3-921 予防注射

「ってな訳で、予防注射に行こうと思います!」
一体どんな訳なんですか?
「やだなぁ、先生ったら野暮なんだから。そんな所も大好きだけどね♪」
……まぁ良く考えなくても一月の試験にインフルエンザ、なんて笑えませんからね。
解りました、病院まで送って行きますよ。
「何行ってるの?先生も採用試験近いじゃない。」
それはどういう……?
「二人分、お注射予約しときましたから♪」

あの……やっぱり打たなきゃ駄目ですかね?
「駄目でーす。」
ほら私、体は丈夫な方ですし!
「この前卒論書いてて寝込んでた方は誰でしたっけ?私は役得でしたけど。」
う……、こーいう時だけ敬語にならないでくださいよぉ。
「ほら、もう先生の番きたよ!」
うぅ……行って参ります……

ふぅ……
や、賢者になった訳ではありませんよ。
大人になってもあの感覚は慣れませんねぇ……
聡美さんは注射なんか、そつなくこなしちゃうんでしょうねぇ。
少し見に行きましょうか。

「……ごめん!そんなに痛かったぁ?」
「だ、大丈夫ですぅ、ぐすん。」
「その、痛かったら何かしらしてもいいのよぉ?」
「だってぇ、楢崎先生はもっと痛いだろうからぁ!」
帰ったら思う存分甘やかしてあげようと思うのですが構いませんねッ!
そして今日ばかりは自分の理性が抑えられるか不安です……
2008年12月07日(日) 01:45:33 Modified by amae_girl




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