クトゥルフ神話TRPGやろうずWiki

探索者達はカール・マリア・ヴィリグートの陰謀を打ち砕き、猟犬から解放された。
イギリス政府にナチス高官リストを、ウィルフ大佐にはナコト写本を渡しそれぞれの依頼を達成した。
その後1939年9月2日ドイツは全世界に対し、宣戦布告した。
探索者達も否応なくその波に飲み込まれ、それぞれがそれぞれの為の戦いを始めるだろう。
……………
………
…
そして、開戦から一年1940年ブリテン・バトルシップにより空戦が激化する頃
探索者達に新たな依頼が舞い込む。
???「君達にはシリアへ向かい『Y計画』の調査をしてもらう」
あなた達は、また非日常の世界へと巻き込まれる。
…ナチス卓CP第二弾『シリア1940』乞うご期待。

「ふぅ...」
少し手を休め、淹れたてのコーヒーを飲む。ぼんやりと夜の広場を見ていると、
あの時の思い出が浮かび上がってくる。
あの時起きたこと――二人との出会い、フランツの死、怪物の出現、将軍の秘密、
そしてあの子との再会。
とても記事にはできない。というより、まるで夢を見ていたかのような三日間だっ
た。今まで知りえなかった、いや知るべきではなかったことに、僕は出会ってしま
ったのだ。
でも、四人で乗り越えることができた。将軍の野望は止められた。ひとまずはこれ
でいいのだ。日常へ戻ろう。またナチスとの闘いを始めなければならない。
「...」
しかし、まだ気になる。将軍の部下の言っていた、Y計画。あのままロードさんが
持ち帰ったが、いったいなんだったのか。もう終わったことなのか、まだ続いてい
るのか。...今はよそう。その時がくれば、きっと。

三日間お疲れ様でした！
冒頭の画像透過忘れから始まり、文字色がかぶったり共有メモの仕組みがわからなかったりと、
KPさんにもPLさんにもいろいろとご迷惑をおかけしました...。
まさか初めてのオンセでナチス卓を経験させていただくとは思ってもみませんでした。
もし予定が合えばキャンペーンの続きにも参加させていただきたいと思います。
歌識様、すいっち様、夢見る青年様、見学初心者ひな様、本当にありがとうございました。

そこはロマのキャンプ。
呪い医の男は上機嫌だった。
何年越しの悲願だろうか。伝説の呪い医であるライラに、手ほどきを受ける約束をようやく取り付けたのだ。
買い物から戻ってきた呪い医は、テントの入り口の幕を上げる。
――――――だが、テント内を見回しても、ライラはいない。
「ライラ婆さんは？」
「一足遅い。婆ちゃん出かけちゃったぜ」
「出かけたって……どこへ？」
「さあ？」
呪い医の男は頭を抱える。今回こそ秘薬の煎じ方を教えてもらう約束だったはずだったのに――あんの糞ババァは！！
そんな呻く男を余所に、子供達はライラの武勇伝で盛り上がる。
「婆ちゃん、今回はベルリンに潜入したんだって！　ベルリン！！　ドイツ！」
「婆ちゃんの大冒険、今回のも面白かった〜」
「今回のは、見た事も無い変な化け物に会ったんだって！！」
「すごい強いやつで、とっ捕まえることは出来なかったんだってさ」
「婆ちゃん、残念がってたな〜。もしかしたら薬膳や毒薬の良い材料になってたかもしれないって、すっごく悔しそうだった」
「あの婆ちゃんが始めて見たって！　婆ちゃんが始めて見たヤツって一体、どんなヤツだったんだろうな〜」
とてもあの婆さんらしい武勇伝だと、男は再度呻く。
「…………………あ〜、お前達お前達」
「なに〜？」
「…………………あまり、ライラ婆さんの言う事を鵜呑みにするんじゃないぞ」
「分かってるって！」
子供達はケラケラ笑う。「今回の冒険はどこまで本当の事なのだろうか」と話半分だ。
―――だが男は知っている。あの人の話す事は荒唐無稽ではあるのだが、嘘のような話が真の事だったりするから、非常にたちが悪い。
開戦し、ロマには色々と厳しいご時勢だ。あのライラでも旅するにはきついだろうに、何故今この時期に旅立つのか。
「面白いことが私を呼んでいるわ、とか意味不明な理由だろうな。絶対」
男はため息をつく。
ライラはいつ帰ってくるだろうか。恐らく早くて数十日後だろうが。
「―――まぁ、その内また唐突に帰ってきて、面白い話を聞かせてくれるんだろうな……」
風の向くまま気の向くまま、面白そうなことに首を突っ込んでいる。
旅に出て、その内また、ライラはひょっこりと帰ってくるのだろう。

３日間、ありがとうございました！！ ＆ お疲れ様でした〜！！
とても楽しい卓でした〜！！　いや〜〜〜、笑ったしハラハラしたし謎に頭悩ましたし、本当に楽しかった！！
私ＰＬ経験４回目でして、どうＲＰするか分からずまだまだ勉強中でございます。
道中変なＲＰをぶちかましておりましたが、皆様のご尽力により、無事クリアまで辿り付けて感無量です！
次ご一緒する機会が有りましたら、世界大戦時代らしく、普段使わなそうな大火力を使ってみたいです……！！！
歌識様、すいっち様、しーじょー様、夢見る青年様、本当にありがとうございました！！

「…さてヴィリグート、ほかに何か言うべきことはあるか？」

ヴェヴェルスブルク城執務室、SS内でも最上位の者しか立ち入ることを許されない場で
カール・マリア・ヴィリグートは親衛隊全権指導者ハインリヒ・ヒムラーからSS除隊を勧告されていた。

「…いえ、仰るとおりです。もはや私は老い、この国の為の力になることは出来ないでしょう。」

答えるヴィリグートに力はなく、顔に刻まれた皺が、彼の人生に対する疲れをありありとうつし出している。

「…変わったな、前までのお前であれば、死ぬまで国に仕えると言っていたはずだ。
それが例え、私に逆らうことになっても…だ。こんな形で終わるとは残念だよ。」

ヒムラーの顔には落胆の色が浮かんでいた。もはや見放したとはいえ、かつての同胞、同士であったのだ。
僅かながらにもまだ彼に対する期待を持っていたのだろう。

「ええ、私にも色々ありまして…もはや権力にも、不可思議な力にも疲れたのです。
今後は、田舎に隠居し静かに暮らそうと思います。」

そう言うヴィリグートの顔は何か憑き物が落ちたようだった。

「そうか…ならもう行きたまえ、我々親衛隊に、もはや貴様は必要ない」

その言葉を最後にヴィリグートは部屋を出て、死ぬまでここへ戻ることはなかった。

その後ヴィリグートはSSより除隊され、ドイツの田舎町で余生を過ごした。
その頃の彼は妄執に取り付かれ過ごした半生と比べ、あまりに穏やかでありまるで『別人』のようだったという。
そして彼は第二次世界大戦の後まもなく、脳出血によってこの世を去った。
彼の墓石には

"私たちの人生はおしゃべりの様に過ぎ去った"

と刻まれている。
それは、妄執のままSSを率いたSS将軍としての言葉だったのか、それとも全てに諦観を抱き孤独のまま人生を終えた寂しい老人としての言葉だったのかは誰も知らない。