5-827 無題



827 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/03/27(金) 01:42:49 ID:MuhUXo08
825の中の人です。夢であ(ま)えたら。なんか凄い勢いで書いてしまった。
いや、幽霊書記さんが、自動で妄想を文書化したんですけどね。
お茶菓子代わりに、お受け取り頂ければ…。

登場人物とか
山本 凛(ヤマモトリン)…幽霊。もう少し甘えさせたかった。
都津 明久(トツアキヒサ)…リーマン。野獣だと思う。

甘いけど、甘くないという…甘辛い感じにしたかったです。煮付け的。
でも、やっぱりしょっぱいです。(文章力的な意味で)

※最終的に離別します。そんなの認めない!って方はスルーで。
 そもそも甘くないです…ある意味スレ違いな気がしてきました。

エロあり 死者あり 成仏あり
それでは、しばし失礼致します。


色は匂へと" 散りぬるを  我が世誰ぞ 常ならむ

(色づく花が 何時かは散り行くように
 私たちの誰にも 永遠なんてなかったね)



パツンッ パツンッ
肉同士がぶつかり合う激しい音が、響く。

ジュブボッ ジュボブッ
粘る肌の隙間から、空気の漏れ出す濡れた音が伴奏する。

「あっ…あぅっ…ん。や、らめ…あっちゃ…らめ、なのぉ…」
途切れ途切れの喘ぎが、激しさに淫靡さを添える。


都津 明久の自身は、既に2度、狭い肉道に精を迸らせていたが、その硬質な
剛直は尚も衰えを知らず、猛り狂っていた。

背面座位で細くくびれた腰や、豊麗な胸を抱きしめた交わりは、いつしか後背
位から背中に体を密着させ、膝立ちさえ出来なくなった、山本 凛の柔らかな肢
体をベッドに押し付け打ち抜く、激しい物に変わっている。

きゅっと閉じた太ももの張りのある肉感と、細く狭く締め上げる秘所肉の柔らか
さのコントラストが、明久に堪らない性感をもたらし、ますます腰使いを激しいも
のへとさせて行く。


「ゃ…あ。らめ…か、お。んふっ…あっひゃ、…の、かお」
回らない呂律と、押し付けられて酸欠になった肺、打ち付ける律動の激しさ、押
し寄せる恍惚への大波が、彼女に不明瞭な言葉を吐き出させる。
言葉での意思伝達を諦めた彼女は、大きくイヤイヤをして、明久の腕から逃れ
ようともがき始めた。

「…わかった」
こう暴れられては、押さえつけるのは一苦労だったし、この体位では必然的に
浅い位置での挿入となるので、激しくすれば自身が抜け出す可能性もあった。
めくるめく快感に、野生を剥きだした明久であったが、少しばかりの理性を取り
戻した頭は、凛の性格から言わんとする事を理解した。


凜は、生前から体の密着度が高い体位を好んだ。
後背位からの行為は、刺激的ではあるが、彼女の好みに反する。
腰が抜けかけ、ぐにゃりとなった凛を持ち上げ、ベッドの上でゴロリと転がす。
彼女の下腹部から落ちた熱い滴りは、シーツに大きな染みを作り、むわりと雌
の匂いと、蒸気が立ち昇らんばかりの状態になっていた。

正常位の体勢で、凛の熱くぬめる細道に、再び怒張が突きこまれる。
激しく腰を打ちつけながら、彼女の体を抱きすくめると、豊麗な胸が押しつぶさ
れ肉が二人の側面にはみ出す。
口腔でも激しく求め合い、ぴちゃぴちゃという水音が、交わりの奏でる音に、新たなアクセントを加える。


剛直を激しく打ち込まれる中心も、擦り切れそうな快感を生んでいたが、抱きす
くめられた事と、接吻の喜びが、彼女の精神を絶頂の津波に押し流していた。

「ぁ…あっちゃ!ぴちゃ…んぁ、あっちゃん好きぃ。むふっ…はっ!」
明久自身は、なおも突きこみの勢いを止めなかったが、絶頂の予兆に肉道が
更に狭まり、九十九折に曲がりくねるのを感じていた。
「ああ、俺も好きだぞ。離れたくない。」
ぼそり、と呟かれた明久の言葉は、しかし彼女が絶頂に向かう引き金を引くの
に、十分な重みを持っていた。

「あっひゃ…っ、しゅき…いっひゃぅよ…あぁ…、〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
強烈な締め付けと脈動が、精を搾り出そうと蠢く。
放さじとしがみつく細い手が、腰に巻きつく滑らかな腿が、明久の体をより密着
させ、奥の細道へといざない、怒張に感じる性感が跳ね上がる。

「ら、らめ…また…ま、ひゃ…、〜〜〜〜っっ!!」
絶頂を迎えた直後、敏感過ぎる肉道を削られる感触に、たまらず次の大波にさ
らわれる。

「〜〜〜っ!!〜〜〜〜〜〜〜っっっっ!!!」
もはや、声も無く昇り続ける体は、ビクリビクリと激しく脈打ち、壊れた仕掛け人
形のように、ガクガクと腰をうねらせる。
瞳は光を失い、髪を振り乱し、唇からは一筋、粘液がぬめる。

凛の肉鞘による責め苦に耐えていた明久であったが、あまりの性感と、求める
人の痴態に、終には吹き上がる熱と白濁の迸りを感じた。
獣のような低い声で呻いた後、ビュクリビュクリと精を吐き出す。
尿道をゴリゴリと削り、先端から迸る感触が、何より一滴も逃すまいと蠢く肉壷
が、明久に恍惚を与えていた。


830 名前:776の半年後位らしいよ?[sage] 投稿日:2009/03/27(金) 01:50:40 ID:MuhUXo08


有為の奥山 今日こえて あさきゆめみし" 酔ひもせず

(そんな無情な世界を 生きる私たちだから
 世の浅い夢に 酔いしれないでいよう)




胸にすりよる、凛の髪が少しこそばゆい。
しなだれかかる体の重みが心地よい。
優しく頭をなでれば「んっ」と嬉しそうに鼻を鳴らすのが、とても愛おしい。
そんな事後の気だるい空気の中、明久は想いを巡らす。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


凜は、発病以来病院のベッドに永く居た。
遺伝性の病は、現代の医学では完治の難しいものだったそうだ。

彼女は、見舞いに行くと何時も抱きしめて欲しいと言った。
抱きすくめられた彼女は、嬉しそうに微笑むと、俺の髪を梳きながら
「恐いことなんて何も無い。私は死んでもあっちゃんの傍に居るよ。
 永遠に…ずっと。」
そう囁きかけて来た。
俺には、彼女の気持ちが痛い程に伝わり「そうか」と呟くしか出来なかった。
すり寄る彼女のぬくもりが、悲しかった。

ある日、見舞いに彼女の病室を訪れると、涙に濡れた顔があった。
反射的に駆け寄り抱きすくめると
「光源氏、死んじゃったよぅ…」
と、泣きじゃくりながら呟いた。

なんでも、あさきゆめみしという漫画を読んでいたらしい。
源氏物語を題材にしたアレだ。
なる程、いかにも好きそうだと思いながら聞いていたが、彼女の指した歌に、
ただ力なく立ち尽くししか出来なかった。

「あさきゆめみし 酔いもせず」

死を悟り、残される俺の為に流した涙をどうやって止める事が出来ようか。
数年の闘病生活の後の死だったので、取り乱したりはしなかった。
ただ、喪失感だけがあった。
涙の一滴も出ない程の、空虚があった。
暫くは眠れない日々が続いた。


ある日、彼女は何事もなかったかのような顔で、俺の前に戻ってきた。
自分の頭が狂ったのかと、正直に思った。
だから、彼女に問うた。

「おい、これは夢だよな?」
「そうだよ、これは夢。約束を守るために、ちょっとだけルール違反しちゃった。」
笑いながら答えると、俺の胸に飛び込み、柔らかな頬をすりよせた。
怪訝な顔をする俺に、
「もう、いつもみたいに抱きしめてよ。」
童子みたいに頬を膨らませ、腕を背に回したのだった。

目が覚めると、何時もと変わらない、彼女の居ない日常があった。
それ以来、彼女とは夢の中で逢瀬を重ね、俺は夜が待ち遠しくなった。

闘病生活中に、セックスは出来なかった。だから、夢の中で
「あっちゃんを感じれるのが嬉しいの」
と笑う彼女と、何度も何度も体を重ねた。

何故かその行為は、酷く気持ちの良いものであった。
きっと幸せだからだろう、って彼女は微笑みながら答えた。
だから、余計にショックだったのだろう。

昨日の夢に現れた凜は、いつかの漫画を読んでいた。
「あっちゃん、覚えてる?私が泣いちゃったの。」
そう言って、いろは歌のページを俺に差し出した。
「ああ、覚えている。」
俺の返答を聞いた凜は、満足そうに頷くと、また漫画を読み始めた。

沈黙が暫く流れた後、凜が口を開いた。
「私ね、このいろは歌が大好きなの。凄く良い歌だよね。」
「俺は…そうは思わない。永遠に一緒なんだろ、凛?」
彼女の笑顔は、どこか悲しみを感じさせた。

「そんな事…良いから、私が好きなものをあっちゃんも好きになるの!」
頬を膨らませ、少し拗ねた顔を作った彼女は、しかしすぐに真顔に戻り告げた。
「もう、時間がないみたい。」
その日、彼女とは体を重ぬまま目覚めを向かえた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




ふ、と胸の重みが消え、明久は現実…これも夢か。
(夢の中で、過去に想いを馳せるなんて、我ながらおかしな事になっているな)
回想から戻り、裸身のままの凜を見やる。

「ごめんね、あっちゃん。約束、やっぱり守れなかった。」
「…そうか。」
「これでおしまい、時間切れ。」
「…らしいな。」
「私はもう会えなくなるけど、私の好きないろは歌を思い出してね。」
「…俺はあんな浮気男じゃない。お前もお姫様じゃないけどな。」
クスリ、と笑った凜の体は、少し透けて見えた。
「じゃあね、バイバイ。」
光が何処からともなく、降ってくるのを感じた。


凜は本当に、約束を守ったのだ。
いろは歌のように、いつかは皆、
バラバラに離れていく世界なのかも知れないけれど。
それでも、死んでなお俺の傍にいてくれた。
だけど、これは夢。
酔いしれるなって、凛からのメッセージ。



「ありがとな、凛。」



本当は私、いろは歌なんて大嫌いなんだよ。
それが真実でも…ううん、きっと真実なのだろうけど。
私はあっちゃんと永遠でいたかった。
醒めない夢に酔っていたかった。
ごめん、先行くね。



「大好きだったよ、あっちゃん。」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


朝になり、明久は目を覚ました。
夜、寝たときの姿勢のまま。
誰かが居た痕跡も、温もりも何処にもない。
涙が一筋だけ流れたが、それもすぐに治まった。
一日が、始まる。






833 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2009/03/27(金) 01:54:58 ID:MuhUXo08

以上、お目汚し失礼致しました。いろは歌は意訳というか、適当です…。
えちーはマジ限界です。ファンタジー要素。
甘えっちなのや、テンポの良い軽妙なシチュ系作品に憧れます。精進。





810様の携帯に、遠距離恋愛中の娘さんから着信のようです。

「携帯の声だけで、満足なんか出来るわけないよ!
 36度の体温で触れ合って、ぶつかって、抱き合いたいよ!!

 うっ、ぐすっ…810君に、会いたい。早く、迎えに来て…。」
2009年06月19日(金) 21:59:15 Modified by amae_girl




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