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否定論・陰謀論を信じる理由, 世論調査

利害関係があると不正行為を倫理的に非難しない


Notheastern Universityの心理学者David DeSten教授は、「自分と利害関係を共有する人物が不正行為で利益を得ると、自分もそこから利益が得られるので、その不正行為を倫理的に非難しない」傾向があることを見出したそれが、たかだか、「自分の応援するチームのメンバーである」という関係と、得られる利益が「そのチームの勝利した」という満足感程度だとしても。

2015年のNotheastern Universityのニュースリリースによれば...
心理学のDavid DeSten教授は、信頼・思いやり・不誠実・偏見について研究し、感情がどのように大義を選好して、行動を最適化するのか研究している。さらに、「人間の性格が意識外の力によって大きく影響を受けていて、我々が考えているより、はるかに変化している」ことを、彼の研究は継続的に示してきた。

そこで、New England PatriotsのクォーターバックTom BradyがNFLから懲戒処分を受け、シーズンの1/4を出場停止となったとき、Patriotsのファンの多くが『Bradyは無実であり、彼が真実を語っている』と信じた。その理由をライターAlisha Karkeraが、DeSten教授に問うた。

Alisha Karkera: 2月につい最近のスーパーボウルでの"Deflategate"に関する論争が巻き起こった。多くのPatriotsファンは、Deflategateに関与したことを理由にTom Bradyが4試合出場停止になったことに怒り続けている。ファン以外の人々が既にTome Bradyの非を非難しているのに、熱狂的なPatriotsファンはなぜTom Bradyの無実を信じられるのか?

David DeSten: 初めに言っておかなければならないが、私は証拠をすべてレビューしたわけではないので、Bradyが有罪か無罪かについて、どちらの立場の取らない。ある人物の行動が倫理的に正しいか否かについての我々の感覚は、客観的事実にのみ基づているわけではない。そこのことは確立された事実である。問題の対象となっている人物と我々の関係にも依存している。問題の人物が、我々は自分と利害関係があったり、友人やチームメンバーであったりすると、意識下で我々は倫理的寛容さを広げる。その理由は、たかだか応援しているチームのメンバーだというだけであっても、自分と利害を共有している人物が、不正行為で利益を得れば、自分も間接的に利益を得ることになるからだ。不正手段で得た利益から、我々はリソースを得られるからだ。たとえ、それが自尊心の感覚であったとしても。


あなたは何が我々もに他人を信頼させるのかを研究している。さらに、何が我々自身を信頼させうるのか、すなわち客観性について研究している。それは、どう機能するのか?

例を挙げよう。我々は我々の研究室で、被験者に二つのタスクから一つを選ばせる実験を行った。一つは簡単で短時間の、もう一つは面倒で時間のかかるタスクだ。我々は被験者に、どちらのアスクを実行するか決めるためのコイントス用のコインを与え、「もう一つのタスクは、次に部屋に入る人物が実行することになる」と告げた。そして、被験者を残して我々は部屋を出た(実際は隠しカメラで、被験者の行動を観察している)。「『コイントスせずに、簡単短時間なタスクを意味する"表"が出た』と言うのは悪いことだ」と誰もが言うが、実際には90%の被験者は、誰も見ていないと思えば、そうする。実験後に被験者に、自分がどれだけフェアに行動したか嘔吐、フェアに行動したと回答する。ところが、他人が同じことをするのを見れば、その人物を糾弾する。これが最も興味深い点だ。他人が不正行為をするのを見せる前に、被験者にこの人物が被験者と同様の行動をすると告げておくと、被験者たちはその人物に対する寛容性を広げる。もしその人物が「自分のチーム」の一員であれば、被験者たちは倫理的に行動を糾弾しない。そうでないなら、被験者たちはその人物を糾弾する。


私は、あなたの信頼についての研究、特に互いに信頼することを学ぶ方法に関心がある。我々が他人や権威者を見て、信頼できるとみなす理由は何か? これらの要素は、ある程度、すべての人間が供給しているのか? 特に初対面の後で、その人物の性格を判定するときに見ている、行動上の手がかりや環境的な反応はあるのか?

多くの場合、我々は他人の評判に依存している。しかし、前述の実験(や類似した実験)では、評判は大きな保証にはなっていない。正当な理由があると自分を納得させることができるなら、評判を落とさず済むと考えて、不正行為を行う。我々の研究は「不完全ではあるが、人々の非言語的行動に基づいて、信頼性を検出できる」ことを示している。そのトリックは、「合図やジェスチャーについての多くの情報を、心が計算的に処理することで、直感を信頼すること」である。しかし、自分のバイアスについて注意する必要がある。直感は、見知らぬ人物の信頼性を検出する有益な手がかりになるが、前述のような例では、自分のニーズのために、確実にバイアスをかける。そして、自分が好む人々、利害関係を共有しているか、共有したい人々への信頼を拡大する。 [ "Why does Patriots Nation trust Tom Brady when no one else does?" (2015/05) on Northeastern University ]
類似したDeSteno教授の実験では、その場で渡したリストバンドの色だけで、「我々」と「彼ら」に対する倫理判断を狂わせている。
DeSteno and his former student Piercarlo Valdesolo conducted studies that showed that even strangers placed into groups quickly start favoring the people in their group, as they would favor themselves, even if that group was created randomly, and only minutes earlier. Morality, as it turns out, can change by the second, and for no good reason. It’s not even a conscious decision, DeSteno said. It’s an innate survival reaction.

DeStenoと元門下生のPiercarlo Valdesoloは、「初対面の人々がグループ分けされると、たとえ、そのグループ分けがランダムなものであっても、ほんの数分前にグループ分けされても、自分自身と同様に、同じグループの人々をすぐに選好し始める」ことを示す研究を行った。その研究で、倫理性が正当な理由なく瞬時に変化することが示された。それは意識上の判断ですらない。DeStenoによれば、それは自然な生存反応である。

It even showed up in the coin-flip experiment. Before it started, the initial group had been divided using different color wristbands, effectively separating participants into teams, and then some were told to watch on a hidden camera as the coin flippers cheated. When the observers saw people cheat, they considered it unfair and wrong — unless they saw that the cheater was wearing the same color wristband as they were. In those cases, they were much more likely to excuse the behavior.

それはコイントス実験にも見られた。実験開始前に、最初のグループは異なる色のリストバンドのグループに分割され、被験者はチームにw還られた。そして、一部の被験者たちは、隠しカメラでコイントスの不正行為を観察するよう指示された。被験者たちが不正行為を見ると、アンフェアで不正だと考えたが、それは不正行為者が異なる色のリストバンドをしている場合であった。色が異なる場合、より糾弾する可能性が高かった。

“What’s interesting to me is that smart people can see the same events, but can have such different views of an act that’s otherwise objective, like videotaping another team when it’s illegal,” DeSteno said. “Some people could see that and say it’s terrible. Others could say it’s not cheating because everyone’s doing it. Both groups of people would believe what their mind is telling them to believe.”The closer you feel affiliated with a group, DeSteno said, the more moral leniency you are willing to allow.

「私にとって興味深いのは、賢明な人々が同じ事象を見て、相手チームが不正行為をした場合に録画するといった、客観的ではない異なる見方をすることだ。ある被験者は不正行為を見て『ひどいことだ』と言う。別の被験者は『誰もがやっているので不正行為ではない』と言う。とぢらのグループの被験者も、自分の頃尾が信じるべきだということを信じている。そのグループと利害関係を感じるほど、倫理的寛容性を広くしたくなる。」

[ JULIET MACUR: "Why Do Fans Excuse the Patriots’ Cheating Past?" (2017/02/05) on NY Times ]
人間には「我々」と「彼ら」では、倫理の規準が異なってしまう傾向があるようだ。それは党派性とでも呼ぶべきもの。




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