を開ける。
中に入っていたのは、ハートの形をかたどったチョコレート。色合いからビターであろう。
その形状から手作りだということがすぐに分かり、冒険者にとってはこの上なく素敵な贈り物だった。


「……ありがとう、すっげえ嬉しい」

「結構な自信作だよ!ほら、溶けないうちに食べちゃって?」

「そうさせてもらおうか」


冒険者は渡されたチョコを口に運ぶ。
メイメイの気持ちが込められたチョコレートは、微かにほろ苦く、それでいて甘かった。
コクのある味が口内に広がり、さらに唇には柔らかな感触が―――


(……柔らか?)


冒険者が異変に気付いたのは、冒険者とメイメイの唇が重なった後だった。

唐突に主人と唇を重ね合わせたメイメイは、そのまま舌を潜り込ませていく。
冒険者の口内で、チョコと二人の舌が絡み合う。
やがてチョコレートが二人の舌で溶け切った頃、メイメイはそっと唇を離した。


「お、ま……いきなりどうしたんだ」

「んむ?味見忘れててね、美味しくできたかなって♪」


消極的なのはいささか寂しいが、こう積極的過ぎるのも考え物だ。
だが、冒険者はこう積極的な姿をはっきりと見せるのは自分の前だけだと分かっている。それが嬉しかった。


「全く、安心しろって。美味しかったぞ」

「ほ、ほんと?よかったぁ…!」


冒険者が感想を伝えると、メイメイは安堵の表情を浮かべた。
やはり、心を込めて作ったものを褒められると誰だって安心するようだ。


「ところでさ、マスター……」

「どうした?もしかしてさっきの味見で我慢できなくなった、とかだったり?」

「……う、うん」


自分が我慢できそうにもなかったので冗談のつもりで言ったのだが、彼女も同じだったようだ。
先刻よりも二人の顔は明らかに染まっていた。


「なるほどな。で、メイメイはどうしたい?」

「ど、どうしたいって……そういうマスターはどうしたいの?」

「……言わせんな恥ずかしい、多分お前と同じだよ」

「じゃあ、決まりだね…?」


冒険者はメイメイを抱き寄せ、そのまま唇を奪った。
濃厚な接吻に、彼女の表情は徐々に蕩けていく。


「ん、っ……ちゅ、は……」

「さあて、ここから先は途中で止めないぞ?」

「止めたら怒るもん…♡」


冒険者はそっとメイメイを抱き寄せる。
メイメイは甘えるようにすり寄ってきた。歯止めが効かないところまで来ているらしい。
どこか妖艶な雰囲気を醸し出すその姿に、冒険者もまた我慢ができなくなっていた。
彼女の胸を押さえる装飾を取り外し、幼さが残るメイメイの顔とは不釣り合いな双丘を解放する。


「あんっ……マスターって本当におっぱい好きだよね…」

「俺に限った話じゃなかろう、それにメイメイのだから好きなんだよ」

「も、そんなこと言うのずるいよっ…♡」


主人の指が、自分の胸の形を変えるように揉んでいく。
それにより感じる甘い刺激で、メイメイの表情は蕩けていた。
下着も愛液を吸って湿っている。


「はぁ、ん…見ない、でぇ……♡」

「胸と乳首だけでこんなに濡らしてどうするんだよ…」

「触り方がっ、えっちなのぉっ…♡」


そのまま下着を脱がせると、メイメイの秘部はいやらしい透明な糸を引いていた。
指を濡れた秘部に沈ませていくと、彼女の蜜が絡みついてくる。
自身の愛液で滑らかになった主人の指は、メイメイの膣を優しく刺激していく。


「ひぁ、っん……ふぅっ、ぁぁああっっ……♡」


やがてメイメイは、全身を走る甘い刺激に身を任せ、潮を吹きながら果ててしまった。
その様子を見ていただけで、冒険者の肉棒は反り立っていた。


「……んふ、マスターもすっごい…あーむっ♡」

「お、おいメイメイっ…」


いきり立つ冒険者の男根を、メイメイは咥え込んだ。
根元までは流石に無理があったが、少しでも主人に気持ち良くなってほしい一心で、彼女は肉棒に舌を絡ませる。
同時に漂う濃い匂いが、メイメイを発情させていった。


(あっ、だめ…この匂い、クセになっひゃうっ……♡)


彼女の舌遣いは、確実に主人へ快楽を与えていた。


メイメイの口内で冒険者の男根が苦しそうに震えたと同時に、彼女はそれを解放した。
体位を変え、何かを欲しそうにひくついている自身の秘部を見せつける。
従来とは異なり、胸と秘部のみを晒した状態だが、これはこれでいい。


「ま、マスター……はやく、はやくちょうだいっ…」

「分かってる、俺も我慢できなさそうだ」

「くふっ……♡ぁ、んっ…♡」


剛直したその男根が、メイメイの膣に沈んでいく。
押し広げられる感触だけで再び果ててしまいそうだったが、彼女は必死にそれを堪える。
そんな姿を見ると、つい虐めたくなってしまうのは彼だけだろうか。冒険者は急に腰を打ち付けた。


「くひゅうっ!?ちょ、ますっ、たああっ♡」


突然激しく膣壁を擦られ、全身に強く甘い刺激が走り抜ける。
主人と共に果てたい。その一心で、襲い来る快楽に耐えるメイメイ。


「は、ぁ、ぁっ……きもちっ、よすぎぃっ…♡♡」

「そりゃ、良かったっ…続けるぞっ!」

「んはぁっ♡ あっ、ぁっ……♡」


突き上げるたびに、可愛らしい嬌声を漏らすメイメイ。
少しずつ馴染んできたのか、冒険者は彼女のより深い部分までを突き上げていく。


「まっす、たぁ……♡ わらひ、も……っっんん"ん"ぅ…♡♡」

「くっ…メイメイっ……!」


冒険者がメイメイの最奥を叩いたと同時に、メイメイは達してしまった。
それから遅れること数瞬、熱い白濁が子宮の奥深くへ流し込まれていく。


「ふはぁ……おなか、あったかい…♡」

「…メイメイ」

「んぇ、ますた……っ、ああ"っ!?」


余韻に浸る間もなく、再開されるピストン。
まだ温もりを保つ白濁が、激しい前後運動で掻き混ぜられていく。


「ごめんなっ、どうも……我慢できそうに、無かったっ…!」

「く、ぁっ……だいじょぶだよ、もっと……っっ♡」

「メイメイっ……!」


――それから、何度も休むことなく行為を続ける二人。
快楽が抜ける暇も無く、何度も精が流し込まれる。
短時間に何度も強い刺激が全身を駆け巡り、メイメイは絶頂から戻ってこれないようだ。


「は、あぁっ……♡ ら、め…ぇへえ……♡♡」

「はぁっ、はぁ……やべ、やりすぎたか…?」


少女の身を案じて抱き寄せると、メイメイはそっと背中に腕を回してきた。
見た限りではまだ快楽の刺激が残っているようだ。


「わたしは、だいじょぶだけど…しんぱいしてくれて、ありがと…♡」

「良かった、意識はあるみたいだな。そろそろ休むか?」


その問いかけに、首を縦に振って応えるメイメイ。
まだ満足に身体を動かせない彼女の代わりに後処理をしていると、可愛らしい寝息が耳に入る。
どうやら先に限界が来たらしく、メイメイは静かに夢の中。


「俺のためにチョコを作ってくれてたもんな、疲れて当然か」

「……ありがとう、メイメイ」


彼女の隣に添い寝し、額に触れる程度の軽い口付けをする。


(ホワイトデー、何を返そうかな……)


そんなことを考えているうちに、冒険者もまた眠りに落ちていった。
今年のバレンタインは、二人にとって忘れ難い特別な日になったことは間違いないだろう。

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