蒼空のリベラシオン(ソクリベ)【iOS/Android対応のスマートフォン向け協力アクションRPG】の非公式攻略wikiです。有志によって運営されているファンサイトで、ソクリベに関する情報を収集しています。

バクスト書き起こし

0さねす - 17/07/30 21:56:44 - ID:gu35k0zdag

★2
ロラン
 父のような騎士になりたいという憧れから騎士団へと志願。
 王国騎士団長アルドの愛弟子であり、彼から剣術、戦略などを学ぶ。
 いかなる時も冷静で落ち着いた性格から、周囲の人間から頼りにされている。

 訓練兵時代からの同期であるセシルにはライバル視されている。
 難しい戦況下においても的確な判断を下せる人間だとアルドに買われていた。

 王都が陥落して革命軍となってからは、ジェスランから直々に小隊のリーダーに任命された。


ダビー
「ワォーーーーン!」

 静まり返ったヴィレスの街に今日も遠吠えが響く。
 傭兵の兵士達が集まってくると、ダビーに状況を聞く。

「ダビー!今度はどんな魔物がやってきてるんだ?」

 ダビーはクンクンと鼻を使うと、自慢気に話す。

「南西の方向…距離は1.4kmってとこか…こっちにきてる!?多分プリン族だとは思うけど、数が多い。手分けして片付けようぜ!」

 言い終わるとダビーは、一目散に暗闇の中に飛び込んでいく。
 傭兵達も必死に後を追うが、ダビーに追いつけずにいると、遠くから遠吠えが聞こえたので、傭兵達は足を止める。

「なんだ、もう終わっちまったみたいだな…」

「頼りにはなるけど、もう少しみんなで戦うって事覚えてくれるといいんですけどね〜」

「どうせまた怪我してるだろうから、運んでやるぞ」


アービ
 イエルの傭兵団の宿舎の外で、一人剣を振る騎士がいた。
 傭兵団長は彼女に声を掛ける。

「よう、アービ。今日も頑張ってるな。少し手合わせしようか?」

 アービは手を止めて団長に敬礼をする。

「団長!お疲れ様です!私でもよろしければ、是非稽古をお願いします!」

 団長からすれば自慢の部下。
 帝国の進軍でイエルも戦火に包まれ、多くの仲間を失った中で、アービは傭兵団を辞めずに付いてきてくれた。

「いきます!はぁああああ!!」

 彼女の真っ直ぐな剣は日頃、鍛錬を怠っていない事が伺える。
 アービならば、きっと王国の為に戦ってくれるだろう。
 剣を下ろして団長は本題に入った。

「王国を取り戻す為に戦っている連中がいる。お前をそこに紹介したい。先に逝った仲間の為にも、引き受けてくれないか?アービ」

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  • 1さねす - 17/07/30 22:41:27 - ID:gu35k0zdag

    モゴリス
    「オデに用事か?こっちにくるんだな!バナナもあるぞ!
     なんの用だ?え?帝国の事?ん〜オデ、よくわかんないんだな…

     でも〜バナナが食べられないのは困るんだな!
     バナナを運んでいる船が危ないならオデも力になるんだな!

     オデ、力には自信があるんだな!
     バナナの為なら、なんでもできるんだな!

     え?帝国がバナナを集めてる?
     このままだと、世界中のバナナが帝国に集められて
     この世からバナナがなくなる!?それはホントなんだな!?

     オデ、妖精さんと一緒に行くんだな!
     革命とかよくわからないけど、オデにも戦わせて欲しいんだな!

     オデ、なんでもするんだな!
     早速出発するんだな!こうしちゃいられないんだな!」


    ラリサ
    「おう!お疲れラリサ。今日も弁当持ってきてんのか?相変わらず美味そうだな!ちょっとだけ味見させろよ」

     イエルの傭兵団仲間がラリサの弁当に箸を伸ばす。

    「これは私の分だ!そこらへんで買ってくればいいだろ。あっ!コラっ!返せ!」

    「ん〜〜〜!やっぱうめぇな!いい嫁さんになるぞこりゃ!」

    満足そうな顔をしている男を横目に、頬を桃色に染める。

    「私はそういうのはいいのだ…。帝国が迫ってきている。呑気にはしていられないだろう。私達は戦士なんだぞ?」

     男は口の中のものを飲みこむと笑いながら言う。

    「でもよ、傭兵なんだから嫌になったらいつでも辞められるだろ?だったらそう気張らなくても…」

     ラリサは少し思いつめた表情で空を見上げた。

    「私は帝国と戦う勢力に入る事にした。あの頃の王国を取り戻したいんだ。これ、全部やるよ。また会えるといいな」

    弁当を横に置いて深い息を吐くと、ラリサはその場を後にした。

  • 2さねす - 17/07/30 23:11:12 - ID:gu35k0zdag

    モリー
    イエルの郊外で大規模な魔物の討伐依頼に傭兵団は苦闘を強いられていた。
     最前線に立っていたモリーは、仲間を守る為に盾を持つ。

    「絶対にやらせない!これ以上仲間には手を出させないわ!」

     弓隊の態勢が整えるまで耐えるのがモリーの使命だったが、戦況は思わしくなく、仲間はどんどん倒れていく。
     無数の石や魔法が飛んでくる中で、モリーも限界が近くなる。

    「こんなところで終わる訳にはいかない…もうやるしかない!」

     モリーは防御体勢から体を起こし、敵の真ん中に突っ込む。

    「騎士として、やるべきことをやってやるわよぉおおお!!」

     盾で敵を殴りつけながら、敵のど真ん中で暴れ回った。

    「モリー!!盾を上に構えろぉお!!!」

     その声が聴こえると、モリーはニヤっと笑い、盾を空へ向けた
     無数の矢が戦場に刺さり、戦闘は傭兵団の勝利に終わった。


    ヒュー
     イエルの傭兵団は明日の大規模な魔物の討伐依頼に向けて、決起集会を開いていた。

     念入りに作戦を立てた後、酒を飲み士気を上げる。
     そんな中、ヒューは一人月明かりの下、夜風に当たっていた。

    「こんな所で何やってんだ?中は盛り上がってるぞ?」

     重そうな鎧を来た重戦士が話しかける。

    「僕はいいよ。賑やかなのはあんまり好きじゃないんだ。僕の事はほっといて、中で楽しんでくるといいよ」

     酒を片手にヒューの横に座る重戦士。

    「まーなんだ。こういうのも悪くねぇと思ってな。ハッハ!お前とはあんまり話す機会もなかったからな。出身はどこなんだ?お前エルフだよな?」

    「生まれはメルキスらしいけど、親はよくわからない。孤児としてイエルで育ったんだ。だから、この街を守りたい」

     ヒューは星を見ながら、決戦に向けて静かに闘志を燃やした。

  • 3さねす - 17/07/30 23:22:12 - ID:gu35k0zdag

    ヘリー
    「おばちゃーーん!!いつもの定食セット4個ちょーーだーい!」

     酒場に飛び込んで来たヘリーに、恰幅のいい女性が答える。

    「あんた!この時間に未成年は来ちゃダメだって、何度言ったらわかるんだい!まったく!」

    「アハハハハ!ごめんごめん!魔物と戦ってたらちょっと遅くなっちゃってね!でも、マリーヴィアで一番のご飯はおばちゃんの定食だからいいじゃんいいじゃん!」

     フォークとナイフで机を叩きながら落ち着きなく料理を待つ。

    「まったくあんたは!本当にそう思ってるのなら、味わって食べてみな!いっつも食い散らかして!行儀が悪いんだから!」

    「エヘヘヘ〜!細かい事はいいじゃんいいじゃん!」

    「ほら!残すんじゃないよ!特盛りハンバーグ定食4つだよ!」

    「いっただっきま〜〜〜す!モゴモゴ!んーーーーまい!」

     周りの大人達は今日も、物凄い速さで大量のハンバーグを口に運ぶ店の名物娘を見て笑いながら、酒を飲んでいた。


    カシン
     鎮魂の街ソーンに鐘が鳴り響き、祈りの時間が始まる。
     彼はその鐘を聞きながら晩酌をしていた。

    「んもう、カシン!またこんな所でお祈りをサボっているのですか!早くこっちに来てください!あっ!またお酒ですか!?」

     教会のシスターは、信仰心の薄い彼に頬を膨らませる。

    「堅い事言うなよ。いくら神を崇めても、死ぬ時は死ぬ。俺は生きてる奴を癒す事が仕事だ。最近は帝国も魔物も大人しいだろ?イザって時に力が出るように、休む時は休んでるのがいいんだよ!」

     シスターは彼の言い分に呆れたが、直後に笑みを浮かべた。

    「ちょうどよかったわ!回復魔法を使える人を探して欲しいって妖精さんに頼まれていたんです。力を出す時が来たようですね。」

    「俺の力が必要って事か?そんな訳ないだろ…ハハハ…。まて、本当なのか?どこまで話が進んでるんだ!?おい!」

  • 4さねす - 17/07/30 23:43:24 - ID:gu35k0zdag

    ミーノ
    「はい。痛みなくなりましたか?
     この季節は関節が痛くなりますからね。
     お大事にして下さい。次の方どうぞ〜。

     あれ?妖精さん…ですよね?ごめんなさい。
     私…妖精さんの身体についてはよくわからなくて…。あ、でも。
    一応お聞きする事は出来ますので、本日はどうなさいましたか?

     え…?帝国と戦う為の人を探しているんですか?

     それは…えっとごめんなさい。どういう事でしょうか…。
     傷ついてる人がいるんですか?
     私の力が必要って…え?私が戦うんですか?

     一応医者をしていますが、戦闘に関してはあまり…その…。

     え?大丈夫なんですか?
     ついてくれば分かるって…え、今からですか!?

     ちょっとちょっと…患者さん達が…あれ?
     いつの間にか休診の看板が…ちょっと、妖精さーーーん!」


    ダニー
    「ふんっ!フンッ!フンヌッッ!!!」

     ダニーの朝は早い。空が白み始めるよりも先に起床し、腕立て伏せで即座に身を暖める。
     ――パカンッ!カーンッ!!バッカーーン!!!
     豪快でリズミカルな音とともにダニーは薪を割る。
     腕と腰の鍛錬にとても有効なトレーニングだと耳に挟んでから、毎日欠かさずに斧を振り下ろしている。

    「うるせぇぞこらぁああああ!!毎朝毎朝ぁああああ!!」

     突然、鬼の形相をした男がダニーに怒声をあげる。

    「あぁ、起こしてしまったか?申し訳ない。今日は少し気合を入れすぎてしまったようだ」

     隣に住む本屋の主人は、いつもと態度が違うダニーを不信がる。

    「あぁ?今日はやけに素直じゃねぇか。熱でもあんのか?

    「実はな、別の騎士団に入る事にしたんだ。日が高くなったら次の宿舎へ行く。今まで世話になったな」

    本屋の主人はきょとんとした表情を見せた後、眉間にしわを寄せて頬をポリポリと掻く。

    「そうか。そりゃあよかった!こっちも清々するわ!」

    男は釈然としない様子で家に戻ったが、小走りで直ぐに戻ってきた。

    「ほらよ!選別だ!まぁなんだ……次んとこじゃ静かにしろよ」

     放り投げられた本のタイトルは『漢の身体の作り方』

    「ありがとう!大切にするよ!あんたも元気でな!」

     背を向けたまま手を振る男を見送り、ダニーは身支度を始めた。

  • 5さねす - 17/07/30 23:47:19 - ID:gu35k0zdag

    訂正 ラリサ
    「おう!お疲れラリサ。今日も弁当持ってきてんのか?相変わらず美味そうだな!ちょっとだけ味見させろよ」

     イエルの傭兵団仲間がラリサの弁当に箸を伸ばす。

    「これは私の分だ!そこらへんで買ってくればいいだろ。あっ!コラっ!返せ!」

    「ん〜〜〜!やっぱうめぇな!いい嫁さんになるぞこりゃ!」

     満足そうな顔をしている男を横目に、頬を桃色に染める。

    「私はそういうのはいいのだ…。帝国が迫ってきている。呑気にはしていられないだろう。私達は戦士なんだぞ?」

     男は口の中のものを飲みこむと笑いながら言う。

    「でもよ、傭兵なんだから嫌になったらいつでも辞められるだろ?だったらそう気張らなくても…」

     ラリサは少し思いつめた表情で空を見上げた。

    「私は帝国と戦う勢力に入る事にした。あの頃の王国を取り戻したいんだ。これ、全部やるよ。また会えるといいな」

     弁当を横に置いて深い息を吐くと、ラリサはその場を後にした。


    訂正 モリー
     イエルの郊外で大規模な魔物の討伐依頼に傭兵団は苦闘を強いられていた。
     最前線に立っていたモリーは、仲間を守る為に盾を持つ。

    「絶対にやらせない!これ以上仲間には手を出させないわ!」

     弓隊の態勢が整えるまで耐えるのがモリーの使命だったが、戦況は思わしくなく、仲間はどんどん倒れていく。
     無数の石や魔法が飛んでくる中で、モリーも限界が近くなる。

    「こんなところで終わる訳にはいかない…もうやるしかない!」

     モリーは防御体勢から体を起こし、敵の真ん中に突っ込む。

    「騎士として、やるべきことをやってやるわよぉおおお!!」

     盾で敵を殴りつけながら、敵のど真ん中で暴れ回った。

    「モリー!!盾を上に構えろぉお!!!」

     その声が聴こえると、モリーはニヤっと笑い、盾を空へ向けた
     無数の矢が戦場に刺さり、戦闘は傭兵団の勝利に終わった。

  • 6星3 ワクマー - 17/08/01 12:21:21 - ID:gu35k0zdag

     母の薬を探す旅に出た少女は、ヴィレスの街へ向かっていた。

     時間も遅くなり、魔物の鳴き声が聞こえる獣道を傷だらけの足で歩き続けるが、まだヴィレスは見えない。

     突然、草むらから魔物が飛び出してきて尻もちをつく。
     目を閉じて悲鳴を上げると、大きな物音がした。
     薄目を開けると、大きなクマが少女を見下ろしている。
     怖くて更に大きな悲鳴を上げると、そのまま気絶してしまった。

     目を覚ますと、山小屋だろうか。ベッドに寝かされていた。
     暖炉に火が掛かり、上には鍋から湯気が出ている。

    「目を覚ましたか!?動けるか!?大きな怪我はないよな…とりあえずサーモン鍋食えよ!元気が出るぞ!」

     大きなクマは、少し焦りながら暖かそうな鍋を器によそい、少女に差し出した。

    「あなたが助けてくれたの?お名前は?」

    「ガハハ!なーに、気にすんな!俺はワクマー!クマのガルムだ!」

  • 7シャロ - 17/08/01 13:33:23 - ID:gu35k0zdag

    自警団として任務にあたるようになってから数年。
    これまでに何十人もの盗賊やゴロツキをひっ捕らえてきたが、ついにこの日がくることになるとはな……。

    「檻の中の気分はどうだディスター!今まで散々自由にしてきたのだ。これからは暗い牢獄で余生を過ごすのだな」

    マーニルからシャムールに宝石の物資輸送があるとデマを流し、商人に扮してまでジールに来たのは正解だったようだ。
    そこまで念入りな準備をしたのも、悪名の高い盗賊……今まで何度も取り逃して来た因縁の相手だったからだ。
    だが、それも今日まで。

    この牢馬車をシャムールに送り届ければ、ジールもシャムールも安心して暮らせる。
    平穏な街になるのだ。

    夕日に伸びた一行の影は、細心の注意を払い歩を進める。
    これまで長く戦った相手が、いなくなるというのも感慨深い。

    「くそっ!砂嵐だ!大きいぞ!」

    前方の仲間から声が聞こえたと思うと、目の前に黄砂の渦が見える。
    速度は早く、一瞬で一行を飲み込んだ。

    「馬車を守れ!くれぐれも目を離すな!」

    全く視界のない砂嵐の中、必死に馬車の周りを固める。

    「へへっ!その必要はないんだなぁ!」


    どこからか声がする。
    その声は──。

    「ナーッハッハッハ!残念だったなぁ!シャロちゃん!また会おうぜ!アーーーーーーーバヨッ!!」

    砂嵐が去ると鍵を掛けたはずの牢馬車が、もぬけの殻となり、そこにディスターの姿はなかった。

    「おのれ、ディスター!!!覚えていろぉおお!!」

  • 8フィノ - 17/08/01 16:54:47 - ID:G6PBf0szTA

    帝国が動き出した時期、コルキドの街は武器を取り帝国の為に戦う準備をしていた。
    怖がる私をパパとママは守ってくれていたけど……。

    戦争を起こそうとしている街から逃れる為に、家族3人でコルキドからずっと南のミールっていう街にきて1ヶ月……。
    コルキドの友達や弓の先生、近所の人達……。
    私だけ逃げたって思われてるのかな……。
    でも私は、弓のお稽古を毎日して、絶対帝国から故郷を取り戻すんだ!

    新しい土地は不安でいっぱいだったけど、隣のお家に住んでる年が近いミレイユが色々とお話をしてくれた!
    すごく優しくて、接しやすくて、すぐにお友達になれた!
    ミレイユの幼馴染のクロードとも仲良くなって、3人で一緒に遊ぶようになったの!

    2人が持ってるランプが羨ましいって言ったら、一緒に私の分を作ってくれて、本当に大切な宝物なんだ!
    でも、何よりも嬉しかったのは、平和を取り戻す為に戦うつもりって話を2人にしたら……

    「私も手伝うよ!もう友達でしょ?背中押すだけなんて嫌だよ!」

    ってミレイユが言ってくれた事!!
    本当に本当に、私は幸せだなって思った!

    それからね、今日クロードが突然私に2人で話をしたいって言ってきて、秘密の話だって言うからミレイユに内緒で会ったの。
    何かと思ったら、「ミレイユって僕の事どう思ってると思う?」だって!
    なんで2人共鈍感なんだろ?

    ミレイユもクロードの事想ってるよって言いたくなっちゃったけど、頑張って我慢した!
    早く告白しないかなぁ〜今からドキドキ!
    あの二人がくっ付いたら、私はお邪魔になっちゃうかな〜(笑)

    私よりも幸せそうな人達、発見しちゃった!

    ──【フィノの日記】

  • 9ミミ - 17/08/01 17:07:13 - ID:G6PBf0szTA

    「今度ね、村でお祭りがあってね!今みんなで準備してるところなんだ!力仕事は任せろーってミミも手伝ってるんだよ!おじいちゃんの住んでた街でもお祭りってあった?」

    「ホッホッホ…昔の事はもう忘れたのぉ」

    笑いながら、イゴールのおじいちゃんは、いつもの調子で分厚い本とにらめっこ。

    「もーいっつも忘れちゃうんだから!ミミの話も全然覚えてないでしょ!」

    「ホッホ……ほれ、水と氷のお祭りじゃぞ」

    木の器に入った水は空中で小さい粒になり、水から氷へと姿を変えながら回転していく。

    「うわぁあ!すごいキレイ!これはなんていう魔法なのぉ!?」

    「よいかケモノ娘。過去は大切な物じゃが、今を楽しむ事も素晴らしいものよのぉ」

    回っていた氷は水へ戻りながら、少しずつ器へと帰っていく。

    「難しい事はわかんないけど、おじいちゃんの魔法は世界一だと思うよ!」

    「ホッホッホ……年寄りを喜ばせても何も出んぞ?」




    「そうだ!魔法を見せてくれたお礼に、
    特別なタマゴを取ってくる、待ってて!」

    断崖に住む翼竜の巣へ行こう。
    おじいちゃんもきっと喜んでくれるはず!

    「祭の手伝いはよいのかの?」

    「 “今を楽しむ事も素晴らしいもの”でしょ!」

    隠れ家を飛び出すと、背後でゴロゴロと物が落ちる音がした。
    そういえば入り口にセチの実が吊るしてあったっけ。

  • 10ミレイユ - 17/08/01 17:20:04 - ID:G6PBf0szTA

    フィノっていう子が近くに引っ越してきてから1ヶ月……。
    私の幼馴染のクロードも一緒に時間を過ごすようになって、3人で色々な事を話したわ。

    ミールの街では誰もが持っているランプ。
    外の街から来たフィノは私達が持ってるランプを羨ましがっていた。
    だから私達は3人でフィノのランプを作った。
    とても嬉しそうで、私も嬉しかった。

    でもね…いつからだろう…。
    毎日見てるのに……あの子とクロードの距離が段々近くなってるような気がするの。
    クロードが、私の事を置いていってしまうような気がして仕方がないの...。
    もしかして、クロードはあの子の事が、好き…なのかな?

    私は…どうだろ…?
    私はフィノもクロードも好きだけど、特別そういう感情じゃなくて…でも、いやだよ…クロードをとられたくないよ。

    ずっと3人一緒でって思ってたけど、私はどこかで、クロードを想ってたんだ……。
    私の方が、あの子よりもずっとずっと前から、クロードが好きなんだ。

    なのに……私は何で見てる事しか出来ないの?
    今更、何も言えないよ……。
    どうしよう……。
    クロードを取られちゃうよ……。

    知ってるんだよ?
    今日は私のいない所で何か話してたよね……。
    ねぇ……何で私を置いてけぼりにするの?
    私のクロードを取らないでよ?

    ねぇ、フィノ。

  • 11くーど - 17/08/02 02:58:36 - ID:nnzijGXLRQ

    星3 イゴール

    『おじいちゃんおじいちゃん!見て見て、セチの実がなっててね
    いっぱい取ってきたんだよ!逆さまにして吊るして3回寝たらね
    すっごく甘くなって美味しいから!!ここに掛けていいかな?いいよねいいよね?楽しみだねー!あとねあとね……」

    嵐の様に喋りながら、入り口のドアの上にまだ熟しきっていない果実を木のツルで巻き、大雑把に並べていく。
    そんなもん出入口にぶら下げてよって……普通なら邪魔で仕方ないのじゃが、外に出る用事も数年はない。
    まぁ良しとしよう。

    長い間、間と静寂に包まれていたこの隠れ家に、デタラメな太陽のようなケモノ娘がやってきたのは半年程前だったかの。
    名はミミと言っとったか。
    “マーニル最悪の魔術師”と呼ばれ故郷を離れてから随分と経った。

    わしも丸くなったかのぉホッホ。
    当時試作した新たな術式は、あの忌々しいガリギアの科学者を死に追いやったが、マーニルの民の賞賛はなかった。

    平和?手を取り合う?
    魔法を「便利な道具」にしようとしている連中と、何を解り合えるというのか。

    わしは一人でも構わんよ。
    身体は言う事を聞かなくなってきおったが、最後まで魔術師としての誇りは捨てられないのじゃ。

    「うわぁあ!すごいキレイ!これはなんていう魔法なのぉ!?」


    ほれ、魔法とは利便性のみに非ず。
    人の心を豊かにするものなのじゃ。

  • 12くーど - 17/08/02 03:14:02 - ID:nnzijGXLRQ

    星3 ヴィリエ

    「君みたいな女性に私の魅力に気づいてもらえるなんて光栄さ!盲目でありながらも、私の魅力に気づいてしまうなんて!」

    「音は何でも教えてくれるのよ?あなたの目鼻立ちや“場所”さえも……あなたはとっても純粋で綺麗な音だったわ」

    「私の故郷はアルモニアだからな!音さえも美しいのは当然か!ああぁ!困ったな……これからはこの私の美声さえも慎まねば、世の女性たちが……私は本当に罪な男だ!」

    「フフフ、あなたってとっても面白いのね。
    どうかしら、私の淹れた紅茶は?お口に合うかしら?」

    「あぁすまない、とっても美味しいよ!こんな不思議な香りがする紅茶は飲んだことがない。自宅に招いて休ませてくれた上にお茶まで……
    私の魅力は本当に罪だなぁ!んぁ?突然眠気が……」

    「あらあら……。こんなところで寝ちゃってベットまで運んであげなきゃ…フフ寝顔もとっても可愛いわぁ」

    あら?服の裏地に刺繍があるわね。
    エルフィートって言うの……ふぅん……。

    可愛い名前……フフフ
    起きたところを脅かしたら、どんな反応を……


    “聞かせて” くれるのかしら?

  • 13カイザー - 17/08/02 13:11:50 - ID:gu35k0zdag

    「我輩がアマナちゃんと居た理由だと!?いいともいいとも!話してやろう!」


    ──

    これまで吾輩は傭兵を生業として各地を渡り歩いてきた。
    帝国ってのは金払いが良いって聞いてな、ある任務を請け負ったのだ。
    指示で花の都と言われる、ラキラだったか?その街で好き放題暴れるだけって簡単な任務よ!
    いざ行ってみればどうだ?
    街の至る所に花がある……オシャレな街だったぞ!
    だがな、吾輩の任務は街で暴れる事。
    すでに所々踏み荒らされた所もあり、我輩としてはちょっぴり残念だ……。

    しかぁあああし!!
    これも任務!
    吾輩は心を鬼にして暴れまわったのだ!

    そしてその時、立派な花屋が目に止まったのだ。
    そして花屋の奥から顔を出した麗しの美女……アマナちゃんと運命の出会いを果たした!

    ひと目見た瞬間に吾輩は決めたのだ。
    吾輩の嫁にすると!!
    もちろん即プロポーズ!
    我輩、思い立ったが吉日なのだっ!

    しかし、誰もが予想しない展開になった。
    返答はNOだったのだ。
    『帝国の人は苦手』とやんわり断るのだ。

    ならば!!!

    悪いイメージは即払拭!
    彼女を脅かす存在の帝国兵共を蹴散らした!

    見事、アマナちゃんを救った我輩!
    王子様の如くアマナちゃんを抱きかかえ、追ってくる帝国兵から逃げ果せたのだ!!

    そうして走っている所をお前らに出会ったという訳だ。
    もういいだろう?
    吾輩はアマナちゃんと式を……え?
    何故槍を向けるのだ!?

    怪しい奴?
    吾輩が……か?


    ──ラグーエル兵尋問調書

  • 14ディスター - 17/08/02 13:34:02 - ID:gu35k0zdag


    「へへっ!こいつは上物だ!流石、宝石にはうるさい爺いのコレクションってとこかね!」

    「まてぇええ!盗賊風情が!今日という今日は絶対に逃がさん!」

    追手の自警団はいつも見る顔ばかり。
    この日も、いつもの様に走り去り、今日の獲物をじっくりと眺める筈だった。

    「おや?今日は前方も塞いでくるのか!少しは頭が使えるようになったじゃないかシャロちゃん!」

    進行方向に複数の人影。
    自警団もついに本腰を入れてきたかと構えるディスター。
    だが、少し様子がおかしい。
    前方の新手は、何やら見たこともない魔物を召喚し始めた。

    「こいつぁ…帝国か?」

    足を止めると、追いついた自警団も構える。

    「帝国兵!?あの魔物はなんだ!?」

    兵士の一人が口を挟む。

    「シャムールの自警団シャ口に、盗賊のディスターか……」

    手元のリストを見て、何やら確かめているようだ。

    「構わん、殺せ」

    合図と共に魔物が襲ってくる。

    「おいおい!!マジでそうなっちゃう!?」

    魔物はディスター達に向かって砂埃を立てながら突進してくる。

    「シャロちゃんよ!一回休戦といかねぇか?こいつら、ほっときゃジールもシャムールも危ねぇぞ?」

    シャロは魔物から目を離さない。

    「誰が貴様なんかと!私は汚い手は借りぬ!」

    「へぇ?でもあちらさんの手の内もわからねー魔物と、どうやって戦うつもりだい?」

    「ちっ!仕方ない、あの帝国兵の次は、必ずお前を始末するからな!」

    「おぉうおぉう!素直じゃないねぇ!でも、そんなとこも可愛いねぇ!」

    「茶化すなっ!来るぞ!構えろ!」

    「言われなくてもわかってるってー!お、あいつの指輪……値打ちもんの匂い!あいつは頂くから、シャロちゃんはそこの魔物を頼んだぜぇー!」

    帝国兵の一人の手にある指輪を見逃さなかったディスターは、砂埃の中に姿を消していく。

    「貴様!勝手な事を!くっ!仕方ない!交戦が終わっても絶対に逃げるなよ!」

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