なぜないのか疑問だった

こっそり鋼星神




季節は6月。結婚を司る女神を象徴する月であり、それにあやかっての婚礼の話が数多く持ち上がってくる頃。
この世界においてもそれは例外ではなく、人間同士、人間とモンスター、あるいはモンスター同士で結婚を望む者たち、あるいは既に夫婦である二人が改めて愛を確かめ合うために、次々と結婚式場に押し寄せてきていた。
そんな場所の通路の脇に、無造作に置かれた巨大な謎の瓶があった。やたらと大きく、時折何故かカタカタと揺れ動く。ある者は特に気にも留めずに通り過ぎ、ある者は得体の知れない不気味さを感じ取ってそそくさとその場を離れた。
だが、彼らは知らない。その瓶の中には、あろうことか情事に励む一組のカップルがいることを。

「……う、うう……どうしてそんなに堪え性がないのよ……マスターのバカぁ……」
「仕方ないだろ、シェアトのドレス姿が色っぽすぎるのが悪い」
「そんな理不尽な……っ、いぁっ……♥や、やめっ……そんなとこつままなっ、あっ……♥」

色の混じった声を漏らすのは、鋼星の女神が一柱、シェアト。彼女とその主である冒険者もまた、互いの愛を確かめ合うために式場へと足を運んだのだがーー愛する相棒のドレス姿を見て劣情を抑えきれなかったか、冒険者はシェアトが有する巨大な瓶の中へと彼女と一緒に入り込み、そのまま彼女と一戦交え始めたのだ。
この冒険者は元から性欲の強い男であり、シェアトもそれは承知の上で彼とこういう関係になったわけではあるが……さすがにこういう場所で致し始められるのはたまったものではない。パッと見はただの大きな瓶にしか見えないが、万が一今の行為が露見しようものなら、どんな噂を立てられるやら、想像もしたくない。
故に瓶には多少の防音効果を施した蓋をして、必死になって声を抑えようと試みてはいるものの、既に冒険者の剛直は蜜壺へと深く深く沈み込んで最奥を小突いている上、指で女の弱点である肉の真珠を度々責められるものだからタチが悪い。そんな状態だから、どうしても艶のある声が少しずつ漏れ出てしまうーーというのが、現在の二人の状況である。

「いやさぁ、ホントに似合ってるんだよシェアトのドレス姿……俺が辛抱たまらなくなるくらいにはね、もうね」
「ほ、誉めてくれるのは嬉しいけど、だからってっ……よりにもよって、この場所でこんなっ、や、あっ♥ダメ、だってば……ぁ♥」

しばらくクリトリスを弄んでいた冒険者の手が、シェアトの慎ましい胸元へと伸びた。衣装をずらして可愛らしい桜色の突起を露出させ、親指の腹でくりくりと撫で回してやると、また彼女が快楽で悶える。サイズが小さめなせいなのかどうかは不明だが、揉みしだかれ先端を苛められるだけで容易に達する程度には、シェアトの胸は快楽に対して実に弱かった。


「ぅ、ぁ……♥ダメ、やめてぇ……そんなっ、おっぱい、ばっかりぃ……♥ぁ、ぁ、……〜〜〜〜〜〜〜〜ッ♥♥♥」
「シェアトは相変わらず胸弱いなー、うりうり」
「ひ、ぁ……♥んっ、ホントに、ホントにダメなの、ゆるし、っ♥ぁ、ぅ、っは、はっ、はぅっ……♥♥♥」

責め始めてからそう時間は経っていないはずだが、既にシェアトは胸への責めで2回も達した。普段から積極的に弄り倒しているせいですっかり開発されてしまっているのもあるだろうが、それでもいつもと比べて格段に達するまでの時間が短い。
これはもしや、と冒険者の顔が意地の悪いものへと変貌する。

「シェアト、もしかしてだけどさ……今の状況、割と興奮してる?」
「なっ……そ、そんなわけ……ぁ♥」
「だってさ、胸でイッてる間隔が明らかにいつもより短いぞ?ほら、今だって……」
「ぅ、ぁ、ぁ〜〜〜っ♥♥♥やぁぁっ……♥♥♥」
「はは、とうとう連続でイくようになったな……仕方ない、少し休憩な」
「はーっ、はーっ、はぁ……ぁ……っ♥ぅ、ぁ……マスターの、いじわるぅ……♥」
「ははは、そんな俺を好きになるお前もなかなかの変わり種だよなぁ、可愛いやつめ」
「……ぅー」

けらけらと笑いながら、シェアトの頭を撫でてやる。少し不満げな顔を見せながらも心地良さそうにしているのが実に愛おしい。
シェアトの息が大分整ってきたところで、彼女の細い腰をがっしりと掴み、膣内に入ったままだった肉棒の先端を子宮口へぐりぐりと押し付けてやる。胸へ意識が行きすぎていたせいか、不意打ちにも近い強烈な下腹部の快感がシェアトを襲い、少し大きめの喘ぎ声が漏れ出た。

「イ゛っ……♥あ゛、はっ……♥♥♥」
「……こら、声抑えろって。周りに聞こえちゃうぞ?」
「そもっ、そも……っ、ぁ、こんな、ところで、始めなきゃっ……♥声とか、っ、ふぅっ……♥気にすることっ……なかった、のにぃ……っ♥」
「あー、それ言われると弱いなー。元々俺が我慢できなくて襲いかかっちゃったわけだしなー」
「も、ぅ……っ、ベッドでなら、いくらでもっ、ぅ……♥付き合ってあげるからぁ……っ♥だから、早く、終わらせてよお……♥」
「ははっ、分かった分かった。もうちょっとの辛抱だ、それまでなんとか耐えてくれな」



惚れた弱みとでもいうのか、何だかんだと言いながらシェアトも行為そのものにはそれなりに乗り気なようだった。冒険者も限界が近いらしく、快感で顔をしかめながら、シェアトの最奥を剛直で刺激し続ける。
そうすれば、シェアトの蜜壺は快楽で収縮を続けて肉棒を撫で回し、その刺激で達するだろう。その後は拠点に戻って、ドレスを着せたまま、彼女の望み通りにベッドで心行くまで愛してやろう。
そして冒険者の目論見通り、ついにその時が近づいてきた。

「……っ♥ぁ、や、んぁっ……♥ふぁあっ……♥」
「ぐっ……限界、だ……出すぞ、シェアトっ……」
「う、ん……出して……いっぱい、ちょうだい……っ♥」

快感で蕩けたシェアトの笑顔が視界に飛び込んでくると同時に、冒険者はシェアトの神聖な場所へと直接、濃厚な白濁液を叩き込んだ。
子宮内を命の奔流が満たしていく感覚で、シェアトもまた強烈な絶頂感に襲われる。背筋をゾクゾクとした波が駆け上がり、脳に快楽を強く焼き付け、視界が真っ白に染まった。
普段なら叫んでいるであろうほどの快楽を、しかし彼女は精神力をフル稼働させてどうにかわずかに漏れ出る程度に抑えてみせた。しばらく口元を手で思いっきり押さえた後、落ち着いたところで呼吸を荒げながら、冒険者へとしなだれかかる。

「はぁっ、はぁっ……♥気持ち、良かった……♥」
「お前、何だかんだと言いながら結局楽しんでるじゃんか……」
「仕方ない、っでしょう、どこかの……誰かさんのせい、でっ……すっかり、こういう身体にっ……仕立てあげられちゃったんだから……。ちゃんと責任、取りなさいよね……♥」
「言うまでもねえな。……愛してるよ、シェアト」
「うん……わたしも、大好き……♥でも、今後はこういうのはできるだけ我慢してくれると嬉しいな」
「ああ、うん、善処する。お前に嫌われたくはないしな」
「よく言うわよ、もう」

軽くやりとりを交わしながら、衣装を整えて指示を出し、瓶を分解した状態へと展開させる。謎の瓶から突如として現れた二人組に人々は驚き、或いは女神の方を見てなるほどと納得したり、一体何をしてたんだと訝しんだりと様々な反応をとるが、冒険者とシェアトは気にも留めずに式場から外へと繰り出していった。
ーーこの二人が式場で睦み合っていたことは、誰も知らない。

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