略歴 
幼い頃から神童として神懸かり的な直感力、そして周囲の人をひきよせるカリスマを備えていた。
ある年のこと、中央政府からの長期予報で暖冬と言われた村民は、ルイカの実（暖冬用）を育てようとするが、麻耶がそれを制してミズチの実（極寒用）に変えるように説得する。するとその年は吹雪が相次ぎ、ルイカの実は半分しか育たなかった。
この時点で麻耶の巫女としての力は中央政府にいた物見巫女（天気や新元号を占う巫女）達を凌いでいた事が解る。
クレアムーンは、古くから神託によって国主を決める習わしがあり、彼女も1246年には聖都クレア（ヒモロギの美称）へ渡り、中央で巫女位となり、1252年には前神威巫女吹雪の病没に伴って新たな神託を受け「神威巫女」として国の最高位となる。
しかし、クレアムーンの政治、軍事、外交のあらゆる決定権は20名からなる神官が握り、神官達は自分たちの決定した内容を一切拒否しない「傀儡」としての巫女を欲し、そのカリスマだけを利用して「巫女が信託を受けた」として公表させたかったのである。
麻耶はそれらの風習に異を唱え、また本人の性格もあって、自ら神官の会議にも出席し、次々と神官達の矛盾を突いては反論し、更には神官の地位に隠れて私腹を肥やしていた六道、御影を追放した。
そして、侵略を続けるラグライナ帝国軍を撃退し、反撃に転じてバライにまで進軍するが、ウルグレイの戦いで軍師エルが操る軍勢によって敗北。
この敗北が、麻耶と神官の不仲を決定付けることとなる。
それ以後、本格的にクレアムーンの地へと攻め込んできたラグライナ帝国軍に対し、ウルグレイの戦いの様に自らが戦陣に立つことこそなかったが、進んで軍議に参加して、信頼のおける人材で編成された主力部隊を派遣。
彼女の基本戦略は、元々兵力で劣っていたクレアムーン軍に正面決戦で勝利する力はないことから、各地を防衛しつつ大敗しないうちに戦線を後退させ、帝国軍がラスティに上陸したところで退路を断ち、そこで強襲を仕掛ける焦土作戦であった。
その為、ウネピの戦い、シチルの戦いは、想定範囲内での撤退だったが、既に神官たちとの間に信頼関係をなくしていたことから、この基本戦略を麻耶は信頼のおける仲間たちにしか告げていなかった。
神官たちは、後退を続ける戦況に焦りはじめ、神官迦羅須は事あるごとに麻耶に責任を追及する。
こうして、内憂外患の戦いを続けるが、1254年に突然発生した「聖都の変」によって歴史からその名前を消してしまう。
暗殺説、処刑説、自殺説、廃人説……彼女の神隠しは、この時代最大の謎の一つとされている。
ある年のこと、中央政府からの長期予報で暖冬と言われた村民は、ルイカの実（暖冬用）を育てようとするが、麻耶がそれを制してミズチの実（極寒用）に変えるように説得する。するとその年は吹雪が相次ぎ、ルイカの実は半分しか育たなかった。
この時点で麻耶の巫女としての力は中央政府にいた物見巫女（天気や新元号を占う巫女）達を凌いでいた事が解る。
クレアムーンは、古くから神託によって国主を決める習わしがあり、彼女も1246年には聖都クレア（ヒモロギの美称）へ渡り、中央で巫女位となり、1252年には前神威巫女吹雪の病没に伴って新たな神託を受け「神威巫女」として国の最高位となる。
しかし、クレアムーンの政治、軍事、外交のあらゆる決定権は20名からなる神官が握り、神官達は自分たちの決定した内容を一切拒否しない「傀儡」としての巫女を欲し、そのカリスマだけを利用して「巫女が信託を受けた」として公表させたかったのである。
麻耶はそれらの風習に異を唱え、また本人の性格もあって、自ら神官の会議にも出席し、次々と神官達の矛盾を突いては反論し、更には神官の地位に隠れて私腹を肥やしていた六道、御影を追放した。
そして、侵略を続けるラグライナ帝国軍を撃退し、反撃に転じてバライにまで進軍するが、ウルグレイの戦いで軍師エルが操る軍勢によって敗北。
この敗北が、麻耶と神官の不仲を決定付けることとなる。
それ以後、本格的にクレアムーンの地へと攻め込んできたラグライナ帝国軍に対し、ウルグレイの戦いの様に自らが戦陣に立つことこそなかったが、進んで軍議に参加して、信頼のおける人材で編成された主力部隊を派遣。
彼女の基本戦略は、元々兵力で劣っていたクレアムーン軍に正面決戦で勝利する力はないことから、各地を防衛しつつ大敗しないうちに戦線を後退させ、帝国軍がラスティに上陸したところで退路を断ち、そこで強襲を仕掛ける焦土作戦であった。
その為、ウネピの戦い、シチルの戦いは、想定範囲内での撤退だったが、既に神官たちとの間に信頼関係をなくしていたことから、この基本戦略を麻耶は信頼のおける仲間たちにしか告げていなかった。
神官たちは、後退を続ける戦況に焦りはじめ、神官迦羅須は事あるごとに麻耶に責任を追及する。
こうして、内憂外患の戦いを続けるが、1254年に突然発生した「聖都の変」によって歴史からその名前を消してしまう。
暗殺説、処刑説、自殺説、廃人説……彼女の神隠しは、この時代最大の謎の一つとされている。
人物
- 神官に基本戦略を説明しなかったことが自身の不幸に繋がったという指摘があるが、あの時点での互いの信頼関係から、「作戦に沿った後退」と説明しても、負け惜しみとしかとられず、結局同じ結末を迎えていた可能性が高い。
- 後世の創作物では「奇跡的に危機を脱した後、ヴェルナ・H・エイザーをはじめとする一部の側近達と共にクレアムーンを後にする」物語など、月風麻耶が生存していたことを前提にした記述が散見される。ただし、同時代人の間では、月風麻耶の生存説は信じられておらず、ガルデス共和国やラグライナ帝国の諜報機関は、失踪の知らせを受けてから数日以内に、「月風麻耶が死亡したものと判断して行動するよう」と通達を出していた。
- 彼女が提唱した「帝国軍を領内に引き込んで壊滅させる」という作戦は、聖都の変によって幻に終わった。実際に行われたとしても、成功していたかどうかはわからないが、少なくともクレアムーンが、帝国に勝利する可能性を秘めていたのは、この作戦が実行されるまでであった。彼女の失踪によって基本戦略は崩壊、これ以後は帝国内乱戦争が起きるまで、ひたすら滅亡を先延ばしにする受け身の戦いが続くこととなった。
