ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

はじめに

このシナリオは約一日を掛けて回す事を想定して造られたシナリオです。
基本的に情報量は多すぎず、少なすぎず、というところですが、KPにはアドリブが求められる部分がところどころ存在します。
それ故に、KPとしての難易度は少々高めであるかも知れません。

PLの視点としては、このシナリオはclosedシナリオではありますが、実際の自由度はclosedシナリオとしてはそれなりに高めです。
だがしかし、安全策を取り続けていても、次第に自分の首を絞めていくだけ、というような構成にこのシナリオはなっております。
加えて、このシナリオには特に探索者の命を容易く奪い去るようなデストラップが存在します。
ですが、警告の無いデストラップはこの洋館という舞台には存在しません。その時が訪れる前に、必ず判断する為の情報や証拠は手に入れているでしょう。
それ故。PLには慎重な探索、大胆な行動力、そして情報を整理し、必要なものだけを判別できる判断力が必要となるでしょう。
特に判断力は、このシナリオに少なからず存在するデストラップを回避する為に、もっとも必要な能力とも言えます。

KP難易度:★★★☆☆
PL難易度:★★★☆☆〜★★★★☆

※基本的に進行に必要な情報は全て載せたつもりですが、抜け落ちがあった場合に新たに追加の更新を行うかもしれません。
また、度々KP情報の追加も行うかもしれません。

推奨技能

優先度3目星、精神分析、回避無いと探索が非常につらい事になります
優先度2聞き耳、図書館、医学、英語、隠れる、登攀、跳躍一人以上の習得推奨
護身程度の≪戦闘系技能≫、≪交渉系技能≫
優先度1追跡、博物学、オカルト、重機械操作一応使う機会はあります

POWが高めな探索者をお勧めします。
また、戦闘技能は推奨ではありますが、このシナリオは戦闘シナリオではありません。
戦闘技能で固めすぎても、逆に生存が厳しくなる事を伝えておいてもいいかもしれません。

地図


1F

2F

B1F

導入

物語の始まりは、探索者達のそれぞれの家。
時刻は既に夜も更けた頃。
探索者は普通に自分から眠りに付くものもいれば、急な睡魔に襲われて眠りに着くものもいるだろう。
その後の展開は全員一緒となる。

探索者達は夢の中で徐に起き上がり、寝間着姿のまま家を出て、街を出て、山道を登り、森へと入り、そして山奥には不釣り合いな、とても大きな洋館へと辿りつく。
探索者達はその館の中へ躊躇なく脚を踏み入れ、そのうちの一つの部屋、ベッドが沢山並ぶ部屋へと訪れる。
そして、そのベッドの中に探索者は潜り、再び眠りへと付く。

眼を覚ませば、探索者は夢で見たベッドが多数存在するどこかの部屋の一室にて目覚る。
探索者達は目が覚めたらおかしな部屋に放り込まれていたという事実に衝撃を受け、0/1のSANチェックを行う。

ここまでが導入となる。KPはここで探索者達に自由行動の権利が生まれた事を報告した後、眼を覚めた直後に部屋を見回して分かることを伝えるとよいだろう。

一階・寝室

探索者達が一番初めに訪れる部屋。
眠りに着いた探索者達は全員、この部屋で眼を覚ます。

もし就寝前に何か行動を起こし、その最中に寝落ちした方がいた場合、その探索者には≪幸運≫を振らせる。
成功した場合、その行動に関わる何かをKPが裁定し、持ちこみを許可してもよいかもしれない。

周囲の状況

まず周囲を見回して分かるのは、この部屋が狭い密室であるということ。
この部屋の中に存在するのは簡素なベッドと、壁に突き刺さった釘にぶら下がる懐中電灯だけ。
この部屋と外界をつなぐのは、その懐中電灯の横の木製の扉だけです。この部屋には窓もない。
それ故に、今の時間が朝なのか夜なのか、それすらも探索者達は分からない。

目星情報

聞き耳情報

一階・西側廊下

寝室から出てすぐの廊下。
館の廊下は少し歩いただけで宙に舞い上がるほど、埃が積み重なってしまっている。
寝室から見える廊下は板張りで、どうやらかなり年季の入った建物のようだ。
また、廊下には窓があり、そこから月明かりが廊下を明るく照らしている。
この館に居る際、外の景色は『月明かりの見える夜』に固定され、常に窓からは月光が差し込むこととなる。
寝室の入り口から見える範囲には、右側の壁に扉が二つ、並んでいる。

窓は開かず、力ずくで上げようとしてもビクともしない。
窓を何かで叩きつけ、割って開けようとしても、むなしく窓は無傷のまま攻撃は跳ね返される。

探索者達が明りを求め、懐中電灯を点けた場合、≪追跡≫を振ることが出来る。
≪追跡≫に成功した場合、以前何者かが探索した足跡が僅かに残っているのを発見できる。
加えて、その足跡は手前の扉から出てきていることが、加えて更に≪追跡≫、もしくは成功者が目星に成功した場合、その足跡が奥の方の扉へと入って行くことが分かる。

また、寝室から初めて廊下に出た際、目星に成功すると廊下に一枚の黄土色の羊皮紙が落ちているのを発見できる。
表面には『No.1』と文字が刻まれており、裏返すとフードをかぶった男の苦悶の顔が描かれているのが分かる。。
この時、羊皮紙を目にするたびに≪オカルト≫を振っても構わない。
成功した場合、後述の【魂魄吸収の無銘羊皮紙】という都市伝説に関する情報を入手できる。

一階・地下への階段(解錠前)

鍵が掛かっていて入れない、木製の扉。
この扉の鍵は、二階の『研究室』にて入手することが出来る。
この扉の前で聞き耳に成功した場合、空気が微かに上から下へと流れていくような音が聞こえる事だろう。

鍵の使用、もしくは鍵開け以外でPLが侵入を試みた時

一階・応接間

部屋の中は散乱しており、椅子は壊れ、大きな横長のテーブルは中央から真っ二つに割れてしまっている。
部屋の中は月明かりが届いておらず、とても暗い。詳しく調べるには、室内に侵入する必要があるだろう。

中に入った際、探索者達はかつてこの場所が応接間であっただろう、ということを知る。
また部屋には大量に積み重なる中央の家具の瓦礫のほか、既に火の消えた暖炉が存在する。
また目星に成功した場合、瓦礫には一枚のボロボロの紙が挟まっている事が分かるだろう。
これはこの館の地図を表したものであり、PC達が今いるエリアの全体像が表示される。

テーブル等の瓦礫を迂回した先には、応接間の壁に寄り掛かった腐敗した男の死体が転がっている。
この死体を発見した探索者は0/1d3のSANチェック。
この男の死体に医学で成功した場合には、全身を何か堅い物で強く何度も殴打されている事がわかる。その情報に加え死後数カ月は経っていることがわかるだろう。
この死体は探索者達と同じく、特殊な夢によってこの館に連れてこられた人物のもの。
殴打の跡は動く骸骨による棍棒での強打が原因。

暖炉


目的物の無い目星&聞き耳判定

一階・エントランスフロア

この館の玄関である。壁には街中で見かけるような洒落たランプが飾られているが、既に火は灯っていない。
玄関と思わしき場所には無骨な大きな鉄の扉が存在する。その両脇にはショーケースの中に入れられた、何も植えられていない植木鉢を発見できるだろう。
その他には道が二つ存在し、玄関から見て正面には下へとゆるやかに下って行く長い廊下が、右手には扉が一つ確認出来る狭い廊下を確認できる。
エントランスのど真ん中には大黒柱のような円柱形の柱が立っている。こればっかりはちょっとやそっとの衝撃では壊れそうにないだろう。

初めにエントランスに訪れた場合、全員に目星を振らせる。
成功した場合、再び黄土色の羊皮紙が床に転がっているのを確認できるだろう。
ここで再びオカルトを振ることが出来る。成功した場合、【魂魄吸収の無銘羊皮紙】という都市伝説に関する、更に詳しい情報が手に入るだろう。

玄関の鉄の扉


植木鉢

一階・庭の扉前

玄関真正面の扉は、庭へと通じる廊下である。
その廊下を真っすぐ進んでいくと、大きな木製の扉のほか、鉄の鎧が扉の両側に飾られていることが分かるだろう。
扉の右手の鎧には剣が、左手の鎧には槍が持っている事も分かる。

鎧の詳細

一階・庭

外は夜で、明りを失った街頭ランプの代わりに月の光がこの庭を照らす役目を担っている。
壁の直ぐ傍に備え付けられたプランターには今は何も植えられてはおらず、真黒い土の上に積もった枯葉がその行方を示しているだけ。
庭の中央には噴出が止まった噴水が一つ。とうの昔に水は枯れ果て、無骨な石面がむき出しになっている。
噴水の横に、綺麗に並んだ巨大な植木鉢が四つ。葉をつけない樹の幹だけがその場にぽつんと聳え立っている。
庭は一部の隙間もなく、大きな鉄製のフェンスで覆われている。が、材質以上に堅いようで、こぶしで殴ろうと、石を叩きつけようと、椅子を持ち出して叩きつけてみようとビクともしない。探索者達はこのフェンスを力技でこじ開けるのは不可能だと判断するだろう。
その一か所に、扉のようにも見える、フェンスに刻まれたアーチ状の紋様があることが分かる。が、ここも同じように力技でこじ開けることは不可能のようだ。

噴水


植木鉢


プランター


フェンスの紋様

一階・書斎

応接間とは打って変わって、床には紙が散乱しているものの本棚自体は綺麗に整理整頓されている。一番奥には作業場とおもわしき机と椅子がある。
初めに書斎に入った時、探索者全員に目星を振らせる。
目星に成功した場合、その探索者は書斎の片隅にひっそりと落ちている無銘の羊皮紙を見つける事だろう。

本棚


作業場

初めて書斎を出た際のイベント

書斎から出る前にもう一度書斎の中を見回してみた場合、その探索者は無銘の羊皮紙がこの書斎が消え去っているのに気づくだろう。
その後、書斎を出た直後、目星判定を行う。
成功した場合、ふよふよと浮きながら探索者達目がけて猛突進してくる無銘の羊皮紙を目撃する。
余りにも異様で直感的な恐怖を探索者達は感じるだろう。1/1d3のSANc。

その後、目標をランダムかチョイスで決定。
その対象が目星に成功した場合、従来の回避の値に+20。
失敗した場合はそのままの値で回避を行わせること。
回避に失敗した場合、その探索者に幸運を振らせる。
成功した場合は1d6のダメージ。その羊皮紙に身体の一部分を削り取られる事だろう。
失敗した場合、その探索者は羊皮紙の中に吸い込まれ、今までに見た羊皮紙と同じように、その探索者の苦悶の顔がその羊皮紙に記される様になる。
その探索者はロスト。
加えて、その様を見た他の生存者達は、1d3/1d10のSANcを行う。

この羊皮紙は部屋を出入りする度に、40%の確率で出現する。
これの出現を止めるには、この恐ろしい羊皮紙を火で燃やしつくすか、間接的な手段でこの羊皮紙を持ち歩くしかない。
勿論、拾う時に素手や手袋をした状態で触ろうものなら、上の回避を失敗した場合と同じ判定を行うこと。

二階:廊下

二階の廊下の探索には『懐中電灯』が必須となる。
懐中電灯を用いずに探索する場合、目星に-30%、聞き耳に+20%の補正を与える。
これは暗闇により視覚的情報が使い物にならず、代わりにその他の感覚的技能が鋭敏化する為である。
懐中電灯でまず辺りを照らした時、夥しい血痕を探索者達は目撃する。0/1のSANチェックを行う。
階段から移動し、研究室の存在する廊下へと差し掛かった時には廊下に積み重なった大量の骸骨を目撃するだろう。探索者は0/1のSANチェックを行う。
この骸骨に≪医学≫を行った場合、この骸骨からは恐らく外部からの大きな衝撃を加えられた事はなく、綺麗に肉だけが削ぎ落された様に感じることが出来る。

二階:魔女の私室

階段を上って右側の部屋、そこが魔女の私室となる。
扉には「MyRoom」という掛札がぶら下げられているので、勘の鋭い探索者なら分かるだろう。
真正面に見える窓には廊下のように板が打ちつけられてはおらず、そこから月の光が室内を照らすように差し込んできている。
綺麗にシーツが直されたシンプルなベッド、筆記用具や書類が散乱した作業デスク。
部屋の奥には長い間使われていないようですっかり埃を被ったその横の本棚が存在する。
部屋の中央には、ロッキングチェアに座った女性の亡霊、【この館の魔女】が虚ろな目で座っている。

部屋の中に入り女性に近づくと、彼女の身体が透き通っているのが見てわかる。
彼女の姿を視認したものは、この女性が人間ではない別の存在だという事実に気が付くだろう。0/1のSANチェックを行う。

幽霊の魔女


本棚


作業デスク

二階:屋根裏部屋

魔女の私室から隠し通路を通った先に存在する、隠された屋根裏の部屋。
そこには既に火の消えたランタンと、一冊の古びた本が打ち捨てられている以外は何もない。

一冊の本は英語で記された、今にも崩れ落ちそうな小型の写本である。
その魔道書には数々の悪魔の知識が記載されており、まさに百科事典とでも言うにふさわしい者だろう。
魔術書を紐解くには、≪英語≫の技能に成功しなければならない。
英語にした場合、この魔道書が≪魔術の真理≫という題名であることが分かるだろう。
魔術の真理を読んだ者は、1d4/1d8のSANチェックを行う。また、クトゥルフ神話技能に+6%。
このSAN減少で短期的狂気に陥ることは無いが、不定の狂気には陥る可能性がある。
この本を読み込むには、平均24週間もの時間がかかるため不可能。
だが、魔術書に一枚のメモが挟まれており、そこには『ニョグタの招来/退散の呪文』について記された簡潔な情報が残されている。
この時、魔術の真理の解読に成功したものは、ロール無しでこのメモを解読することが可能。魔術の真理を解読していないものは、≪英語≫ロールが必要となる。
ニョグタの招来/退散の呪文を習得する為には、INT*2のロールに成功する必要がある。
ただし魔術の真理の一時的な解読に成功していた場合、INT*5で振ってもよい。
また習得する際1d10の SAN減少を行わなければならない。
こちらでは短期的狂気に陥る可能性があるだろう。
なお、『ニョグタの退散の呪文』に関しては下記の『ニョグタを退散させる場合』を参照。

なお、この魔道書を持ちかえることは出来ない。
この本を手に持ったまま魔女の私室に戻ると、魔女により魔道書は回収されるだろう。
それでもなお強引に持ちだそうとした場合、魔女は実力行使に移る事だろう。

二階:研究室

「Laboratory」と言う掛札が掛けられた、寂びた扉の部屋。
中は完全な暗闇で、肉眼ではその全貌を見通すことはとてもできそうにない。
中を探索するには、懐中電灯が必須となる。

懐中電灯で部屋の中を照らすと、まず目に入るのは廊下以上に大量に積み重ねられた骸骨の山だろう。その後、光を動かすとからっぽの本棚、質素な鉄製テーブルがあるのが目に見えるだけである。どうやら何者かに研究資料などを全て持ち去られた後のようだ。
質素なテーブルの上には何もおかれていない。引き出しを開けると、地下室に繋がる鍵を入手することが可能。それ以外には、「真夜中に後ろを振り向いてはいけない」という「山の蛇」に関する伝承の本が入っているだけである。

この部屋では、まず探索者達が何人この部屋の中へ入るかあらかじめ聞いておく事。
入ると宣言したPCが全員入室した直後、研究室の扉は勢いよく閉まり、部屋の中と外に完全に分断される。
その後、目星を全員に行わせる。
その後、部屋の中では1d10の骸骨が、部屋の外では1d3の骸骨が骸骨の山から立ち上がり、探索者達に襲ってくるだろう。
探索者達は1/1d6のSANcを行う。
加えてこの時目星に全員が失敗している場合、探索者達は背後から不意の一撃をくらうこととなる。
全員1d4のダメージ減少を受けてから、更に追加で0/1d3のSANcを行う。

この時、研究室の外からは扉を開けることは出来ない。
扉は部屋の内側からのみ開けることが出来、ここから脱出するには中に居る探索者が扉を開かなければならない。

彷徨う骸骨

二階:倉庫

使用意図の分からない棚、床に散らばった無数の書類、そして大量に放棄されたガラクタの入った段ボール箱。
まさに倉庫というにふさわしい環境である。
倉庫の奥の壁にはこの館の魔女の死体が撃ち捨てられているのが、入口からも見て分かるだろう。
また、一階の応接間と同じように、倉庫の壁際には暖炉が存在するのが見て取れる。

初めに倉庫に入った時、探索者達に聞き耳を振らせる。
聞き耳に成功した場合、その探索者は『くすくす』とささやき笑う、子供のような無邪気な笑い声が何処からともなく聞こえてくる。1/1d3のSANc。
この時、あらかじめ魔女から「倉庫に怪物がいる」という知識を聞いていれば、このまま不意打ちなく戦闘へと突入する。
逆に何も聞かされていない状態のまま倉庫の中に入室すれば、まず初めに怪物からの不可視の攻撃を受ける事だろう。
この攻撃は不意打ちとなるので、攻撃は自動成功。かつ、攻撃対象のPCは回避を半分で振ることとなる。

ただし、一階の応接間にて暖炉に火を付けている場合においてはその限りではない。
その場合は二階の倉庫に存在する暖炉に吹きだまった木炭の灰が、煙に噴きあげられて倉庫中に舞い散る事だろう。
その影響により怪物は木炭の灰を被り、不可視の状態から黒い異形の化け物として視認が可能となる。
この時、直接黒い異形の化け物を目撃した事による1/1d10のSANcが発生する。

不可視の怪物

二階:倉庫:怪物撃退後

怪物撃退後は部屋全体に目星、または床に散らばる書類に図書館を行うことが可能。
目星に成功した場合は、部屋の段ボールから一冊の日記を、図書館に成功した場合は複数枚のメモが纏められた紙留めを入手することが出来る。
また、魔女の死体については特に判定なく調べることが出来るだろう。

日記:魔女の日記三冊目参照。

複数枚の紙留め


魔女の死体

一階:地下への階段(解錠後)

鍵を開けた先は小さな小部屋。
中にあるのは、うす暗い闇の中へと続く、地下室への階段だけである。
この部屋に窓は無く、扉を開ければひんやりとしたうすら寒く、そして何処か恐ろしい空気を感じる事だろう。

ここで階段を降りる、と探索者達が宣言した後から、『大声、騒音』に対してペナルティーが発生する。
KPがここで地下室に反響するであろう大きな音を、探索者達が発してしまったと判断するのであれば、シークレットダイスで≪聞き耳:25%≫を振らせること。
この聞き耳に成功した場合、地下室にてニョグタが活動を始めることとなる。

地下室:地下洞窟

部屋とは言い難い、無骨な岩肌と堅く軽く湿った地面で構成された地下洞窟。
探索者達がもつ明りが無ければ、とてもじゃないが探索は不可能と言えるほど真っ暗であるだろう。

地下室に降りて目に入るのは、夥しい量の人骨である。
それは地下洞窟の地面を埋め尽くすほどに存在いる。
ここで探索者全員にアイデアに成功した場合、探索者達はこの骸骨全員が動く様を思わず想像してしまい、軽い恐怖に襲われる事だろう。
1/1d3のSANc。

加えて、この地下洞窟の中で聞き耳した場合、辺り一辺、全方向から何者かが蠢き這いずりまわる様な音を耳にしてしまう。
1/1d3のSANc。

もしこの地下洞窟に訪れた時点でニョグタが活動を再開していた場合、PCが行動宣言を行う度に幸運を振らせる。
もしこの幸運に『一人でも』失敗した場合、不幸にも探索者達は何の準備もないままニョグタと遭遇してしまうことだろう。
まず1d6/1d20のSANチェックを行い、かつ、そのままニョグタとの戦闘へと移行する。
一応、この場合でも呪文の詠唱は可能となるが、どう足掻いても一回ニョグタからの攻撃を耐えなければならなくなるだろう。

この時、≪隠れる≫を所持している探索者が居るならば、その洞窟のような地下の環境を利用し、ニョグタとの遭遇の回避を試みることも出来るだろう。
隠れるに成功した探索者は、まず聞き耳を振る。
聞き耳に成功した場合、ニョグタが暫く地面を蠢く音が聞こえた後、探索者が隠れている場所を通り過ぎるのが聞こえるだろう。
この後に隠れるを解除した場合、自動的にその探索者は遭遇との回避に成功したことになる。
しかし、この聞き耳に失敗した場合、探索者がその後出ることを選択した場合に『隠れている誰かの幸運をシークレットで決定し、更にシークレットでその人物の幸運判定を行う』。
その幸運に失敗した場合は、ニョグタをやり過ごしきれず、相対することとなるだろう。

また、隠れるに成功し、かつ他のPCがニョグタに見つかってしまっている場合、隠れる宣言を続けることで、ニョグタが何らかの理由でその場から立ち去るまで、なんとか隠れきることが出来るかもしれない。
その場に『隠れている』PC以外が全員居なくなった時、隠れているPC全員の幸運を振らせる。
もしこの幸運に『一人でも』失敗した場合、同じようにニョグタと相対することとなる。

地下室:管制室

地下洞窟と同じく、床には多量の人骨が散らばっている。
部屋に入って左手にはロッカー、右手には使用用途の分からない機材やらが大量に詰まったガラス棚。
そして真正面にはそれぞれ赤、青、緑、黄色の色の枠を持ったモニターが貼り付けられている。
そのモニターの下には、それの制御用と思わしき何らかの機械。
そこに、それぞれのモニターの色のレバーが一つずつ備え付けられている。
そして、四つのモニターの直ぐ下には『騒音注意』と書かれた張り紙がされているのに気が付くだろう。

モニター


ロッカー


ガラス棚

地下・シェルター入口

地下室右方向に見える巨大な穴が、地下深くへと入り組んだシェルターへの入口である。
シェルターの中はまるで黒いタール液をなみなみと注いだような、闇のような黒さを感じることが出来る。
もっと深く中を見ようと目星した探索者は、その黒い闇のような何かが突然にぐにょぐにょと生きたように胎動するのを目撃……した気がするだろう。
1/1d6のSANc。
中にいるのは眠りに着いたニョグタである。彼は探索者が騒音を立てるか、退散の呪文を唱えるまで起きることは無い。
ただし、既に騒音を立て目を覚ましている場合、かつニョグタに遭遇せずシェルターまで辿りついた場合、
シェルターの中から真黒な液体のような何かが、自分たちが訪れた方向とは逆の方向へと、不自然に空間を埋め尽くしながら伸びていっている光景を目にする。
1d3/1d10のSANc。

穴の中に飛び込んだ場合、当然そのPCはニョグタに食われる事となる。キャラロストである。
加えてニョグタが眠っている場合、その行動によりニョグタは活動を再開し、付近にいるであろう探索者達を捕食しようと行動を開始する。
この場合も、ニョグタとの対面に移るだろう。

脱出時

ニョグタの退散を行う場合

探索者達は地下室、または地下室内の任意の場所で退散の呪文を唱えることが出来る。
また、望むなら逃げ出しながら退散の呪文を唱えることも可能だろう。
このシナリオでの『ニョグタの退散の呪文』の裁定は以下となる。

ニョグタの退散の呪文


ニョグダの呪文を唱える場合、その詠唱箇所によってニョグタが探索者達に辿りつくまでの距離が異なる。
以下はその到達距離の例である。
シェルター前 :1d3R
管制室    :1d3+1R
地下室階段前 :1d3+3R
格納庫隠し扉前:1d3+5R

勿論ニョグタを視界に収めた際には、ニョグタとの遭遇による1d6/1d20のSANcが発生する。
その後に、呪文の詠唱が成功か否かのロールを行うこととなる。
発狂ペナルティもこの時加算される。

視認距離にニョグタを納めぬまま詠唱延長の上限を経過。
または、ニョグタの退散の呪文の詠唱を失敗した場合、ニョグタとの戦闘に移行する。
通常ではまず勝ち目などないので、出来る行動は逃走だけとなるだろう。
ただし、黄色いレバーを引いていない状態で逃げ出すことに挑戦した場合、脱出の手段がその時点で消え失せる。
全員が階段を上る選択を取った場合、KPはそこで探索者全員ロストのバッドエンドに突入させてもいい。

ニョグタの退散後、またはニョグタの退散を行わず館からの逃走を図る場合

探索者達は館中に眠る骸骨、朽ちた狂信者の魂からその命を狙われることとなる。
この館に訪れ、かつ魔術に関しての知識を得た探索者達をこの館から逃がさないためだ。
加えて、ニョグタ未退散の場合にはその追っ手にニョグタも加わることとなる。

探索者達は館から脱出する為に、まず地下からの脱出、DEX*5のロールに成功しなくてはならない。
失敗した場合、幸運ロールを振らせる。幸運ロールに失敗した場合、そのPCは転んで骸骨の大群、またはニョグタに飲み込まれる。PCロストである。
幸運に成功した場合、なんとか態勢を立て直して逃走を続けることが出来る。次回のDEXロールにDEX-1分の補正が付与される。
逃走先に格納庫へと繋がる階段を選んだ場合
階段ではDEXロールは必要ない。階段を一気に駆け上ることが出来る。
また、この時『重機械操作』持ちがいるのであれば、トラクターを操作して脱出を試みることが可能である。
その場合、重機械操作に成功した時点で館からの脱出は成功となる。
トラクターに乗った場合、シャッターは問答無用で突き破れる事だろう。
シャッターをあらかじめ開けておく場合、STR25との対抗が必要となる。これは複数人での協力が可能。

重機械操作がいない、もしくは重機械操作に失敗した場合、
1d50*3の数の骸骨に埋め尽くされた中庭を走って突っ切らなくてはならない。
何事もなく逃走に成功するには、DEX*5を二回成功する必要がある。
この時、魔女の好感度が比較的高い場合、庭の植木鉢の食人植物が骸骨達を食い散らかしている姿が見えるだろう。この場合DEX+1分の補正が付与。
更に魔女に水晶玉を返却していた場合、扉に待機しているもしくは地下室の入口に待機している鎧騎士が、骸骨達を凪ぎ払う姿を目撃できる。この場合DEX+1分の補正が付与。
逆に魔女を怒らせたまま脱出に挑んでいた場合は、食人植物が探索者達の逃走を妨げてくる事だろう。DEX-1の補正が付与される。

この二回のロールは、それぞれの補正付きの値で振ることが出来る。
このロールに失敗した場合、最初の一回は幸運ロールを振ることが出来る。
成功した場合、ここで再び態勢を整え、逃走に再挑戦することが出来る。次の逃走DEXロールにDEX-1分の補正。
かつ、魔女の好感度が高かった場合、魔女が『ニョグタの鷲掴み』を用いて一度だけ周囲の骸骨を吹き飛ばすorニョグタの動きを一時的に封じてくれる。
この場合はDEXのマイナス補正は掛からない。

二回目に失敗した場合は、他の探索者による救出ロールが必要となる。
まず、他PCによる仲間の転倒に気付くことが出来るかの幸運判定を行う。
成功したPCはDEX*5で倒れた仲間の元へ駆け戻れるか判定。
そして、救出するPCのSTR:救出されるPCのSIZとの対抗が必要となる。
このSTR対抗はDEX*5に成功したものだけが参加可能。
逃走先に地下室に入ってきたときの階段を選んだ場合
最初の一回に加え、DEX*5の判定が、階段を上り、一階の廊下を走り、中庭に辿りつくまでの途中で二回判定が追加される。
それ以降は中庭を徒歩で脱出する際と、判定は一緒になる。

ED

玄関から脱出した場合

玄関から脱出した場合、森から大量の蛇の軍が訪れるのを目撃する。
そしてその中央に、人型のような長老のようにも見える蛇が存在するように見受けられるだろう。
その長老ヘビの正体は、森に住む蛇たちを束ねる神『イグ』である。
蛇たちの父に遭遇した探索者は0/1d8のSANc。
しかし、イグによって統率されたヘビ達は基本PCには攻撃してこない。
イグの関心は館に存在する、己の領地に勝手に侵入し、わがもの顔で救うニョグタの動向にあり、探索者には微塵も興味がないからだ。

まず、POW*5を探索者達に振らせる。これは蛇の軍団を動揺せずに通り抜けることが出来るかの判定である。
失敗した場合、そのPCは思わず恐怖からか、付近の蛇を踏み殺してしまうことだろう。その瞬間無数の蛇に食い破られ、そのPCは殺される。キャラロストである。
成功したPCは無事蛇の群れを通り抜け、森の中へと還るが……戻ってくるのは、今さっき通り過ぎたはずの館の玄関である。
目の前には無数の蛇と蛇の神イグ、そして大量の骸骨、加えて未退散の場合ニョグタが待ち受けている事だろう。

この時、ニョグタの退散を成功、かつ『蛇』を館内で一匹も殺していない場合に限り、イグはニョグタを退散させた報酬ということで、探索者達の意識を奪い、現実の世界へと強制送還させるだろう。
その後の展開は、庭のフェンスから逃げ出した場合を参照。

それに当てはまらない場合、玄関へ向かった探索者は骸骨兵、もしくはニョグタに飲まれ全員ロストとなる。
中庭のフェンスの門から脱出した場合

暫く走り続けた結果、いずこかの山中の舗装された山道へ辿りつく。
イグに送還された場合は、はっと目を覚ましたら、同じように山道で突っ立っている事だろう。
その場合は突然魔術をその身に受けた代償として、1d3/1d6のSANcが発生する。
ここでシナリオ終了である。

シナリオ報酬

シナリオクリア:1d6
全員生還:1d6
魔女に水晶を届ける:1d3
ニョグタの退散に成功:1d6
羊皮紙の始末に成功:1
魔女の遺体を埋葬する:1d6

特殊報酬

魔女に水晶を届けた場合


鎧騎士を一度も死なせず、かつ最後まで従属させていた場合


魔女に水晶を渡しておらず、かつニョグタに『組み付き』をされた場合

資料類

魔女の日記

一冊目


二冊目


三冊目

『山の蛇』に関する伝承の本

『昔、毒の牙をもつ魔虫の被害に悩まされる、山の集落があった。
その魔虫の毒は非常に強力で、一度噛まれればその毒から逃れる方法はない。
それ故、その魔虫を村の人々は非常に恐れ、被害を抑えるため山の守神として祭り、月に一度健康な村娘を生贄に捧げることで、被害の拡大を防いでいた。
実際、それにより魔虫による被害を抑えることには成功していたのだから、それはそれで問題なかったのだろう。
しかしその年は生贄に捧げるために十分な数の生贄を用意できずにいた。
それ故かここ最近は魔虫の出没も多く、村の若者も数人魔虫に噛まれ、殺されていた。
そして村の長は被害をこれ以上出さないため、山の守神とされてきた魔虫の退治を実施することに決めた。
洞窟に蔓延った魔虫を纏めて仕留める為、油を塗りたくった松明を大量に用意した。
近場の柳の木を伐採し、火から逃げてきた魔虫を叩くための棍棒を作った。
そして、行動を実行し、洞窟の中に大量に油を投げ込んだのである。
油で染み渡った洞窟内は火の通りがとてもよく、投げ込んだ松明から爆発的な勢いで火の手が広がってゆく。
やがて、火から逃れるために魔虫が洞窟の中から出てきた。
逃がしてはならないと、長は洞窟入口を残った健康な若者で封鎖し、逃げ出してきた魔虫を一匹残らず叩くよう指示した。
だが、どうにも様子がおかしいと、若者の一人が長の下まで降りてくる。
叩けど叩けど魔虫の数は減らず、それどころかますます数が増えてきているように見えるというのだ。
長は新たに松明を作り、再び魔虫を火で燃やすように命じた。
その指示に頷き、長の家から出て行こうとした若者だったが、敷戸を潜った途端に糸が切れたように崩れ落ちる。
怪訝に思った長だったが、若者の向こうに見えたものを見て、納得した。
あれは叩けば叩くほど、数を増やして対抗する対抗する類の怪異なのであったのだと。
そしてその実態は山の守神などではなく、人を喰らうただの怪物であったのだと。

その後、この村の存在は地図から消え去った。
だが、おかしい事にこの村が存在したであろう、山の道を通るごとに人々の悲鳴がどこからが聞こえてくるという噂が絶たない。
麓の民の話では、それは餌を呼び寄せる魔虫の遠吠え、ということだ。
魔虫は自身に向けられた視線に非常に過敏で、その居所をすぐさまに感知することが出来、そしてその人物を頭から喰らい尽くすのだと。

それから逃れるには、その声には決して反応しないことだ、と村人は語った。
魔虫が動けるのは、自分の住む山の中だけであり、何故だかそれ以上に縄張りが広がらないらしい。
この縄張りから抜け出すまで魔虫に意識を向けずに進み続ければ、運が良ければその被害を受けずに通り抜けることが可能だとの話であった。』
おまけ程度のKP情報

このページへのコメント

質問返答ありがとうございます!
ダンガンロンパ2だったかぁ、1だけやってて2はまだやってなかった…いいこと聞けました!
ありがとうございます!
以下感想。
あの魔女非常にPL側も感情移入しやすいようで好評でした。いろいろ交渉場面は大変でしたけど、おまけ程度のKP情報が非常に役立ちました!後日談も書きましたのでどんなENDを迎えたのか、気になった場合はぜひとも!

0
Posted by あびさん 2017年03月05日(日) 19:47:45 返信

Q3.1F、2FのBGMが非常に好きです。差し支え無ければ詳細をお伺いしたいです。

A3.「スーパーダンガンロンパ2」のBGM、1Fは「イコロシア」で2Fは「エコロシア」というBGMですね。
I Tunesにて配信されてますので、一度視聴なさってみてくださいな。

私の作ったシナリオを楽しんでいただけたならば幸いです。

0
Posted by Kou 2017年03月05日(日) 17:10:19 返信

変身遅れてしまい申し訳ありません。
あび様お久しぶりでございます。
質問の回答なのですが、

Q1.無名羊皮紙を燃やすことに関して。封じ込められてる魂が何者であるかについてはストーリー内で言及されておりませんが、燃やすことがシナリオ報酬であることから想定するに、あれは別探索者の魂と見ていいのでしょうか。

A1.個人的設定では、魔女に襲い掛かってきた狂信者連中である、との設定になっています。
もちろん他探索者の魂でも問題ありません。好きなように改変しちゃってくださいませ。

Q2.研究室、ストーリー終盤にでる骸骨たちは元狂信者であり、怨念みたいなものとして魔女、探索を敵対視する存在、という解釈でいいのでしょうか。

A2.ほぼその解釈で問題ありません。
自分の肉体が朽ちてなお、未だに禁断の知識を追い求めている感じです。

0
Posted by Kou 2017年03月05日(日) 17:09:36 返信

・無名羊皮紙を燃やすことに関して。封じ込められてる魂が何者であるかについてはストーリー内で言及されておりませんが、燃やすことがシナリオ報酬であることから想定するに、あれは別探索者の魂と見ていいのでしょうか。

・研究室、ストーリー終盤にでる骸骨たちは元狂信者であり、怨念みたいなものとして魔女、探索を敵対視する存在、という解釈でいいのでしょうか。

・1F、2FのBGMが非常に好きです。差し支え無ければ詳細をお伺いしたいです。

このコメント自体見ていただけるかわかりませんけど、もし見ていただけたら答えていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

0
Posted by あびさん 2017年02月26日(日) 21:46:43 返信

覚えているかはさておき、Kouさんお久しぶりです。第五回目で参加させていただいた者です。
そこそこシナリオをしてきましたが、この作品は印象が強い、私のやって来た中でも非常に楽しめたシナリオだったりします!
身内でやって是非とも他の人にも体験してほしいと思ってるのですが、3つほどお伺いしたいなと思った事があったのでコメントさせていただきました。

0
Posted by あびさん 2017年02月26日(日) 21:45:19 返信

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

Wiki参加者情報

どなたでも編集できます