最終更新:ID:QB0hA2iodQ 2016年05月01日(日) 19:08:49履歴
PCより
PLより
あの冒涜的な夢は終わりを告げ、陽花はいとこの家にて、精神的治療のため数カ月の間お世話になることになった。
その数カ月の間、彼女は刀を握り締め、あの一日を思い出しては恐怖していた。
しかし自分を心配し、わざわざ足を運ぶ幼馴染や知り合いの病院の先生、同じく居候している人も
お見舞いに来てくれたおかげか、はたまたいとこの健心的な看病のおかげか陽花の狂気は数カ月程度でなりを
潜めた。・・・こんなことになっているにも関わらず全くお見舞いにもこない兄にはがっかりしたが。
無事に精神は安定し、心配性な、いとこにお礼の手紙を置いて、彼女はいとこに見つからぬようにそっと家を
出て、居候している家へと戻り、旅支度を済ませ、その日のうちに旅を再開する。
数日が過ぎ、とある山の開けた場所にて陽花は空を仰ぎ見ていた。
そこには美しい星空が広がりあたりには不要な物は存在していなかった。
陽花はその風景を眺め、そして思い出す。あの夜の事を。
「――綺麗だな」と小さく呟く。
その時にわずかに手が震えていることが分かる、そんな光景はとても懐かしくも思えるが
彼女にとっては悪夢の一つでもあったからだ。
そうやって彼女が震えていると、小さな光るものが彼女の肩に乗る。
「?・・・蛍か・・・」
そうやって確認すると蛍は何処かへと飛び去って行く。
それと同時に朝日がゆっくりと顔を見せ始める。
辺りには日の光があたり、陽花はゆっくりと立つ。
手には受け継がれた物を持ち、彼女はあの日の朝日を思い出す。
その手はもう震えてなどいなかった――
その数カ月の間、彼女は刀を握り締め、あの一日を思い出しては恐怖していた。
しかし自分を心配し、わざわざ足を運ぶ幼馴染や知り合いの病院の先生、同じく居候している人も
お見舞いに来てくれたおかげか、はたまたいとこの健心的な看病のおかげか陽花の狂気は数カ月程度でなりを
潜めた。
無事に精神は安定し、心配性な、いとこにお礼の手紙を置いて、彼女はいとこに見つからぬようにそっと家を
出て、居候している家へと戻り、旅支度を済ませ、その日のうちに旅を再開する。
数日が過ぎ、とある山の開けた場所にて陽花は空を仰ぎ見ていた。
そこには美しい星空が広がりあたりには不要な物は存在していなかった。
陽花はその風景を眺め、そして思い出す。あの夜の事を。
「――綺麗だな」と小さく呟く。
その時にわずかに手が震えていることが分かる、そんな光景はとても懐かしくも思えるが
彼女にとっては悪夢の一つでもあったからだ。
そうやって彼女が震えていると、小さな光るものが彼女の肩に乗る。
「?・・・蛍か・・・」
そうやって確認すると蛍は何処かへと飛び去って行く。
それと同時に朝日がゆっくりと顔を見せ始める。
辺りには日の光があたり、陽花はゆっくりと立つ。
手には受け継がれた物を持ち、彼女はあの日の朝日を思い出す。
その手はもう震えてなどいなかった――
PCより
PLより
柘榴石に纏わる出来事から、何ヶ月が経っただろうか。
せつなは従妹の鳩を迎えいれながら、あの時も彼女からこうやって頼りを受け取ったなと思い出していた。
寝室のベッドの上で陽花からの手紙を開く。
ポッポ君は窓辺にちょこんと佇み、私の方を見つめている。
私が返信を書くのを待っているのだろう。
彼女からの手紙の内容は、いつも通り元気にやっている…といったもののようだ。
一時期、精神的に弱っていた彼女だけれど持ち前の強さで克服したようだ。
従妹は、立ち直れたようだ。
…でも、私はまだ立ち直れていないのだと思う。
仰向けにベッドに転がれば、真っ白な天井が目に映る。
この家には、私しかいない。
そう、私だけ。
私は、従妹に依存してしまっていたのかもしれない。
あやめとの別れから、どうしても家族と離れるというのが恐ろしくなってきたのだ。
もう離れてしまったら、二度と会えないような気がしてならなくなったのだ。
だから、従妹の治療という建前で彼女を家に迎え入れて…私は依存していたのかもしれない。
一人じゃない、と。
それを察してなのか、それとも彼女のポジティブな心のためかはわからないけれど、従妹は家を出て行った。
また、一人になった…。
気づけば、すでに夜中になっていた。
眠ってしまっていたようだ。
窓のそばをみれば、ポッポ君が体をまるめて寝ている。
彼には悪いことしたかな…。
ふと、外を見れば、雲ひとつない晴天だった。
南の空を見れば、ひとつだけぽつんと明るい星が見える。
――そういえば、もうそんな季節になっていたんだね
せつなはひとり、その星に祈りを捧げる。
どうか、家族が無事に生きていけるように、と。
せつなは従妹の鳩を迎えいれながら、あの時も彼女からこうやって頼りを受け取ったなと思い出していた。
寝室のベッドの上で陽花からの手紙を開く。
ポッポ君は窓辺にちょこんと佇み、私の方を見つめている。
私が返信を書くのを待っているのだろう。
彼女からの手紙の内容は、いつも通り元気にやっている…といったもののようだ。
一時期、精神的に弱っていた彼女だけれど持ち前の強さで克服したようだ。
従妹は、立ち直れたようだ。
…でも、私はまだ立ち直れていないのだと思う。
仰向けにベッドに転がれば、真っ白な天井が目に映る。
この家には、私しかいない。
そう、私だけ。
私は、従妹に依存してしまっていたのかもしれない。
あやめとの別れから、どうしても家族と離れるというのが恐ろしくなってきたのだ。
もう離れてしまったら、二度と会えないような気がしてならなくなったのだ。
だから、従妹の治療という建前で彼女を家に迎え入れて…私は依存していたのかもしれない。
一人じゃない、と。
それを察してなのか、それとも彼女のポジティブな心のためかはわからないけれど、従妹は家を出て行った。
また、一人になった…。
気づけば、すでに夜中になっていた。
眠ってしまっていたようだ。
窓のそばをみれば、ポッポ君が体をまるめて寝ている。
彼には悪いことしたかな…。
ふと、外を見れば、雲ひとつない晴天だった。
南の空を見れば、ひとつだけぽつんと明るい星が見える。
――そういえば、もうそんな季節になっていたんだね
せつなはひとり、その星に祈りを捧げる。
どうか、家族が無事に生きていけるように、と。
陽花ちゃんへ。
お手紙を拝見しましたが、元気に過ごしているようでなによりです。
元気過ぎる…と思ってしまうような内容でしたが、それはいつものことなので特に言うことはありません。
けれど、無茶なことだけはしないようにお願いします。
さて、もうすぐ蛍が飛ぶ季節となってきましたけど、こちらへ戻ってくるご予定はありますか?
そろそろあやめちゃんに会いに行こうと思っているのですけど、あの山は私ひとりで登るには少し危ない気もします。
ですので時間の都合がつくようでしたら、陽花ちゃんと一緒に行きたいなぁと考えているところです。
まだ暑さの残る日々が続きますが、体調の変化に気をつけてくださいね。
P.S
私、これから熊本へ旅に行こうと思っています。
ちょっと火の神様の伝承を調べたいので、ポッポ君には持久力のつくものを食べさせてあげてくださいね?
岡山へ行く際には、一言連絡をくれると助かります。
冬原 せつな
お手紙を拝見しましたが、元気に過ごしているようでなによりです。
元気過ぎる…と思ってしまうような内容でしたが、それはいつものことなので特に言うことはありません。
けれど、無茶なことだけはしないようにお願いします。
さて、もうすぐ蛍が飛ぶ季節となってきましたけど、こちらへ戻ってくるご予定はありますか?
そろそろあやめちゃんに会いに行こうと思っているのですけど、あの山は私ひとりで登るには少し危ない気もします。
ですので時間の都合がつくようでしたら、陽花ちゃんと一緒に行きたいなぁと考えているところです。
まだ暑さの残る日々が続きますが、体調の変化に気をつけてくださいね。
P.S
私、これから熊本へ旅に行こうと思っています。
ちょっと火の神様の伝承を調べたいので、ポッポ君には持久力のつくものを食べさせてあげてくださいね?
岡山へ行く際には、一言連絡をくれると助かります。
冬原 せつな
三日間おつかれさまでしたー!
みんなで無事に生還できてよかったですね。
あやめちゃんを連れ帰れませんでしたけど…。
今回はあれですね、あやめちゃんに感情移入しすぎちゃって、熱くなりすぎちゃったところがあってごめんなさい。
探索者というより、あやめちゃんの保護者になってしまってましたね(しかもモンスターな感じの
うぅ…あやめちゃん…。
あんまりにもあやめちゃんが好きになりすぎちゃって、神明鏡と神羅をポチッちゃいました(´・ω・`)
届いたら、神明鏡の中身みながら、当分は神羅を聞いて過ごす日々になるかもですね。
ちなみにこの後、せつながどうなるかは…ちょっと怖いですね。
神官への道を目指すのか、わからないですけど、発狂しないといいなぁ。
さて、今回はここらへんで終わりにしておきましょう。
卓の準備をしていただいたKPのうるし様、共に生き延びたPLのakumu様、クロ様、ashiro様、三日間、ありがとうございました!
またどこかの卓で出会いましたらよろしくお願いしますです。
みんなで無事に生還できてよかったですね。
あやめちゃんを連れ帰れませんでしたけど…。
今回はあれですね、あやめちゃんに感情移入しすぎちゃって、熱くなりすぎちゃったところがあってごめんなさい。
探索者というより、あやめちゃんの保護者になってしまってましたね(しかもモンスターな感じの
うぅ…あやめちゃん…。
あんまりにもあやめちゃんが好きになりすぎちゃって、神明鏡と神羅をポチッちゃいました(´・ω・`)
届いたら、神明鏡の中身みながら、当分は神羅を聞いて過ごす日々になるかもですね。
ちなみにこの後、せつながどうなるかは…ちょっと怖いですね。
神官への道を目指すのか、わからないですけど、発狂しないといいなぁ。
さて、今回はここらへんで終わりにしておきましょう。
卓の準備をしていただいたKPのうるし様、共に生き延びたPLのakumu様、クロ様、ashiro様、三日間、ありがとうございました!
またどこかの卓で出会いましたらよろしくお願いしますです。
PCより
柘榴石に纏わる出来事から数か月、俺は自身の作品にあまり手を付けることができなかった。
今までは仕事熱心で、どんな時でも自身の作品のアイデアを浮かべられると思っていた。
そのために必要以上に無理をして、異常なまでに強がって、元気でいるように振りまいて、
昔の自分とは違う、俺はすでに偉大なのだと思っていた。
しかし、今回の出来事は俺からしてみれば人生の価値観を変えてしまうほどに
あまりにも大きく、そして今こうして生還できているのが奇跡だと思わざるを得ないものだった。
昔から何も変わっていない、ただの弱いガキなのだと思い知らされた。
作品に手を付けられない間、俺は柘榴石に纏わる出来事に関わった友人たちと交流を深めていた。
だが柘榴石に纏わる出来事から数か月が経った時に俺にある一報が届いた。
それは彼らが新しい道を選択し旅立っていたということである。彼らは彼らなりのけじめをつけ、
未来に歩みだしたのである。一抹の悲壮感を感じたが、そんなものは彼らがあの出来事に
くじけずに前に進みだした安ど感に比べれば大したことではない。俺も、彼らに
負けないようにと新しい道を選択し、歩むことにした。
それは今回の出来事を、自身の作品として出版することである。
だがそれは今回の出来事の真実を包み隠さず世間に公表するこ
とではない。そんなことはジャーナリストやパパラッチの仕事
である。俺は「俺の心」という世界を小説という形でこの世に
体現させるだけである。
これじゃ俺・・・、あの狐野郎と一緒だな・・・
と自虐する。あの狐も、それに願った彼女も、己の願望のために
行動し、あのようなことを起こしてしまったのだ。その行動に対し
俺が善悪をつける資格は無い。あくまで、俺はクー・フーリンのような
「英雄」ではなく「小説家」という名の伝道者でしかないのだから・・・。
後日俺は「火水の姫神」という小説を出版した。ついでに友人であるせつなちゃんに
2冊、羽月ちゃんにその小説を1冊プレゼントした。俺の1番の自信作にして、
芥田川賞の入賞候補作品だ。きっと喜んで受け取ってくれるはずだろう。
本当は直接渡したい友人もいたのだが、その人はせつなちゃんくらいにしか
連絡を取りあうことができないため、彼女に一任することにした。
彼女ならきっといつかこの言葉とともに伝えてくれるだろうと信じて・・・。
「火水の姫神」のあとがきにはこんな記述が残されている。
俺たちはどんなに離れてても一心同体だ!
俺はお前たちのことを絶対に忘れない!
だからお前たちも絶対に忘れるんじゃねえぞ!
それは強がる俺なりの、精一杯の言葉だった。
PLより
柘榴石に纏わる出来事から数か月、俺は自身の作品にあまり手を付けることができなかった。
今までは仕事熱心で、どんな時でも自身の作品のアイデアを浮かべられると思っていた。
そのために必要以上に無理をして、異常なまでに強がって、元気でいるように振りまいて、
昔の自分とは違う、俺はすでに偉大なのだと思っていた。
しかし、今回の出来事は俺からしてみれば人生の価値観を変えてしまうほどに
あまりにも大きく、そして今こうして生還できているのが奇跡だと思わざるを得ないものだった。
昔から何も変わっていない、ただの弱いガキなのだと思い知らされた。
作品に手を付けられない間、俺は柘榴石に纏わる出来事に関わった友人たちと交流を深めていた。
だが柘榴石に纏わる出来事から数か月が経った時に俺にある一報が届いた。
それは彼らが新しい道を選択し旅立っていたということである。彼らは彼らなりのけじめをつけ、
未来に歩みだしたのである。一抹の悲壮感を感じたが、そんなものは彼らがあの出来事に
くじけずに前に進みだした安ど感に比べれば大したことではない。俺も、彼らに
負けないようにと新しい道を選択し、歩むことにした。
それは今回の出来事を、自身の作品として出版することである。
だがそれは今回の出来事の真実を包み隠さず世間に公表するこ
とではない。そんなことはジャーナリストやパパラッチの仕事
である。俺は「俺の心」という世界を小説という形でこの世に
体現させるだけである。
これじゃ俺・・・、あの狐野郎と一緒だな・・・
と自虐する。あの狐も、それに願った彼女も、己の願望のために
行動し、あのようなことを起こしてしまったのだ。その行動に対し
俺が善悪をつける資格は無い。あくまで、俺はクー・フーリンのような
「英雄」ではなく「小説家」という名の伝道者でしかないのだから・・・。
後日俺は「火水の姫神」という小説を出版した。ついでに友人であるせつなちゃんに
2冊、羽月ちゃんにその小説を1冊プレゼントした。俺の1番の自信作にして、
芥田川賞の入賞候補作品だ。きっと喜んで受け取ってくれるはずだろう。
本当は直接渡したい友人もいたのだが、その人はせつなちゃんくらいにしか
連絡を取りあうことができないため、彼女に一任することにした。
彼女ならきっといつかこの言葉とともに伝えてくれるだろうと信じて・・・。
「火水の姫神」のあとがきにはこんな記述が残されている。
俺たちはどんなに離れてても一心同体だ!
俺はお前たちのことを絶対に忘れない!
だからお前たちも絶対に忘れるんじゃねえぞ!
それは強がる俺なりの、精一杯の言葉だった。
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