2-22 無題

「おじちゃん、ここ座って」
姪っ子の指示通りの場所に胡座をかくと、とてとてと走りよってぽふんと勢いよく胡座の中心に収まった。
「えへへ〜」
ああ可愛い。姪っ子にここまで懐かれるとは、叔父冥利につきるというもの。思わず抱き締めて撫で撫でしたり頬ずりしたり
くすぐったりして暫し楽しくじゃれあっていたのだが。
「あん…!」
不意に姪っ子の口から色気の混じった声が上がる。よく見れば、俺の手はいつの間にか姪っ子の股間に。
やべえ。無意識とはいえ姪っ子にセクハラしたことがバレたら姉貴に殺される。姉貴が帰ってくる前にしっかり口止めしないと…。
「おじちゃん…」
今後の対策について頭を悩ませていると、姪っ子がおずおずと声を掛けてきた。ん、なんだい?と極力爽やかに応えると、姪っ子は
もじもじと恥ずかしそうに、躊躇いがちな様子で口を開く。
「えと…あのね…」
うん?と爽やかな微笑みをキープしながら応える俺に向けられた言葉は、俺を驚愕させるのに充分だった。
「もう一回………触って…」


じー
爽やかな笑顔で硬直する俺の頭に視線が突き刺さる。視線の元を辿ると扉の陰に、俺の足の上に座っている姪っ子と同じ顔がもう一つ。
目を向けると、ふいっと目を逸らされた。俺が視線を外すとまたも、じーと視線が突き刺さる。ちらっと目を向けると、またもふいっと
目を逸らされる。じー、ちらっ、ふいっ、じー、ちらっ、ふいっ……いかん、無限ループだ。このままでは埒があかない。ならば。
ふいっと目を逸らされた後、俺は視線を外さず扉の陰の姪っ子を見つめてみた。俺が見ていることを知らない姪っ子はこちらを見、
目が合うとびくっとして俯いた。何故か姪っ子の顔がどんどん赤くなる。困ったような顔で時折ちらちらとこちらを伺い、俺がまだ
視線を外していないことに気付くと再び俯き軽く溜め息を漏らす。
双子といえどもこうも違うものなのかと感心しつつ、可愛い仕草を観察し続けていたい気持ちを抑え、俺は次の行動に出ることにした。
足の上の姪っ子をそっと下ろすと、一気に扉の方に駆け寄り、慌てておろおろしだした姪っ子を素早く抱き上げた。

逃げようとじたばたするかと思ったが意外とおとなしかった。うーと唸りながら赤くなったままの顔をぐりぐりと肩に押し付けてくる。
姪っ子の背中に回した手に伝わる鼓動は何故かとても早い。
程なくして何かを悟ったのか、腕を俺の首に回した姪っ子は、はふぅと吐息を漏らすと締め付けるかのように回した腕に力を込めた。

さて、元の位置に戻って再び胡座をかいたわけだが。
膝の上で顔を赤らめ期待するような目で見上げてくる姪っ子と、
赤い顔を肩に埋めたままに今も俺にしがみついている姪っ子に、
俺は何をしてやれば良いのだろうか。
2008年09月03日(水) 13:19:42 Modified by amae_girl




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