ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

1 はじめに

このシナリオは現代日本を舞台にしたオリジナルシナリオです。

タイトルから分かるように、株式会社カプ○ン様から発売されているゲームソフト「逆○裁判」をオマージュしたシナリオとなっています。
逆○裁判をご存知の方はもちろん、知らない方も通常のシナリオとして楽しめるように心がけましたので、どなたでもご利用頂けるかと思います。

また、シナリオの性格はクローズドものになります。

自由に動画化、改変等してプレイしてくださって構いませんが動画化の際は連絡(Twitter ID :Asagistまで)頂ければ喜んで視聴に行きますので、是非教えて欲しいです。

推奨人数:2〜4人
プレイ時間:オンセで3〜4時間
推奨技能:目星、リアルアイデア技能
準推奨技能:図書館、コンピュータ、鍵開け、英語
難易度:PL ★★☆☆☆ KP ★☆☆☆☆

2 事前公開情報

オダカルチャー探偵事務所の名探偵

いまこの街ではある探偵が世を賑わせていた。その名も名探偵オダカ。
どこからともなく現れ、数々の迷宮入り事件を証拠とともに解明したその驚異の実績は、賞賛に値するものとして日々マスメディアによって報道されている。

相次ぐ殺人事件

小高のニュースと共に報道されているのが、今月に入ってから連続している殺人事件である。
それぞれの事件は何の関連性もないのだが、もう今月も終わりになるというのに、今月だけで11件も殺人事件が起きているのだ。

※シナリオの設定は2016年10月31日と想定していますが、新月の日であればいつでも構いません。
新月の日と定める理由は、シュブ=ニグラスを招来させる為の儀式は新月の晩に行わなければならないからである。
(シュブ=ニグラス招来を行う理由については以下[背景]を参照)


マスメディア及び警察はこの混乱に乗じた通り魔殺人の発生の懸念とそれに対する警戒を強く呼びかけている。
もちろん、連続しているこの事件も全てオダカが解決している。


[背景]※KP情報
この事件は小高によるものである。
彼は「支配」の呪文を使用し、他人に殺人を起こさせ、その現場を写真に収めることで証拠とし、自作自演を行っていた。

もちろん全てシュブ=ニグラス招来の儀式に使う血液を得るためである。
彼はシュブ=ニグラスを招来させ、働かずして金銭を得ようとしているのだ。

また、小高が解決した迷宮入りしていた事件も、その辺りで捕まえた適当な人物を犯人にでっち上げたものである。

3 登場人物

NPC1 小高 中大[オダカ ナカヒロ]

[職業 今をときめく名探偵]
年齢 35歳、男
STR10 CON11 SIZ18 INT8 POW3 DEX10
APP16 EDU19 SAN10(15-5) 耐久力15 MP3+69 DB+1D4

[取得技能]
鍵開け 75%、写真術 75%、追跡 75%、図書館 75%、目星 75%
言いくるめ 75%、信用 75%、隠れる 30%、法律 11%

[使用できる呪文]
・支配
基本ルールブックP.259
・シュブ=ニグラスの招来/退散
基本ルールブックP.262

[所持品]
名刺、スケジュール帳、携帯電話、インスタントカメラ

[プロフィール]
「オダカルチャー探偵事務所」の社長(プレジデント)兼探偵社員。
日本の探偵会に颯爽と現れ、数々の難事件を解決へと導いた時の人。

いまやテレビで彼の姿を見ない日はないほど。
彼の手にかかれば解けない謎はないと言われている。

成金らしい性格で、貧困な者を嘲笑う発言をよくする。
口調はカタカナ英語を交えた独特なもの。(ex:本日の天気はベリーサニーですね!ハハッ!)
元ネタは逆○裁判に登場する小○大。


お察しの通り今回のシナリオの黒幕。
金銭に困っていた彼はとある貧民街にて「人間の社会的可能性を試してみよう」という謎の黒い男(ニャルラトホテプ)の気まぐれから
一本の小瓶(MP上限値を底上げする薬)と呪文が書かれたメモを受け取った。

そのメモの呪文を使うとどうやら人間を自由に操れるようだ。
彼はその力を使い、お金を稼いでいたが、次第に欲が出、名声を得たいと思うようになった。
そんな彼が思いついたのが、他人を使い、殺人を起こさせ、その瞬間をカメラで撮影するという方法である。

彼はこうしてお金と地位を手に入れたがどうも満たされない。
お金があっても使う時間がないのだ。

そんな彼のもとに再び謎の黒い男が現れる。
男が言うにはこの世には金銭という豊穣を操る神が存在するらしい。
彼は次にその神を召喚することを目論むのであった。

NPC2 恋浜 真昼[コイシハマ マヒル]

[職業 不器用な秘書]
年齢 22歳、女
STR9 CON18 SIZ8 INT8 POW18 DEX10
APP18 EDU6 SAN40 耐久力13 MP18 DB±0

[取得技能]
オカルト 75%、聞き耳 35%、法律 26%、言いくるめ25%、信用 25%
説得 25%、値切り 25%、経理 25%、コンピュータ 25%

[所持品]
名刺、スケジュール帳、携帯電話、数珠

[プロフィール]
「オダカルチャー探偵事務所」の社長秘書。

実家が霊媒師を生業としているが、彼女自身は霊媒の才能がないため、劣等感から家を出てしまった。
仲の良い姉が今回の連続殺人事件で姉の同僚に殺されてしまい、途方に暮れていたところを小高に拾ってもらった。
何も知らずにオダカルチャー探偵事務所で働いているが、最近の小高の様子に違和感を抱いている。

無邪気かつ物怖じしない、明るい性格である。
日曜日の朝に放映されているスーパー戦隊シリーズが好きである。

元ネタは逆○裁判に登場する綾里○宵。
名前の由来は綾里駅の隣の駅が恋し浜のため。

4 導入例

前提条件として、恋浜は小高の以下の点を不審に思っている。
・しきりに日付を気にしていて、落成式の日まで何日か何度も聞かれる。
・ロマンティストでもないのに、夜気が付くと空ばかり見上げている。
→KP情報:落成式の日は新月であり、小高にとってはその日が最後の大量殺人を起こす予定の日である為。

・偶然だとは思うが、連続殺人事件が発生している夜は必ず早退する。
・ここのところの殺人事件では、警察から相談が入る前にはいつの間にか証拠を揃えて、警察からの連絡を待っている事が多い。
→KP情報:言わずもがな、殺人の自作自演を行うためである。

・総括すると、落成式の日に何か起こすつもりじゃないかと疑っている。

パターン1.探索者が探偵、警察、記者など時事情報に精通している場合


探索者は今回の一連の殺人事件や小高の知名度上昇があまりにも出来すぎているように感じることだろう。

そんな探索者あるいはその上司などの元に1通のメールが届く。
それはオダカルチャー探偵事務所にて小高の助手を務めている恋浜から届いた依頼のメールだった。

そこには小高の最近の行動を不審がる様子と、次の月曜日夜に開催される新しい事務所の落成式祝いの誘いが書かれていた。
どうやらその助手は落成式にて依頼の詳細を話すつもりらしい。

探索者は自分の意思、あるは上司の指示にてその落成式に参加することにした。

パターン2.探索者が事件と関連性がなさそうな職業の場合


探索者はいつもと同じ日常を過ごしていた。

そんなある日、友人である恋浜より連絡が入る。
どうも勤務先の上司が怪しく、話を聞いてもらいたいらしい。

友人たってのお願いごとに人のいい探索者は断れないだろう。
探索者は自分の意思で落成式に参加し、上司の様子を伺うことにした。

5 本編

落成式会場





一介の私立探偵の事務所とは到底思えない高層ビルが新しい小高の事務所らしい。
66階もあるそのビルの最上階にて本日は落成式が行われる。

本来そこはオダカルチャー探偵事務所として使用するフロアとのことだが、
ほかのフロアはいったい何に使用するのだろうか。

金持ちの考えることはわからない。


ふとあたりを見回すとこのビルの建設にかかわった建築関係者や友人らしき人物だけでなく、
テレビで見たことのある知事や国会議員の姿もちらほら見かけられる。

大勢の人並みにもまれて探索者はうんざりするかもしれない。
そんな中、一人の若い女性が探索者に駆け寄ってくるだろう。


[イベント]
メールを送った張本人 恋浜が探索者に話しかけてくる。
軽い自己紹介を終えたのち、人気のない廊下に探索者を誘ってくることだろう。

そこで、前述したような不審点を探索者に告げたのち、フロア内の部屋を自由に行き来できるカードキーを1枚手渡してくる。

このフロアは寝泊まりすることもできるように各従業員用の部屋を設けているらしい。
恋浜は、小高を自身が引き留めておくので、小高の部屋を調べて、怪しいものがないか調べてくることをお願いしてくるだろう。

※以降恋浜と小高は人混みに紛れてしまい、見つからなくなります。
また、他フロアへの移動及び外出は警備員に止められ、不可能とします。
最悪、ニャルラトホテプにこじつけて出口を消しても構いません。

小高の部屋


そこは目を疑うような空間が広がっていた。
金、金、金。

調度品がすべて金色である。
その金色が放つ輝きに、その場にいるだけで目が痛くなってきそうだ。


小高の部屋には机、本棚、パソコンが置いてある。
事務机を調べるには目星を、本棚は図書館を、パソコンはコンピュータ技能を使用する。

その他ベッドや収納棚など、およそ日常生活で必要と思われるものは揃っているが、特に上記のもの以外から情報が出てくることはない。


[机]
黒檀で作られたであろうシックな机。
その上品さを崩すかのように金を用いた装飾が施されている。


目星に成功した探索者は引き出しから一冊の日記を見つける。
もちろん各辺を金色の金具で囲まれた荘厳な日記帳だ。

中身は以下の通りである。


○月×日(月の頭)
ダイアリーをつける行為は、なにかと人間性を高めてくれるとアイリッスン。
いつまでコンティニューできるかはアイドンノウ。
まぁトライしてみることにしよう。


○月×日(先々々週)
オーマイゴッド。
早速間が開いてしまった。
我ながら三日プリースト(三日坊主)である。
それにしてもこんな立て続けに殺人事件のワークが来るとは。
ありがたいが、アンハッピーワールドになったものだ。


○月×日(先々週)
殺人事件アゲインだ。
あまり殺人事件ばかりだとマインド滅入りする。
ヒューマンデッドはみたくないものだ。


○月×日(先々週)
ここのところ気が付けば夜空を見上げる姿をアイシー。
メニータイムスだアイシー。
殺人事件ばかりでシーも参っているのかもメイビー。

それにしても普段ミールのトークばかりだから、そういった風情のあるものは
ノットインタレステッドかと思っていたのだがと発言したら、シーイズアングリー。
今度、何か御馳走しなくては(笑)


○月×日(先週)
アイハブアバッドフィーリング。
偶然だとは思うが、殺人事件の起きている日、必ずシーが早退するのだ。
いや、気のせいだ。
エビデンスがシーは犯人でないことをサジェスチョン…。


○月×日(先週)
いや、やはりおかしい。
ホワイ、事件のネクストデイには資料が出来上がっているのか。
事件の起きているナイトにたまたま目撃して、エビデンスを押さえているとでも?
9件も連続で?そんなはずはないだろう。アイドントアンダースタンド。


○月×日(先週)
最近しきりにデイトを確認してくるようになった。
最初はニュー事務所が気になるのかと思っていたが、どうやらそのようにもノットルックライク。
リーセントのシーへの不信感も相まって、ワッツハプンと不安になってきたが、ニュー事務所の完成はネクストウィーク。
ノーバディーキャンストップ。
それに、シーは事件とは関係ないはずだ…。


○月×日(昨日の日付)
いよいよシーの様子がおかしい。
シーズルームで見つけたザットは何をサジェスチョン…。
トゥモロー落成式、何事もなく無事終わってくれ…。


一読後、アイデアにて判定を行う。
成功した者は、そこに描かれている「シー(彼女)」が今回の依頼者恋浜であることに気づくだろう。

彼女に嘘をつかれているかもしれない、そこまでして成し遂げたい何かがあるかもしれないという偏執的恐怖を感じ取った探索者はSANチェックとなります。
(0/1D2)


[本棚]
金色の装飾が施された高そうな本棚。
法律や経営の本だけでなく、シャーロック・ホームズなどのミステリー小説も並んでいる。

図書館技能に成功した探索者はその並びの一角に不自然に並ぶ漫画に気づくだろう。
タイトルは「黒羊」である。

名門貴族に仕える全てにおいて完璧な羊とその領主との物語を描いたファンタジー作品のようだ。
全巻揃えて並べてある。


※KP情報
今回のシナリオ背景にある神話生物がシュブ=ニグラスであることを示唆させるためだけの演出です。


[パソコン]
デスクトップ型のパソコン。
いうまでもなく、金色の塗装が施されている。

コンピューター技能に成功した探索者は見事パスワードを解除し、怪しげなメールのやり取りを見つけるだろう。
何通もメールのやり取りが続いているのに、受信ボックスにも送信ボックスにもその履歴が残されていない。

内容は以下のようなものだ。


from : chaos_dic@zmail.com
to : oda_culture@detect.com
sub : Re:Re:Re:Re:Re:Re:おめでとうございます!

text :
それはとても喜ばしく聞こえます。

ところで最近の調子は悪くないかと私は気になります。
それは精神力を尽くされます私が与えた呪文は人を操ることができます。

もしあなたが疲れるならば私にそれを教えるべきです。
私はあなたの良い報せを楽しみに待っています。


英語技能を持っている探索者がいれば、成功することで、その文字列がまるで翻訳機を用い、
日本語に直したもののような不自然さを感じることができるでしょう。


※KP情報
捜査を撹乱するためのブラフです。
ニャルラトホテプと小高のメールのやりとりの消し忘れになります。
「人を操れる呪文」と「まともそうな日記」が出てきたことで、真犯人が第三者なのではないかと思わせることが目的になります。

ちなみに送信元のメールアドレスはchaos=混沌、dic=drop in crawl=這い寄る というしょうもない小ネタが挟まれてます。

言語ががたがたなのは、送信者が日本人ではない、ひいては地球の人間ではないことを示唆する為です。

恋浜の部屋

小高の部屋と打って変わって落ち着き、整理された部屋である。

異質を放っているものとしては壁に掛かったオウジャマンという戦隊物のポスターくらいか。
他の家具としてはノートパソコン、引き出しの付いた机がある。

それぞれ幸運、目星(コンピュータ)、鍵開けで情報が得られる。

また、小高の部屋同様その他ベッドや収納棚など、およそ日常生活で必要と思われるものは揃っているが、
特に上記のもの以外から情報が出てくることはない。


[オウジャマンのポスター]
子供たちの間で流行っている戦隊ヒーロー「オウジャマン」のポスターだ。
オウジャマンは毎週日曜朝テレビで放映されている。

幸運に成功した探索者は偶然ポスターの裏が無地でないことに気づくだろう。

ポスターの裏はカレンダーになっており、今月の日付と曜日、月の満ち欠けが記載されている。
おそらくポスター自体が月替りで交換することを目的としたものなのだろう。

そのカレンダーを眺めると本日の日付が赤いマーカーで丸く囲まれ、横には「決行日!!」と書き込みがされているようだ。

※KP情報
これは小高が用意した、罪を恋浜になすりつけるための工作である。
恋浜は残念ながらポスター裏のカレンダーには気づいていない。
なお、本日の月の満ち欠けは新月であるということを、聞かれたら教えてあげてください。


[ノートパソコン]
持ち運びやすそうなノートパソコンだ。
コンセントは接続されているように見える。

目星あるいはコンピュータ技能に成功した探索者は電源ボタンを見つけ、立ち上げることに成功するだろう。
どうやらノートパソコンはスリープモードに入っていたようで、直前に開いていた画面が探索者の目の前に表示されることになる。

そこには地図情報を提供しているサイトが表示されていた。
探索者は見てすぐに分かるだろう。
そこに表示されているのは探索者たちがいまいる市街地のものだと。

また、その地図上にはいくつか所在地を示すようなマークがつけられており、
それぞれに1から12の番号が振られている。


※KP情報
これは件の連続殺人事件が起きた場所を示しています。
12番目のマーカーはいま探索者がいる場所にふられています。

もし、それが殺人事件の場所を表していることに気づき、かつ12番目のマーカーが
現在地と分かってしまった探索者がいたらSANチェックしてあげたら面白いと思います。


[机]
引き出しと天板がある簡素な木製の机。
引き出しにはどうやら鍵がかかっているようだ。

鍵開けに成功した探索者は中から一枚の紙を見つけるだろう。
タイトルには診断書と書かれている。

中身を読むと、どうやら恋浜の診断書らしい。

ここのところ移動した記憶がないのに移動していたり、
朝起きたばかりなのに気付けば夜になっていたりすることが多発していたらしいが、
診断書の結果によると異常なしと診断されている。


※KP情報
PLをかく乱するためのブラフです。
小高のメールを見ていたら「人を操る呪文」というところと繋げて考えてくれないかと期待しての罠です。


[イベント]
恋浜の部屋退出後、聞き耳を振らせてください。
成功した場合は何かを引きずる音が蔵書室の方から聞こえてきます。

また、失敗した場合は、移動する際に幸運を振らせてください。
成功した場合、蔵書室のドアが閉まるところを目撃します。

以降警備員含め、どこへ行っても人とすれ違わなくなります。
出入り口は消失します。(ニャルラトホテプの力)


※KP情報
蔵書室もしくは未探索の書類室を探索してもらうための誘導になります。
部屋に入っても誰もいません。

また、これは小高が支配の呪文を使い、恋浜に死体を運ばせている演出です。
血は絞り終わっているので、引きずった跡にはなにも残りません

これは大事なことなのですが、彼女は蔵書室にいた人を殺害し、血を抜き取り、その死体をパーティー会場に運んでいるところです。
蔵書室に入ったわけではありません。

なお、以後不思議な力(ニャルラトホテプ)でパーティー会場には入れなくなります。

蔵書室

中は4畳半くらいのスペースで、三方の壁は、本棚が置いてあるというよりむしろ
本棚で埋め尽くされているような印象を受けます。

何か調べる場合は図書館、目星でそれぞれ判定をしてください。
また、図書館判定後、幸運でふらせてください。


[図書館]
探索者がなにかめぼしいものはないかと探していると、一冊の本が目に留まりました。
なにやら背表紙が汚れているようです。

その本をとった時に聞き耳もしくは目星をお願いします。(嗅覚代わり)
その本についている液体は錆臭い嫌な香りを発しています。

その液体が新鮮な血液と気づいてしまった探索者はSANチェックとなります。
(0/1D2)

抜き取った本のタイトルは「くろやぎさんとななひきの子ヤギ」です。
かわいらしいタイトルとは裏腹に中身はおどろおどろしいものでした。

詳細は以下に記します。


「おかあさんやぎとこやぎたちはもりのなかでたのしくせいかつしています」
「おかあさんはにんげんがだいすき」
「なぜならにんげんはとってもおいしいからです」

「おかあさんとこやぎはいつもさいだんにいのりをささげています」
「いしでできたさいだんはいつもあかくひかっています」
「なぜならつきのないよにおかあさんがにんげんをつれてきてくれるからです」

異様な記述のある本を読んでしまった探索者はSANチェックになります。
(0/1D2)

※KP情報
今回のストーリーの背景にシュブ=ニグラスがいることを示唆するための情報です。
リアルクトゥルフ技能を刺激するためだけの情報です。


[幸運]
探索者は本を探しているときに、たまたま一冊の本がはみ出ている状態にあること気づきます。
そのタイトルは、重々しい装丁とは裏腹に「本当にあった死ぬかと思った話」というものです。

探索者はその中の「ドライブ中に無数の腕が伸びてきて、ハンドルをとられてしまう話」にどうも目が釘付けになってしまいました。
結果としては助かったのですが、その異様な光景を想像してしまった探索者はSANチェックです。
(0/1D2)

中身を読むとその腕は悪意の呪文によって発生させられたものだと解説が入っていました。
読んだ探索者は以後「ミステリー小説の探偵さんが使えたら最強の、犯人が分かる呪文」と題されたものが使えるようになります。

※呪文「再度の屈辱」を習得します。 詳細 基本ルールブックP.258 
※能力は公開してかまいません。

※今回のシナリオでは解釈を変更し、この呪文を使用すると、
かつて呪文をかけた対象の殺した人間の亡霊が出現する呪文として扱います。


[目星]
探索者の足元に1枚の紙切れが落ちていました。

ほとんどの部分は破れてしまっていますが、多少は読むことができます。
表題は「電子世界に住む生物」

その他読める文章は「彼は偉大なる種族の恩恵を受け、電子世界を自由に歩き回ることができる」
「彼らの力をもってすれば人間を操作することなど容易い」
「もしかしたらいまあなたの隣にいる人間も彼らかもしれない」

KPの好みでSANチェックお願いします。

※KP情報
これもブラフです。
ニャルラトホテプが捜査を混乱させるためにメモを置いたようです。
イス人のことを示唆するように仕向けた文字列と、あとは適当に考えた文字列です。
小高の部屋で見つけたメールを疑ってくれればよいなという心づもりです。

書類室

金属製のラックがいくつも置かれている部屋です。
背表紙を見ると、顧客名簿や経費関係の書類などが収められています。

収納棚から情報を得るには目星で判定します。

また、他に気になる物としては鍵つきの金庫があります。
そちらを調べる場合は鍵開けでお願いします。


[目星]
「2016年10月 解決済み事件リスト」というファイルが見つかります。
中身は11件の連続殺人事件の日付、人物、場所、内容などが記されています。

この情報を見た探索者はアイデアを振ってください。

アイデアに成功し、かつ恋浜の部屋でパソコンの中身を見ていた探索者は
この情報と地図の位置情報が合致していることに気づきます。

ここで12個目のマーカーが現在地であり、今日ここで
何かが起きてしまうことを予感した探索者はSANチェックお願いします。
(0/1D6)


[鍵開け]
金庫の中からは1枚の書類が出てきました。
表紙には「要確認人物」と書いてあります。

表紙をめくると一人の人物についての情報が多くはないですが、
走り書きで以下の言葉が列記されていました。

・名前 流々家 那流斗[ルルイエ ナルト]
・職業 占い師
・東京都内各所で姿が目撃されている。

・流々家に占ってもらって、その通りにしたら願いが叶ったという人が大勢いる。
・多くの人が「なんとなくその通りにしたはずだが、あまり記憶がない。気づけば願いがかなっていた」と話している。


※KP情報
ブラフです。
「人を操る」という項目から連想してもらいたく罠を張りました。


[強制イベント]
4部屋をまわり終えると大きな音がパーティールームから聞こえてきます。
扉を開けようとしてもびくともしません。

パーティールームは廊下に面して窓があり、そこからなら辛うじて中が覗けそうです。

中を覗き込むと、何やら人が対面しているようです。
片方の人、スーツ姿の初老の男性は壁によりかかっています。

いや、よりかかっているというよりはむしろ、壁にもたれかかっているというべきでしょうか。

対するもう一人の人物は、窓枠が死角となって姿が見えませんが、その手には鈍器を握っているように見えます。
その鈍器が今まさに初老の男性に振り下ろされようとしました。

しかし、初老の男性は危なっかしい動きをしながらも、地面に倒れつつそれを右に避けました。
振り下ろされた鈍器は空を切り、壁に添えてあった彫像の胸部を砕きます。

転倒してしまった男性はもはや動ける様子はありません。

その地面に伏している男性めがけて、無情にも鈍器が振り下ろされ、
まっさらなスーツが赤く染まっていきます。

しばらくのち、男性は動かなくなりました。


目の前で人が殺されてしまう情景を見てしまった探索者はSANチェックになります。
(0/1D3)


イベントが終わると、カチリと何かが開く音が聞こえます。
窓を覗いている探索者がいたらパーティールーム内に小高が入ってくることがわかるでしょう。
また、パーティールームの入り口に回ると扉が開いて中に入れるようになっています。

パーティー会場


中には初老の男性の遺体、鈍器を右手に持ち、返り血まみれの状態の恋浜、部屋の入り口近くに立っている小高の姿があります。
小高は入ってきた探索者に話しかけてきます。

「ヘイ!ミーは(探索者が見ていたのと反対側の)そのウィンドウからシーが人を殺すのをみたんだ!!」
パーティールームには確かに、探索者が見ていた窓と反対側に同じような窓がついています。

一方恋浜は自分じゃないと涙ながらに否定してきます。


※KP情報
小高は恋浜が初老の男性を殺すのを、反対側の窓から見ていたと主張し、情景を説明し始めます。
真実としては、恋浜は小高に操られて人を殺させられました。

ふと意識を取り戻すと目の前に血染めの男性がいて、自分は右手に鈍器を持っている、さらには小高より問い詰められている状況です。


ここでのポイントは目撃証言を語り始めた小高に
「恋浜は右に逃げた男性を追いすがって殴打した」と発言させることです。

実際には反対の窓から見ていたら左に避けたと思うはずだと
探索者につっこませるのが目的です。


仮につっこみがあった場合、小高は
「ソーリー、ユーの言うとおりだ。…もちろん、ミーのもね」と訂正し
「まず、ヒーは右に避けた。そしてシー(恋浜)は思い切り殴ったんだ。
いまミーが発言したのはこの部分さ」と弁明します。

続けて「そしてここからがユーの見たシーンさ。
ヒーは血だらけになりながらも、最後の力を振り絞って左にエスケープ…。
シーはそれを追いかけて、トドメをさした。どうかな?」

この発言についても、
上記で男性の今際の時に描写した「まっさらなスーツが赤く染まっていきます」
という演出から「トドメをさされる前は無傷だった」とつっこんでもらう為のものになります。

そこまで会話でつっこまれると小高はうまくいかないジレンマから感情的になります。

「あぁもうシャラップ!!!ユーも見たんだろう?シーがヒーを殺すのを!
細かい発言の矛盾などいいじゃないか!!

シーがクリミナル!ミーがディテクティブ!そしてユーがウィットネス!!
これで事件はリソリューション!!」


通常であれば小高は己の罪を認めません。
状況証拠からして、法律の観点から、罰せられるのは恋浜になると
わかっているからです。


この状況で小高を説得、自白させたいのであれば
蔵書室で見つけた「再度の屈辱」を使用してください。
→呪文を使用せず、恋浜を犯人と認めた場合:Bad Endへ


直接的に人を殺したのは恋浜ですが、因果的に実際に人を殺したのは
小高となるため、小高の目の前に今まで殺してきた人々の亡霊が出てきます。

※恋浜にこの術をかけても恋浜の前には亡霊は出現しません。


「ホワイ!!何故だ!!何故ユーがそこにいる!?
ユーは全員、ミーが殺して…!!殺したはずだ!!」

その亡霊を目撃した小高は正気度の喪失を起こし、
その低いSAN値は0となるだろう。


その後、
「ユーに従えば!!富を手に入れられると!!!
黒山羊の神を招来できると!!!!
アアアアア!!!オーマイゴッド!!!!」

というようにニャルラトホテプの幻影を見、シュブ=ニグラスの事を示唆しながら発狂したあと
絶望した表情でその場にへたり込み、二度と口を聞けない廃人と化すだろう。


そこで探索者に幸運を振らせても構いません。
成功するとその小高のスーツの襟元から一枚の紙が覗いているのがわかります。

※あるいは探索者自身で小高自身に目星などの宣言があればそのまま以下の演出へ進めてください。
→失敗でTrue Endへ


その紙には悍ましい殺人の計画書が書かれていた。

「人を操り、殺人を起こさせ、その情景を収め、罪をでっちあげる」
小高がこれまでしてきた悪事のことである。

今日恋浜を操り、人を殺させることまで事細かに書かれている。
これまでの連続殺人、今日の殺人事件、すべての犯人は小高だと探索者たちは理解するだろう。
Happy Endへ

6 エンディング

エンディング Bad End

[小高の主張を認め、恋浜を犯人として警察に引き渡す]

残念ながら探索者の友人あるいは依頼主である恋浜は殺人事件の犯人であった。
警察の調べによると、その後、ほかのフロアより大量の血を抜かれた遺体が見つかったらしい。

近くに凶器と思われる刃物も散乱しており、その全てから恋浜の指紋が見つかっている。
状況証拠から、彼女が犯人以外の選択肢が挙がることはないだろう。


恋浜は未だに「記憶がない」と容疑を否認しているが、
精神分析の結果、特に精神的な病も見つからず、

また、彼女の部屋から「記憶がなくなることがある」と
数日前医師に診察を受けた診断書が見つかっていることから、

精神的疾病を偽装し、計画的に犯行を進めていた可能性があると言われている。


不思議と、連続して起きていた殺人事件も恋浜が逮捕された日を境に起きていないようだ。
警察は恋浜と連続殺人事件の関連性も調査を進めているという。


オダカルチャー探偵事務所は「身内から犯罪者を出してしまった償い」と称して
事務所を畳み、完成したばかりのビルを自治体に無償譲渡してしまった。

小高のその後の行方については探索者たちの耳には全く入ってこない。


話題性のある報道を一つなくしたテレビではまた視聴者の興味を引こうと
さまざまな話題を取り上げ、日夜お茶の間を賑わせているようだ。

県外れの森の中で血塗れた祭壇らしきものが見つかったそうだが、
きっとそれは探索者たちとは何の関係もない話なのだろう。
(※小高がシュブ=ニグラス招来に用いた祭壇である)


・依頼人あるいは友人が悍ましい殺人鬼であった SAN-1D6
・図らずも町を殺人鬼から救った SAN+1D6

エンディング True End

[小高が発狂し、事実が雲隠れしてしまう]

「再度の屈辱」使用後の小高の状況などから探索者は恋浜の無罪を訴えるだろうが、法の下では認められず、
状況証拠より、探索者の友人あるいは依頼主である恋浜が件の殺人事件の犯人となってしまった。

警察の調べによると、ほかのフロアより大量の血を抜かれた遺体が見つかったらしい。

近くに凶器と思われる刃物も散乱しており、その全てから恋浜の指紋が見つかっていることから
彼女が犯人以外の選択肢が挙がることはないという。


恋浜は「記憶がない」と容疑を否認しているが、
精神分析の結果、特に精神的な病も見つからず、

また、彼女の部屋から「記憶がなくなることがある」と
数日前医師に診察を受けた診断書が見つかっていることから、

精神的疾病を偽装し、計画的に犯行を進めていた可能性があると言われている。


不思議と、連続して起きていた殺人事件も小高が発狂し、恋浜が逮捕された日を境に起きていないようだ。
警察は恋浜と連続殺人事件の関連性も調査を進めているという。


小高は遠い地方の精神病棟に隔離入院しているとの事だが、特に快方に向かう兆しはないらしい。
小高の発狂については、助手である恋浜が殺人鬼と知り、現実が受け入れられなくなった為と、好意的に解釈されている。

ちなみに、オダカルチャー探偵事務所は事件に関わる証拠物件として未だに閉鎖されたままである。


テレビではそんな小高の波乱な人生を取り上げ、日夜お茶の間を賑わせているようだ。

その人が現在どんな状況であれ、話のタネになれば話題にできてしまう。
みな、他人事には残酷なものだ。


そんな番組の合間、県外れの森の中で石造りの祭壇らしきものが見つかったという報道がされていたが、
きっとそれもまた、探索者たちにとっては何の関係もない他人事なのだろう。
(※小高がシュブ=ニグラス招来に用いようとした祭壇である)


・図らずも町を殺人鬼から救った SAN+1D6
・シュブ=ニグラスの招来を阻止した SAN+1D10
・シュブ=ニグラスに関連した情報を入手した クトゥルフ神話技能 +1%

エンディング Happy End

[小高の悪事が発覚し、それを公にする]

小高のメモに書かれていた内容はかなりオカルトなものであったが、その筆跡などから小高本人が書いたものだということが認められ、
全ての事件が小高の犯行によるものということが明らかになった。

事件後の警察の調べによると、ほかのフロアより大量の血を抜かれた遺体や凶器と思われる刃物が見つかり、
その全てから恋浜の指紋が見つかっていることから、一時期は恋浜が容疑者とされてしまっていたが、

探索者たちの働きのおかげで無事、彼女も無罪とされた。
彼女は感謝してもしきれないと、頻繁に探索者に連絡を寄越し、困ったことがあれば手伝わせてほしいと懇願しているようだ。


小高は遠い地方の警察の管理下にある隔離病棟に入院しているとの事だが、特に快方に向かう兆しはないらしい。
余罪を追及しようにも言語すらまともに話せない状態であるため、警察も手を焼いているようだ。

ちなみに、オダカルチャー探偵事務所は事件に関わる証拠物件として未だに閉鎖されたままである。


テレビでは先日までの小高贔屓な報道が一変して、小高の犯罪が昼夜問わず報道されている。
きっと視聴率がとれれば善悪など関係ないのであろう。
みな、他人事には残酷なものだ。


そんな番組の合間、県外れの森の中で石造りの祭壇らしきものが見つかったという報道がされていたが、
きっとそれもまた、探索者たちにとっては何の関係もない他人事なのだろう。
(※小高がシュブ=ニグラス招来に用いようとした祭壇である)


・事実を明らかにし恋浜を冤罪から救った SAN+1D10
・シュブ=ニグラスの招来を阻止した SAN+1D10
・シュブ=ニグラスに関連した情報を入手した クトゥルフ神話技能 +3%

6 更新履歴

2017年2月26日 全体的にSANチェック失敗の減少値がルールブック基準のものに比大きすぎるため、
数値を減少させました。

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