メルス城は、アル国の重要拠点として、民衆にも慕われていたカイルの指揮により堅固な要塞化されていたが、ガイヴェルドは、この城が水不足に悩まされていると看破して、水の手を断ち切った。
こうして城兵の士気はみるみる落ちていき、降伏も時間の問題となっていた。
だが、この戦法は犠牲を出さない一方で、時間を要するものであった。
短期決戦を望む武断派のデイロードとシレンは、何度もガイヴェルドに城攻めを進言するが、ガイヴェルドは一向に首を縦に振らない。
ただでさえ、元々同格であるはずの五舞将で、はじめて総指揮官に選ばれるという明確な上下関係を作られた(ガイヴェルドはルーディアの養子であるため、将来的に後継者にするための準備でもあった)ことに不満を感じていた二人は、表立って反抗することはなかったが、この戦い以後五舞将の中に亀裂を生じさせることとなる。
結局、数ヶ月の包囲の末、城兵は降伏。
カイルは自らの命と引き換えに民衆を助ける様に要請、その心意気とメルス城への影響力を買われ、ガイヴェルドの説得により、ベルザフィリス国の将となる。
また、シレンとデイロードには、援軍として接近してきたアル国の軍勢を撃退し、槍働きをさせることで不満を解消させた。
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