4-238 酒癖

某月某日(土)、たまたまウチで彼女の冴華と鍋をつつきながら酒を飲んでいたときだった。
「ねぇさとるぅ〜、なでなでしてよぉ」
「はいはい。」苦笑しながら頭を撫でる。冴華は普段ツンツンしてるくせに、酔っ払うと人が変わったように甘えてくる。
「なでなでだけじゃなんか物足りないー」やっぱり物足りませんか、このお嬢は。
「ねぇねぇさとるぅ〜、ぎゅーってしてぇ」
「もう冴華の方からしてるじゃん。」
「さとるからもされたいのぉ」
「はいはい。」仕方なしに抱きしめてやる。
「まだまださとるからの愛が足りないよぅ」え?これでも足りませんか冴華さん?
「ねぇねぇねぇさとるぅ〜、ちゅーして?」うぐっ、酔っ払って上気した目での上目遣いは反則だろ。
何も言わずにキスしてやると、嬉しそうに目を細める。
冴華の方から舌を突っ込んできたので、応戦してやる。ちょっと息苦しくなってきたので離れようとすると、手でそれを押さえてくる。
酒の所為か、少し頭がボーっとしてくる。その瞬間、冴華の目が光った気がした。
「えいっ!」「うわぁ!」押し倒され、マウントポジションを取られる。冴華の腰がいやらしく動いている。
「えへへ、このあとのおつまみはぁ〜、さとるにけってーい♪」
「ちょ、まて!今日はしない約束だろ!」
「だって、燃えてきちゃったんだもん♪約束破っちゃってごめんね♪」

そしてその後、ベッドに移動した俺は冴華に3発も抜かされてしまい、気絶するように眠りに付いた。

某月某日(日)、鍋をつついていたはずが、冴華を突付く羽目になってしまった日の翌日の朝。
「うぅん・・・暁、おはよう。」
「冴華、おはよう。」
冴華は乱れた布団に見て昨日の夜のことを思い出したようで、俯きながら顔を真っ赤にしている。
「・・・暁、昨日の夜はアンタもノリノリだったわよね。」
「まぁ、あんなに可愛い冴華に誘われたらなぁ。」
「ああなったら止めなさいっていつも言ってるじゃない!」
「いやぁ、ことわざにも『据え膳食わぬは男の恥』ってあるじゃないか。」
「そうじゃない!外で飲んであーなったらどうするのよ!」
「外ではそもそも飲まないじゃん、冴華。」
「もー!あー言えばこー言う!反論禁止!とにかくアンタは私に誘われたからってほいほい乗るんじゃありません!」
「俺はお前に甘えて欲しいんだけどな。」
「なっ!ば、馬鹿じゃないの!と、とにかくお布団干してシーツ洗うから、さっさと起きる!」
「ヘイヘイ。起きますよ。」
「返事は『はい』!」
「はいはい。じゃあまず朝飯用意すっから、お前はその裸体を隠しなさい。」
「『はい』はいっか・・・え?」そう、俺は早く起きたからTシャツとハーフパンツ着てたけど、冴華は生まれたままの姿。
「〜〜〜〜〜〜!!出てけ〜〜〜〜!!!」
枕を投げられ部屋を出る俺。まったく、ツンデレさんはかわいいったらありゃしないぜ。
2009年01月16日(金) 22:43:00 Modified by amae_girl




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