1

藍が消えた。
私の百年ほどの冬眠の最中、彼女の"気配"が消える事はこれまでも多々あった。
それでも、屋敷の手入れやほつれた結界の修理等、自らの役目さえきちんと行っているのであれば、後は橙を甘やかしていようが、男を食べに何処かに出歩いていようが、私が気に留める事は無かった。
…それが、いざ主人が目覚めてみれば、我が式が姿を現さないばかりか、この有り様はなんだ。
屋敷の中は素性分からぬ妖獣の足あとに塗れ、畳には塵がつもり、障子や壁は穴だらけ。
庭を見れば雑草が全てを埋め尽くす。
その光景は、式が職務を放棄したのだと瞬間的に理解出来るようなものだった。
…気が遠くなるような視界の中、荒れに荒れた部屋に似合わぬ、綺麗な柄に包まれた大きな封筒を見つけた。
封の中には、ラベルの貼られていないビデオテープ。
惨状に唯一残されたそれには何が残されているのか。
…私は恐る恐る、映像を再生することにした。

2

「青蛾様、結界の修理が終わりました」
「ご苦労様。芳香の食事は探してくれたかしら?」
「上物が中々見つからず…苦労しましたが、できるだけ上質な肉を手に入れました」
「…ウソつく仔は嫌いよ、口から血鉄の臭いがするわ」
「っ!?」
「…冗談よ。この程度の鎌かけにも素直に引っかかるとは、あなた本当に狐なのかしらねぇ?」
「もっ…申し訳、ございませんっ!!」
「別に上物の人肉を食べるのは構わないし、それを隠そうとしなくていいわ。ただ、芳香の食事より自らの餌を優先するのはいただけないわねぇ」
「で、ではいま直ぐ、別の肉を…」
「待って、その前に貴方にお仕置きをしなきゃ」
「…」
「これは躾けよ。私の命令を満たせぬ駄狐、早く跪いて、私の足を舐めなさい」

3

「はぷっ…ふっ…んちゅっ…」
「ふふっ、なんで顔を赤らめているの?」
「…はぁっ、だって、だってぇっ…」
「ちゃんと言わなきゃ分からないわ。私の眼を見て、はっきり大きな声で言いなさい」
「…美味しいからぁっ…青蛾様の御足、しょっぱくてぇっ、爪と指の間もぉっ、指と指の間もぉっ…美味ひぃっ、美味ひぃよぉっ…♪」
「とんだ駄狐ね、足を舐めさせられて興奮するなんて。手も勝手におまんこ弄っちゃってるし…本当はこうされたくて、わざと命令を破ったのでしょう?」
「んぷっ♪くっ♪くるひっ♪しぇいがしゃま、舌のおくにゆびひっ、いりぇないれぇっ、くっ、くるひいれすぅっ♪」
「苦しいのが好きなんでしょう?知ってるわ。ほら、イきなさい。足指イマラチオでオナニーしながら、無様にイキ狂いなさい…♪」
「ひっ…イぐっ♪…せいがひゃまのきれいな指でくちのなかおかひゃれてっ♪イくイぐぅ…あくっ…あぁぁあああああっ♪」

4

「ふぁぁぁ…よしかちゃんのおちんぽきもちいいよぉ…♪」
「橙のおまんこもきゅうきゅうして、私専用になっちゃったなー♪とろとろお顔も可愛いぞー♪」
「ありがとぉ…♪ん、よしかちゃんのおちんぽ、イきそうだね♪…いつでも、死体のどろねばザーメン子宮にぶち込んでいいよ…♪
「藍、橙がまたすっかり雌の顔になってるわ。でもそろそろ見飽きた。"リセット"して頂戴」
「仰せのままに」
「ふわぁっ♪私もイっちゃうっ、よしかちゃんと一緒にぃっっ♪………え?」
「んー、どうしたー?」
「…いたっ、いだいっ!痛いよぉぉっ!!」
「痛いのか?大丈夫かー?」
「やだっ、やだぁっ!!あなただれっ、それ、抜いてよぉぉっ!いたいいたい、いだいぃぃぃっ!!」
「えーやだな♪だって橙のぷりぷりおまんこ、ぎゅーぎゅーちんぽ食べてくれてるから♪」
「やめっ、やめてってばぁ!」

5

「どうもこんばんわぁ♪橙ちゃん、芳香のレイプ止めて欲しい?」
「いだいっ、たすけて、たすっ、たすけてっっ!藍様、らんさまぁ!!」
「こらこら橙、ちゃんと青蛾様のお言葉を聞かないと駄目だろう?」
「今、貴方がレイプされている状況をカメラで収めてるわ。この映像は貴方の主人の元主人に送りつけてあげる…目の前の藍は貴方を助けてはくれないわ。だから早く助けてもらえるように、必死に必死に泣き叫びながら、八雲紫に助けを求めなさい」
「ゆかりさま、たすけて!たすけてぇっ!痛いのやだ、痛いのやだよぉっ!!」
「この映像を見ている頃には、また雌に仕上がっちゃってるかもしれないわね…ま、そしたらまた"リセット"してあげましょう。何度でも処女膜と心を破られるおもちゃの黒猫…芳香にぴったりの玩具が出来て、本当に良かったわ♪」
「おぉっ♪叫ぶのと一緒におまんこ締まってくる…なか出し、しちゃうぞぉっ♪あっ♪でるでるでるぅっ♪♪」
「ゆかりさま、ゆかりさまぁぁぁぁっ!!!」

6

「…という訳で、藍には私のペットとしてあらゆる手伝いをしてもらっております。何度も何度も多めの鞭と少なめの飴で躾けして、ようやく使い物になるようになってきましたわ」
「橙は芳香のおもちゃとして共に暮らさせ、芳香の気の赴くままに犯され、飽きたらまた式神をリセットして…何度も雌に仕立てあげ、何度もおぼこに戻して楽しませています」
「貴方が冬眠してから、博麗の巫女が"なぜか"姿を消してしまいまして…仕方が無いので、残された藍から結界の修復方法を聞いて、二人がかりで何とか幻想郷を保っているのですわ」
「貴方の結界も修復を繰り返したせいでだいぶ老朽化しているようでして、ま、私も数十年費やして新たな結界技術を作り上げておきましたのでそこはご安心下さい♪」
「兎にも角にも、幻想郷の結界を、博麗の神社を、元貴方の式神をどうするかきちんと話しあわなければならないことはわかって戴けたでしょう?」
「ささ、大妖怪八雲紫、早く私の元へいらっしゃい。」
「…時は金なり、貴方の持つ全てが着々と壊れ始めているわよぉ♪」

7

映像の終わりを告げる白黒の砂嵐に背を向け、ふらつく足取りで何とか外へ向かい、朦朧とした頭で空を飛ぶ。
…スキマを使わなかったのは、無意識に、橙の喘ぎを聞くことを、藍の有り様を見ることを、あの仙人に出会うことを遅らせたかったからかもしれない。
はらわたの中で煮えたぎる感情と股に残る湿りを誤魔化すように、私は彼女の元へと向かった。

続かない
※式神は式書き換えると記憶とかも弄れるよという俺脳内設定前提

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