1-997 小ネタ

995 :名無しさん@ピンキー :2008/07/20(日) 10:24:14 ID:2+mXdB7Q
遠謀な女の子のエロパロと聞いて(ry




997 :小ネタ :2008/07/20(日) 13:27:15 ID:k/ZZyvCX
>>995
 そう、ここだ。ここで後ろから抱き着いて胸を押し当てれば、
私を異性として実感させる事ができるはず。あの人だって男なんだから、
そうなれば例え妹とは言え意識して当然。そうなれば血が繋がって
いないんだから、あんな事やこんな事も可能っ!
「おにーちゃん♪」
 よし、がっちり抱きついて――

 すかっ

 ――なにぃ!?
「ん? どうかしたか?」
「え、あ……なんでもないよっ♪」
「……何変な格好してんだ?」
「だ、だからなんでもないって!」
 か、かわしただと……。
 背後からの不意のハグ……かわせる要素などどこにも無いはず!
 ふっ、まあいい。抱きつくチャンスなどいくらでもあるのだからな。
 とにかく、今はこの不自然な姿勢――虚空を抱きしめるように
両腕を交差している――を誤魔化さなければ……警戒されては
今後の活動に障害が生じてしまう可能性が高い……。
「ほ、ほら、DAIGOのまねー」
「…………」
 ……すべった、か。
 ……なんだか泣きたくなってきた。 
「おい、おい、なんで泣いてんだよ」
「……な、泣いてないもんっ!」
「そんなにギャグが滑ったのを気にしないでも……」
「気にしてないもんっ!」
「ほんとかー?」
 予定外の涙が出てきてしまったが、これはこれでいい。上手くすれば、
慰めて貰える可能性がある。指でぬぐいながら、背を向けて寂しげにして
……逆に後ろからぎゅっとしてもらうのを誘うという作戦を敢行する!
「なんだ、やっぱり泣いてんじゃないか」
「な……泣いて、ないもん」
「お前はホント泣き虫だよなー」
「泣き虫じゃないもんっ!」
「じゃあ泣くなよ」
「泣いてないもんっ! ホントに泣いてないっ!」
 ……やばい。涙が本格的に出てきた。
「やーい、泣き虫なうそつきー」

 ぷつん

「お兄ちゃんのバカァ!」
 何かが切れた瞬間、私は近くに何か重い物体を全力で背後の
兄に向けて投げつけ、兄の部屋を飛び出してしまった。
 ぐえっ、という声が聞こえたような気もしたが、それを気遣う余裕は最早無かった。
 作戦とかもどうでもよくなり、ただただ悲しくて悲しくて、私は泣きながら
自分の部屋へ飛び込んだ。
 ……駄目だな、私は。



「……へるぷみー」
 その頃、投げつけられた本棚とそこから飛び出た本に埋もれた兄は、
今後はあんまり妹を苛めすぎないようにしよう、と反省していたとかいないとか。


遠謀な少女 終わり
2008年09月03日(水) 13:13:57 Modified by amae_girl




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