アマチュア衛星通信初心者のためのWiki - 他の衛星にも挑戦してみよう!

■FM衛星

SO-50

衛星名Uplink(地球から衛星へ)↑Downlink(衛星から地球へ)↓備考など
SO-50145.85 MHz (+67HzTONE)436.795MHz74.4Hzのトーン送信で10分間中継器作動

 サウジアラビアの打ち上げたFM衛星(Saudisat-1c)です。
 打ち上げ当初は、中継器の制御を任されている謎のコマンドマンの存在等、謎の多い衛星でしたが、今では誰でも衛星が近づいてきた時に74.4Hzのトーンを送信すると、10分間、中継器が作動します。すなわち「誰かが74Hzのトーンを送信しない限りFM衛星として使えない」というバッテリ負担を軽減した省電力型の衛星なのです。実際の交信での使用にはAO-51同様67Hzのトーンを入れて送信します。
 この衛星は、やや軌道が傾いているため、飛来する時間が、毎日少しづつずれていくという特徴を持っています。結果、誰も聞いていない夜中に多く飛来したり、トラッカーの巣窟になってしまう平日の午後に多く飛来してしまうということもあり、ちょっともったいない衛星です。
 衛星からのダウンリンクは、公称436.8MHzとなっていますが、実際は5kHzほど低いようです。ダウンリンクの信号強度は、AO-51から比べると、弱く、かつ信号の浮き沈みが顕著でなので、シングル八木だけでは聞こえない時間も多くあります。AO-51より使用するのは難しいFM衛星です。
 反面、利用者が少ないので長く会話を交わせたり、AO-51のように実験日や運用モードの変更もないので、衛星向けの移動運用に使えるという利点もあります。

AO-27

衛星名Uplink(地球から衛星へ)↑Downlink(衛星から地球へ)↓備考など
AO-27145.85 MHz436.795MHz古い衛星のため電源事情で北上パスの7分間のみ

 伝説のUO-14と並ぶ元祖FM衛星の双璧の衛星です。しかしバッテリの問題のため、昼間の北上パスの7分間のみの使用に限定されています。最新の運用状況は、Official AO-27 HomePageでご確認下さい。
 信号はAO-51より弱いですが、送信にトーンを入れる必要はありません。そのためダウンリンクには、トラッカーの交信も混じって聞こえてきます。トラッカーの混信を上回る信号を衛星に送り届けないと交信できません。
 古い衛星ですので大切に使いましょう。
 トランスポンダがONになる直前と、OFFになった直後に「ピギャー」という信号音が聞こえます。


※近々、他の新たなFM衛星も打ち上げられる予定です。

■SSB/CW衛星

FO-29

衛星名Uplink(地球から衛星へ)Downlink(衛星から地球へ)備考など
FO-29145.900〜146.000MHz LSB/CW435.900〜435.800MHz USB/CW国産衛星「ふじ3号」

 国産SSB/CW衛星、「ふじ3号」です。ダウンリンクの信号はVO-52と比較すると弱く、VO-52向けの設備では十分な交信ができないこともあります。受信能力を上げてトライしてみましょう。帯域が広く混信が少ないので、のんびりSSBでラグチューもできます。極東ロシアの局も良くでてくるようです。 筆者はタイともQSOしたことがあります。
 2004年の夏に太陽フレアの影響で、一時、機能停止したこともあります。

 FO-29は、CWビーコンを常時発射していることが特徴です。これを安定して受信できる受信能力があれば、VO-52と同じような方法で交信できます。VO-52とは逆に、ドップラーシフトによりダウンリンクの周波数が次第に下がります。ビーコンは435.795MHz±6kHzで、モールス符号「HI HI」に続いて衛星の状態を16進数で表します。

※2011年9月下旬に、アナログ中継器の停止が確認されました。最新情報はFO-29管制局からのお知らせまたはtwitterでご確認下さい。

AO-7(参考)


衛星名Uplink(地球から衛星へ)Downlink(衛星から地球へ)備考など
AO-7145.850-145.950 USB/CW29.400-29.500 USB/CWMode-Aのみ記載

 1974年に打ち上げられた衛星です。1981年に、機能停止を宣告されたのですが・・・2002年に突然奇跡的に復活蘇生しました!この衛星はMode-A(145MHzUp/29MHzDown)と、Mode-B(432MHzUp/145MHzDown)、ビーコンのモードがあるのですが、制御しているコンピュータは昇天してしまったようで、制御不能になっており、飛来してくるまで、どのモードかはまったくわかりません。しかし1970年代にはOKだったMode-Bの432MHz台の衛星へのアップリンクは、現在では法律違反となってしまっています。こんな奇跡的慶事に有志の何人かがお上にMode-Bでの特例の運用許可のお伺いを立てましたが、あっけなく一蹴されてしまいました。平成のお上というものは、まったく粋なことをしてくれないんですね。(トラッカーは野放しなのに)Mode-Bが特例で許可されたら、高度の高い衛星なので、遠くの局とも交信できるのですけど・・・・そんな訳で上には、Mode-Aのみの記載とします。運良く衛星がMode-Aの状態になっているようでしたら、QSOを試みて下さい。Mode-Bのダウンリンク(145MHz)は30年前の衛星とは思えないほど強く、432MHz台で行われているトラッカーの違法交信がたくさん聞こえてきます。反面、Mode-Aのダウンリンク(29MHz)の信号は弱く、モービルホイップ程度では聞こえません。初心者向けとはいえないかも。

アップリンクは、3〜4エレの八木アンテナ+20〜50W、ダウンリンクは、回転可能なV型またはロータリーダイポール以上の設備があれば、SSBの交信も成功する確率が高いでしょう。SSBのアップリンクは、他の衛星と異なり、USBで行います。

2011年6月現在、日本時間08:30ごろに24時間周期でMode-AとMode-Bが自動的に切り替わっています。

※現行の衛星の状況が確認できます。↓ (英語です)
OSCAR Satellite Status Page by KD5QGR