クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

日本……いや、世界中が驚愕したあの出来事。人気歌手「マヤ」が殺人を自白し、逮捕されたという報道だ。
それを機に彼女が出演予定のイベントはもちろん、これまで出してきた歌のアルバムも全て回収された。
当然のようにインターネットでは彼女に関する品々がプレミア価格付きで販売され、しかしほぼ完売の状態だという。

私のほうは、懸念こそしていたがやはり異動命令が来た。その理由は単純なもので「類を見ない世界的歌手を逮捕したから」とのことだ。
階級も変わらず警部のままで、その異動先はどうやら汚職にまみれた場所らしい。……慣れるまでに苦労しそうだ。

荷物をまとめ、車を走らせる。
慣れ親しんだこの地を去るのは心苦しいが、またいつか戻ってくることもあるだろう。そう遠くないうちに、必ず。
……ふと思い出して、スマートフォンに入れていた「マヤ」の歌を再生する。配信が停止する前にダウンロードしていたものだ。
懐かしさすら感じるこの歌を聴きながら、私はこの町に住む友人たち。そして、“孤独の歌姫”に思いを馳せる。

「またいつか、君たちの歌を聴きたいものだ」
新たな決意を胸に秘め、私はこの長い道を進んだ。
いつかまた出会える、その日まで……。

皆様、本当にお疲れ様でした。
終始みなさんに助けられておりました。改めて、ありがとうございます。

幾度もダイスの祝福を受けながら、しかし全員無事に生還できたことは何より喜ばしく思います。
各々が自らの探索者の背景や感情をしっかり決めており、それらをロールプレイに何気なく反映できている様子は、まさにあの世界で“生きている”んだなぁ……と感動しました。
是非ともまた皆さんとは一緒にロールプレイをしたいものです。成長が激しい“あの探偵事務所”でお会いできたなら、なお嬉しいですね。

最後に、久し振りにこのようなKPとPLが物語を生み出していくセッションに巡りあえてよかったです。
今後シナリオがどのような成長を遂げるのか、楽しみにしております。
それでは、またどこかでお会いしましょう。本当に、ありがとうございました！

あの一件で、私は、自分が歌を好きだった理由、歌う理由について考え直していた。
私は、歌が好きだった。
作曲した人の気持ち、作詞した人の気持ち、それを歌った人の気持ちに触れられるようで。
そして、自分がその気持ちを感じながら、自分としての気持ちを乗せて、演奏をする人と一緒になって。
その先に、聞いてくれる誰かがいて、一緒になって感情を揺らす。
それが歌だと思ってる。考え直しても、それが変わることはなかった。
聞く人のいない歌。私には、それが、とても寂しくて悲しくて。
それに意味がないとは思わない。誰かに聞いてほしいと思わなくても、何かを音にしたい、何かを吐き出したいという事はきっとある。
でも、それは歌を歌い続ける理由とは、私には思えなかった。
だから、あの人の歌は、私には、ただ、寂しくて、悲しかった。
・・・・・あの人に、そうでない歌を、届けたかった。
最後まであの人の『唄』は、私には、理解できなかった。

だから私には、樫燠さんに渡された、彼女が最後にくれた、その唄を歌うことが出来なかったのだと思う。


「たったひとーつのー・・・うん？違うなぁ。たあったひとぉ〜つの〜」
「霧島さん、私と凛さんの大事な時間を邪魔しないでもらえないかな」
そういう所長の首には首輪がついている。その傍らにたたずむ凛さんの顔には眼鏡が光る。
「あ、ごめんなさい、ちょっと暇になるとついあの歌の事を考えちゃって。」
「いくら暇って言っても、一応君、バイト中だからね」
「はい！すいません！」
（あれ？でも仕事中にいちゃい・・・所長権限って奴だよねこれ！）
そう言って、そう思いかけ、再開される所長と凛さんの声を横に聞きながら結局書類仕事に戻る。
明らかに所長がやった方が早い、不慣れなパソコン操作をしながら。
もう元の場所へ帰って行ってしまった東郷さんの言葉を思い出す。
『彼女はアレで救われていたんだ。』
『彼女はアレで幸せなんだって。』
あの日、あの時、私はそれを受け入れてしまった。
でも、この歌を歌い続けるうちに思ったんだ。
ひとりぼっちになって、彼女がそれで歌い続けられるなら。それで彼女がすべて満足したのであれば。思い残すことなど何もないのであれば。
きっと、この楽譜は、私の手元には届かなかった。樫燠さんに、この楽譜を託したりなんてしなかった。
もし会えたら、東郷さんにそう話してみようと思った。


だから・・・・まだ、もしかしたら、届くのかもしれないのであれば。私は届けたい。
いつか、暗い場所から、明るい場所に出てきて、それでもひとりぼっちであろうとするだろう彼女に。

貴方の創った歌は、ひとりぼっちじゃなくても歌えるのだと。
『かけがえのないものの為に果たしたい約束』
彼女が誰に対してその約束をしたのか・・・・今は想像するしかできないけれど。
一つだけはっきりしてる。
相手がいなければ、それはただの決意。
「約束って、相手がいなければ出来ないんだよ。」

そう呟きながら、物思いにふけりながらなれないパソコンを使っていたせいで、私は盛大に書類の操作を間違えた。
「あっ」
「え？霧島さん？今の『あっ』て何？ちょっと？」

やっぱりNPCがどう動くかわからないから彼女は出演させられなかったよ！わはは。
同卓のPLの皆さま、そしてKP。楽しい時間をありがとうございました。
その感謝も込めて、後日談で皆さま勢ぞろいしたかったけど文才が足りなかったよ！結局独白みたいになっちゃったよ！
こんなですが、またどこかで同卓する時は、また楽しい時間となるよう、精一杯頑張ります。
では！

「探偵稼業の出発を祝って
天才探偵の僕からプレゼントだ。」

……と、プレゼントされたドリンクバーを眺めながら、此処にもう居ない師匠のことを思い出す。
師匠の知性的な眼鏡の奥に見えた、天才という孤独を。。。
僕では何も出来なかった。

天才は孤独だ。

ついこの間、相談に来た歌手を見て僕は改めてそう思った。
彼女の掛けていたサングラスを見て、彼女が顔だけでなく心すら隠していると感じた。そして、依頼を聞いて……僕には彼女を救えないのだろうな、と諦めを思った。

それでも、
僕の助手は諦めなかった。

僕はそんな助手を誇りに思う。
かつて、誰かの力になりたかったのに、挫折と諦めを思い付く僕が。ヒーローに成りたかった僕の夢を思い出させてくれたから。

「……結婚眼鏡。
いや、彼女は眼鏡より手錠を
欲しがりそうだ。」

そんな僕でも、誰かの特別になりたいと思えたことがある。あるものに魅了され、自分の意思を偽られた女性。歪んでいたけれども、僕はそれを愛と思えた。
羨ましく……同時に悲しくも思えた。その愛が偽物に塗り替えられていることに。だから、一目見た時に思った。

――僕は彼女の眼鏡になりたいと
彼女の意思（目）を保護し、
彼女の意識（視界）を正せる
そんな眼鏡になりたいと。

同時に……願えるのなら、
僕を縛って欲しい。孤独の境界に落ちてしまわぬように、この暖かな人の溢れる世界に縛り付けてほしい。

酷いプロポーズだと思う。
イギリスの文通友人には「次に女性を口説くときは、私の時にみたいに相手に眼鏡を掛せない方がいいわよ」と注意されている。

それでも僕は、と言い続ける。
挫折と偽物だらけの僕のもつ
たった一つの想いなのだから。


「まだ間に合うかな、東郷。
「僕」は……「俺」は、
誰かを救う探偵で
あり続けられるだろうか……？」

そんなことを、僕は同級生の彼に呟いてみる
天才から見れば非論理的で
善人から見れば偽善に満ちた人生

そんな中で青年はこの事件を通して、子供の頃の夢を思いだし、
もう一度、「夢」という眼鏡をかけ直して、世界を見る。
ドリンクバーの珈琲は、昨日よりも美味しいと思えた気がした。

セッションお疲れ様でした。楽しい時間をありがとうございました。
途中、地蔵になってしまい、すみません。推理ものとはいえ……意見が思い付かず、ロールプレイがではご迷惑おかけしました。
とはいえ、PCやＮＰＣと関わるなかで自分のキャラが持つ感情が変わっていくのを楽しませていただき、一層自身のキャラを愛することができました。

最後に……ＫＰとPLが絡み合うとき物語は加速する……そんな楽しい時間に参加させていただき、ありがとうございました。今後の皆様の成長を楽しみにしています。
また、卓をご一緒する機会がありましたら、その時はよろしくお願いいたします。
改めて、ありかとうございました。

PS：眼鏡愛はＰＣの趣味です。
特にPLの私は……眼鏡loveではないので悪しからず。