ここは、クトゥルフ神話TRPGのオンラインセッションに関する各種情報がまとめられているWikiです。

1 はじめに

このシナリオは現代日本を舞台にしたオリジナルシナリオです。
方向性はシティシナリオになるかと思います。

自由に動画化、改変等してプレイしてくださって構いませんが動画化の際は
連絡(Twitter ID :Asagistまで)頂ければ喜んで視聴に行きますので、是非教えて欲しいです。

推奨人数:3〜4人想定
プレイ時間:6〜8時間
推奨技能:リアルアイデア技能、戦闘技能、あまり技能を使う場を設けていないので
シナリオを読んでKP諸氏が適宜技能を振らせてください
難易度:確認中(戦闘、ロストの可能性あり。SANも結構減ります)
その他:警察、記者、医者、探偵の職業のPLだと導入が進めやすいと思います。

サンプルとして導入を3種類ほど用意しましたので、ご参考頂ければ幸いです。

探索者同士の初対面、知り合いの指定もしません。

2 事前公開情報

キレやすい若者の暴動

この街ではとある事件が起こっていた。
それは「10-20代の若者が徒党を組んで暴れまわっている」というものだった。

各テレビ局はさかんにこの話題を取り上げ、中には外出の際は気をつけるように、
と呼びかける者もいるだろう。

[背景] ※KP情報
これはニャルラトホテプからの入れ知恵を受けたイゴーロナクの仕業である。

イゴーロナクは、画面を見てしまうと少しずつSAN値が減るウェブページを与えられ、
それをSNSづてにネットワーク上に発信していたのだ。

当該の若者たちは依存的なSNS利用者であるがゆえに、発狂を来してしまい、
暴力行為に走ってしまった。

また、事前情報ではないが、中には気を失った者もいるだろう。
そういった者は、原因不明の病気という名目で病院へと運び込まれているが、
関連性の分からないマスコミは話題性のある暴力行為にのみ焦点をあて、報道しているようだ。

3 当シナリオ限定の設定

不死蝶の呪い

イゴーロナクが公開しているSNSページを見ると体のどこかしらに蝶のような形の痣が出来る。

その痣が出来てしまった者は以降、技能判定時に毎度SAN値が1減る。
また、SANが減る毎に蝶の痣が増える。

通常痣の色は黒ずんでいるが、術の使用者は緑色の痣が出来る。

治療するにはイスの偉大なる種族に電子ワクチンを開発させるしかない。

亜人退散の呪文

人ならざる者に取り憑かれた肉体から人ならざる者を追い出す呪文。

基本成功度は対象のPOW×5であり、その数値に、耐久力を減らた分と同じ数値を足して成功値とする。

また、使用の際は1D10の正気度とMPを消費する。

偽・真経津鏡

46cm程度の大きさの、'先を照らす鏡'の贋作。
亜人の退散の呪文の成功度を教えてくれる鏡。

偽物なので何回か使用すれば壊れてしまう。(KPの裁量で)

4 登場人物

NPC1 伊奈 五郎(イナ ゴロウ)

[職業 かけだし古物研究家]
年齢 19歳、男
STR10 CON10 SIZ10 INT6(10-4) POW6(10-4) DEX10
APP10 EDU13 SAN18 耐久力 75(10+65) DB+1D4

[取得技能]
図書館 75%、目星 75%、制作(妄想) 75%、芸術(妄想) 35%
歴史 75%、値切り 40%、こぶし 75%、応急手当 75%

[所持品]
グラーキの黙示録、携帯電話

高等教育卒業後、歴史好きが高じて古物研究家(自称)になった青年。
図書館で『グラーキの黙示録』を読んだ際に、イゴーロナクに取り憑かれてしまった。
なお、服装は厨二病的パンクロック衣装(私服)で、
その服装によって前述の緑色の痣を隠している。
昔から妄想癖が強い。

NPC2 不動 飾(フドウ カザリ)

STR10 CON10 SIZ8 INT10 POW10 DEX10
APP20 EDU11 SAN0 耐久力9
ニャルラトホテプからイゴーロナクが与えられた玩具の一つ。
APP 20相当の美しい人形で、使用者の思うように動かせる。

[技能]
拳銃 75%
[所持品]
41口径リボルバー(1D10ダメージ)

NPC3 伊豆島 時代(イズシマ トキヨ)

[職業 医者(救急医療)]
女性
イスの偉大なる種族が人類の体に乗り移った姿である。
何よりも知的好奇心を優先させる性格。

NPC4 安倍 晴明(アベ ハルアキ)

シナリオの舞台となる街の警察署に務めている男性。
この街では全国初となるオカルト捜索課が発足されており、
その課で働いている。
なお、課の人員は彼一名。

※オカルト捜索とは、こっくりさんや霊媒師を用いた捜索のことである。

人柄としては大変やる気に満ち満ちた青年であるが、
成果はついてきていないようだ。

また、警察署も全国初のオカルト捜索課になんとか華をもたせようと
多少強引であっても、様々な権限を開放し与えているようだ。

NPC5 安倍清(アベキヨシ)

祈祷師。男性。故人。
作中に出てくる安倍清物語の主人公かつ安倍晴明の祖父。
約140年前に一度イゴーロナクを封印した。

5 導入

1.探索者が探偵もしくはNPC1(伊奈 五郎)と友人関係にある

ある日探索者の元に、伊奈五郎が訪れる。

「先日オフ会の約束をした女の子(NPC2の不動 飾)が当日になって現れず、
以降SNSも更新しなくなってしまった。
もしかしたら最近話題になっている事件(若者の暴動)に巻き込まれてしまったかもしれない。
一緒に探してほしい」というような旨の事をお願いしてくるだろう。

なお、伊奈五郎は不動飾の住まいを知らず、警察にもまだ捜索願いを出していない。

念のためであるが、この街には警察署があることを明記しておく。
また、伊奈五郎のスマートフォンには不動飾の自撮画像が保存されています。

2.探索者が警察もしくは記者などの場合

探索者は上司もしくはそれに類する者から、昨今巷を賑わせている
「若者の暴動」事件について真相を調べるよう仕事を任されるだろう。

この導入を選んだ場合、探索者は「昨晩の暴動現場」の場所を情報として渡されることになる。

また、探索者が警察の場合、NPC4安倍晴明とは顔見知りということにしてもよい。

3.探索者が医者もしくは知人に医者がいる場合

救急医療を担当しているNPC3(伊豆島 時代)より「謎の病気」について
相談あるいは愚痴に付き合うことになる。
そして、以下のことがわかるだろう。

情報「謎の病気」について
・若い人ばかりが意識不明の状態で運ばれてくる。
・身体的外傷はなく、体は健康な状態。
・どの患者も共通して蝶のような痣が体のあちこちにある。

伊豆島の思い当たる症例はなく、一人くらい脳みそを解体しなければ、解明できないような状態らしい。

探索者が何かを調べるようであればこの街には図書館があることを伝えて良い。

6 本編(前半)


本編
※ここに列記していない場所に探索者が行った場合は、
若者の暴動の瞬間に居合わせ、耐久力あるいは正気度を失う展開にすると
難易度が上がるかもしれません。

警察署

よくある警察署である。
警務課、交通安全課、オカルト捜査課など、様々な課が並んでいる。

迷い人捜索の届けであれば生活安全課が受け付けてくれるだろう。


[イベント]
警察署に入ると入り口で元気よく青年が探索者へと声をかけてきます。

安倍と名乗る男性は全国で初めて導入されたオカルト捜索課を応援してほしい、
とビラを配るとともに、困ったことがあったらなんでも相談するように言うでしょう。

現時点では安倍晴明はこの事件に関して何の情報も持っていません。


[生活安全課]
気怠そうな男性警察官が対応してくれる。
身内でない人の捜索願は基本的に受け付けてくれないが、
「言いくるめ」やそれに類する交渉技能で成功した場合は受け付けてくれるだろう。

ここで失敗した場合、安倍晴明に情報を話していれば、
安倍晴明づてで生活安全課に情報が回ったことにしてください。

また、このシーンで聞き出せる情報は事前情報と同一のものと
「若者の暴動」について聞けば昨日暴動が起きた場所について教えてくれます。


[イベント]
伊奈五郎と共に警察署を訪れていた場合、警察署を出ようとすると
探索者の目の前で伊奈五郎が突然倒れます。

また、探索者の目には、はだけた衣類の隙間から緑色をした
蝶々のような形の痣が見えるでしょう。
難易度を上げたければ目星もしくはアイデアを振らせても良いと思います。

近くに警察官がいるため、強制的に救急車にて病院に送られます。

このイベントは1回しか起きません。

昨日暴動が起きた現場

出入口にはおそらく警察官が用意したであろう立ち入り禁止の黄色いテープが貼ってあります。
あたりは大小様々な凹凸ができており、昨日の暴動の激しさを物語っています。

探索者が警察官や警察官に顔の利くものであれば中に入って捜査をさせてもらえるだろうし、
[幸運]に成功すれば、有り得ないことだが、
たまたま警察官がいない時に現場に来れたことにしてよいでしょう。


[探索者が伊奈五郎と接触していない、もしくは不動飾の外見を知らない場合]
黄色いテープを越えて現場に入った時に[アイデア]を振らせてください。
成功した探索者は、テープの少し向こう側からAPP20相当の人形のように美しい女性(不動飾)が
探索者の方を見ていることに気づきます。
観察されているかのような視線に不快感を抱いた探索者はSANチェックです。
(0/1D3)

[女性に心理学]
無感情な瞳で探索者を見つめている事がわかります。
本当に自分たちを見ているかさえあやふやな不気味な目線です。


また、この女性に話しかけようとしたり、近づこうとすると、瞬きのうちに姿を消すでしょう。
[アイデア]に失敗した場合は疲れなどから幻覚を見てしまったと苦笑することになります。
成功した場合は確かにそこにいたはずの女性がいなくなってしまった非現実に対して
(1/1D3)のSANチェックです。


[目星]
地面や壁にできている凹凸は人の力程度でも発生させられる程度の凹凸と分かります。

[幸運]
近くにデジカメらしきものが落ちていることに気づきます。
再生すると、昨日の暴動の様子が映ります。

自分と同じ人間が、その理性を失い、まるで獣のようになってしまったがごとく、
暴れているおぞましい暴動の映像を見てしまった探索者はSANチェックです。
(1/1D3)


また、あなたはその映像の中に主犯格らしき女性の姿を見るでしょう。
その女性は理性を失ったかのような集団をコントロールしているように見えます。

もし探索者が伊奈五郎から不動飾の顔写真を見せられていれば
その女性こそ迷い人の不動飾と気づくでしょう。

あるいはこの場で不動飾の姿を見ていれば、
その女性は先程探索者の目の前に姿を表していた女性と気づくでしょう。

なお、この映像を見る頃には不動飾はその場から姿を消しています。

イベント
[探索者が警察もしくは記者の場合]
暴動の現場を後にしようとすると携帯電話に連絡が入ります。

暴動事件の一味を名乗る男性が警察署(もしくは記者の事務所)に出頭してきた、
と探索者の上司からすぐに戻ってくるように催促がかかるでしょう。


[上記以外の探索者の場合]
探索終了後、現場に戻ってきた複数人の屈強な警察官に不審者が現場にいる、と
取り押さえられることになるだろう。

事件の重要参考人として、捕らえられ、上記の出頭してきたNPCと共に
取調を受けることになる。

図書館

街に唯一ある大きめの図書館です。
図書館ロールに成功することで以下の書物を見つけるでしょう。

・『グラーキの黙示録 写本』
・『安倍清物語(アベキヨシモノガタリ)』
・『ギャシュリークラブの幼子たち』


[グラーキの黙示録 写本]
全9巻からなる書物の写本。
各巻はそれぞれ異なるカルティストにより書かれており、
グラーキとそれに関連する存在や自分たちの教団についての
別々の側面について論じられている。

探索者はなぜがこの写本の「イゴーロナク」のページに目が奪われるだろう。

この本を読んだ場合1D3/2D3のSAN値と7%のクトゥルフ神話技能を得る。
また、32週間の時間をかければ中身を理解し、
記載されている呪文も身につくだろう。(基本ルルブP.109)

[KP情報]
グラーキの黙示録を読んだ場合、今シナリオの敵である神格
イゴーロナクから敵対生命と認識されてしまう。

その場合、最終決戦でイゴーロナクを追い払ったとしても、
耐久力を0にしない限り、該当の探索者は生命を狙われ続けることとなる。


[安倍清物語]
陰陽師 安倍清の活躍を描いた伝記。
探索者はこの伝記の中に、今回の事件と似たような項目があることに気づくだろう。

これを読んだ探索者は以下の事がわかる。
・蝶型の痣が出来、人々に異常が起きることは病気ではなく怪異の仕業である。
・蝶型の痣ができると、人は次第に調子を崩し、我を失ったように発狂してしまう。
・最終的には生きた植物のようになり、治療が不可能となる。
・通常この怪異にかかると黒い痣ができるが、
この怪異を引き起こしている術者には緑色の痣ができる。
・不動神社に怪異を封印することに成功したが、
いつまた怪異が起きるか分からない為、この書物を書き残す。

また、この本を読んだ探索者は安倍清が怪異退治に用いたとされる
『亜人退散の呪文』を覚えます。
※詳細は上に記述した「3.当シナリオ限定の設定」参照。


[ギャシュリークラブの幼子たち]
子供向けであるが、登場する26人の子供たちが登場と同時に
死んでいく恐ろしい絵本である。
身の毛のよだつ子供向けの絵本を読んでしまった探索者は1/1D6のSANチェックとなる。


[イベント]
探索者が伊豆島時代と面識があれば、
図書館で本を読み終わった時に伊豆島より留守電が入っていることに気づく。
おそらく電話は読書に夢中で気づかなかったのだろう。

留守電の内容は以下のものである。
「また急患が来たが、他の患者と違って緑色の痣ができている。
色によって症状が変わるなんてことがあるかもしれない。なにかあったらまた連絡する」

7 本編(後半)

病院

伊奈五郎と共に救急車で運ばれた場合、探索者たちはこの街唯一の病院に到着するでしょう。

伊豆島と名乗る担当医が暗い面持ちで、
体に痣が出来る伊奈五郎の病気は原因不明の難病で、
目覚めない可能性が極めて高いことを探索者に伝えるでしょう。

その説明を受け、担当医が出ていった数分後に伊奈五郎は目を覚まします。

生還を祝った後、そこで探索者と雑談をさせ、以下のことを必ず告げてください。

・自分は昔から体が弱く、よく病院のお世話になったこと。
・病院に来ると気分が落ち着くこと。
・もし自分が死ぬなら病院で最期を迎えたいこと。

伊奈五郎との最終決戦が病院で行われることを推理するひっかかりとなる予定です。

ある程度雑談が終わったら、伊奈五郎から
「オフ会の時に不動飾と待ち合わせの予定をたてていた神社」に
行ってみたい旨を探索者に伝えてください。

ちなみに神社の名前は不動神社です。

取調室

昨日の暴動の現場から連絡を受けて警察署(事務所)に戻った場合、
探索者は取調室に通されます。

あるいは暴動の現場にいた不審者として捉えられた探索者は
出頭してきた男と共に取調室に連れていかれるでしょう。


パイプ椅子には、何も考えずに、いかにも遊んでそうな見た目をした若者が
腰掛けています。

彼と話すと以下の事がわかります。
・どうしていまみたいなチームになったのかわからない。
・昔は人に迷惑をかけるようなことはしなかった。
・不動飾が来てからチームが変わった。
・知らない奴がたくさん増えた。
・みんなしきりに携帯の画面を見ていた。
・自分は携帯を持っていなかったから、よくわからなかったが、
いつも携帯の画面を見たあと、仲間がまるで人じゃないみたいな顔つきで暴れ始める。
・(探索者が共に取調を受けていれば)知らない奴は増えたが、こんな顔した奴は見たことがない。
目つきが普通だから、おそらくチームとは関係のない奴だ。

また、彼に昨日の暴動の現場で拾ったビデオの映像を見せると、
映っている女性が不動飾であることを認める。
そして、不動の居場所を教えるから、代わりにチームを止めてくれ、
と懇願してくるでしょう。

伊豆島との会話

伊豆島時代の留守電を聞いたあとに電話をかける、
もしくは病院へ行くと術後の伊豆島と話ができる。

以下の事がわかるでしょう。
・緑色の痣を持った患者がきた。
・症状は他の患者と同じだった。
・彼だけ、意識を取り戻したったいま退院していった。
・人探しをしているようで、不動神社へ行くと言っていた。

不動神社

境内に大木のある、威厳たっぷりの神社である。
外観は古臭く、なんとなくいまはもう使っていない印象を受ける。
威圧感はあるが、本堂しかない小さな神社である。
観音開きの扉があり、格子状に木が組まれ、その隙間はガラス張りになっています。

ここで探索者が全員合流できたら進めやすいと思います。

本堂の扉は鍵開けをしても開きませんが、中からは開けることができます。

また、あらかたアクションが終わったところで、アイデアを振らせてください。

成功した探索者は扉のガラスにべったりと張り付くように女性が顔をつけ、
大きく見開いた目でこちらを見ていることに気づきます。

異様な様子を感じ取ってしまった探索者は1/1D6のSANチェックです。

また、写真を見たことがある探索者は彼女が不動飾であることに気づきます。


不動飾が探索者および伊奈五郎の姿を認めると、
本堂のドアを開け、細く怯える声で「助けてください…中に…います…」
と探索者たちに助けを求めてきます。

不動は何を訪ねてもまともに応答してくれないでしょう。
ひたすら中にいるナニかを怖がるロールプレイをお願いします。

本堂の中は六畳くらいの空間になっており、入り口と反対側には襖が設けてあります。

不動はその奥の襖を指さし、怯えた形相をしています。


襖は固く閉じていて、普通に開いても開きません。

アイデアを振って成功した探索者は、その場にいる探索者全員で
挑戦すれば開くようなことを思いつきます。

その際、隊列の順番を決めてください。

襖の奥

探索者の全員で襖を開けると、何かが破れる音とともに襖が開きます。

その奥には1台のパソコンが電源の入ったまま転がっています。
その画面にはSNSらしきページが映っています。


このページはニャルラトホテプが与えた玩具の一つです。
今回の呪いの治療方法を確立するにはこのPCを
イスの偉大なる種族に見てもらう必要があります。

ただし、直接連れて来なくても、シナリオ終わりまでに
その方法に思いつけば、シナリオ終了後、
イスの偉大なる種族にワクチンを作ってもらったこととします。


隊列で先頭にいた探索者の体に蝶の模様が浮かび上がり、不死蝶の呪いを発症させます。
※全員この時に患っていますが、まずは先頭の探索者を発症させてください。
※目をつぶっていた者はその限りではない。
※シナリオの進行度を見て、KPは順次発症させ、進行を急がすのもいいと思います。

またこの部屋は四方八方すべて夥しい数の御札で覆われており、
その異常さに気づいてしまった探索者はSANチェックです。(0/1D3)

近くには白骨死体が1人分転がっています。
それに気づいてしまった探索者もSANチェックです。(0/1D3)


その後、更にアイデアを振らせてください。
成功した探索者は先程の破ける音が襖に貼ってあった御札が
破ける音だったのではないかと気づきます。

得体の知れない何かを封印していたであろう御札を破り、
それを開放させてしまったことに気づいた探索者はSANチェックです。
(0/1D3)


処理が終わると探索者の後ろから笑い声が聞こえます。

声の主は伊奈五郎で、「ようやく完全に復活できた」と喜んでいる様子です。

一通り計画(下に記述)のことを自慢すると満足したように、
「あとはこいつ(伊奈五郎)も死にたがってたみたいだし好きなところで殺してやるよ」
とぽつりとつぶやき、不動飾と共に姿を消します。

[計画]
・ある日、馬鹿な人間(伊奈五郎)が黙示録を読んでくれたおかげで再び目覚めることができた。
・しかし、意識は目覚めたものの、封印のせいで外に出られない。
・人間の体を乗っ取ろうにも弱った力じゃ距離が遠すぎてできもしない。
・そんなある日黒い男が力をくれた。
・あとは不動飾を使えば簡単だった。


伊奈と不動がいなくなったあとには探索者たちが残されます。

警察署

オカルト捜索課を尋ねると、安倍晴明が応対してくれます。

安倍清の名前を出すと祖父だと答えます。

事情を話すと晴明は神妙な面持ちで「力になれるかわかりませんが、
もしかしたら祖父の部屋に解決の糸口があるかもしれません」と、
仕事を早退し、実家に残る清の部屋に案内してくれます。

安倍清の部屋

何年も誰も立ち入っていないのか、誇りだらけですが、
不思議と気持ちが落ち着くような感じがします。

中にはテーブルが1台置いてあります。

[目星]
成功すると引き出しの中から手記が出てきます。
3回振らせて、それぞれに対応する情報を与えてください。

[手記1]
・あの化物の名前は絶対に記してはならない。
・名前を知っているとヤツはどこまでも追ってくる。
・あの記録を読ませてしまったせいで娘が死んでしまった。

[手記2]
・あの呪文は対象の精神力に大きく影響するらしい。
・あとはなんとか化物を弱らせれば…。

[手記3]
・あの書物は病院の地下に奉納しておこう。そうすれば誰も持ち出すまい。
・迷った時はいつも偉大なる伊豆島さんに助けられてばかりだった。
・伊豆島さんが薬を作ってくれなくては怪異を治すことは出来なかっただろう。

病院

探索者が病院につくと、照明が落ちていた。
人の気配は全く感じないだろう。

入って少しすると、エレベーターが自動で降りてきて、
音とともに開く。唯一発光しているそれはまるで探索者たちを誘うかのような光に見えた。

※これに乗ると強制的に屋上へ行き戦闘が始まります。

[目星]
入る前に目星に成功すれば、エレベーターの操作板には
地下へのボタンがないことに気づきます。

階段で地下へ行く

階段で地下へ行くとそこには1枚の重たそうなドアがあった。

鍵はかかっておらず、ドアを開くと、中には無人の六畳間が広がっている。

[KP情報]
ここは伊豆島時代の部屋であるが、高度な科学技術によって
普段は入れないようになっている。

目的があり、地下の部屋へ行くという明確な意志がある者のみ入れるので、
最初の探索では地下への階段の先は行き止まりにしてください。


[目星]
ふと気づくとあなたの足元には一冊の本が落ちていた。


『エルトダウン・シャーズ』
中を読むと「時空を超えて、己の精神を他の精神と交換できる生き物」のことが
かかれている。
これを読んだ探索者は1D4/1D8の正気度を失い、神話技能に+11%獲得する。
また、呪文『イス人との接触』を使えるようになる。

※KP情報
安倍清が病院の地下へ奉納した書物がこれになります。


『イス人との接触』
半径160km以内にいるイスの偉大なる種族を呼び出すことができる。
使用の際のMP4と正気度を1消費する。


イス人との接触を使用すると、どこからともなく伊豆島時代が姿を表し、
感謝の言葉をかけてくるだろう。
「いやー、助かったよ。我々は戦闘民族ではないものでね」

虚空に突如現れた伊豆島を見てしまった探索者は0/1D6のSANチェック。

・伊豆島は伊奈五郎に他の医者同様捉えられていた。
・他の医者は全員不死蝶の呪いをかけられてしまった。
・伊豆島は間一髪のところで探索者に助けられた。

また「偽物だから何回か使えば壊れてしまうだろうが、
君たちに役立つものを貸してあげよう」と『偽・真経津鏡』を渡してくれる。

なお、伊豆島はどう説得を試みても「戦闘民族ではない」と言い、
戦闘には参加してくれないだろう。

もしここで「知識を貸してくれ」「ワクチンを作ってくれ」と言われたら
助けてもらった礼に、とシナリオクリア後に不死蝶の呪いを解くワクチンを
作ってくれるだろう。

8 終盤

屋上へ

エレベーターに乗ると勝手にドアがしまり、屋上へ運ばれる。

屋上へ到着すると伊奈五郎と不動飾が探索者たちを待っている。

いくつか会話を交わすと戦闘が始まるだろう。


亜人退散の呪文に成功したら伊奈五郎の体からイゴーロナクが抜けて、戦闘が終了する。
同時に不動飾もその動きを止めるだろう。

名前を知られていないイゴーロナクは誰にも取り付けず、一人消えていく。

ただし、戦闘終了後、伊奈五郎は本を一冊床に落とす。

それはグラーキの黙示録である。
それを読んでしまった、あるいは図書館で写本を読んでしまった探索者がいた場合、
その探索者の体を乗っ取ろうとしてくるだろう。

なお、今回のグラーキの黙示録は原書なので、読んだ場合のSANチェックは1D6/2D6となり、
神話技能を+15%与える。

※一度写本を読んでいた場合、SANチェックは実施するが、神話技能は付与しない。

POW×5数値より大きな目を出してしまった場合は体を乗っ取られ、戦闘が再開する。

仲間が目の前で唐突に怪物に変わる姿を見てしまった探索者は1D3/1D6のSANチェック。

なお、POW×5の値より数値が小さかった場合は実体化して
その場に現れる(1/1D10+1のSANチェック)


ただしこのイゴーロナクは不完全な状態のため、ステータスは以下の数値とする。

STR 25 CON 125 SIZ 25 INT 30 POW28 DEX10 耐久力 75-与えたダメージ
[技能]
タッチ 25% INTとPOWを上限値から1ずつ喪失
むさぼり食う 20% 治療不可の1D4ダメージ

イゴーロナクの耐久力を0に出来たら探索者の勝利である。

9 エンディング

エンディング Very Happy End

[不死蝶の呪いの治療法を見つけた、
呪いの拡散を止めた(WEBページをオフラインにするなど)、イゴーロナクを撃退した]

自分たちにかけられた呪いも無事解け、探索者たちは各々の日常に戻っていくだろう。

被害者もこれ以上は出ず、あとは呪いを治療するだけだ。

世界はまた、つまらなく平和な日常を謳歌することだろう。


・怪異から生還した 1D10
・世界を滅亡から救った 1D10
・グレートオールドワンを撃退した 1D10

エンディング Happy End

[不死蝶の呪いの治療法を見つけた、
呪いの拡散を止めた(WEBページをオフラインにするなど)、イゴーロナクを退散させた]

自分たちにかけられた呪いも無事解け、探索者たちは各々の日常に戻っていくだろう。

被害者もこれ以上は出ず、あとは呪いを治療するだけだ。

世界はまた、つまらなく平和な日常を謳歌することだろう。

ただし、彼の名前を知ってしまったあなたを除いて、の話であるが。

・怪異から生還した 1D10
・世界を滅亡から救った 1D10
・グレートオールドワンを退散させた 1D6
・グラーキの黙示録を読んでしまった探索者は
100-POW×5で残った数値の10の位の数だけ1D3を振る。
その数値だけSANを減少させること。

エンディング Endless End-A

[不死蝶の呪いの治療法を見つけた、イゴーロナクを撃退した]

自分たちにかけられた呪いも無事解け、探索者たちは各々の日常に戻っていくだろう。

伊豆島は治療薬を一心不乱に取り組んでいるが、
患者数が一向に減らず、世界人口は現象を続けている。

呪いが勝つか、治療薬が勝つかは分からないが、
しばらくすれば均衡を保ち始めるだろう。

ふと、手の甲を見遣ると、また蝶々の模様が。

・怪異から生還した 1D10
・グレートオールドワンを撃退した 1D10

エンディング Endless End-B

[不死蝶の呪いの治療法を見つけた、イゴーロナクを退散させた]

毎晩毎晩夢を見る。またヤツに襲われる夢だ。
あれから何日が経ったかわからないが、心休まる日が来ない。
ヤツはいつ現れるかわからない。

自分たちにかけられた呪いは無事解け、みんなは各々の日常に戻っていった。

伊豆島は治療薬を一心不乱に取り組んでいるが、患者数が一向に減らず、
世界人口は現象を続けている。

呪いが勝つか、治療薬が勝つかは分からないが、しばらくすれば均衡を保ち始めるだろう。

ふと、手の甲を見遣ると、また蝶々の模様が。

・怪異から生還した 1D10
・グレートオールドワンを退散した 1D6
・グラーキの黙示録を読んでしまった探索者は100-POW×5で残った数値の10の位の数だけ1D3を振る。その数値だけSANを減少させること。

エンディング Bad End

[治療法を見つけ出せていないが、呪いの拡散は止まり、
イゴーロナクを撃退もしくは退散させた]

呪いの拡散は収まり、世界は脅威から救われた。

世界はまた、つまらなく平和な日常を謳歌することだろう。

そう、呪いを患ってしまったあなたたちとをその他の人々の犠牲の上に。

・キャラロスト

エンディング Very Bad End

[治療法を見つけ出せておらず、呪いの拡散も止まらない]
[イゴーロナクに敗れた]

世界は呪いと恐怖に包まれた。
どう足掻いても止められない死。

人々はいつしか希望を捨て、ただの生きる屍と化した。

この世界を見る前に死んだ僕らと、この世界に生きる人間と、
どちらが幸せかはわからない。

ただひとつわかるのは、世界の終わりはもうすぐということだ。

・キャラロスト

10 更新履歴

[2016/11/10]
・病院探索時、地下で見つかる「エルト・ダウンシャーズ」が
安倍清が病院地下に奉納した書物のことであると分かる文言を追加しました。
・亜人退散の呪文習得時に、使い方が分かるように記載を変更しました。

[2016/05/11]
・安倍清の部屋で「伊豆島が薬を作ってくれる」事に
繋がる文言を見つけられるように修正しました。
・警察以外が「昨日の暴動の現場」を訪れた場合の演出等を修正しました。

このページへのコメント

>>らんきさん

Q.亜人退散の呪文の詳細な使い方はどこで入手できるのか?

→A.失礼しました。
図書館探索項目の「安倍清物語」説明文に詳細な使い方がPLにわかる旨を追記します。


Q.不動神社の襖の奥の白骨死体は誰なのか?

→A.これは解釈がいくつもできるように特に定めておりません。
もしかしたら安倍清かもしれないし、安倍清が誰かを生贄にしたかもしれません。

どちらかといえば「内側から札を貼ることで閉じ込めた」=「内側に何かが閉じ込められている」ということを
演出したいがための描写になります。


以上、確認いただければと思います。
ご指摘ありがとうございました。

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Posted by さぎ 2016年11月10日(木) 19:51:08 返信

>>らんきさん

回答大変遅くなり申し訳ありません。
プレイ、ご質問ありがとうございます。

Q.140年前の手記にて「偉大なる伊豆島さんに助けられている」と書いてあるが、140年前の伊豆島は現在存在する伊豆島と同一人物なのか?
同一人物であったら100歳越えしてしまってるのではないか?という意見がありました。

→A.同一人物ですが、地球外生命体のイス人には人類の年齢計算は当てはまらない為、外観は若々しいままです。
という解釈をしております。


Q.手記に記されていた「病院の地下に奉納しておいた書物」とは?
エルトダウン・シャーズだと思って進めたのですがあっていますでしょうか?

→A.エルト・ダウンシャーズで間違いないです。
病院探索項目の「階段で地下へ行く」の箇所に
KP情報として「※病院の地下に奉納しておいた書物である」ことを記載しておきます。

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Posted by さぎ 2016年11月10日(木) 19:50:40 返信

はじめまして、こちらのシナリオをお借りし、友人たちと楽しく遊ばせていただきました。その際にいくつか気になった点があるので質問させていただきます。

・140年前の手記にて「偉大なる伊豆島さんに助けられている」と書いてあるが、140年前の伊豆島は現在存在する伊豆島と同一人物なのか?
→同一人物であったら100歳越えしてしまってるのではないか?という意見がありました。

・手記に記されていた「病院の地下に奉納しておいた書物」とは?
→エルトダウン・シャーズだと思って進めたのですがあっていますでしょうか?

・亜人退散の呪文の詳細な使い方はどこで入手できるのか?

・不動神社の襖の奥の白骨死体は誰なのか?


いくつも質問してしまって申し訳ありません。どうぞ、よろしくお願いいたします。

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Posted by らんき 2016年08月28日(日) 18:39:05 返信

>>霧島さん
お褒めの言葉、ありがとうございます。
今後の励みになります。

拙作ですが、KPの際は、是非使ってやってください。
また、気になる点などあればご指摘ください。
よろしくお願いします。

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Posted by さぎ 2016年05月30日(月) 09:20:29 返信

以前コメントをしていらっしゃったDさんがGMをしていた際のPLです。修正ありがとうございます。
遅くなりましたがとても充実していて楽しいシナリオでした。ところどころ作者さんのユーモアも光っており、クスッとさせられる場面や、あの単語はそういう意味があったのか!という場面なども多くありました。
よろしければ次はGMとして回させていただこうと思います。

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Posted by 霧島 2016年05月16日(月) 22:52:02 返信

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