---------------------------------------------------------------------------- 近世２ １７世紀
人間学としての哲学の再生
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時 代 背 景
一五八八年、イギリス女王エリザベス�祇い蓮▲好撻ぅ麑掬┫和發魴眷砲靴拭Ｊ婉�国イギリスが、世界的
大国スペインに勝利したのだ。歴史は、中心を有史来の地中海から今日の大西洋へと移す。宗教的権威中心
の旧教国であるイタリア、ポルトガル、スペインの時代は終わり、商工業政策中心の新教国であるオランダ
イギリス、フランスの時代が始まる。オランダはこのイギリスの援助によってスペインから独立し、スペイ
ンに代って世界貿易を支配、追って、絶対王政、国家的重商主義の下、英仏も植民地政策に走り、１７世紀
後半には、この三国は、はやくもはたがいに戦争である。一方、ドイツはいまだ旧教神聖ローマ皇帝の支配
下にあって、新教諸侯の反乱から三十年戦争（1618〜48）が起こる。が、フランス等の介入に、この宗教戦
争は単なる政略戦争へと変質してしまう。そして、ドイツは領邦に分裂し、中からプロシアとオーストラリ
アが台頭していく。
哲 学 概 観
もはや宗教の時代は完全に終わってしまった。彼らはキリスト教的教義体系に甘んじることはできない。しかしまた、同様に、偶然的発見にたよった、いかがわしい練金術的知識も信じがたい。そこで、彼らは、このもういちどはじめから、学知を生み出す方法自体から考えた。つまり、聖書にそう書いてあるから、とか、教会やスコラではそういうことになっているから、とか、というのではなく、しかし、また、でたらめの実験で偶然に知られてくる知識を待つのでもなく、まさに、確実な知をみずから能動的に獲得できるようになるための、その方法をまず考えだそうとしたのだ。
能動的に知識を獲得する方法の模索には、大きく２つの道があった。すなわち、ひとつは、《知識論》であり、もうひとつは、《認識論》である。《知識論》は、知識そのものが持つ論理的構造に着目し、この論理を明らかにすることで、この論理を用いて既知の知を根拠づけ、未知の知を導き出そうというものである。《認識論》は、知識を知る主体である我々自身の、その知り方の構造に着目し、その誤認の仕方を明らかにすることで、それに抵触しない知を確実なものとし、また、経験的な知だけでなく、この認識構造だけから確実とされるアプリオリな知を発見しようとした。
ただし、各々の哲学者がこの２つの道のいずれか一方だけを選んだというのではなく、その多くは、経験的に知られるさまざまな知から確実なものを認識論に基づいて選び出し、これを根拠に、知識論に基づいて知の体系全体を導出しようとしたのだと言えよう。それゆえ、一般に、《大陸合理論》《イギリス経験論》《カントによる両者の統合》という図式が知られているが、実際は、このように、その多くの哲学者の構想は、経験重視の認識論と、論理重視の知識論の２段階構造を持っていたのであり、この極端な図式には問題が少なくない。
しかしながら、近世から現代に至るまで、おおよそ、英米系哲学が経験的な個別事象を重視し、独仏系哲学が合理的な世界全体を重視するという傾向が認められる。つまり、英米系は、まず、経験的なものごとがそれぞれ個別に多元的に存在し、それからどのように世界が構成されているか、を問題にするのに対して、独仏系は、まず、世界全体が一元的に存在し、これからどのように個々のものごとが論理的に分割されているか、を問題にする。両者は、言わば、出発点とする《存在論》の違いであり、ここのすれちがいのために、両者の話がかみあわないということがしばしばである。つまり、英米系が個々のものごとからのある問題の事象の構成のされ方を論じようとすると、その議論の内容に入る前から、独仏系が「そもそも、その個々のものごとが問題だ」とちゃちゃを入れ、しかしまた、逆に、独仏系が世界の分割のされ方を論じようとすると、その議論の内容に入る前から、英米系が「そもそも、その全体の世界が問題だ」のやじをとばすのである。すぐにわかるように、この両者の関係は《にわとりが先か、たまごが先か》と同じで（解釈学的循環！）、この種の「そもそも問題だ」などというのは、たんに破壊的な問題提起でしかない。しかし、相手の議論を破壊することを目的とするならば、戦術的に極めて有効なものではある。
いすれにしても、この時代、世界があるがままにある、神によって世界がそのようにあらしめられているということは信じられなくなった。世界はすべて錯覚かもしれない、神すら我々を欺くかもしれないのである。それゆえ、我々は、経験的知識を人間の認識の仕方から確認しなければならない。そして、そのような確実に認識された知識から合理的に全世界をもう一度、確実なものとして再構成しなければならない。世界はもはや神に基礎づけられるものではなく、人間自身にこそ基礎づけられなければならないこととなったのだ。そして、ある意味では、世界を築いた神の論理を、このように人間みずからが再び知ることこそ、神への新たな信仰の道でもあったのである。すべてを造った神のの、神学の時代は終わった。もはや、すべてを疑う人間の、哲学の時代なのだ。
この時代のおもな思潮と哲学者たち
Ｆ．ベーコン 1600
ホッブズ １７Ｃ前半
デカルト 〃
パスカル １７Ｃ半ば
ゲーリンクス 〃
スピノザ 〃
ロック 〃
マールブランシュ １７Ｃ後半
ニュートン 〃
ライプニッツ 〃
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