コラム
消費者金融業者の数がまた減った。金融庁によると、21年8月時点での貸金業者数は5065社で、3年前の18005社と比べると、約3分2以上が「消えた」ことになります。
施行されたばかりの貸金業法では、貸出の上限金利の引き下げや貸金業者からの借り入れを制限する「総量規制」が導入されるなど経営環境が厳しくなり、消費者金融は大手でも「3社」が生き残りのボーダーラインと言われはじめています。
それはなぜか。
貸金業者からの総量規制が年収の3分の1を超えることを原則禁止した「総量規制」が2010年6月までに実施される見込みであり、消費者金融の利用が多い年収300万円前後の人たちの、消費者金融の利用者の借り入れ総限度額は100万円になるでしょう。そうすると、借りても3社で30万円ずつだから、4社目はないことになります。
つまり、その3社に入れるかどうかが消費者金融にとって生き残りのボーダーラインになります。
グレーゾーン金利問題が表面化して以降、消費者金融大手の株価は下落。格付けも下がり、社債やCPによる資金調達コストは上がっています。
銀行との関係が「良好」でなくなれば、借入れ時の金利も上がるし、機動的かつ円滑な資金繰りもむずかしくなります。
ただ一方で、銀行を取り巻く環境も厳しい状況です。融資姿勢が厳しくなって資金繰りが悪化し、資金調達に支障を来たすことになると、脱落することになるでしょう。
金融庁は消費者金融業者の数が減っていることについて、「都市部や地方といった地域差はみられないが、資金繰りの影響はあると思う」と話し、銀行からの借り入れが消費者金融業者の経営に大きく影響しているとみています。
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