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農薬中毒 グルホシネート

 グルホシネート(glufosinate)は、リンを含むアミノ酸系の農業用除草剤である。使用量の増加とともに急性中毒も増えているが、ほぼ60%が自殺意図である。
 製剤は、バスタ液剤がグルホシネートを18.5%、ハヤブサが8.5%を含有する。ほかに、陰イオン系界面活性剤が30%以上と若干の凍結防止剤を含んでいる。

毒性機序
 構造はグルタミンに近い。そのため、植物内ではグルタミン合成酵素を阻害してグルタミン酸とアンモニアが結合してグルタミンの産生過程を障害する。
 哺乳類では2つの機序(脳内グルタミン合成酵素の阻害とグルタミン酸が関与する神経伝達物質の生成を阻害)が想定されている。なお構造中のリンにはコリンエステラーゼを阻害する臨床上の障害はない(血清濃度の軽度低下はある)。
 なお、添加されている界面活性剤には粘膜刺激作用血管壁透過性亢進作用がある。

症状
 発症は数時間以内だが、24時間以上後もある。痙攣呼吸停止突然に、しかも早期に、あるいは遅発性に起こる特徴がある。
 服用後数時間以内は嘔気や嘔吐がある程度の軽症で、意識清明、やや低下、興奮程度が多い。しかし、遅れて意識レベルが低下して、痙攣、突然の呼吸停止、間欠的無呼吸や血圧低下が起こる。縮瞳や眼振もみられる。
 消化器系では嘔気・嘔吐、下痢などがある。

治療
 症状が軽くても、突然に痙攣や呼吸停止することがある。したがって、迅速に対処できる態勢を整えておく必要がある。拮抗薬はないので、中毒の基本処置(胃洗浄、活性炭、下痢、補液、利尿など)を行なう。
 血液透析は、本剤と類似しているグルホシネートに有効であることから、本剤も血液透析が有効と類推できる。なお、界面活性剤の除去にはDHP(血液灌流)が有効とされている。

グルタミンについて
 グルタミンは、血液中にある遊離アミノ酸の中で最も大量に含まれている。血液中に大量にあるし、必須アミノ酸ではない。

 しかし、見方を変えると人間の機能にとって重要な栄養素なので、自分で作ることが出来る非必須アミノ酸で、しかも欠乏は重篤な問題。

以下は、グルタミンのもつ多くの生理作用です。
 ゞ撻織麈鬚旅臉促進
◆ゞ撻織麈鬚諒壊抑制
 小腸粘膜の主要なエネルギー源
ぁ‖臘嫁緩譴僚斗廚淵┘優襯ー源
ァ…欧任離淵肇螢Ε爐反緤の吸収促進
А∞抗以泌促進
─.哀襯織船ンの合成
 抗うつ作用
 創傷治癒促進

これらの機能のうち、´△蓮筋肉に含まれるタン白質代謝に関係するもの。スポーツ選手が激しい合宿や試合などを行った後に体調を崩したり、風邪をひいたりするのはグルタミンの補給によって防止できるとされている。またこれまでも、筋肉のタン白質代謝を良好に保つことが、人の精神状態を安定させることに関係する。

〜Г蓮栄養素の消化吸収にとって深い関係があるものです。グルタミンの不足は、栄養療法にとって最も大切な消化吸収能力を低下させます。

また┐里茲Δ膨樟榲に”うつ症状”にたいして作用を有するのですが、グルタミンは神経伝達物質の前駆物質としての機能も精神症状のコントロールに重要になります。

ギャバとグルタミン酸
 ギャバは「グルタミン酸」(アミノ酸)と「グルタミン」(アミノ酸)に密接な関係がある。ギャバはグルタミン酸にグルタミン酸脱炭酸酵素が働いて、作られます。そしてこのギャバにまた別の酵素が働いて、こんどはグルタミンに変換される。どの段階でも補酵素としてビタミンB6が必要。もしビタミンB6の量が不足すると、ギャバが作れずに脳の興奮を抑制できずに、精神が安定せず不安に襲われたり、てんかんを引き起こしたりします。

 ちなみに「グルタミン酸」の働きは、脳を興奮させる伝達物質として働く。ギャバとは正反対の働きをする。おそらく人間の体は興奮しすぎた場合、グルタミン酸脱炭酸酵素が働いて「グルタミン酸」をギャバに変えて、脳内の伝達物質のバランスを保つようできていると思われる。

(痙攣を起こす機序)
 グルタミン酸の産生量低下することで、GABAの産生量も低下する。そのため、脳の興奮抑制をすることが出来ず、痙攣が起こる?

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