5-121 無題

では、駄文で申し訳ないんですが投下します。


閉店後、ロスのデザートをカウンター席に並べていく。
「店長、また今日も盛大にロス出ちゃいましたね・・・」
「う〜ん、流石に雨だとね。仕方ないよ。」
キーボードを打ちながら答えた店長は、こころなし元気がなかった。
「また課長に怒られちゃうなぁ。」
ここ最近ロスが出る日が続いたからだろう。
確かに課長から各店にメールも送られてきていた。
「つっちー、野いちごタルトが食べたいな。」
「了解です。」
冷蔵庫からケーキ用のフォークを持ってきて、
タルトと一緒にパソコンの横に置く。
そのままレジ棚に勤務表を取りに行って戻ると、
タルトに手が付けられていなかった。
それどころか、ディスプレイに向かっていたはずの店長の視線が、
こっちに向けられていた。
「どうかしました?」
と勤務表書き終えてから聞いてみると、
今度は軽く睨まれてしまった。
「つっちー、分かってないなぁ。」
「何がですか?」
「私はさっき、タルトが食べたい。って言ったよね?」
「はい。だからちゃんとフォークもあるじゃないですか。」
「でも、私いま打ち込みしてるよね?」
「してますね。」
「両手ふざがってるよね?」
「ふさがってますね。」
さらに店長の視線が鋭くなる。
「そいうときは、あーん。ってやるのが男の役目じゃない?」
・・・また何を言ってるんだろうこの人は。
「疲れた時には甘いもの。でも私は両手がふざがってる。
そこでつっちーがあーん。してくれるのは当然でしょ?」
「いや、その理論おかしくないですか?」
「全然。というわけでつっちー、私タルトが食べたいな〜。」
「いやだから人の話をですね」
「食べたいな〜。」
きっと、このままいくとこの前の二の舞になるんだろう。
「わかりました。わかりましたから。」
「流石つっちー。話がわかるなぁ。」
店長の隣に座り、タルトを一口サイズに切り、店長の口まで持っていく。
「はい、どうぞ。」
店長が口を開いてくれない。
「店長?」
「どうぞ。じゃなくてさ。」
「・・・言わなきゃだめですか?」
「もちろん。」
言わなきゃまた減給なんだろうな・・・
「店長・・・あーん。」
「あーん。」
幸せそうにタルトを頬張る店長。
「んー、やっぱり野タルはおいしいなぁ。つっちー、あーん。」
店長が口をあけながらこっちを向く。
「あ・・・あーん。」
と、もう一度タルトを店長の口まで運ぶ。
「んー。おいし。」
と、この光景がタルトが二つ無くなるまで続いた。




え〜っと、全く甘くないですね・・・orz
機会があればシリーズで書いていこうかなとは思ってます
2009年04月30日(木) 00:04:26 Modified by amae_girl




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