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11-12-14
買収直後に合併する場合の注意点

【設例】
 P社はS社株式の全てを購入。S社はP社の100%子会社になります。
 その直後に、P社はS社を合併して吸収します。
┌───┐
│ P社 │     P社、S社ともに12月決算法人
└─┬─┘     P社、S社ともに繰越欠損金を有しています。
  │100%
┌─┴─┐     ×11年10月にS社株式の全てを購入
│ S社 │     ×12年2月1日にS社を合併して吸収
└───┘

 100%子会社を親会社が吸収する合併は、適格合併となります。

 適格合併を行う場合には、2つの繰越欠損金利用制限規定に注意する必要があります。

1)欠損等法人の繰越欠損金利用制限
 繰越欠損金を有する会社を買収した場合、その被買収会社(S社)は、欠損等法人に該当します。

 買収日から5年以内に、欠損等法人が適用事由に該当してしまうと繰越欠損金が利用できなくなります。

<適用事由(法法57の2 法
〃臑仕法人が休眠中・清算中の会社(a) + 買収後の事業再開
旧事業の廃止(b) + 旧事業売上の5倍を超える資金調達
支配者等の特定債権の取得(c) + 旧事業売上の5倍を超える資金調達
(a)(b)(c)のいずれかに該当 + 欠損等法人を消滅会社とする適格合併(又は欠損等法人の残余財産確定)
サ貽団衞魄全員が退任 + 20%以上の旧従業員が退職 + 旧従業員の非従事事業売上が旧事業売上の5倍超


 買収後において´↓イ里い困譴に該当しなければ、S社の×11年12月期においては、繰越欠損金の利用制限は生じません。

 しかし、S社が合併により吸収される際にい乏催した場合には、S社の最後事業年度(×12年1月期)において欠損金の利用制限が生じ、また、P社へ欠損金を引継ぐことも出来なくなります。

 ※買収後の事業年度で生じた繰越欠損金についても、その全額が利用できなくなる点で、ケースによっては、(2)適格組織再編を行った場合の繰越欠損金利用制限 よりも恐い規定となります。


2)適格組織再編を行った場合の繰越欠損金利用制限
 買収日から5年以内に、買収した子会社(S社)と企業グループ内の別の会社(P社)が適格合併を行った場合、みなし共同事業要件を満たせなければ、繰越欠損金の利用に制限が生じます。

 ※S社の繰越欠損金をP社に引継げないだけでなく、P社の繰越欠損金にも使用制限が生じる点に注意が必要です。

<利用できない繰越欠損金>
 買収前の事業年度で生じた欠損金:全額利用できない
 買収後の事業年度で生じた欠損金:買収時点の含み損を実現させた額について利用できない
 ※救済規定があります。

<みなし共同事業要件(法令112)>
 以下の´↓い料瓦討鯔たすか、,鉢イ鯔たす場合には、みなし共同事業要件を満たしていると判断されます。
〇業関連性要件
∋業規模要件
H鏐臺仕事業規模継続要件
す臺仕事業規模継続要件
テ団衞魄引継要件



11-12-12
種類株式の発行価額とストックオプションの権利行使価額

 先日ツイッターで紹介した「未上場企業が発行する種類株式に関する研究会報告書」の前半には何が書いてあるかと言いますと、普通株式の株価と種類株式の株価は当然に異なりますということの啓蒙です。

 そのように太鼓判を押されれば誰もがその通りと思うのでしょうが、普通株式を対象とするストックオプション(SO)を発行する際に、その権利行使価額がストックオプションの税制適格要件を満たすか否かと判断を実際に求められると、以下のような感じで、どうしても保守的な判断に傾いてしまうのでしょうね。

会社担当者:「SOの権利行使価額なんですが、いくらにすれば税制適格になりますかね。」

会計士:「SO付与時の株価以上ですよね。」

会社担当者:「普通株式と優先株式を発行しているんですが。」

会計士:「普通株式を対象とするSOなら、普通株式の株価以上ということになります。」

会社担当者:「優先株式は6ヶ月前に1株3,000円で発行してるんですが、普通株式はせいぜい旧額面(1株500円)程度の株価にしかなりません。本当に500円を権利行使価額にしちゃって良いですか。」

会計士:「いいはずです...」

会社担当者:「後で非適格と判定されたら、取り返しつかないんですけど...」

会計士:「3,000円にしときますか...」


 そんなわけで、経済産業省がわざわざ国税庁に確認をとり、国税庁はそんなの当たり前だと言わんばかりに国税庁HPではリリースしないというところでしょうか。

【参考】経済産業省HP 「ストックオプション税制のご案内」
1株当たりの価額に関して、未公開会社の株式については、「売買実例」のあるものは最近において売買の行われたもののうち適正と認められる価額とすることとされていますが(所得税基本通達23〜35共−9(4)イ)、普通株式のほかに種類株式を発行している未公開会社が新たに普通株式を対象とするストックオプションを付与する場合、種類株式の発行は、この「売買実例」には該当しません(国税庁確認済み)。



11-11-19
平成23年度税制改正法案の行方(再び)

1)ねじれ国会で、平成23年度税制改正法案が3月末までに成立せず。

2)平成23年度税制改正法案を2つに分離し、,世雲立。6月30日に公布。
 仝讐爾慮靴靴し从兢霎及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案
 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案

成立
【所得税】
  • 年金所得者の申告手続き簡素化※平成23年分から
  • 配当所得課税の大口株主基準を5%から3%に引下げ※平成23年10月1日以後の配当から
  • 一定のNPO法人や公益社団・財団法人等への寄付について、税額控除制度を設ける※平成23年分から
  • 上場株式の配当・譲渡所得に係る10%軽減税率を2年延長
  • 自動車等の交通用具を使用している人の通勤手当非課税限度額に係る特例(交通機関の運賃相当額まで非課税枠を拡大)の廃止。
  • 逆ハーフタックスプラン(契約者は法人、被保険者は役員等、満期保険金の受取人が役員等の遺族、死亡保険金の受取人が法人という生命保険契約)の満期保険金(一時所得)に係る必要経費を被保険者の給与所得に算入された額に限定する
【相続税】
  • 住宅取得資金贈与の範囲に、住宅新築に先行して取得する土地購入資金を追加※平成23年1月1日以後の贈与から
  • 事業承継税制の「特別子会社が性風俗営業会社に該当しないこと」の要件について適正化※平成23年6月30日以後の相続等から
【法人税】
  • 100%子会社の解散が予定されている場合における当該子会社株式評価損の損金不算入※平成23年6月30日以後に行う評価損の計上から
  • 解散時に損金算入される期限切れ欠損金にマイナスの資本金等の額を含める
  • 中小法人特例が適用されない法人の範囲に複数大法人保有法人を追加※平成23年4月1日以後開始事業年度より適用
  • 棚卸資産に係る切放し低価法の廃止
  • グリーン投資減税(環境関連投資促進税制)の導入⇔エネ革税制の即時償却制度は、平成24年3月31日まで延長
  • 雇用促進税制の導入
  • 中小法人の法人税率特例(22%→18%)を平成24年3月31日まで延長
  • 試験研究を行った場合の特別税額控除の特例(限度額を法人税の20%→30%とする等)を平成24年3月31日まで延長
  • 中小企業等基盤強化税制を平成24年3月31日まで延長
  • 陳腐化償却制度の廃止
【消費税】
  • 免税事業者の要件の見直し(前事業年度の上半期課税売上高が1,000万円を超える場合は、免税としない)※平成24年4月1日以後開始事業年度の上半期課税売上高が1,000万円超の場合、平成25年4月1日以後開始事業年度より課税事業者となる。
  • 課税売上割合が95%以上でも、課税仕入税額の全額控除を認めない(課税売上高5億円超の場合)※平成24年4月1日以後開始事業年度より適用

3)上記△10月28日に修正し(経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案★中修正★)、国会で審議。
  • 施行日の変更。納税者権利憲章の創設及び国税通則法の名称変更を法案から削除。

4)11月10日 民主、自民、公明の3党税調会長による合意(税関係協議結果
  • たばこ増税は見送り。代わりに、復興特別税としての所得税付加税を25年間、2.1%(当初1.6%)とする。個人住民税の均等割を13年から10年間(当初5年間)、年1000円(当初500円)とする。
  • 所得税、相続税・贈与税の改正は見送り。

成立
【法人税】
  • 法人税率を25.5%に引下げ(中小法人軽減税率は15%)
 ※平成24年4月1日以後開始事業年度より適用
 ※復興特別税としての法人税付加税は3年間、10%。
  25.5%×1.1=28.05%(中小法人軽減税率は15%×1.1=16.5%)
  • 250%定率法を200%定率法に改正
 ※原則、平成24年4月1日以後取得資産に適用。平成24年3月31日【以前】開始事業年度は250%定率法によることができる経過措置あり。
  • 繰越欠損金控除限度額を所得の80%に制限(大法人のみ)
 ※平成24年4月1日以後開始事業年度より適用
  • 繰越欠損金の繰越期間を9年に延長(大法人のみならず、中小法人も)
 ※平成20年4月1日以後【終了】事業年度において生じた欠損金額について適用
 ※繰越期間中、欠損金発生事業年度の帳簿書類を保存しておく必要あり。
  • 貸倒引当金繰入額の損金算入制度の適用を銀行・保険会社・中小法人に限定
 ※大法人における経過措置は以下のとおり。
  平成24年4月1日以後開始事業年度:現行繰入限度額の3/4
  平成25年4月1日以後開始事業年度:現行繰入限度額の2/4
  平成26年4月1日以後開始事業年度:現行繰入限度額の1/4
  平成27年4月1日以後開始事業年度より全面廃止
  • 一般寄付金の損金算入限度額の縮減
  • 被現物分配法人株式の適格現物分配については、欠損金使用制限を課さない
  • 研究開発税制の税額控除限度額を法人税額の30%とする上乗せ措置を廃止
【国税通則法】※平成23年12月2日(公布日)より適用
  • 更正請求期間を5年に延長(贈与税は6年)
  • 更正請求時の「事実を証明する書類」の添付義務化
 (参考)国税庁HP「更正の請求期間の延長等について」
 ※法人税については、平成23年12月2日以後【終了】事業年度より適用
 ※増額更正はできるが更正の請求はできない事業年度に係る減額更正は「更正の申出書」を提出する。
【その他】
  • 当初申告要件の一部廃止
 (参考)国税庁HP「当初申告要件が廃止された措置」
 ※法人税については、平成23年12月2日以後【終了】事業年度より適用

不成立
【所得税】
  • 給与所得控除の上限設定
  • 役員給与に係る給与所得控除の縮減
  • 特定支出控除の拡大
  • 勤続年数5年以下役員の退職所得に係る1/2措置廃止
  • 扶養控除の見直し
【相続税】
  • 基礎控除額の縮小
  • 死亡保険金の非課税限度額の縮小
  • 未成年者控除、障害者控除の引き上げ(@6万円→@10万円)
【贈与税】
  • 税率構造の見直し
  • 相続時精算課税の見直し
【国税通則法】
  • 納税者権利憲章の創設
  • 国税通則法の名称変更
  • 税務調査手続(事前通知・終了通知など)



11-11-17
子会社株式の減損処理と簡易合併

 親会社が子会社を吸収する合併では、子会社が債務超過でなくても、子会社の純資産簿価が親会社保有の子会社株式簿価を下回る場合には、抱合株式消滅損が生じてしまうので簡易合併できないという話がありますよね。

 それならば、子会社株式を事前に減損処理して、抱合株式消滅損が生じないようにすれば、簡易合併できるのではないかという質問を受けることがあります。

 質問を受けるたびに、条文などを読みつつ検討するわけですが、今回は「OKと思う」と回答しました。ただ、過去に「NG」と回答した記憶もあり、気になりました。

 そこで、今回の質問内容と過去の質問内容を整理してみることにしました。

【質問1】我が社は3月決算会社です。9月1日で子会社を吸収合併することを考えています。簡易合併とするために、8月31日付けで、子会社株式を減損処理しようと思うのですが、問題ありますか?

 子会社株式の減損処理は期末の時価に基づいて行われるものですので、期中において減損処理することは認められません。よって、減損処理による簡易合併はできないと思われます。

【質問2】我が社は3月決算会社です。5月1日で子会社を吸収合併することを考えています。簡易合併とするために、3月31日付けで、子会社株式を減損処理しようと思うのですが、問題ありますか?

 期末に子会社株式を減損処理することは可能です。よって、減損処理による簡易合併は可能と思われます。

 ここで、5月1日時点では定時株主総会で計算書類が承認されていないため、確定していない子会社株式簿価に基づいて簡易合併の可否を検討して問題ないのかと心配される方もいるようです。

 しかし、株主総会で承認された金額で簡易合併を判断しなければならないのであれば、会社法施行規則195条1項、2項の「合併直後(直前)に貸借対照表の作成があったものとする場合の資産額・負債額」という規定は意味をなしません。質問2を例にとると、合併直前(4/30)の金額も合併直後(5/1)の金額も1年ほど前の定時株主総会で承認された最終事業年度の金額となってしまい、合併により存続会社の純資産額が減少するのかという判断ができなくなってしまいます。

 ただ、定時株主総会で計算書類の承認を得られないという万万が一のリスクを考慮するのであれば、合併の日を定時株主総会開催日より後にしたほうが良いのかもしれませんね。



11-10-28
個人組合員の組合損益の所得区分

 個人の場合、所得区分によって損益通算できたりできなかったりするわけですが、組合損益の計算方法によって、その所得区分が変わってしまうという問題があります。

 総額法を採用する場合は、内容に応じて各種所得に区分します。

 純額法を採用する場合は、「当該組合事業の主たる事業の内容に従い、不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得のいずれか一の所得に係る収入金額又は必要経費とする。」とされています(所基通36・37共−20(3))。

 そうであれば、納税者側としては、総額法と純額法のどちらか有利なほうを選択するというのが自然な流れと思います。顧問税理士としては、有利な方法を勧めなかったら納税者に訴えられるって考えるはずです。

 これについて、『総額法で計算できるにも係わらず、有利な純額法を選択したのはけしからん』として税務署が否認し、裁判になった事例があります。

 結果としては、地裁も高裁も、納税者の勝訴となりました。


 所基通36・37共−20(任意組合の事業に係る利益等の額の計算)では、意訳すると
 任意組合の組合員の各種所得の金額の計算上総収入金額又は必要経費に算入する利益の額又は損失の額は、総額法により計算する。ただし、その者が継続して中間法又は純額法により計算している場合には、その計算を認めるものとする。
とされています。

 国は、総額法で計算できるのにも係わらず、純額法のほうが有利なので純額法を選択するというのは、課税上の弊害があるからダメよと主張しました。

 裁判所は、通達では継続適用を条件に純額法で計算してよいと書いているので、国の主張は無理があるという判断をしたようです。

 ちなみに、法人組合員についても同様の規定があるのですが、こちらは「課税上弊害がない限り、」純額法を認めるという限定付きになってます。

法基通14-4-2(任意組合等の組合事業から分配を受ける利益等の額の計算)
 法人が、帰属損益額を14−1−1及び14−1−1の2により各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する場合には、総額法により計算する。ただし、法人が中間法又は純額法により継続して各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する金額を計算しているときは、多額の減価償却費の前倒し計上などの課税上弊害がない限り、これを認める。


 国は、所基通36・37共−20にも「課税上弊害がない限り」という文言を加えるという対応をとってくるのですかね。

 LLPに法人課税を導入してくれという要望に真剣に取り組まずに、逆に組合損失取込制限を継ぎ接ぎして組合を使いにくくしたという前科があります。また同じように、小手先の対応をしてくるのかも。



11-09-02
株式移転直後の受取配当 vs 株式交換直後の受取配当

 株式移転の直後や株式交換の直後に100%子会社から金銭配当を受けた場合、

(1)受取配当金は全額益金不算入となるのか(100%子会社株式が「完全子法人株式等」に該当するのか)

(2)受取配当金に係る源泉所得税を全額控除できるのか(期間按分しなくて良いのか)
の2点が気になるところです。


【例1】単独株式移転
 ┌───┐   ┌───┐
 │株主A│   │株主A│
 └─┬─┘   └─┬─┘
     │100% ⇒     │100%
 ┌─┴─┐   ┌─┴─┐
 │ S社 │   │ P社 │
 └───┘   └─┬─┘
             │100%
         ┌─┴─┐
         │ S社 │
         └───┘
(1)受取配当金は全額益金不算入となるのか → OK

 法令22の2
・・・の計算期間の開始の日から当該計算期間の末日まで継続して法第二十三条第五項 の内国法人とその支払を受ける配当等の額を支払う他の内国法人との間に完全支配関係があつた場合(★当該内国法人が当該計算期間の中途において当該他の内国法人との間に完全支配関係を有することとなつた場合において、当該計算期間の開始の日から当該完全支配関係を有することとなつた日まで継続して当該他の内国法人と他の者との間に当該他の者による完全支配関係があり、かつ、同日から当該計算期間の末日まで継続して当該内国法人と当該他の者との間及び当該他の内国法人と当該他の者との間に当該他の者による完全支配関係があつたときを含む。★) の当該他の内国法人の株式又は出資とする。

 ★〜★を事例に当てはめると、

〃彁惨間の開始から完全支配関係日まで継続して、S社(他の内国法人)と株主A(他の者)との間に完全支配関係があり、

完全支配関係日から計算期間の末日まで継続して、P社(内国法人)と株主Aとの間及びS社と株主Aとの間に株主Aによる完全支配関係がある。

ということで、完全子法人株式等からの受取配当に該当します。


(2)受取配当金に係る源泉所得税を全額控除できるのか → OK

 法令140条の2
 2  前項第一号に定める所得税の額は、利子配当等に対する所得税の額(その内国法人が元本を所有していなかつた期間についてのみ課される所得税の額を除く。次項において同じ。)に、当該利子配当等の計算の基礎となつた期間の月数のうちにその内国法人がその元本を所有していた期間の月数(★株式移転により設立された株式移転完全親法人が当該株式移転に係る株式移転完全子法人からその設立の日後最初に支払われる剰余金の配当にあつては、当該株式移転後の初回配当の計算の基礎となつた期間の開始の日から当該設立の日の前日までその元本のすべてを所有していたものとみなして計算した月数★) の占める割合を乗ずる方法により計算する。

 ★〜★の規定により、株式移転については手当がされています。


【例2】100%兄弟会社を子孫関係に変換する株式交換
        ┌───┐          ┌───┐
    │ P社 │     │ P社 │
        └─┬─┘          └─┬─┘
            │100%  ⇒     │100%
   ┌──┴──┐        ┌─┴─┐
 ┌─┴─┐  ┌─┴─┐  │ S社 │
 │ S社 │ │ D社 │    └─┬─┘
 └───┘  └───┘        │100%
                            ┌─┴─┐
              │ D社 │
                            └───┘
(1)受取配当金は全額益金不算入となるのか → OK

 法令22の2
・・・の計算期間の開始の日から当該計算期間の末日まで継続して法第二十三条第五項 の内国法人とその支払を受ける配当等の額を支払う他の内国法人との間に完全支配関係があつた場合(★当該内国法人が当該計算期間の中途において当該他の内国法人との間に完全支配関係を有することとなつた場合において、当該計算期間の開始の日から当該完全支配関係を有することとなつた日まで継続して当該他の内国法人と他の者との間に当該他の者による完全支配関係があり、かつ、同日から当該計算期間の末日まで継続して当該内国法人と当該他の者との間及び当該他の内国法人と当該他の者との間に当該他の者による完全支配関係があつたときを含む。★) の当該他の内国法人の株式又は出資とする。

 ★〜★を事例に当てはめると、

〃彁惨間の開始から完全支配関係日まで継続して、D社(他の内国法人)とP社(他の者)との間に完全支配関係があり、

完全支配関係日から計算期間の末日まで継続して、S社(内国法人)とP社との間及びD社とP社との間にP社による完全支配関係がある。

ということで、完全子法人株式等からの受取配当に該当します。


(2)受取配当金に係る源泉所得税を全額控除できるのか → NG

 法令140条の2
 2  前項第一号に定める所得税の額は、利子配当等に対する所得税の額(その内国法人が元本を所有していなかつた期間についてのみ課される所得税の額を除く。次項において同じ。)に、当該利子配当等の計算の基礎となつた期間の月数のうちにその内国法人がその元本を所有していた期間の月数(株式移転により設立された株式移転完全親法人が当該株式移転に係る株式移転完全子法人からその設立の日後最初に支払われる剰余金の配当にあつては、当該株式移転後の初回配当の計算の基礎となつた期間の開始の日から当該設立の日の前日までその元本のすべてを所有していたものとみなして計算した月数) の占める割合を乗ずる方法により計算する。

 株式交換には、株式移転のような規定の手当がされていません。



11-08-25
解散事業年度に係る定時株主総会・会計監査人監査

 ESG法務研究会のHP 2011.08.19(金)【成仏できない事業年度】 に詳しく解説されていますが、会計士・税理士が解散事業年度(解散日の属する事業年度)として認識する期間は、会社法上、事業年度と認識されません。

 そのため、解散事業年度の計算書類(取得原価ベースの貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)について、定時株主総会で承認を得たり、会計監査人による監査を受けたりする必要がないのです。

 一方、法人税法では、みなし事業年度が規定されており(法法14^譟法解散事業年度に係る申告をする必要があります。

 その解散確定申告書には、解散事業年度の計算書類(取得原価ベースの貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)を添付する必要があります。そのため、実務上は、通常の事業年度と同様に計算書類を作成しなければなりません。



11-08-24
清算人が保管すべき帳簿資料とその保管期間

【設例】
 3月決算
 平成23年4月1日−平成23年9月30日・・・解散事業年度(第25期)
 平成23年11月15日・・・清算結了日

1)重要書類
 ・定款、株主名簿、議事録、稟議書、増減資などの手続書類
 ・取引先との契約書

 →清算結了の登記の時から10年間(会508)

2)法人税申告時の書類セット
 (第15期〜第25期+清算事業年度)
 ・法人税申告書
 ・固定資産台帳
 ・決算書
 ・会計監査報告書
 ・内訳書
 ・概況書
 ・税務代理権限証書
 ・消費税申告書
 ・法人住民税・事業税申告書

 →清算結了の登記の時から10年間(会435ぁ会509‘鵝
※会435い任蓮峽彁蚕駑爐鮑鄒した時から10年間」となってますが、細かく管理せずに、過去10年分の申告書類セットを保存し、清算結了後10年経過したら、まとめて廃棄すれば良いのではないかと思います。

3)総勘定元帳など会計ソフトから出力する資料
 申告書類セットの保管期間に合わせ、過去10年分を清算結了の登記の時から10年間(会432◆会509‘鵝

4)証憑等
 (第18期〜第25期+清算事業年度)
 ・領収書、請求書などの取引証憑
 ・一人別徴収簿など給与関係書類

→清算結了の登記の時から10年間(法法126、法規59) 【参考】タックスアンサーNo.5930
※確定申告書の提出期限から7年間保存すれば足りますが、清算結了後10年経過した際に、他の書類とまとめて廃棄すれば良いのではないかと思います。

5)清算手続資料
 ・解散日の財産目録、実態貸借対照表
 ・決算報告(清算事務報告)

 →清算結了の登記の時から10年間(会508)

6)人事労務関連書類
 →(専門外)過去5年分を清算結了の登記の時から5年 【参考】SMBCコンサルティングHP



11-08-16
新設分割 or 株式移転+現物配当

 A社から100%子会社を設立したいと相談があったとします。資産の一部を子会社に移転したいという内容です。

 この時、不動産を子会社に移転させたいのか否かは、考慮すべき重要なポイントです。適格組織再編で法人税がかからなくても、不動産を移動させれば登録免許税や不動産取得税がかかります。

 子会社に不動産を移転しないのであれば、新設分割が良い場合が多いでしょう。

 子会社に不動産を移転するのであれば、逆転の発想で、株式移転で親会社を作り、親会社に保有させたい資産を現物配当したほうが良いかもしれません。適格現物分配の要件を満たせば、現物配当をしても法人税はかかりません。

 子会社に不動産を移転する場合でも、親会社の事業の1つを子会社に移転させるような場合には、不動産取得税の非課税要件を満たす可能性があります。その場合には、新設分割を選択することもあるかと思います。

 許認可がある場合も同じような考慮が必要となります。子会社で許認可事業を行うのであれば、株式移転+現物配当 を選択したほうが、(許認可の取得に要する期間を省くことができるので)早期に実行できる場合があります。

 なお、株式移転+現物配当スキームを提案すると、商号を問題にされる方がいますが、株式移転と同時に親会社と子会社の商号を変更してしまえば、問題は解決します。



11-08-12
会社の解散と電話加入権の解除手続

 会社が解散した後でも、電話加入権の解除手続ができるのかという疑問があり、NTTに確認してみました。

 確認の結果、解散後でも解除手続が行えるとのことでした。

【解除手続】
1)NTTに連絡して、契約解除の通知書を送付してもらう。

2)通知書に以下の資料を添付して、NTTに提出する。
 <解散前>
  現在事項証明書(有効期間3ヵ月以内)
  代表取締役の身分証明書

 <解散後>
  閉鎖事項証明書(有効期間3ヵ月以内)
  代表精算人等(申請者)の身分証明書


 解約時に工事予約を行い、だいたい1ヶ月以内に利用停止の工事が行われるとのこと。解約手続きを開始してから、約1ヶ月は電話が使える状態ということですね。

 契約解除日から3ヶ月間は、解除した電話番号に連絡すると、無料でアナウンスを流してくれます。新たな連絡先番号を通知することも可能です。
 (参考)NTT東日本のFAQ 「Q.利用休止または契約解除をした場合、一定期間アナウンスを流すことはできますか?」


 ちなみに、ひかり電話の場合、電話加入権はなく、解除手続きも電話一本で終了とのことです。解散前でも解散後でも、終了したい時に電話をすれば、それで良いとのことでした。



11-08-10
相続時精算課税を適用した受贈者が贈与者よりも先に死亡したら

 ,らい泙任侶舒泙鮹った場合、孫がどのように相続税を払うのかを整理してみました。
  ┌─┐      ┌─┐      ┌───────────┐
 │親│   │子│   │          孫          │
  └─┘      └─┘      └───────────┘
   100株贈与
  檗檗檗檗檗蘗
  相続時精算課税

          30株贈与
◆       檗檗檗檗檗蘗
          暦年課税

          70株相続
       死亡−−−−→ 相続した70株について
                通常の相続税が課される。

ぁ〇猖粥檗檗檗檗檗檗檗檗檗蘗  100株分を相続財産に
                加算した上で、相続税
                を計算し、子が払った
                贈与税と精算する。



11-08-08
時価評価損益課税が行われない非適格株式交換等とは

 完全支配関係にある法人間で行う株式交換・株式移転には、時価評価損益課税が行われませんが、具体的に「完全支配関係にある法人間で行う株式交換・株式移転」とは、どんなものかをイメージしてみました。

 そもそも、株式交換も株式移転も完全支配関係を創出する組織再編手法なので、事後に親会社と子会社に完全支配関係があるのは当たり前です。

【例1】80%子会社を100%子会社にする株式交換
 ┌───┐   ┌───┐
 │ P社 │   │ P社 │
 └─┬─┘   └─┬─┘
     │80% ⇒     │100%
 ┌─┴─┐   ┌─┴─┐
 │ S社 │   │ S社 │
 └───┘   └───┘
 株式交換の直前に、P社とS社との間に完全支配関係がないので、時価評価損益課税が行われない株式交換には該当しません。


【例2】100%兄弟会社を子孫関係に変換する株式交換
        ┌───┐          ┌───┐
    │ P社 │     │ P社 │
        └─┬─┘          └─┬─┘
            │100%  ⇒     │100%
   ┌──┴──┐        ┌─┴─┐
 ┌─┴─┐  ┌─┴─┐  │ S社 │
 │ S社 │ │ D社 │    └─┬─┘
 └───┘  └───┘        │100%
                            ┌─┴─┐
              │ D社 │
                            └───┘
 株式交換の直前に、S社とD社との間に完全支配関係があるので、時価評価損益課税が行われない株式交換に該当します。


【例3】単独株式移転
                  ┌───┐
         │ P社 │
  ┌───┐      └─┬─┘
 │ S社 │  ⇒      │100%
  └───┘     ┌─┴─┐
               │ S社 │
                  └───┘
 株式移転の直前に、P社とS社との間に完全支配関係がないので、時価評価損益課税が行われない株式移転には該当しません。
 ※単独株式移転の多くは非適格組織再編になりませんが、株式移転後に子会社株式を売却する予定がある場合などは非適格になります。

【例4】100%兄弟会社の上に中間持株会社を新設する株式移転
        ┌───┐           ┌───┐
    │ P社 │        │ P社 │
        └─┬─┘           └─┬─┘
            │100%  ⇒           │100%
   ┌──┴──┐          ┌─┴─┐
 ┌─┴─┐  ┌─┴─┐     │ A社 │
 │ S社 │ │ D社 │        └─┬─┘
 └───┘  └───┘            │100%
                ┌──┴──┐
              ┌─┴─┐  ┌─┴─┐
              │ S社 │ │ D社 │
              └───┘  └───┘
 株式移転の直前に、S社とD社(内国法人と他の株式移転完全子法人。法法62の9,っこ書。)との間に完全支配関係があるので、時価評価損益課税が行われない株式移転に該当します。



11-08-01
種類株式を発行する上での留意点

 経営者が株式を100%保有している会社を想定しましょう。発行済株式は普通株式100株です。この会社が、資金調達のためにベンチャーキャピタルから出資を仰ぎ、A種株式10株を発行したいと考えています。

 さて、どのようなことに留意しておくべきでしょうか。それは、A種株主の種類株主総会決議が必要となる行為を会社が行おうとする場合に、A種株主に拒否権を持たれてしまうということです。

 例えば、吸収合併をするのに、(A種株主に損害を及ぼすおそれがあるか否かの判断は難しいですが)A種株主の種類株主総会決議が必要となることがあります(会322ー掘法この場合、A種株主の種類株主総会で否決されれば、合併はできません。

 この問題については、A種株式の内容として以下を定めることにより、完璧ではないものの対策をとることはできます。
  (1)会社法199条4項、238条4項、795条4項に定めるA種株主の種類株主総会決議を要しない旨
  (2)会社法322条1項2号から13号までに掲げる行為をする場合に、A種株主の種類株主総会決議を要しない旨

 合併(会社法322条1項7号に掲げる行為)も、上記の定めによりA種株主に拒否権を持たせないようにすることができます。

 ただし、会社法322条1項1号に掲げる行為(株式の種類の追加、株式の内容の変更、発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加)については、A種株主の種類株主総会決議を要しない旨を定めることはできないとされています(会322ただし書)。つまり、A種株主から全ての拒否権を奪うことはできないということです。



11-06-30
租税条約の入手方法

 比較的新しい租税条約は、財務省HP 「 最近締結した租税条約(条文・概要) 」 で入手できます。

 古い租税条約は、外務省HP 「 条約データ検索 」 で入手できます(新しい租税条約が検索できないケースがありましたので、網羅性は保証できません。)



11-06-28
親会社への現物配当に係る会計処理

 現物配当の会計処理。ナメてました...結構、難しい。

 配当財産が、子会社株式・関連会社株式なのか、それ以外の現物財産なのか、によって配当を受ける会社の処理が異なります。
┌───┐   【設例1】
│ P社 │     S1社が、P社に土地(時価200、簿価150)
└─┬─┘     を配当した。
  │100%
┌─┴─┐     P社のS1株式簿価:100
│S1社│     S1社の配当直前簿価純資産:1500
└───┘


◆配当する会社(S1社)の仕訳

 その他利益剰余金 150|土地 150

 企業集団内の企業へ配当する場合には、配当財産の簿価で、その他資本剰余金又はその他利益剰余金を減額します(自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準の適用指針10項)。


 問題は、配当を受ける会社の処理です。
◆配当を受ける会社(P社)の仕訳

 土地 150|S1株式   10
       |受取配当金 140

 土地の取得価額は、現物配当直前の簿価150となります(結合指針297項→268項→244項)。

 現物配当により引き換えられたとして減少させるS1株式の金額は、現物分配直前の簿価を合理的な方法によって按分することにより算出します(結合指針297項→295項)。設例では、結合指針295項(3)簿価比率による按分を行ったと仮定しています。
P社のS1株式簿価100×配当した土地簿価150÷S1社の配当直前簿価純資産1500=10

 土地の取得価額とS1株式の減少額との差額は、交換損益として認識されます(結合指針244項)。



┌───┐   【設例2】
│ P社 │     S1社が、P社にS2株式(時価200、簿価150)
└─┬─┘     を配当した。
  │100%
┌─┴─┐     P社のS1株式簿価:100
│S1社│     S1社の配当直前簿価純資産:1500
└─┬─┘
  │100%
┌─┴─┐
│S2社│
└───┘

◆配当する会社(S1社)の仕訳

 その他利益剰余金 150|S2株式 150

 配当する会社の処理は、設例1と同じです。


 問題は、やはり配当を受ける会社の処理です。
◆配当を受ける会社(P社)の仕訳

 S2株式 10|S1株式 10


 S2株式の取得価額は、現物配当により引き換えられたとして減少させるS1株式の金額10となります(結合指針297項→273項)。

 現物配当により引き換えられたとして減少させるS1株式の金額は、現物分配直前の簿価を合理的な方法によって按分することにより算出します(結合指針297項→295項)。設例では、結合指針295項(3)簿価比率による按分を行ったと仮定しています。
P社のS1株式簿価100×配当したS2株式簿価150÷S1社の配当直前簿価純資産1500=10

 交換損益は認識されません(結合指針273項)。



11-06-16
資本剰余金と利益剰余金を同時に配当した場合の税務処理

 T&A master No.405 にて、資本剰余金と利益剰余金を同時に配当した場合には、株主総会議案順ではなく、資本剰余金の配当(資本の払戻し)から先に処理するという解説があります。

 どこに、そんな規定があるのかなと思ったのですが、法人税法施行令8条1項16号イを見ますと、
 イ 当該資本の払戻し等の日の属する事業年度の前事業年度終了の時の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額(当該終了の時から当該資本の払戻し等の直前の時までの間に資本金等の額又は利益積立金額(第九条第一項第一号又は第六号に掲げる金額を除く。) が増加し、又は減少した場合には、その増加した金額を加算し、又はその減少した金額を減算した金額)

 資本の払戻しの直前までに行われた利益剰余金の配当は加味するけど、同時に利益剰余金を配当する場合は加味しないということだと思います。



11-06-15
「震災関連寄附金」の範囲と税務上の扱い

◆「震災関連寄附金」の範囲
 国・被災県市町村(直接、報道機関経由)
 国・被災県市町村(その他経由)
 日本赤十字社「東日本大震災義援金」
 中央共同募金会「東日本大震災義援金」
 中央共同募金会「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」
 一定のNPO法人の被災者支援活動
 公益社団・財団法人の被災者支援活動

◆所得税上の扱い
 「震災関連寄附金」は、特定寄附金に該当し、寄附金控除の対象となる。
   嵜椋甸慙寄附金」以外の特定寄附金は、所得金額の40%を限度として所得控除できる。
  ◆嵜椋甸慙寄附金」は、(所得金額の80%−,僚蠧盛欺額)を限度として所得控除できる。

 なお、が付された「震災関連寄附金」については、税額控除との選択適用が認められている。

◆法人税上の扱い
 「震災関連寄附金」は、国等に対する寄付金又は指定寄付金に該当し、支出額の全額が損金算入となる。


 (参考)東日本大震災に係る義援金等に関する税務上(所得税、法人税)の取扱いについて



11-06-14
平成23年度税制改正法案の行方

 平成23年度税制改正の方向性が見えてきました。抜本改革は見送り、新しい政策税制の導入と現行税制の適正化、期限切れ租税特別措置の延長のみを手当てするようです。

 【参考】現下の厳しい経済情勢及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案

(不明な点があるので、加筆・修正を予定しています。)
成立
【所得税】
  • 年金所得者の申告手続き簡素化※平成23年分から
  • 配当所得課税の大口株主基準を5%から3%に引下げ※平成23年10月1日以後の配当から
  • 一定のNPO法人や公益社団・財団法人等への寄付について、税額控除制度を設ける※平成23年分から
  • 上場株式の配当・譲渡所得に係る10%軽減税率を2年延長
  • 自動車等の交通用具を使用している人の通勤手当非課税限度額に係る特例(交通機関の運賃相当額まで非課税枠を拡大)の廃止。
  • 逆ハーフタックスプラン(契約者は法人、被保険者は役員等、満期保険金の受取人が役員等の遺族、死亡保険金の受取人が法人という生命保険契約)の満期保険金(一時所得)に係る必要経費を被保険者の給与所得に算入された額に限定する

【相続税】
  • 住宅取得資金贈与の範囲に、住宅新築に先行して取得する土地購入資金を追加※平成23年1月1日以後の贈与から
  • 事業承継税制の「特別子会社が性風俗営業会社に該当しないこと」の要件について適正化※平成23年6月30日以後の相続等から

【法人税】
  • 100%子会社の解散が予定されている場合における当該子会社株式評価損の損金不算入※平成23年6月30日以後に行う評価損の計上から
  • 解散時に損金算入される期限切れ欠損金にマイナスの資本金等の額を含める
  • 中小法人特例が適用されない法人の範囲に複数大法人保有法人を追加※平成23年4月1日以後開始事業年度より適用
  • 棚卸資産に係る切放し低価法の廃止
  • グリーン投資減税(環境関連投資促進税制)の導入⇔エネ革税制の即時償却制度は、平成24年3月31日まで延長
  • 雇用促進税制の導入
  • 中小法人の法人税率特例(22%→18%)を平成24年3月31日まで延長
  • 試験研究を行った場合の特別税額控除の特例(限度額を法人税の20%→30%とする等)を平成24年3月31日まで延長
  • 中小企業等基盤強化税制を平成24年3月31日まで延長
  • 陳腐化償却制度の廃止

【消費税】
  • 免税事業者の要件の見直し(前事業年度の上半期課税売上高が1,000万円を超える場合は、免税としない)※平成24年4月1日以後開始事業年度の上半期課税売上高が1,000万円超の場合、平成25年4月1日以後開始事業年度より課税事業者となる。
  • 課税売上割合が95%以上でも、課税仕入税額の全額控除を認めない(課税売上高5億円超の場合)※平成24年4月1日以後開始事業年度より適用

修正後、成立か? ※T&A master No.406 では、不成立確実としています。
【国税通則法】
  • 納税者権利憲章を平成24年1月1日に公表
  • 国税通則法の名称変更
  • 更正請求期間を5年に延長
  • 更正請求時の「事実を証明する書類」の添付義務化
  • 平成24年1月1日以後の税務調査から事前通知・終了通知を実施

見送り濃厚
【所得税】
  • 給与所得控除の上限設定
  • 特定支出控除の拡大
  • 勤続年数5年以下役員の退職所得に係る1/2措置廃止
  • 扶養控除の見直し

【相続税】
  • 基礎控除額の縮小
  • 死亡保険金の非課税限度額の縮小
  • 未成年者控除、障害者控除の引き上げ(@6万円→@10万円)

【贈与税】
  • 税率構造の見直し
  • 相続時精算課税の見直し

【法人税】
  • 法人税率を25.5%に引下げ(中小法人軽減税率は15%)
  • 250%定率法を200%定率法に改正
  • 繰越欠損金控除限度額を所得の80%に制限
  • 貸倒引当金繰入額の損金算入制度の適用を銀行・保険会社・中小法人に限定
  • 一般寄付金の損金算入限度額の縮減
  • 被現物分配法人株式の適格現物分配については、欠損金使用制限を課さない
  • 研究開発税制の上乗せ措置(増加型又は高水準型)を廃止

【その他】
  • 当初申告要件の一部廃止



11-06-10
任意積立金と分配可能額

【問題】この会社の分配可能額はいくらでしょうか?
 その他利益剰余金 100
  任意積立金    40
  繰越利益剰余金  60
【答え】分配可能額は100です。

【問題】では、任意積立金を取崩さずに、100の配当をすることができますか?
【答え】できます。但し、「任意積立金は分配できない」旨の定款規定がある会社では、定款違反(違法配当)となってしまいます。
     (参考)会社法の計算詳解 郡谷大輔他 中央経済社 初版 P.321

 任意積立金を取崩さずに、100の配当をし、以下のようになっても、それはそれで良いということですね。任意積立金なら取崩したらと思いますが、法人税法の要請で積み立てた圧縮積立金などがある場合は、圧縮積立金を取崩さずに、繰越剰余金をマイナスとする配当もアリかなと思います。
 その他利益剰余金   0
  任意積立金    40
  繰越利益剰余金 ▲40



11-06-07
財基通186−2と組織再編

 時価純資産価額方式で株価(相続税評価額)を算定する場合、「評価差額に対する法人税等相当額」を控除することができます。

 組織再編を通じて、作為的に評価差額を作り出し、時価純資産価額方式による株価(相続税評価額)を引き下げる行為を防止するため、財基通186−2において一定の制限を設けています。

(財基通186−2の制限規定を読みやすいように加工)
各資産の中に、現物出資、合併、株式交換又は株式移転により著しく低い価額で受け入れた資産又は株式(以下、「現物出資等受入れ資産」という。)がある場合には、当該各資産の帳簿価額の合計額に、現物出資、合併、株式交換又は株式移転の時において当該現物出資等受入れ資産に係る含み益は、評価差額に含めない。

 しかし、この制限は、「時価以下主義」で資産を受入れることが認められていた旧商法時代に作られていることを押さえておく必要があるようです。組織再編税制が整備された現時点では、受入れ資産の取得価額を恣意的に決定できないため、この制限が適用されるケースは限られています。

 さて、「著しく低い価額」とは何かということになりますが、受入れ資産の組織再編直前の簿価(株式交換、株式移転により株式を受入れる場合には、発行会社の簿価純資産額)よりも低い価額と言えそうです(財基通186−2の注1)。

 これを組織再編の種類ごとに検討しますと、次のようになるのではないかと思います。

“鹽格組織再編:時価で受入れるため、「著しく低い価額」には該当しません。
適格合併、適格分割、適格現物出資、適格現物分配:組織再編直前の簿価で受入れるため、「著しく低い価額」には該当しません。
E格株式交換・株式移転(株主が50人以上):完全子会社の簿価純資産額で株式を受入れるため、「著しく低い価額」には該当しません。
づ格株式交換・株式移転(株主が50人未満):完全子会社の株主の簿価で株式を受入れるため、「著しく低い価額」には該当する可能性があります。



11-06-06
売掛金・貸付金の譲渡と消費税

 合併・会社分割などの包括承継ではなく、事業譲渡などにより売掛金・貸付金を個別に譲渡した場合の話です。

 譲渡会社の課税売上割合を算定するにあたっては、次の点に気をつける必要があります。

◆課税売上割合の分子(課税資産の譲渡対価額)
 売掛金・貸付金の譲渡は、どちらも課税資産の譲渡には該当しないため、課税売上割合算定時の分子には含められません(消令9 法


◆課税売上割合の分母(資産の譲渡対価額)
 まず、売掛金のような「資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権の譲渡の対価の額」については、課税売上割合算定時の分母には含められません(消令48二)。

 一方、貸付金のような「資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権以外の金銭債権」については、課税売上割合算定時の分母に含められます。

 よって、
  売掛金 → 「課税対象外」
  貸付金 → 「非課税売上」 となります。



11-06-03
租税特別措置の「適用額明細書」

 備忘メモです。
租特透明化法の制定に伴い、平成23年4月1日以後に終了する事業年度から、法人税関係特別措置を適用する場合には、法人税申告書への「適用額明細書」の添付が必要となります。国税庁HP



11-06-03
解散と株主総会等の要否
【設例】
 (神23年4月1日−平成24年3月31日・・・通常の事業年度
 ∧神24年4月1日−平成24年4月30日・・・解散事業年度
 J神24年5月1日−平成25年4月30日・・・清算事務年度

 ,了業年度に係る計算書類についての会社法監査:不要(解散日以降、監査を行う監査役・会計監査人がいない)
  ※当社が連結子会社であれば、連結子会社としての証取法監査は必要と思われる。
 ,了業年度の決算を承認する定時株主総会(会438条):不要(解散日以降、株主総会を招集する取締役がいない)

 解散日(平成24年4月30日)現在の財産目録、清算貸借対照表を承認する臨時株主総会(会492条):必要 
 の事業年度に係る清算貸借対照表を承認する定時株主総会(会497条):必要



11-05-27
資産調整勘定・負債調整勘定と消費税

 合併・会社分割は消費税対象外取引ですので課税仕入額がいくらかという問題は生じません。

 対して、事業譲渡にて資産調整勘定・負債調整勘定が認識された場合には、課税仕入額がいくらなのかという問題が生じます。


1)資産調整勘定を認識した場合
 資産調整勘定を認識するか否かは法人税の問題であり、消費税の課税関係には影響しません。

 移転資産の時価が100であるのに対し、支払対価額(事業価値)が150であれば、差額の50は営業権に係る支払対価額として課税仕入に該当します。


2)負債調整勘定を認識した場合
 負債調整勘定自体は課税対象外とされますが、支払対価額の按分という問題が生じます。
【設例】
譲り受ける資産・負債の時価
  土地  1100
  建物  1000
  預り金  180

支払対価額 1500


(税務上の仕訳)
 土地 1100|預り金    180
 建物 1000|現金    1500
        |負債調整勘定 420

 土地と建物に係る支払対価額合計=1680

 土地に係る支払対価額=1680×1100÷(1100+1000)
           =880
 建物に係る支払対価額=1680×1000÷(1100+1000)
           =800(課税仕入額)


11-05-26
無対価株式交換の会計処理

 現行の計算規則では、株式交換完全親会社において「負ののれん」を計上するしかないように思います。しかし、妥当な処理とは言えませんので、無対価を想定した規定を計算規則に設ける必要があると思います。

 「その他資本剰余金」を計上すべきという指摘も見受けられますが、払込資本の内訳は計算規則の定めにしたがう必要があるという点を考慮すると難しいのではないかと思います。

    ┌───┐     【設例】
  ┌─┤ P社 ├─┐     株式交換完全親会社:S1社
  │ └───┘  │     株式交換完全子会社:S2社
   │100%         │100%
┌─┴─┐     ┌─┴─┐   S2社の簿価純資産額 50
│S1社│   │S2社│   P社のS2株式簿価 100
└───┘     └───┘

◆株式交換完全子会社の株主(P社)の仕訳
 S1株式 100|S2株式 100
(参考)分離基準32項

◆株式交換完全親会社(S1社)の仕訳
 S2株式 50|負ののれん 50

※株式交換には、現物出資型(計規39条)の規定しかありません(資本構成承継型の会計処理は想定されていません)。
 しかし、計算規則39条は、「吸収型再編対価の全部又は一部が株式交換完全親会社の株式又は持分である場合」に適用される規定であるため、無対価株式交換には適用できません。
 そのため、負ののれんが認識されるものと思われます(旧計規20条)。

◆株式交換完全子会社(S2社)の仕訳
 処理なし



11-05-25
無対価分社型分割の会計処理

 結合指針に従えば、無対価なのに、あたかも株式対価を受取り、その株式を株主に分配したかのように処理します。つまり、分割型分割のように処理します。
┌───┐   【設例】
│ P社 │     分割会社:P社
└─┬─┘     承継会社:S2社
  │100%
┌─┴─┐     移転資産500
│S2社│     (うち、繰延税金資産50)
└───┘     移転負債200
          (うち、繰延税金負債40)
          評価差額100

◆分割会社(P社)の仕訳

_饉卻割(分社型分割)の仕訳
 移転負債 160|移転資産 450
 評価差額 100|
 S2株式 190|

 繰延税金負債       40|繰延税金資産 50
 繰延税金資産(S2株式) 10|


現物配当の仕訳
 その他利益剰余金 190|S2株式 190

 法人税等調整額 10|繰延税金資産(S2株式) 10
(参考)結合指針203-2項 → 233項 → 226項 → 108項


◆承継会社(S2社)の仕訳

 移転資産  450|移転負債     160
 繰延税金資産 50|繰延税金負債    40
          |評価差額     100
          |その他利益剰余金 200
(参考)結合指針203-2項 → 234項 → 227項
    計算規則38条2項

 ※計算規則37条は、「吸収型再編対価の全部又は一部が吸収分割承継会社の株式又は持分である場合」に適用される規定であるため、無対価分割には適用できません。
 資本構成承継型(計規38条)ではなく、あくまで現物出資型で処理しようとした場合には、負ののれんが認識されます(旧計規17条)。
 移転資産  450|移転負債  160
 繰延税金資産 50|繰延税金負債 40
          |評価差額  100
          |負ののれん 200


◆分割会社の株主の仕訳
 処理なし
(参考)結合指針203-2項



11-05-22
会社法176条1項ただし書にいう「相続その他の一般承継があったことを知った日」の意義

 商事法務No.1931から。

 相続人等に対する売渡請求権は、「相続その他の一般承継があったことを知った日」から1年を経過したときは行使できませんよというのが、会社法176条1項ただし書の規定です。

 その「相続その他の一般承継があったことを知った日」が、(A)被相続人が死亡したことを知った日 か、(B)特定の相続人が相続によって取得したことを知った日 なのかが争われた裁判で、東京高裁は(A)被相続人が死亡したことを知った日と解するべきと判断したとのこと。

 発行法人側は、(B)特定の相続人が相続によって取得したことを知った日と解さないと、誰に売渡請求すれば良いか分からないし、売渡請求すべき状況にあるのか否か(=発行法人にとって好ましくない者が株主となるのか否か)さえ分からないと主張しましたが、株主の地位が不安定な期間は出来る限り短く解すべきということで、発行法人側の主張は受け入れられなかったようです。

 相続人等に対する売渡請求権以外にも少数株主を追い出す手段はあるわけですから、過度に発行法人を保護すべき理由はないということなのでしょうか。

 また、被相続人の死亡後に定款変更(発行法人への株式売渡請求権付与)をした、後出しジャンケンの事例ですが、この点については問題ないと判事されています。

 ちなみに、売渡請求を受けた相続人も当該定款変更決議で議決権を行使しているのでしょうから、会社法162条(相続人等からの取得の特例)=他の株主の売主追加請求権を認めない特例 の適用はなかったのでしょうね。



11-05-19
分配可能額と実際に配当できる額

 昨日、同業者の方に教えてもらいました。

【問題】
 分配可能額が1100あります。配当時点における利益準備金の額は0、その他利益剰余金の額は1100です。さて、実際に配当できる額はいくらでしょうか?

【答え】
 旧商法時代は、1100×10/11=1000しか配当できませんでした。配当に伴い、配当額の10%の利益準備金を積み立てる必要がありますが、分配可能額から当該積立額を控除した額までしか配当できなかったからです(旧商法290〇亜法

 対して、会社法下では、1100配当できるそうです。確かに会社法461条(配当等の制限)や、分配可能額に係る会社計算規則を眺めても、配当に伴い積み立てる必要のある準備金の額を控除せよとは書いていません。
 ちなみに、会社計算規則150条1項2号は、最終事業年度末日から今回の配当までの間に、既に配当を行っている場合に適用される規定であり、今回の配当に伴い積み立てる準備金を分配可能額から控除せよと定めているわけではありません。

 したがって、1100配当したとすると、その他利益剰余金に110のマイナスが生じることになります。
  (借)その他利益剰余金 1210(貸)未払配当金 1100
                     利益準備金  110
 配当の結果、剰余金がマイナスになるというのは違和感があるわけですが、この点について「会社法の計算詳解 郡谷大輔他 中央経済社」のP.265では、
なお、剰余金の配当に際しては、準備金計上後の剰余金がマイナスとなっても、旧法とは異なり、差し支えはない。
と説明されています。



11-05-12
分割型分割の会計処理(税効果の考慮)

    ┌───┐     【設例】
  ┌─┤ P社 ├─┐     分割会社:S1社
  │ └───┘  │     承継会社:S2社
   │100%         │100%
┌─┴─┐     ┌─┴─┐   移転資産500
│S1社│   │S2社│   (うち、繰延税金資産50)
└───┘     └───┘   移転負債200
                (うち、繰延税金負債40)
                評価差額100

◆分割会社(S1社)の仕訳
_饉卻割(分社型分割)の仕訳
 移転負債 160|移転資産 450
 評価差額 100|
 S2株式 190|

 繰延税金負債       40|繰延税金資産 50
 繰延税金資産(S2株式) 10|

現物配当の仕訳
 その他利益剰余金 190|S2株式 190

 法人税等調整額 10|繰延税金資産(S2株式) 10
(参考)結合指針255項 → 233項 → 226項 → 108項

◆承継会社(S2社)の仕訳
 移転資産  450|移転負債  160
 繰延税金資産 50|繰延税金負債 40
          |評価差額  100
          |払込資本  200
(参考)結合指針256項 → 234項 → 227項
    計算規則37条

◆分割会社の株主(P社)の仕訳
 S1株式 ***|S2株式 ***
(参考)結合指針257項 → 294項、295項



11-05-11
合併法人における抱合株式の税務処理(非適格合併)

 昨日に引き続き、T&A master 391 【税務マエストロ】合併法人における抱合株式の処理 からです。今回は、非適格合併の仕訳例の変遷を示します。

【設例】
     被合併法人のBS
────────┬────────
資産   800│負債   500
(時価1000)│資本金等 200
        │利益積立金100

被合併法人の株主:合併法人20%、他の株主80%
合併対価:現金200、合併法人株式300(時価)
抱合株式の帳簿価額:700

◆平成13年度改正
(STEP1 移転資産・負債等の引継ぎ)
 資産 1000|負債   500
        |資本金等 300(※)
        |現金   200

 ※資本金等という概念は、平成13年度改正時はありませんでしたが、
そこに拘ると分かりにくくなるため、あえて「資本金等」としています。

(STEP2 合併対価の取得という擬制処理)
 現金           40|受取配当金    60
 自己株式(合併法人株式) 60|被合併法人株式 700
 株式譲渡損       660|

 ※現金40=合併交付金200×20%
  合併法人株式60=合併法人株式300×80%
  配当40=(現金40+合併法人株式60)−対応資本金等60
  株式譲渡損660=対応資本金等60−被合併法人株式 700

(STEP3 自己株式の消却という擬制処理)
 資本金等 60|自己株式 60


◆平成18年度改正
(STEP1 移転資産・負債等の引継ぎ)
 資産 1000|負債   500
        |資本金等 300
        |現金   200

(STEP2 抱合株式の消滅)
 現金     40|受取配当金    60
 資本金等   60|被合併法人株式 700
 株式譲渡損 660|


◆平成22年度改正−合併法人と被合併法人との間に完全支配関係がない場合
(STEP1 移転資産・負債等の引継ぎと抱合株式の消滅)
 資産   1000|負債      500
 株式譲渡損 660|資本金等    240
          |現金      160
          |受取配当金    60
          |被合併法人株式 700


◆平成22年度改正−合併法人と被合併法人との間に完全支配関係がある場合
(STEP1 移転資産・負債等の引継ぎと抱合株式の消滅)
 資産   1000|負債      500
 資本金等  420|現金      160
          |受取配当金    60
          |被合併法人株式 700




11-05-10
合併法人における抱合株式の税務処理(適格合併)

 T&A master 391 【税務マエストロ】合併法人における抱合株式の処理 は、非常に参考になります。

 平成13年度改正 → 平成18年度改正 → 平成22年度改正と抱合株式の処理規定が改正されています。しかし、実質的な変更がないことが、以下の仕訳例の変遷から分かります。

【設例】
     被合併法人のBS
────────┬────────
資産   800│負債   500
        │資本金等 200
        │利益積立金100

被合併法人の株主:合併法人20%、他の株主80%
合併対価:合併法人株式のみ
抱合株式の帳簿価額:700

◆平成13年度改正
(STEP1 移転資産・負債等の引継ぎ)
 資産 800|負債   500
       |資本金等 200(※)
       |利益積立金100

 ※資本金等という概念は、平成13年度改正時はありませんでしたが、
そこに拘ると分かりにくくなるため、あえて「資本金等」としています。

(STEP2 合併対価の取得という擬制処理)
 自己株式(合併法人株式) 700|被合併法人株式 700

(STEP3 自己株式の消却という擬制処理)
 資本金等 700|自己株式 700


◆平成18年度改正
(STEP1 移転資産・負債等の引継ぎ)
 資産 800|負債   500
       |資本金等 200
       |利益積立金100

(STEP2 抱合株式の消滅)
 資本金等 700|被合併法人株式 700


◆平成22年度改正
(STEP1 移転資産・負債等の引継ぎと抱合株式の消滅)
 資産   800|負債      500
 資本金等 500|利益積立金   100
         |被合併法人株式 700



11-05-09
適格現物分配と別表三

 適格現物分配による受取配当額は、留保金課税の計算上、留保所得金額には含まれないこととされています。

 しかし、実際、別表四の19欄に当該受取配当額を入力してみると、当該金額は社外流出欄に転記することになっており、留保額から減算できないことに気付きます。
(別表四)
┌──┬─────────────────┬───┬───┬────┐
│  │                 │総 額│留 保│社外流出│
├──┼─────────────────┼───┼───┼────┤
│減算│適格現物分配に係る益金不算入額 19│100│   │ 100 │
└──┴─────────────────┴───┴───┴────┘
 それでは、どのようにして留保所得金額から除くのかというと、別表三の1欄で内書きし、7欄の金額を計算するときに控除するのだそうです。
(別表三)
┌────────┬─────┐
│        │(100)│
│留保所得金額 1│ 950 │
└────────┴─────┘
【別表三の記載要領】
 なお、別表四「19」欄に金額の記載がある場合又は平成22年9月30日以前に平成22年改正前の令第9条第1項第3号(利益積立金額)に掲げる金額が生じた場合には、その金額をこの欄の上段に内書として記載します。
 この場合には、「7」の欄の記載に当たっては、その内書として記載した金額を「1」の金額から減算して計算します。



11-04-05
不平等合併と適格判定

 不平等合併(合併対価額が時価相当でない)=非適格合併 という理解は間違いであり、適格要件を満たした合併であれば、 不平等合併=適格合併+寄付取引 と取引を区分した上で処理するべきとのこと。【原則】

 組織再編について寄付金認定を受けた事例は、ほとんど無いと思われますので、実際に課税当局がどのように否認してくるのかは不明です。

 ただし、無対価不平等合併は、合併法人と被合併法人が一定の資本関係(無対価としても、不平等合併とならない資本関係)にある場合のみ適格となることから、非適格合併となります。【例外】

 救済を意図して債務超過会社を無対価合併する場合には、株式譲渡などにより、適格要件を満たす一定の資本関係を構築してから合併を実行するのが無難かと思います。


 なお、合併当事会社間では寄付の意図はなく、合併比率算定者の単純ミスにより不平等合併となったという場合、どう処理されるのでしょうか。
 合併自体を無効とすることは難しいと思いますので、仮に、被合併法人株主に交付した合併法人株式数が多すぎたという場合であれば、その多く交付した合併法人株式を合併法人が無償で自己株式取得すれば、寄付取引があったとの事実認定はされないのでしょうか?



11-04-04
被合併法人の最後事業年度の事業税の処理

 平成22年改正により法基通9−5−2の2が廃止となったものの、改正前後で取扱いの変更はないとのこと。
<被合併法人の最後事業年度の事業税の処理>
 適格合併か非適格合併かを問わず、
  • 被合併法人では損金算入できない。
  • 合併法人が当該事業税を負担した日の属する事業年度にて損金算入できる。
 上記の話と、以下の非適格合併特有の話は区別する必要があります。

[1]合併対価の交付額の決定と被合併法人の最後事業年度の事業税の額は循環関係にある。
 合併対価の額を決める→被合併法人の譲渡利益額(所得)が決まる→被合併法人の事業税の額が決まる→当該事業税の額を考慮すると合併対価の額(時価)が下がる→被合併法人の譲渡利益額(所得)が下がる→被合併法人の事業税の額が下がる→当該事業税の額の低下を考慮すると合併対価の額(時価)が上がる
 金額に重要性があれば収束計算が必要となるかもしれませんが、合併対価の額(時価)はある程度の幅が認められるものであることから、必ず収束計算をしなければならないということではありません。

[2]最後事業年度の事業税を合併対価に反映させると、事業税相当額を2回損金算入できてしまうのではないか。
【設例】
 被合併法人の保有資産:土地のみ(時価1000、簿価400)
 被合併法人の最後事業年度の事業税:100
 合併対価額:900(=土地時価1000−最後事業年度の事業税100)

<税務上の仕訳>
“鏐臺史/
 合併法人株式 900|土地  400
           |譲渡益 500(a)
 (a)土地の含み益600から事業税相当分100が控除されている=事業税相当額が損金算入されている。

合併法人
 土地 1000|資本金等   900
        |負債調整勘定 100(b)

 事業税 100(c)|現金 100
 (c)合併法人が被合併法人の最後事業年度の事業税を負担。その負担額が損金となる。

 (a)と(c)の2回損金算入できるように見えますが、(b)が60ヶ月かけて益金算入される((c)と(b)は相殺される)ことから、通期でみれば2回損金算入されることはありません。



11-01-28
無償増減資と外形標準課税(資本割の課税標準)

【参考】東京都のパンフレット

◆無償増資
地法72の21^
 ◆1  平成二十二年四月一日以後に、会社法第四百四十六条 に規定する剰余金(同法第四百四十七条【減資】 又は第四百四十八条【減準備金】 の規定により資本金の額又は資本準備金の額を減少し、剰余金として計上したものを除き、総務省令で定めるものに限る。) を同法第四百五十条 の規定により資本金とし、又は同法第四百四十八条第一項第二号 の規定により利益準備金の額の全部若しくは一部を資本金とした金額
 ※「剰余金」に続く括弧書きは、その他資本剰余金を除くの意。

地規3の16
 法第七十二条の二十一第一項第一号 に規定する総務省令で定めるものは、会社計算規則 (平成十八年法務省令第十三号) 第二十九条第二項第一号 に規定する額とする。
 ※その他利益剰余金から資本金に振り替えた額という意。

◆無償減資(旧商法下で行われた無償減資)
地法72の21‘
 ◆2  平成十三年四月一日から平成十八年四月三十日までの間に、資本又は出資の減少(金銭その他の資産を交付したものを除く。) による資本の欠損のてん補に充てた金額並びに・・・省略・・・

◆無償減資(会社法施行後に行われた無償減資)
地法72の21〇
 ◆3  平成十八年五月一日以後に、会社法第四百四十六条 に規定する剰余金(同法第四百四十七条 又は第四百四十八条 の規定により資本金の額又は資本準備金の額を減少し、剰余金として計上したもので総務省令で定めるものに限る。) を同法第四百五十二条 の規定により総務省令で定める損失のてん補に充てた金額

地規3の16↓
 2  法第七十二条の二十一第一項第三号 に規定する剰余金として計上したもので総務省令で定めるものは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める額とする。
 ◆1  会社法 (平成十七年法律第八十六号) 第四百四十七条 の規定により資本金の額を減少した場合 会社計算規則第二十七条第一項第一号 に規定する額
 ◆2  会社法第四百四十八条 の規定により準備金の額を減少した場合 会社計算規則第二十七条第一項第二号 に規定する額
 
 3  前項各号に定める額は、会社法第四百五十二条 の規定により損失のてん補に充てた日以前一年間において剰余金として計上した額に限るものとする。
 
 4  法第七十二条の二十一第一項第三号 に規定する総務省令で定める損失は、会社法第四百五十二条 の規定により損失のてん補に充てた日における会社計算規則第二十九条 に規定するその他利益剰余金の額が零を下回る場合における当該零を下回る額とする。
 ※3項で1年以内の欠損填補額に限るという条件が付されている。
 ※4項でその他利益剰余金のマイナス額の範囲内での欠損填補額に限るという条件が付されている。この4項は、その他利益剰余金ではなく、利益剰余金(利益準備金も含む概念)のマイナス額の範囲内に改正すべきではないか?



11-01-28
抱合株式消滅損益を認識しない親子合併

 「100%子会社を親会社が合併で吸収する場合には、資本金は増加せずに抱合株式消滅損益が認識される。」という話から一歩進めて、「抱合株式消滅損益の代わりに『のれん』が認識されることがある。」という話。
企業結合会計適用指針207-2(連結財務諸表上の帳簿価額が算定されていない場合の取扱い)
 
 親会社(子会社とその子会社との合併の場合における子会社を含む。)が、連結財務諸表を作成していないことにより、「連結財務諸表上の帳簿価額」が算定されていない場合であっても、「連結財務諸表上の帳簿価額」を合理的に算定できるときには当該帳簿価額を用いることとし、「連結財務諸表上の帳簿価額」を合理的に算定することが困難と認められるときは、子会社の適正な帳簿価額を用いることとする。
 
 なお、親会社が他の会社の株式を取得して子会社化した直後に合併した場合(子会社が他の会社の株式を取得して子会社(親会社からみて孫会社)とし、その直後に子会社が孫会社を吸収合併した場合も含む。)は、通常、連結財務諸表上の帳簿価額を合理的に算定できる場合に該当するものと考えられる。

【設例】P社は、S社株式を300で買収し、     S社のBS     
数ヵ月後に合併で、S社を吸収しました。  ───────┬───────
                      土地 200│資本金 200

◆「子会社の適正な帳簿価額」を用いると
(合併仕訳)
 土地      200|S社株式 300
 抱合株式消滅損 100|

◆「連結財務諸表上の帳簿価額」を用いると
(合併仕訳)
 土地      200|S社株式 300
 のれん     100|
 このように、買収直後に合併を行った場合には、支配獲得時のS社の時価(=S社株式の買収額)が明らかであるため、「連結財務諸表上の帳簿価額」を合理的に算定できるので、抱合株式消滅損益の代わりに『のれん』が認識されます。



11-01-18
平成23年度税制改正大綱メモ

 個人的に大事かなと思ったものをメモしてみました。
【所得税】
  • 給与所得控除の上限設定
 ※年収1500万円超の従業員給与
 ※年収2000万円超の役員給与
 ※平成24年分から適用
  • 特定支出控除の拡大
 ※特定支出の対象となる範囲の拡大。→資格取得費(弁護士・公認会計士・税理士など)、専門書購入費、衣服費(スーツ代)、職務上必要な交際費(限度額なし) など
 ※特定支出控除額の拡大。→(現行)特定支出が給与所得控除額を超える額。(改正後)給与収入1500万円以下の場合は、給与所得控除額の1/2を超える額。給与収入1500万円超の場合は、125万円を超える額。
  • 勤続年数5年以下役員の退職所得に係る1/2措置廃止
  • 扶養控除の見直し ※平成24年分から適用
 16歳以上19歳未満 38万円
 19歳以上23歳未満 63万円
23歳以上65歳未満 38万円 − ( 合計所得 − 400万円 )×38%
65歳以上70歳未満 38万円
 70歳以上     48万円(同居なら58万円)
  • 上場株式の配当・譲渡所得に係る10%軽減税率を2年延長 ※平成25年末まで
  • 配当所得課税の大口株主基準を5%から3%に引下げ ※平成23年10月以後の配当から適用

【相続税】
  • 基礎控除額の縮小
 ※3000万円+@600万円×法定相続人数
  • 死亡保険金の非課税限度額の縮小
 ※@500万円×法定相続人(未成年者・障害者、生計同一相続人に限る)
  • 未成年者控除、障害者控除の引き上げ(@6万円→@10万円)

【贈与税】
  • 税率構造の見直し(20歳以上の者が直系尊属から受けた贈与とそれ以外を区分)
  • 相続時精算課税の見直し
 ※受贈者の範囲に20歳以上の孫を追加(相続時の2割加算は変わらず)
 ※贈与者の年齢要件を60歳以上に引下げ
  • 住宅取得資金贈与の範囲に、住宅新築に先行して取得する土地購入資金を追加
  • 事業承継税制の「特別子会社が性風俗営業会社に該当しないこと」の要件について適正化

【法人税】
  • 法人税率を25.5%に引下げ(中小法人軽減税率は15%)
 ※平成23年4月1日以後開始事業年度から適用
  • 250%定率法を200%定率法に改正
 ※改正前保有資産に経過措置あり
  • 繰越欠損金控除限度額を所得の80%に制限
 ※中小法人については制限なし(従来どおり)
 ※会社更生等による債務免除があった場合も制限なし
  • 貸倒引当金繰入額の損金算入制度の適用を銀行・保険会社・中小法人に限定
  • 一般寄付金の損金算入限度額の縮減
  • 100%子会社の解散が予定されている場合における当該子会社株式評価損の損金不算入
  • 解散時に損金算入される期限切れ欠損金にマイナスの資本金等の額を含める
  • 被現物分配法人株式の適格現物分配については、欠損金使用制限を課さない
  • 中小法人特例が適用されない法人の範囲に複数大法人保有法人を追加
  • 棚卸資産に係る切放し低価法の廃止
  • エネ革税制が廃止され、グリーン投資税制(環境関連投資促進税制)に衣替え
  • 研究開発税制の上乗せ措置(増加型又は高水準型)を廃止
  • 中小企業等基盤強化税制が廃止され、中小企業投資促進税制のソフトウエアの範囲を見直し

【その他】
  • 納税者権利憲章を平成24年1月1日に公表
  • 国税通則法の名称変更
  • 更正請求期間を5年に延長
 ※増額更正期間も5年に延長。脱税の7年は従来どおり
 ※贈与税、移転価格税制の更正請求期間は6年
 ※繰越欠損金の更正請求期間は9年
 ※平成23年4月1日以後に申告期限が到来する国税が対象
  (過年度分も3事業年度は減額更正を実施するよう努力)
  • 更正請求時の「事実を証明する書類」の添付義務化
  • 平成24年1月1日以後の税務調査から事前通知・終了通知を実施
  • 以下について当初申告要件の廃止(平成23年4月1日以後に申告期限が到来する国税)
 1. 給与所得者の特定支出控除(所法57の2)
 2. 資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算の特例(所法64)
 3. 純損失の繰越控除(所法70)
 4. 雑損失の繰越控除(所法71)
 5. 変動所得及び臨時所得の平均課税(所法90)
 6. 資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入(所令182の2)
 7. 受取配当等の益金不算入(法法23、81の4)
 8. 外国子会社から受ける配当等の益金不算入(法法23の2)
 9. 国等に対する寄附金、指定寄附金及び特定公益増進法人に対する寄附金の損金算入(法法37、81の6)
 10. 会社更生等による債務免除等があった場合の欠損金の損金算入(法法59)
 11. 協同組合等の事業分量配当等の損金算入(法法60の2)
 12. 所得税額控除(法法68、81の14)
 13. 外国税額控除(法法69、81の15、所法95)
 14. 公益社団法人又は公益財団法人の寄附金の損金算入限度額の特例(法令73の2)
 15. 引継対象外未処理欠損金額の計算に係る特例(法令113)
 16. 特定株主等によって支配された欠損等法人の欠損金の制限の5倍要件の判定の特例(法令113の2)
 17. 特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入の対象外となる資産の特例(法令123の88沺
 18. 特定資産に係る譲渡等損失額の計算の特例(法令123の9)
 19. 配偶者に対する相続税額の軽減(相法19の2)
 20. 贈与税の配偶者控除(相法21の6)
 21.相続税額から控除する贈与税相当額等(相令4)
 (注)条文番号は現行のものである。


11-01-18
組織再編成に対する課税姿勢の変化

 昨年末の記事ですが、組織再編成に対する課税当局の課税姿勢について変化が見られるという指摘がされていますのでメモしておきます。

(T&A master No.393 「税務マエストロ#06」朝長英樹 より抜粋)
3)当局の課税姿勢
 平成13年の組織再編成税制の創設以後、数年間は、税務執行当局においては、組織再編成に対して、極力、否認を行わないように配慮してきたところであり、・・・
 そうだったのか...
 確かに、あえて無視してるんじゃないかと思うこともありましたが、執行側が知識的に追いついていないだけかと思ってました。
 
 しかし、その反面で、「組織再編成は否認されない」「組織再編成では何でもあり」というような風潮が一部に生じてきたことも、また、否定できない事実である。このような流れを受けて、現在、税務執行当局においては、組織再編成が行われている場合には必ずチェックするという姿勢で税務調査を行う方向に大きく舵を切ったように見受けられる。特に、本年7月以降の税務調査に関しては、「初日に、組織再編成関係の書類をすべて用意するように指示された」「まずはじめに、合併を見られた」等の話も聞かれるところである。・・・(省略)・・・このような税務執行当局の課税姿勢の変化に鑑みると、今後は、組織再編成を行う場合には、従来とは正反対に、税務調査で必ずチェックされる、という前提に立って、対応することが必要となる。
 意図的なものは論外ですが、昨年10月からはグループ法人税制も絡み、組織再編成は益々ややこしくなっていますので、否認事例がいろいろと出てくるかもしれませんね。


11-01-04
今年もよろしくお願いします
 昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。
 

(初詣 寒川神社)

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