ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

シナリオ概要

3時間のクローズドシナリオで、舞台は6つ。実質的には4つ。
簡単なシナリオですが情報量がやや多いので、KPはPLに共有メモなどの活用を促してください。

あらすじ

遺跡に迷い込んだ探索者。そこはかつて栄華を誇った王国の影となるものでした。
伝説をなぞりながら歴史が語らなかった真実を見つけ、かつ遺跡からの脱出を目指します。

ウロク王国の伝説

あまり頻繁に語られるものではないですが、いつの間にか知っていた、という程度のもの。
これは導入よりも先に公開されます。

今は栄えるソルディアの そのまた昔にあった国
はじめはちいさな一国を 天に知らせたサルディール
王は天より蛇を呼ぶ   太古の大蛇ユーラディグ
人はこう呼ぶユーリグと 剣なる蛇のユーリグと

後半

メタで「今回は前半だけで十分」と伝えてもいいかと思います。
あるいは最初から前半だけしか伝えなくても構いません。

はじめに

以降の描写は一例です。量も少なめに抑えてあるので、実際にセッションを行う際は適宜補ってください。
またソルディアの世界観を把握する必要は当シナリオではなく、むしろフレーバー要素になります。

必須技能は乗馬。推奨技能は目星・図書館です。このシナリオに限れば生物学や歴史も役に立ちますが、これは公表してはいけません。
続くシナリオでも探索者が必要なので、極端な技能割り振りであれば事前に止めてあげてください。
※乗馬が必須なのは、以降のシナリオで必要になるため。通常の乗馬なら補正があるので25%程度で構いません。

舞台設定

崖下にあった、忘れられた廃墟を探索します。

本来の意図。KPによっては省略してください。

探索者の作成

乗馬を25%ほど。図書館・目星を高めに。

余裕があるならこちらのハウスルールを適用してくださるとありがたいです。

導入

商人ルノドの傭兵として、交易都市シルディアから国境付近の山村ウロクへ。
山賊に襲われることもなく平和な旅になると思われたが
移動を焦った商人の強引な進行により、馬車は荒天の道へ突き進む。


この場面はなるべくRPや詳細な描写をしたほうがいいです。
荒天になりそうな描写や、それでも先を急ぐ商人を描写するといいでしょう。
ここのRPを適度に行うことで探索者同士のキャラ把握や
商人のキャラ決定、さらには後に場面転換が生じることになりイベントとしても扱えます。
長引きそうであっても地崩れで違和感なく中断できます。
馬を操るのは探索者に任せましょう。



突如地面が唸りだす。轟音が馬車を振るわせる。
馬は悲鳴を上げて暴れ、雷が追い討ちをかけるように迸る。
その瞬間、地面が崩れた。
落下していく馬車は、しかし程なくして地面に叩きつけられる。

〜周囲を確認する状況になってから〜

どうやら崖の途中にある出っ張りに引っかかったようだ。
そこだけは崩れずに残っていてくれた。
しかしいつ崩れるとも分からない。
下は深い闇で底が見えず、上は登るには高すぎる。
九死に一生を得たものの未だ無事とはいえない状況である。


適当にRPで盛り上げましょう。
落下時のダメージは少なめで、あるいは割愛しても構いません。
馬は足を挫き馬車の車輪は破壊されてしまいます。



目星(必ず見つけなければならない上、狭い場所なので大幅な加算補正を与えてください)をすることで
不自然に苔が縦に並んで生えた岩肌が見えるようになります。
またここだけ取り残された違和感も手伝い、そこに扉があるのが分かるようになります。
開けるといよいよ遺跡探索の開始です。

商人の積荷
チーチェ草(解熱剤の原料)が主。ウロクにもあるが、今年はあちらでは数が少なかったそうだ。
加えてナイフ。シルディアで若く美しい女性から「友人の形見を故郷に帰してやってほしい」との頼みで預かったもの。
チーチェ草を捌きつつ、その「友人」を探してナイフを届けるのが商人の目的。

友人

ただし以上の情報は特に伝えなくても構いません。

はじまりの部屋

中へと入るとじめじめとした不快な風が通り過ぎた。
松明の明かりを頼りに周囲を見渡すとここが石造の大広間であると分かった。
壁には不思議な紋様で装飾が施されており、正面には蛇の像がアーチを描いている。
アーチの向こうにもどうやら部屋があるようだ。
そしてそのアーチの左右にも扉があった。扉にもやはり紋様が掘られている。

歩くたびにコツコツと音が響き、炎が揺れるたびに影が崩れた。
その影をぼんやりと眺め、ふと思い出したように天井を見上げた。
そこには絵が刻まれていた。
杖を持ちマントを羽織った人の前に大蛇の群れ、それらが人を襲っている。
襲われた人々の奥で逃げ惑うのは冠を被った人。ひどく醜悪な顔で描かれている。

再び周囲を見渡した。
他には特に何も無いようだ。


<聞き耳>
・アーチの向こうから水の流れる音がする。
;遠くで水の落ちる音がする。

壁や扉の紋様

<歴史>により以下の情報が得られます。(;はクリティカル情報、以降この書式を扱います。)
・これは現在のソルディアの前にあった王国「ウロク」の様式で、特に晩期によく見かけられた。
・当時の王はサルディールといい、ウロクの繁栄と滅亡の中心にあった人物である。
;サルディールは蛇を信仰しており、ウロク独自の宗教を迫害したため神殿と対立していた。

蛇の像のアーチ

注目するとロール不要で以下の情報が分かります。
・この像は非常に滑らかかつ写実的であり、極めて高い技術力を持っていた。
<アイデア>または<歴史の3倍>
・歴史書の記述を鑑みても、不自然なほど高い技術力。
;ウロクの歴史書はあまりにも古いため、その記述も非現実的なものが散見される。だがこの像を考えると事実だったのかもしれない。

以降はフレーバー要素。KPからロールを指定するべきではないものです。
<生物学>
・現存する蛇の一種「ナユーラ」に酷似。
・その蛇は夜行性で水辺に生息し黒褐色の表皮を持つ。無毒。平均的な個体では胴径6cm、体長3m。
 ※蛇の像はこの倍以上の大きさ。
;語源は「ナル・ユーラ」。「ナル」は「属していない、迷子の、不安定な」。「ユーラ」は「奉仕するもの、信徒」。

<クトゥルフ神話>

壁画

何も分かることはない。

絵画の解説

右の部屋

ここは書斎であろうか。ずいぶんと古ぼけてしまっている。
先ほどの広間よりは湿っぽくはなく、時々風が通るのか松明の炎が大きく揺れた。
下は石造りではあったが絨毯が敷かれていたのだろう。その残骸は見て取れる。
地下であるはずなのに、暖炉のようなものさえあった。

机の上には紙や羽根ペンがあったが、どれも朽ちてしまっており使い物にはならないだろう。
その近くには本棚があった。下にあるものは湿気にやられたのか、ずいぶん痛んでしまっているようだ。

暖炉

<目星>
・真っ黒になった小さな像が見つかる。人間のようだが、尾が生えている。
;黒ずんだ石像の一部は、しかし元の姿を示していた。まるで蛇の皮のような、そんな模様がびっしりと・・・。
見つかった像に対して※フレーバー

<クトゥルフ神話>

本棚

<図書館>
・「我が生涯」という本が見つかる。
・本棚の端に挟まっていた羊皮紙を見つける。
我が生涯
ウロク王国最後の王、サルディールの自伝であろうか。

側室の子として生まれた彼は、生まれの理不尽を呪いつつも
正統な後継者たちの心傷むべき死によって王となったようだ。

王となった後、今度はウロクが小国であるがゆえの理不尽に悩まされる。
またも己の運命を呪った時、ある一冊の本に出会う。
それが「大いなる蛇」であった。
当時の感動は以下のように書かれている。

あの神々しい蛇たちよ。やはり彼らには神がいたのだ。
蛇を愛し、蛇に愛された神、イグよ。
いあ!いあ!いぐ!全ての蛇の父よ!
私はあなたを讃える!私を蛇にしておくれ!

幼い頃、第1王子や第2王子が蛇に噛まれ死んだことが
彼の蛇への執着を生んでいたが、それがこの本により決定的なものとなる。

その後彼は、王家同士の親睦を深めるとして他国で開催された狩猟会にて
他国の王の一団を毒蛇に噛ませて死傷者を出すなどして暗躍。
主要な人物たちを失った国は混乱に陥り、彼自身も結果満足していたが
時が経るにつれて彼の野望が大きく膨らむようになる。

国内の邪魔な人物や他国の重要人物を、わずかな機会をうかがって葬ったところでたかが知れている。
やはり軍隊として強大な存在を生まなければならない。

サルディールはこの頃から熱心に呪術や妖術と呼ばれる類のものを研究している。
時にはイグの知識を授かり、それに没頭していった。
そうして何かを得て蛇を巨大化させることに成功したようだ。
しかしその「何か」はここでは伏せられてしまっている。

私はついに成し遂げた。私の息子たちを軍隊として扱えるようになったのだ。
しかしあまりのもその代償は大きかった。仮に同じような道を歩む者が出てきたとして、これを見て踏みとどまって欲しい。
こんなつもりではなかった。ああ、こんなつもりではなかった。

こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。
こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。
こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。
こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。
こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。
こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。こんなつもりではなかった。

文章はここで終わっている。
※SANC1/1+1D2、神話技能+3、神格「イグ」という存在を知ります。

<クトゥルフ神話>※フレーバー、強い警告を与えてください。内容を削除・変更しても構いません。

羊皮紙

私の愛した妻へ

私が完全に狂ってしまう前に、この手紙を書き残す。
君が異形の子を生んだのも、私がこうして狂っていくのも。
いや、私たちだけではない、この国全体が狂ってきている。
母親は異形の子を産み落とし、忌々しい蛇たちは日を追うごとに凶暴になっていく。
家臣はたまに蛇のように舌を出す。割けた口で「すばらしい勝利でした」と言う。
私がいつ戦争をしたのだろうか。私は、私のしたことを覚えていないのだ。

妻へ。
どれだけ言葉を連ねても言い表せない謝罪と感謝の心を
それでも私は書きたいのだ。
ありがとう。本当にすまない。愛している。
この心を忘れたくはない。
<クトゥルフ神話>※フレーバー
・これが「イグの呪い」によるものだと察する。
 ※SANC0/1、神話技能+1

左の部屋

寝室だろう、大きなベッドが置いてある。
(やはりここにも暖炉がある。)or(地下のはずだが、暖炉もあった。)
銀でできた調度品が飾られていたが、一際目立つのは中央に置かれた石碑であった。
まるで見せ付けるようにして置かれてあったのだ。

ベッド・暖炉・調度品

特に何も無い。

石碑

古語であったが、なんとか読むことができるだろう。

私はサルディール。ウロク王国最期の王だ。
ここに侵入したものは、すぐに出なければならない。
地下に眠る住民たちが目を覚ます前に。
私はそうすることが叶わなかったが、しかし神殿の者がこの都市を封じてくれた。
この石碑を誰かが見ているとき、私はどこかをさまよってるか、あるいは死んでいるだろう。
これは警告だ。今すぐに引き返せ。
そして全てを忘れ去るのだ。

廃墟

目の前には巨大な廃墟が広がっていた。
今までの場所はちょうど階段を登った先にあったようで、廃墟は眼下に見える。
どういったわけかそのほとんどが浸水してしまっており
目立つものといえば中央に見える塔くらいだ。
塔は極めて高く、洞窟の天井さえも貫いている。
・・・天井に、この街全てを覆うように巨大な印が刻まれていた。
その印は五芒星で、中心をこの塔が貫いていたのだ。

塔まではちょうど平たい屋根が道のように続いており、どうにかたどり着けそうである。


<聞き耳>
・遠くで水の落ちる音がする。
;水の反響する音が聞こえる。多重構造になっているのだろうか。

五芒星

<クトゥルフ神話>※フレーバー

叡智の塔

崩れかけた場所から侵入することができた。
意外にも階下も浸水していないようであった。
螺旋階段が続いており、それを登って上まで行けるだろう。

最上階

扉の隙間から水が少し入ってきている。雷の音が近い。
どうやら地上に出たようだが、まだ塔の中である。
しかしその一瞬の安堵さえも目の前の光景にかき消されてしまう。
鈍い輝きを放つ石の壁につけられたいくつもの傷。
その周囲には刃こぼれしたナイフが散乱しており、壁に寄りかかるようにして人骨が座っていた。
白骨化した人々がこの小さな部屋に大量にいたのだ。
壁を削って逃げようとした者、扉を破ろうと足掻いた者、天井を崩そうとした者。
皆、ここで脱出を図り、そして死んでいった・・・。
※SANC1/1D3

<医学>
・人骨はたしかに人間のそれで違いない。
・ここで争って殺しあった形跡も見られる。
;歯や関節の状態から、白骨の身分はバラバラだと分かる。
※状況から共食いも想像できる。ここはKPの裁量次第。


両開きの扉には、それぞれに蛇が描かれていた。
開く場所には杖が描かれ、その持ち主であろうか、人影もあった。
そして扉の下部には文字が彫られていた。
読むこと自体は簡単な文章であったが・・・。

「呪われた蛇の血を捧げよ」

<クトゥルフ神話>※フレーバー

地下

叡智の塔を降りていくと1階へと着いた。
不自然なほどに木材を貼られ、まるで浸水を防いできたかのような印象を与えられる。

<目星>
・床の一部が不自然に浮いていた。どうやら横に動かせそうだ。
<聞き耳>
・足音が反響している。下に空洞があるようだ。

螺旋階段が続いていた。
いや、新しく作られていた、というべきだろうか。
地下を掘り進む階段がある。

幾度と無く螺旋を描き、ようやく階段が終わる。
まっすぐな道を歩いていくとふいに開けた場所に出た。
地底湖。
想像を絶する広さだったが、それだけではない。
なんとやや離れた場所に街が見えるのだ。
こんなところにも人が住んでいたのだ。

地下の街

上で水没していたものとあまり変わらない街並み。
ところどころ違うようだが、面影は十分に感じられる。
松明に照らされ人影が見えたが、薄暗くてよく分からない。
人影はピタリとそこで立ち止まる。
そしてじりじりとこちらへにじり寄ってくる。
何かがおかしい。
顔が分かる程の距離にきたかと思うと、「それ」は襲い掛かってきた。
とっさに武器を構えるが、目は信じられないものを見て固まっていた。
明かりに照らされた「それ」は蛇の顔を持ち、手は蛇の皮で覆われていた。
しかし人間のように2足で歩いていたのだ。

蛇人間を目撃したことによりSANC0/1D6。

戦闘ー退化した蛇人間ー
db:-1D4 HP:6 SIZ:8 DEX:6
噛み付き(35%):1D8-1D4+POT6
装甲:1ポイント
呪文:無し

※容易に勝てることでしょう。ただしそのまま街に乗り込むなら蛇人間の数を倍に増やしましょう。
※ここで倒した蛇人間を最上階に持っていき、血を捧げればクリアです。
※運搬の過程で血は半分ほど失われますが、それでも4点の条件を満たします。


2度目の戦闘では、うち1体が太陽神殿(シルディアの大神殿であり、全ての神殿の総本山)の紋章をつけているのを見つけます。
3度目の戦闘では、彼が呼び出したイグの落とし仔と戦うことになります。

END

HAPPY END

成功報酬:1D6
・自傷し、その血で脱出する。(合計3点分の血を要求。)

この方法で脱出した場合、自身に蛇の血が流れていると知ることとなりSANC1/1D4。
ただし商人ルノドにはこの血が流れていない。
血が1点分であっても、扉が血を吸い上げる描写をしたほうがいいだろう。
※正確には呪われた血。
→「月の祝福」へ参加可能に。

NORMAL END

成功報酬:1D4
・蛇人間を殺害し、その血で脱出する。(合計3点分の血を要求。)

この方法で脱出した場合、イグの呪いを受ける。後に響いてくる。
血が1点分であっても、扉が血を吸い上げる描写をしたほうがいいだろう。
※正確には呪われた血が蛇の殺傷により発現する。
→「月の祝福」へ参加可能に。

BAD END

・なんらかの要因で死亡する。
・脱出できずに詰まる。

クリア後

扉は再び鈍い音を響かせて閉じてしまう。

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