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13-12-25
所得拡大促進税制と出向者への給与
 
 所得拡大促進税制は、賃金台帳に記載された「国内雇用者に対する給与等の支給額」が増加した場合に適用できるわけですが(措法42の12の4一、措令27の12の4◆法⊇亳者負担金は「国内雇用者に対する給与等の支給額」に含まれるとされています(措通42の12の4-3)。

 ここで、出向者の賃金台帳は出向先ではなく出向元にあるのだから、結局、出向者負担金は所得拡大促進税制の対象になり得ないのではないかと疑問が生じます。

 しかし、「出向者の賃金台帳は出向先ではなく出向元にある」という理解は間違いなんだそうです。

 在籍型出向は、出向元事業主及び出向先事業主双方との間に雇用契約関係があり、よって、出向元と出向先の両法人で賃金台帳を作成しておかなければならないとのこと。

 平成26年3月決算の前に、賃金台帳の整備状況を確認しておく必要がありそうです。



※以下、派遣と出向の違いの整理にも役立ちます。

【参考】労働者派遣事業関係業務取扱要領

(4)出向との関係

イ 労働者派遣には、「当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まない」が、これによりいわゆる在籍型出向が除外される(第1−2図参照)。

ロ いわゆる出向は、出向元事業主と何らかの関係を保ちながら、出向先事業主との間において新たな雇用契約関係に基づき相当期間継続的に勤務する形態であるが、出向元事業主との関係から、次の二者に分類できる。

〆濱匏申亳
 出向元事業主及び出向先事業主双方との間に雇用契約関係がある(出向先事業主と労働者との間の雇用契約関係は通常の雇用契約関係とは異なる独特のものである)。

 形態としては、出向中は休職となり、身分関係のみが出向元事業主との関係で残っていると認められるもの、身分関係が残っているだけでなく、出向中も出向元事業主が賃金の一部について支払義務を負うもの等多様なものがある。

 なお、労働者保護関係法規等における雇用主としての責任は、出向元事業主、出向先事業主及び出向労働者三者間の取り決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元事業主又は出向先事業主が負うこととなる。

移籍型出向
 出向先事業主との間にのみ雇用契約関係がある。

 なお、労働者保護関係法規等における雇用主としての責任は、出向先のみが負うこととなる。

ハ 移籍型出向については、出向元事業主との雇用契約関係は終了しており、労働者派遣には該当しない。

ニ 在籍型出向については、出向元事業主との間に雇用契約関係があるだけではなく、出向元事業主と出向先事業主との間の出向契約により、出向労働者を出向先事業主に雇用させることを約して行われている(この判断は、出向、派遣という名称によることなく、出向先と労働者との間の実態、具体的には、出向先における賃金支払、社会、労働保険への加入、懲戒権の保有、就業規則の直接適用の有無、出向先が独自に労働条件を変更することの有無をみることにより行う。)ことから、労働者派遣には該当しない。

ホ ニのとおり、在籍型出向は労働者派遣に該当するものではないが、その形態は、労働者供給に該当するので、その在籍型出向が「業として行われる」ことにより、職業安定法第44条により禁止される労働者供給事業に該当するようなケースが生ずることもあるので、注意が必要である。

 ただし、在籍型出向と呼ばれているものは、通常、]働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保する、経営指導、技術指導の実施、職業能力開発の一環として行う、ご覿肇哀襦璽彳發凌融交流の一環として行う等の目的を有しており、出向が行為として形式的に繰り返し行われたとしても、社会通念上業として行われていると判断し得るものは少ないと考えられるので、その旨留意すること。

へ 二重の雇用契約関係を生じさせるような形態のものであっても、それが短期間のものである場合は、一般的には在籍型出向と呼ばれてはいないが、法律の適用関係は在籍型出向と異なるものではないこと(例えば、短期間の教育訓練の委託、販売の応援等においてこれに該当するものがある)。

ト なお、移籍型出向については、出向元事業主と労働者との間の雇用契約関係が終了しているため、出向元事業主と労働者との間の事実上の支配関係を認定し、労働者供給に該当すると判断し得るケースは極めて少ないと考えられるので、その旨留意すること。

 ただし、移籍型出向を「業として行う」場合には、職業紹介事業に該当し、職業安定法第30条、第33条等との関係で問題となる場合もあるので注意が必要である。

チ いわゆる出向は、法の規制対象外となるが、出向という名称が用いられたとしても、実質的に労働者派遣とみられるケースがあるので注意が必要である。



13-12-25
会社計算規則38条の使い途


 「会社計算規則38条を適用すれば、分割会社から承継会社へ利益剰余金のみ移動することも可能である」と明記された解説書って、ありますか?私は、お目にかかったことがありません。

 金子司法書士との共著「これが増減資・組織再編の計算だ!(2008年発刊)」でも、
有田 なるほど。同じ分割型でも会社計算規則第64条(注 現在は38条)のほうは、承継会社で利益性科目も引き継げるというメリットがあっても、分割会社で減資手続等が必要であっては、デメリットのほうが大きいですね。
 と、一般的に言われている「38条の使い勝手の悪さ」を指摘しているにとどまっています。

 しかし、利益剰余金のみ移動できるのであれば、減資手続は不要なわけで、38条は使い勝手のある規定ということになります。

 この点をはっきりさせるため、今年の8月に法務省に確認したところ、「利益剰余金だけを移動することができる」と回答を得ました。規定上、配分方法に特に制限を設けているとは読めないからというのが、その理由でした。


 ただ、企業結合適用指針446項では「配分に際して用いた適切な方法を吸収分割会社において注記することが望ましい。」とされており、利益剰余金だけを移動することの合理性って説明できるのだろうかという思いもあります。

 合併において認められている人格合一的処理の会社分割バージョンが38条(旧64条)であり、適切な配分方法とは、資本金も利益剰余金も同じ割合(例えば、簿価純資産の移転割合)で分割会社と承継会社に配分する方法が想定されていたのではないかと思うのです。

 それは兎も角、利用者に都合の良い解釈を示してもらったわけですから、会社計算規則38条を使わない手はないですね。



13-12-18
会社法改正−多重株主代表訴訟制度の導入


 来年の通常国会での成立を目指している会社法改正法案。

 施行については「交付の日から起算して1年6ヶ月を超えない範囲内」となっているので、まだ先の話です。

 多重株主代表訴訟制度(親会社の株主が子会社の取締役等の責任を追及できる制度)なんて上場会社だけの話かなと思っていましたが、要件を満たせば、中小企業でも関係してくるわけで、全く知らないというわけにはいきません。

 改正案によれば、多重株主代表訴訟制度の条文として、第847条の3条(最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え)が新設されています。

 とりあえず、ポイントを3点ほど、まとめてみました。

1)最終完全親会社等の持株割合(又は議決権割合)が1%以上を保有する株主は、完全子会社等の取締役等の特定責任を追及できる。

 Aが最終完全親会社等、BとCが完全子会社等に該当します。なお、最終完全親会社等とは、「当該株式会社の完全親会社等であって、その完全親会社等がないもの」をいいます。
┌─┐          ┌─┐                    ┌─┐
│A│     │A├────┐     │A│
└┬┘          └┬┘        │          └┬┘
 |100%         │80%      │100%       │100%
┌┴┐          ┌┴┐      ┌┴┐        ┌┴┐
│B│     │B├───┤C│    │B│
└─┘          └─┘ 20% └─┘        └┬┘
                                            │100%
                                          ┌┴┐
                     │C│
                                          └─┘

2)特定責任とは、完全子会社等株式の帳簿価額が最終完全親会社等の総資産額の5分の1を超える場合における、その完全子会社等の取締役等の責任をいう。

3)最終完全親会社等に損害が生じていない場合には、特定責任を追及できない。



13-11-29
合併と兼務役員の退職金

 A社の取締役である山田氏は、×3年1月1日にB社の取締役にも就任し、兼務役員となりました。

 山田氏は、A社及びB社から、退任時に、それぞれの勤続期間に応じた退職金の支払いを受けています。

A社 ├───────┼────────────┤
                    ×22年12月31日退任

                 20年      3年
B社         ├────────────┼───┤
        ×3年1月1日就任           ×25年12月31日退任

【B社退職金に係る退職所得控除額】
 前年以前4年内に退職手当の支給を受け、且つ、A社とB社の勤続期間が重複しているケースに該当することから、

 B社の勤続期間23年に対応する退職所得控除額( 1,010万円 )から、重複勤続期間20年に対応する退職所得控除額( 800万円 )を引いた 210万円 が、B社退職金に係る退職所得控除額となります(所令70‘鵝法


 では、仮に、×23年1月1日にA社がB社に吸収合併され、山田取締役は、合併直前(×22年12月31日)にA社から退職金を受け、合併後の×25年12月31日にB社からも退職金を受けたとしましょう。

 この場合のB社退職金に係る退職所得控除額はいくらとなるでしょうか?

【B社退職金に係る退職所得控除額】
 A社退職金とB社退職金は、同一の者により支払われた退職金として扱われることになります(所令69)。

 同一の者から前に退職金の支払を受けたことになるため、A社退職金の計算基礎とされた期間は、B社退職金の勤続期間には含まれないことになります(所令69^譽亘槓検法

 つまり、B社退職金の勤続期間は、×23年1月1日から×25年12月31日までの3年間ということになるため、@40万円×3年=120万円 が、B社退職金に係る退職所得控除額となります。

 なお、A社とB社の勤続期間は重複していないことになるため、合併しなかった場合に適用された所得税法施行令70条1項2号(退職所得控除額の計算の特例)は適用されません。



13-11-28
非適格合併における抱合株式の処理

 平成22年度改正により、抱合株式の譲渡損益は資本金等で処理するようになったのでしたね。

【設例】親会社が子会社を非適格合併する場合の税務処理

 子会社の株主構成(親会社70%、非支配株主30%)
 子会社の資産簿価1000(時価1200)
 子会社の負債簿価 200
 子会社の資本金等 100
 非支配株主に交付した合併対価(現金) 300
 親会社における子会社株式簿価 150


◆税務処理
 /堂饉匯分
  受入資産   840|受入負債   140
            |みなし対価額 700

  みなし対価額 700|抱合株式   150
  資本金等    80|受取配当金  630
※(合併法人における)みなし配当と株式譲渡損益の計算
 合併対価額  700−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
            みなし配当630
 資本金等    70−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
            株式譲渡損益▲80
 抱合株式簿価 150−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 非支配株主持分
  受入資産   360|受入負債    60
            |現金     300



13-11-27
公社債税制の改正

 平成25年度の証券税制の改正内容をまとめてみました。

【現行】


【平成28年以後】

※同族会社の発行する私募債(一般公社債)の利子所得でその同族会社の株主等が受け取るものは、総合課税。
※同族会社の発行する私募債(一般公社債)の償還差損益でその同族会社の株主等が受け取るものは、総合課税となり、譲渡所得等との損益通算もできない。


《改正のポイント》
  • 公社債等を特定公社債等と一般公社債等に区分して課税関係を整理した。
  • 損益通算の範囲を変更した。
  • 特定公社債等の利子所得は、源泉分離課税から申告分離課税へ。
  • 特定公社債等の譲渡所得等は、非課税から申告分離課税へ。
  • 特定公社債等の譲渡損失の繰越控除が可能となった。
  • 私募債節税スキームの封じ込めが行われた。
  • 一般公社債等の譲渡所得等は、非課税から申告分離課税へ。
  • 割引債の償還差益の源泉徴収が、発行時18%から償還時20%へ。


(参考)
公社債税制の抜本改正(個人投資家編)(訂正版) 大和証券
個人の方が株式等や土地・建物を譲渡した場合の平成25年度 税制改正のあらまし 国税庁HP



13-11-22
生産性向上設備投資促進税制 先端設備の申請

 生産性向上設備投資促進税制の適用を受けるには、【1】メーカーに工業会へ申請して先端設備の確認をとってもらうか、【2】経済産業局に設備投資計画書等を提出する必要があります。

 さて、工業会に加盟していないメーカーは、先端設備の確認ができないのでしょうか?

 大丈夫! 工業会は、その工業会に加盟していないメーカーの製品であっても確認作業を行ってくれるそうです。

(参考)T&A master No.523「オリジナルQ&A 生産性向上設備投資促進税制」



13-11-22
(修正)親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理の変更

 13-01-18 親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理の変更 の内容を修正したものです。

 従来、親会社が子会社を吸収合併する場合、少数株主(改正後は「非支配株主」と言います)持分の取得は外部取引であると考え、株主資本額を少数株主に交付した親会社株式の時価にすると共に、受入れ財産簿価(少数株主持分相当額)との差額をのれんに計上するという会計処理が行われていました。

 この点につき、改正案では、 「株主資本額(簿価純資産額)を非支配株主持分相当額とする。したがって、差額のれんは生じない。」 としていました。

 しかし、最終的には、 「従来どおり、株主資本額は少数株主に交付した親会社株式の時価にする。しかし、非支配株主持分相当額との差額については、その他資本剰余金に計上する。」 と改正されました。

<現在の結合指針206項(抜粋)>
イ 少数株主持分相当額の会計処理
 少数株主持分相当額と、取得の対価(少数株主に交付した親会社株式の時価)に取得に直接要した支出額を加算した額との差額をのれん(又は負ののれん)とする。

<改正結合指針206項(抜粋)>  この改正は、平成27年4月1日以後開始事業年度より適用することが予定されています。
イ 非支配株主持分相当額の会計処理
 非支配株主持分相当額と、取得の対価(非支配株主に交付した親会社株式の時価)(第37項から第47項参照)との差額をその他資本剰余金とする。



【設例】親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理

 子会社の株主構成(親会社70%、非支配株主30%)
 子会社の純資産簿価100(資産簿価1000、負債簿価900)
 非支配株主に交付した親会社株式の時価50
 親会社における子会社株式簿価 10

(1)現在の処理
 /堂饉匯分
  受入資産 700|受入負債   630
          |子会社株式   10
          |抱合株式消滅益 60

 ⊂数株主持分
  受入資産 300|受入負債   270
  のれん   20|株主資本    50

(2)改正後の処理
 /堂饉匯分
  現在の処理と変わらず

 非支配株主持分
  受入資産    300|受入負債   270
  その他資本剰余金 20|株主資本    50


(参考) 平成25年9月13日に公表された「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」



13-11-20
アメリカの国籍離脱税

 2008年以降、米国市民権や永住権を放棄した方に国籍離脱税が課されるようになったとのこと。

(参考)長期永住権保持者にあまり知られていない落とし穴 − 国籍離脱税

≪ポイント≫
国籍離脱税の対象となる方
  • 米国市民権を放棄した個人
  • 永住権を放棄した個人(過去15年のうち8年以上永住権を保有していた方に限る)
で、一定の所得や財産のある方

課税の方法
 対象者が離脱日前日に保有する全世界財産(特定資産は対象外)を時価で譲渡したものとして課税。売却益と売却損は通算される。



13-11-19
当該事業年度開始の日の一年前の日の前日

 消費税法では「当該事業年度開始の日の一年前の日の前日」という規定があります。

 例えば3月決算会社の場合、

 事業年度開始の日=2013年4月1日
 その一年前の日=2012年4月2日
 その前日=2012年4月1日

と解釈するとのことです。

 これは、2013年4月1日の24時を起点として一年間遡っているからですが、2013年3月31日の24時を起点と考えるのではないか(2013年4月1日は期間計算に含めないのではないか)という疑問も出てきます。


 ここで期間計算の方法を整理しておきたいと思います。

 (1) 本日(4/1)から2日後 4/2と4/3の2日間の後(初日不算入)→4/4の0時
 (2) 本日(4/1)から2日前 3/31と3/30の2日間の前(初日不算入)→3/30の0時(3/29の24時)

 (3) 将来(4/1)から2日後 4/1と4/2の2日間の後(初日算入)→4/3の0時
 (4) 将来(4/1)から2日前 3/31と3/30の2日間の前(初日不算入)→3/30の0時(3/29の24時)

 (5) 過去(4/1)から2日後 4/2と4/3の2日間の後(初日不算入)→4/4の0時
 (6) 過去(4/1)から2日前 4/1と3/31の2日間の前(初日算入)→3/31の0時(3/30の24時)


 消費税法の「当該事業年度開始の日の一年前の日の前日」という規定は、上記の(6)に該当するということのようです。


 ちなみに遡った後にUターンした場合

 (7) 将来(4/1)の2日前から4日後
  まず、2日遡る→3/30の0時 ※上記(4)参照
  次に、3/30日を初日算入して4日間(3/30、3/31、4/1、4/2)を数える→4/3の0時

となるそうです。



13-11-11
特定資産の買換特例における買換資産の範囲(他の者が建築する倉庫の敷地の用に供される見込みの土地)

 平成24年3月改正により、改正後は、買換資産のうち土地等については、原則として特定施設の敷地であることが要件として追加されていますが、その特定施設の所有者は、買換資産である土地の所有者と同一である必要はないとの解説が、国税庁HPの質疑応答事例に公表されています。

【図 特定資産の買換制度改正前後の比較】

(Digital book「法人税制改正詳解 2011-2012」 清文社 P.259より)


(参考)国税庁HP 質疑応答事例



13-11-06
環境関連投資促進税制の適用対象資産を2以上取得した場合の特別償却と税額控除の選択適用

 国税庁HPの質疑応答事例が更新されているようです。

Q.甲社が同一事業年度内に太陽光発電設備と風力発電設備を取得した場合、太陽光発電には特別償却を適用し、風力発電設備には税額控除を適用するということは可能なのか?

A.可能。個々のエネルギー環境負荷低減推進設備等ごとに、特別償却と税額控除のいずれかを選択適用することができる。


(参考)国税庁HP 質疑応答事例



13-09-11
企業会計で有効とされたヘッジ取引について、税務上は有効でないとする最高裁判決

 T&A master No.514「ヘッジ目的達成と「有効性」はリンクせず」という記事についてです。

 判決の内容も読まずに意見していますが、この判決が、実務に資するものなのかという点について疑問があります。

 本当に、記事のタイトルどおり、ヘッジ目的達成と「有効性」がリンクしないのでしょうか。

 キャッシュフローヘッジが有効に機能していて(実質的にヘッジされていて)、且つ、帳簿記載要件などの形式要件を満たしていたにも係らず、「無効」とされてしまうのであれば、今後、デリバティブは購入できませんよね。そんなバカな。



 デリバティブの期末評価時と、有効性判定時の「みなし決済損益額」は分けた方が良いのではないかと思いました。

 デリバティブの期末評価時における「みなし決済損益額」は、オプションに付された様々な条件が考慮されたデリバティブ商品としての含み損益(現行どおり)で良いと思います。

 しかし、有効性判定時における「みなし決済損益額」は、実質的にキャッシュフローヘッジが100%有効に機能しているのであれば、有効性判定割合が100%(つまり、「みなし決済損益額」=ヘッジ対象金銭受払差額)になるように「みなし決済損益額」が計算されるべきではないかと思います。つまり、有効ヘッジ額をもって、「みなし決済損益額」とするということです。それは、デリバティブ商品としての含み損益とは異なると思います。



13-07-09
株式移転時に買取請求可能な新株予約権の範囲

 会社法808〇阿法株式移転時に買取請求可能な新株予約権の範囲が規定されています。
====================================================================
会社法第八百八条 (新株予約権買取請求)  

 次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。

 ◆3  株式移転 次に掲げる新株予約権のうち、第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。) に合致する新株予約権以外の新株予約権
  イ 株式移転計画新株予約権
  ロ 株式移転計画新株予約権以外の新株予約権であって、株式移転をする場合において当該新株予約権の新株予約権者に株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付することとする旨の定めがあるもの
====================================================================
 なお、株式移転計画新株予約権とは、「当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権」のことです(会773ゞ絅ぁ法

 この条文を表にまとめると、以下のようになります。

          交付あり = 会社法808条1項3号イ(株式移転計画新株予約権)

 ただし、「第七百七十三条第一項第九号又は第十号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ホに関するものに限る。) に合致する新株予約権」は除かれるので、結果、※1 が請求権あり となる。

 ※2 = 会社法808条1項3号ロ

 ※3 完全子会社の新株予約権は、合併と異なり、当然には消滅しないため、完全子会社に交付規定がなく、完全親会社からの交付もない場合には、請求権は生じない。



13-05-24
組織再編時における新株予約権の内容の調整

 組織再編により新株予約権が承継された場合に、新株予約権の内容をどのように調整すべきかということについて解説している書籍は見当たらないのですが、株式分割・併合と同様の調整を行うのが一般的なようです。

1)新株予約権の内容として調整方法を定めている事例

 日本ケミカルリサーチ株式会社 「執行役員・従業員に対するストックオプション(新株予約権)の発行に関するお知らせ」

(抜粋)
J.合併、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転をする場合の新株予約権の交付
 当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換又は株式移転(以上を総称して以下「組織再編行為」という。)を行う場合においては、組織再編行為の効力発生の直前の時点において本新株予約権が保有する本新株予約権に対し、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することができるものとする。

 この場合においては、残存する新株予約権は消滅し、再編対象会社は新たに新株予約権を割当するものとする。
 ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割契約、株式交換契約又は株式移転契約において定めた場合に限るものとする。
  • 交付する再編対象会社の新株予約権の数
 組織再編行為の効力発生の直前の時点において本新株予約権者が保有する本新株予約権の数と同一の数とする
  • 新株予約権の目的である株式の数
 組織再編行為の条件等を勘案の上、上記Cに準じて決定する。
  • 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
 交付される新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案の上調整した再編後の行使価額に上記Dに従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じて得られる金額とする。
  • 新株予約権を行使することができる期間
 交付される新株予約権を行使することができる期間は、上記Eに定める期間の開始日と組織再編行為の効力発生日のうちいずれか遅い日から、上記Eに定める期間の満了日までとする。


上記Cの概要
 調整後株式数 = 調整前株式数 × 分割・併合の比率

上記Dの概要
 …汗宛緤Ч金額 = 調整前払込金額 ÷ 分割・併合の比率
 ⊂蔑
 E社が、他社と吸収合併もしくは新設合併を行い本件新株予約権が承継される場合、または当社が新設分割もしくは吸収分割を行う場合、当社は必要と認める合理的な範囲で払込金額を調整することができる。
 ※このように「合理的に調整する」という抽象的な規定が一般的なようです。


2)実際の調整事例
 株式会社コーエーとテクモ株式会社による共同株式移転

◆株式移転の概要
 株式移転の日:平成21年4月1日
会社名コーエーテクモ
株式移転比率10.9

◆テクモの平成21年3月31日時点(株式移転直前)の新株予約権の状況
1新株予約権の数(個)2,332
2新株予約権の目的となる株式の種類233,200
3新株予約権の行使時の払込金額1,100

◆コーエーテクモホールディングスの平成22年3月31日時点(株式移転後)の新株予約権の状況
4新株予約権の数(個)2,204
5新株予約権の目的となる株式の種類198,360
6新株予約権の行使時の払込金額1,223

 [1]と[4]の個数の差は、株式移転による調整ではなく、権利行使されたために個数が変動しているものと思われます。

 [5]÷[4]=90 (新株予約権1個につき、90株交付)
 [2]÷[1]=100 (新株予約権1個につき、100株交付)
 株式移転により 100株/個 × 株式移転比率 0.9 = 90株/個 に調整されています。

 1株あたり払込金額については、株式移転により、
 [3] 1,100円 ÷ 0. 9≒ [6] 1,223円 に調整されています。

 ※このように、組織再編においても、株式分割に準じて調整が行われるようです。

◆ポイント◆
  • 「個数」は調整せず、「目的となる株式数」と「1株あたり払込金額(行使価額)」を調整する。
  • 組織再編前後で、「目的となる株式数」 × 「1株あたり払込金額(行使価額)」が一定となるように調整する。
 (但し、端数処理の関係で必ずしも一致しない。)






13-03-08
上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の順序

 結論としては、
 〔じ開株式の譲渡所得
−−−−−−−−−−−−−−−【A】
 ⊂緇豎式の譲渡所得
−−−−−−−−−−−−−−−【B】
 上場株式の配当所得
の順序で控除するのですが、根拠がなかなか見つけられません。


 【B】ラインは、措令25の11の2二に規定されています。
 8  法第三十七条の十二の二第六項 の規定による上場株式等に係る譲渡損失の金額(同条第七項 に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額をいう。以下この条において同じ。) の控除については、次に定めるところによる。
 
 ◆2  前年以前三年内の一の年において生じた上場株式等に係る譲渡損失の金額の控除をする場合において、その年分の株式等に係る譲渡所得等の金額(法第三十七条の十三の二第四項 の規定の適用がある場合には、その適用後の金額) 及び上場株式等に係る配当所得の金額があるときは、当該上場株式等に係る譲渡損失の金額は、まず当該株式等に係る譲渡所得等の金額から控除し、なお控除しきれない損失の金額があるときは、当該上場株式等に係る配当所得の金額から控除する。

 しかし、この条文をいくら読み返しても、【A】ラインのことは規定していません。

 それで、同業者に聞いてみたところ、「平成23年改正後の措令平成20年改正附則26 廚傍定されているとのこと。なるほど、附則か...
 改正法附則第四十三条第二項の規定の適用がある場合における新令第二十五条の十一の二第八項の規定の適用については、同項第二号中「控除する」とあるのは、「控除する。この場合において、当該株式等に係る譲渡所得等の金額のうちに所得税法等の一部を改正する法律(平成二十年法律第二十三号) 附則第四十三条第二項に規定する上場株式等に係る譲渡所得等の金額があるときは、当該上場株式等に係る譲渡損失の金額は、まず当該株式等に係る譲渡所得等の金額から当該上場株式等に係る譲渡所得等の金額を控除した残額から控除し、なお控除しきれない損失の金額があるときは、当該上場株式等に係る譲渡所得等の金額から控除する」とする。






13-02-22
平成26年4月1日前後の取引に適用する消費税率

消費税率UPのタイミング
 平成26年4月1日から8%にUP
 平成27年10月1日から10%にUP

原則
 平成26年4月1日(平成27年10月1日)以後の課税資産の譲渡等に新税率を適用
※平成26年3月31日に仕入れて、4月1日に販売した場合。仕入は5%・販売は8%となる。
※返品に適用する税率は、処理を統一することを前提に取引当事者間の取り決めに従う(例.平成24年4月の返品は5%、5月以降の返品は8%)。


Q.どの時点を課税資産の譲渡日とするのですか?

A.棚卸資産であれば、その引渡しのあった日とされています(消基通9-1-1)。
 具体的には事業者が継続して採用している売上計上基準・仕入計上基準によります(消基通9-1-2)。


Q.以下のような場合、A社は消費税率5%を適用しているにも係わらず、B社は8%の仕入税額控除が可能でしょうか?

 H26.3.31に出荷          H26.4.2に検収
┌──────┐              ┌──────┐
│  A社  │──────→│  B社  │
└──────┘     仕入     └──────┘
 A社の売上計上        B社の仕入計上
 基準は出荷基準        基準は検収基準

A.
‥該取引が外税取引の場合
 A社が5%を適用していれば、B社も5%で仕入税額控除します。
当該取引が内税取引の場合
 A社が5%を適用していても、B社は8%で仕入税額控除します。

(参考)T&Amaster No.436「消費税率引上げ時の実務上の注意点と事業者が備えるべきこと」



13-02-21
太陽光発電設備を利用した売電と事業税

 以下、同業者の方から教えていただきました。

Q.太陽光発電設備を利用して売電する法人は、電気供給業を行う法人(地方税法72の2‘鵝に該当しますか?その場合、本業は所得割・売電事業は収入割というように、別々に事業税を計算するのでしょうか?

A.太陽光発電設備を利用して売電する法人は、電気供給業を行う法人に該当します。但し、太陽光発電の収入が総売上の1割を超えるような事がない限り、別々に計算する必要はありません。

【詳細】
 地方税法取扱通知4の9の2では収入割額の範囲を定めていますが、当該取扱通知において、『電気事業法・・・に規定する電気事業者であるか否かにかかわらず、』とされていることから、どのような法人であっても太陽光発電設備を利用して売電する限り、電気供給業を行う法人に該当します。

 本業と電気供給業を兼業している法人の事業税は、各事業部門ごとに課税標準額及び税額を算定し、その税額の合算額によるのが原則です。ただし、売電事業売上が総売上の1割に満たない等、電気供給業の経営規模が「軽微なもの」と判定される場合には、本業に対する課税方式によって課税して差し支えないとされています(地方税法取扱通知4の9の9)。


【参考】地方税法の施行に関する取扱いについて(道府県税関係)
4の9の2
 
 電気供給業の課税標準とすべき収入金額とは、原則として、電気事業会計規則による収入(電気事業会計規則の適用がない場合には、これに準ずる方法により計算した収入)とし、電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第10号に規定する電気事業者であるか否かにかかわらず、定額電灯、従量電灯、大口電灯及びその他の電灯に係る電灯料収入、業務用電力、小口電力、大口電力、その他の電力及び他の電気事業者への供給料金に係る電力料収入(新エネルギー等電気相当量(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法施行規則(平成14年経済産業省令第119号)第1条第2項に規定する新エネルギー等電気相当量をいう。4の9の6において同じ。)に係るものを含む。)、遅収加算料金、せん用料金、電球引換料、配線貸付料、諸機器貸付料及び受託運転収入、諸工料、水力又はかんがい用水販売代等の供給雑益に係る収入及び設備貸付料収入並びに事業税相当分の加算料金等原則として電気供給業の事業収入に係るすべての収入を含むものとすること。
4の9の9
 
 一般に所得等課税と収入金額課税との両部門の事業を併せて行う法人の納付すべき事業税額は、原則として各事業部門毎にそれぞれ課税標準額及び税額を算定し、その税額の合算額によるべきものであるが、従たる事業が主たる事業に比して社会通念上独立した事業部門とは認められない程度の軽微なものであり、したがって従たる事業が主たる事業と兼ね併せて行われているというよりもむしろ主たる事業の附帯事業として行われていると認められる場合においては、両事業部門毎に別々に課税標準額及び税額を算定しないで従たる事業を主たる事業のうちに含めて主たる事業に対する課税方式によって課税して差し支えないものであること。
 
 この場合において従たる事業のうち「軽微なもの」の判定は、その実態に即して行うべきものであるが、一般に当該事業の売上金額が主たる事業の売上金額の1割程度以下であり、かつ、事業の経営規模の比較において他の同種類の事業と権衡を失しないものは、これに該当するものとみなして差し支えないものであること。
 
 なお、「附帯事業」とは、主たる事業の有する性格等によって必然的にそれに関連して考えられる事業をいうのであるが、それ以外に主たる事業の目的を遂行するため、又は顧客の便宜に資する等の理由によって当該事業に伴って行われる事業をも含めて解することが適当であること。



13-02-06
アメリカ在住の子への贈与

 平成25年4月1日以後は、日本在住の親が外国籍の子へ国外財産を贈与した場合でも、日本の贈与税が課されることになりました(13-01-08 参照)。

 アメリカ在住の子がグリーンカードを取得したものの、国籍は日本国籍のままという場合、平成25年3月31日以前の贈与であっても、贈与者が日本在住である限り、国内財産・国外財産を問わず日本の贈与税が課されます。

 一方、アメリカ在住の子がアメリカ国籍を取得している場合、国外財産の贈与であれば日本の贈与税はかかりませんでしたが、今回の改正により日本の贈与税が課されることになります。


 では、日本在住の親がアメリカ在住の子へ贈与した場合、アメリカでは贈与税が課されるのでしょうか。

 アメリカでは贈与者が納税義務者であり、贈与者が居住者なのか非居住者なのかにより課税範囲が定められているとのこと。

 贈与者(親)が非居住者(日本在住)である場合の課税範囲は以下のとおりです。
贈与財産アメリカの贈与税
日本の財産非課税
アメリカの有形財産(不動産、現金など)課税
アメリカの無形財産(株式、債券、ミューチュアルファンドなど)非課税
 ※コネチカット、デラウエア、ルイジアナ、ニューヨーク、ノースカロライナ、テネシーの6州で贈与が行われた場合は、連邦税のほかに州の贈与税もかかる。


 日本とアメリカの両国で贈与税が課される場合には、外国税額控除の適用により、いずれか一方の国の贈与税が他方の国の贈与税から控除されます。

【参考】




13-02-06
株式交換直前に株式交換完全子会社が自己株式を保有している場合の取扱い(共通支配下取引の場合)

 P社がS社(70%子会社)を株式交換により完全子会社にします。

 S社の株式交換日直前の貸借対照表は以下のとおりです。
    S社の貸借対照表
────────┬─────────
 資産 1000│負債    600
        │資本金   200
        │利益剰余金 300
        │自己株式 ▲100

 P社は、S社が保有するS社株式に対しP社株式(時価80)を交付しました。



 この場合の現行の会計処理と企業結合基準等改正案による会計処理を比較してみます。

 まずは、現行の会計処理です。
<現在の結合指針238-2項(抜粋)>
親会社(株式交換完全親会社)の会計処理
 
 238-2.株式交換直前に子会社が自己株式を保有しており、株式交換日において、親会社が当該自己株式(子会社株式)の取得と引き換えに子会社に対して自社の株式(親会社株式)を交付した場合の親会社の会計処理は、第236項に準じて処理するものとする。

<現在の結合指針236項(抜粋)>
(1)株式交換完全子会社株式の取得原価の算定
 
 親会社が追加取得する株式交換完全子会社株式の取得原価は、企業結合会計基準(注11)により、取得の対価(少数株主に交付した株式交換完全親会社株式の時価)に取得に直接要した支出額(取得の対価性が認められるものに限る。)を加算して算定することとされている(第110項参照)。

<現在の結合指針238-3項(抜粋)>
子会社(株式交換完全子会社)の会計処理
 
 238-3.自己株式と引き換えに受け入れた親会社株式の取得原価は、親会社が付した子会社株式の取得原価を基礎として算定する。
 
 また、親会社株式の取得原価と自己株式の帳簿価額との差額は、自己株式処分差額としてその他資本剰余金に計上する(第447-3項参照)。

 現在の結合指針では、以下のような会計処理となります。
(P社) S社株式 80|資本金 80

(S社) P社株式     80|自己株式 100
     その他資本剰余金 20|

注意!改正案のうち、以下に説明している内容については、最終的に採用されませんでした。
 次に、企業結合基準等改正案による会計処理です。
<改正案の結合指針236項(抜粋)> ※結合指針238-2項、238-3項の改正は予定されていません。
(1)株式交換完全子会社株式の取得原価の算定
 
 親会社が追加取得する株式交換完全子会社株式の取得原価は、株式交換日の前日の株式交換完全子会社の適正な帳簿価額による株主資本の額に、株式交換日の前日の持分比率を乗じた金額に取得関連費用を加算して算定する(企業結合会計基準第45項)。

 改正案の結合指針では、以下のような会計処理となります。

(P社) S社株式 20|資本金 20

  ※簿価純資産額400×持分比率5%と仮定。

(S社) P社株式     20|自己株式 100
     その他資本剰余金 80|



 なお、税務処理は以下のとおりです。
(P社) S社株式 0|資本金等 0
  ※S社株式の取得価額は、S社におけるS社株式の帳簿価額(つまりゼロ)となります(株主の数が50人未満の場合)。
(S社) P社株式 0|S社株式 0
  ※P社株式の取得価額は、S社におけるS社株式の帳簿価額(つまりゼロ)となります(法令119“)。




13-01-30
株式移転により設立された会社が行う配当

 S社(資本金100、その他利益剰余金500)が単独株式移転でP社を設立すると、株式移転直後のP社の貸借対照表は、例えば、以下のようになります。

     P社の貸借対照表
─────────┬────────────
 S社株式 600│資本金      100(※)
                  │その他資本剰余金 500

   ※S社の簿価純資産額600を資本金、資本準備金、
    その他資本剰余金のいずれかで計上することになります。


 したがって、P社が株式移転直後に配当を行う場合には、その他資本剰余金を原資とすることになります。
この点について、会社法の計算詳解 郡谷大輔他(中央経済社)では、「会社法は、分配可能額の範囲内で、配当財産の価額を定めなければならないとしているだけであって、利益・資本の現に存する剰余金の範囲内で定めることまで規制しているわけではない。」とした上で、資本・利益の取扱いに関する問題であるため、会計慣行に委ねられることとなるが、その他利益剰余金が最終事業年度末でマイナスであったとしても、臨時決算の結果、その他利益剰余金がプラスであると評価できる状況にあるならば、その他利益剰余金を原資とする配当を認める余地はあるとしています。


 その他資本剰余金を原資とする配当を受取った株主は、原則として受取配当金に計上する代わりに、配当の対象となった有価証券の帳簿価額を減額する必要があります。

<その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理 3項>
◆3.株主が資本剰余金の区分におけるその他資本剰余金の処分による配当を受けた場合、配当の対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合を除き、原則として配当受領額を配当の対象である有価証券の帳簿価額から減額する。


 しかし、例外として、株式移転により設立された会社(P社)が行う配当で、その原資が実質的に、S社の「その他利益剰余金」であると認められる場合には、受取配当金に計上できるとされています。

<その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理 5項(2)>
◆5.第4項に定める以外の場合でも、以下の例のように配当受領額を収益として計上することが明らかに合理的である場合は、受取配当金に計上できるものとする。
 (2) 投資先企業を結合当事企業とした企業再編が行われた場合において、結合後企業からの配当に相当する留保利益が当該企業再編直前に投資先企業において存在し、当該留保利益を原資とするものと認められる配当(ただし、配当を受領した株主が、当該企業再編に関して投資先企業の株式の交換損益を認識していない場合に限る。)

<その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理 15項(2)>
◆15.よって、その他資本剰余金の処分による配当受領額でも、収益として計上することが明らかに合理的である場合は、その場合に限って受取配当金として収益計上できるものとした。
 
 第5項で掲げた収益とみることが明らかに合理的な例の各々の趣旨は以下のとおりである。
 
(2)投資先企業を結合当事企業とした企業再編が行われた場合において、結合後企業からの配当に相当する留保利益が当該企業再編直前に投資先企業において存在し、当該留保利益を原資とするものと認められる配当(ただし、配当を受領した株主が、当該企業再編に関して投資先企業の株式の交換損益を認識していない場合に限る。)(第5 項(2)参照)
 
 結合後企業のその他資本剰余金の処分による配当が、実質的に企業再編直前の投資先企業(結合当事企業)の留保利益相当額からの配当であることが確認できる場合は、その他利益剰余金からの配当と同様に取り扱い、受取配当金として収益計上できると考えた。
 
 このような例示に該当する場合としては、配当を受領した株主が、投資先企業の株式の交換損益を認識しないことを前提に、例えば、以下の場合が挙げられる。
 
  ゝ杣合併存続会社のその他資本剰余金に投資先企業であった吸収合併消滅会社の留保利益相当額が含まれている場合の当該存続会社からの配当
 
 ◆ヽ式移転設立完全親会社のその他資本剰余金に投資先企業であった株式移転完全子会社の留保利益相当額が含まれている場合の当該親会社からの配当
 
 なお、被結合企業に関する投資が清算されたとみる場合には、被結合企業の株式と引換えに受け取った財の時価と、被結合企業の株式に係る企業結合直前の適正な帳簿価額との差額を交換損益として認識するとともに、改めて当該受取対価の時価にて投資を行ったものとするとされている(事業分離等会計基準第32項(1))。
 
 このため、当該交換損益を認識した株主が、結合後企業のその他資本剰余金の処分による配当を受けた場合には、その配当の原資が実質的に企業再編直前の投資先企業の留保利益に相当するものかどうかにかかわらず、投資の払戻しとして有価証券の帳簿価額を減額処理することになる。
 
 改正前適用指針では、当該会計処理の例示として、企業結合年度の配当であることを示していたが、改正適用指針では示していない。
 
 これは、企業結合年度後の配当であっても、その配当の原資が企業再編直前に投資先企業に存在していた留保利益相当額であることが明らかな場合もあることを考慮したためである。
 
 ただし、この取扱いは、もともと配当受領額を収益として計上することが明らかに合理的である場合の取扱いであるため、投資先企業からの企業結合年度後における配当について当該会計処理を適用する場合には、上記の要件に照らして慎重に判断することが必要である。



13-01-28
移転価格税制の改正

<平成25年度税制改正大綱>
 (2)国外関連者との取引に係る課税の特例(いわゆる移転価格税制)について、独立企業間価格を算定する際の利益水準指標に営業費用売上総利益率(いわゆるベリー比)を加える。

 まず、ベリー比とは
┌───────────────┐
│ベリー比 = 粗利益率÷営業費用│
└───────────────┘
という算式により求められる割合であり、一般的には150%程度だそうです。

 この利益水準指標は、取引単位営業利益法、残余利益分割法で用いられます。


※「新たな移転価格税制における実務上の重要ポイント解説(大蔵財務協会)」P.74を参考に図を作成。


 ベリー比は、親会社から仕入れた商品に、何も付加価値を付けずに販売する子会社に対して適用するのが好ましいと言われています。

 販売事務の機能しか有していないような会社の適正利益水準は、販売事務に係る人件費・諸経費の何%という形で計算されるべきということでしょう。

 移転価格税制に詳しい方が言われるには、実務への影響が大きい改正とのことです。

 利益水準指標として、売上高営業利益率を使うよりも算定される営業利益は小さくなる傾向にあるため、ベリー比を使うことにより、海外販売子会社に利益移転がより多くなされていると判定される可能性があるからです。



13-01-25
会社合併実務必携【第二版】が出ました

 平成24年度税制改正までを織り込んだ他、合併費用の取扱いなどが追加されています。 Amazonで購入






13-01-18
親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理の変更

 「企業結合に関する会計基準(案)」及び関連する他の会計基準等の改正案の公表

注意!改正案のうち、以下に説明している内容については、最終的に採用されませんでした。最終的な修正内容の説明はこちら
 従来、親会社が子会社を吸収合併する場合、少数株主(改正後は「非支配株主」と言います)持分の取得は外部取引であると考え、株主資本額を少数株主に交付した親会社株式の時価にすると共に、受入れ財産簿価(少数株主持分相当額)との差額をのれんに計上するという会計処理が行われていました。

<現在の結合指針206項(抜粋)>
イ 少数株主持分相当額の会計処理
 少数株主持分相当額と、取得の対価(少数株主に交付した親会社株式の時価)に取得に直接要した支出額を加算した額との差額をのれん(又は負ののれん)とする。

 この処理は、株式交換において追加取得する子会社株式の取得原価を少数株主へ交付した親会社株式の時価で算定することと平仄を合わせたものです。

<現在の結合基準45項>
 少数株主から追加取得する子会社株式の取得原価は、追加取得時における当該株式の時価とその対価となる財の時価のうち、より高い信頼性をもって測定可能な時価で算定する。

 改正案では、株式交換において追加取得する子会社株式の取得原価を非支配株主持分相当額で算定するとしています。

<改正案の結合基準45項>
非支配株主から自社の株式のみを対価として追加取得する子会社株式の取得原価は、当該子会社の適正な帳簿価額による株主資本の額に基づいて算定する。

 その理由は、新設された120-2項で説明されています。

<改正案の結合基準120-2項>
 平成XX年改正会計基準では、同時に改正された連結会計基準において、非支配株主との取引は資本取引として扱うとされたことを踏まえ、株式交換や株式移転のように自社の株式のみを対価として子会社株式を追加取得した場合、子会社株式の取得原価を時価で測定しても、連結財務諸表上、その金額と減少する非支配株主持分の金額との差額は資本剰余金となり、子会社株式の取得原価は、連結財務諸表上における当該子会社の適切な帳簿価額による株主資本の額に基づくことになる。
 
 このため、個別財務諸表上、当該子会社株式の取得原価は、当該子会社の適正な帳簿価額(子会社の資産及び負債の帳簿価額を連結上修正しているときは、連結財務諸表上の金額である修正後の帳簿価額)による株主資本の額に基づいて算定することとした。
 
 したがって、連結財務諸表上、差額は生じないこととなる。


 そこで、親子合併における非支配株主持分相当額の会計処理についても、株主資本額を受入れ財産簿価(非支配株主持分相当額)で評価し、のれんを認識しないという処理に変更されています。

<改正案の結合指針206項(抜粋)>
イ 非支配株主持分相当額の会計処理
 非支配株主持分相当額を払込資本(資本金又は資本剰余金)として処理する。

 この改正は、平成27年4月1日以後開始事業年度より適用することが予定されています。



【設例】親会社が子会社を吸収合併する場合の会計処理

 子会社の株主構成(親会社70%、非支配株主30%)
 子会社の純資産簿価100(資産簿価1000、負債簿価900)
 非支配株主に交付した親会社株式の時価50
 親会社における子会社株式簿価 10

(1)現在の処理
 /堂饉匯分
  受入資産 700|受入負債   630
          |子会社株式   10
          |抱合株式消滅益 60

 ⊂数株主持分
  受入資産 300|受入負債   270
  のれん   20|株主資本    50

(2)改正案の処理
 /堂饉匯分
  現在の処理と変わらず

 非支配株主持分
  受入資産 300|受入負債   270
          |株主資本    30



13-01-16
青色欠損金の80%損金算入制限と特例欠損金の損金算入制度との不整合

 平成24年4月1日以後開始事業年度より、資本金額1億円超の普通法人(資本金額5億円以上の会社と完全支配関係にある普通法人も含む)は、所得金額の80%までしか青色欠損金の損金算入できなくなりました。

 この80%損金算入制限が創設されるまで、
┌──────────────────────────────┐
│(法法59の)特例欠損金 = 期限切れ欠損金                  │
└──────────────────────────────┘
でしたが、創設後は、
┌──────────────────────────────┐
│(法法59の)特例欠損金 = 設立当初からの欠損金額          │
└──────────────────────────────┘
とされています。

 ちなみに、期限切れ欠損金と設立当初からの欠損金額は、
┌──────────────────────────────┐
│期限切れ欠損金 + 青色欠損金 = 設立当初からの欠損金額  │
└──────────────────────────────┘
という関係にあります。

 このように特例欠損金の範囲が変更されたことにより、法法59にて損金算入される額が、期限切れ欠損金のみならず青色欠損金にまで及ぶことになりました。

 そこで、法法59による損金算入額のうち青色欠損金で構成される金額を、青色欠損金から切り捨てるという調整規定(法法57ァ砲設けられました。

 しかし、この調整規定には問題点があるとの指摘があります。債務免除益等に対し、期限切れ欠損金と青色欠損金のどちらから優先的に充当するかの違いにより、所得額が異なってしまうというものです。
(政府税調資料)※クリックする画像が拡大されます。

 上記の資料ですと、期限切れ欠損金を優先充当できる(1)のケースでは所得が6となるのに対し、青色欠損金を優先充当しなければならない(2)のケースでは所得が0となり課税されません。

 (2)は、青色欠損金を優先充当しなければならないというデメリットを負っているのですから、問題視する必要はないと個人的には思いますが、(2)の計算ロジックがどう修正されるべきかを考えてみました。

〆通殻判益70の全額に対して青色欠損金を充当する。
 結果、青色欠損金の残高は20(=90−70)、期限切れ欠損金の充当額は0となります。

△修梁晶蠧30の8割である24を限度に青色欠損金を充当する。
 結果、青色欠損金の充当額は20、所得は10(=30−20)となります。


 以下は参考まで。

<評価損益>
評価益
評価損
時価
損金経理要件
_饉匚浩○(法法25◆○(法法33)開始決定による財産評定時価(継続価値)なし
¬瓜再生(損金経理方式)×○(法法33◆開始決定による財産評定時価(精算価値)あり
L瓜再生(別表添付方式)○(法法25)○(法法33ぁ認可決定による資産評定時価(継続価値)なし
げ鮖供丙通劃恐瓠××
 ※会社更生の場合、認可決定時に「開始決定時の時価」に評価替をする。
 ※評価損益が一定額に満たない資産など、評価損益計上の対象とならない資産がある(法令24の2ぁ68の2)。

<欠損金・評価損の充当順序>
評価損(純額)特例欠損金
(法法59)
青色欠損金
(法法57)
_饉匚浩
¬瓜再生(損金経理方式)
L瓜再生(別表添付方式)
げ鮖供丙通劃恐瓠
 ※正確には、0奮阿量瓜再生(評価損益の計上をしなかった民事再生も含む)。

【設例】評価損(純額)充当のイメージ
 債務免除益 300   特例欠損金 500(内、青色欠損金 200)
 評価益    10
 評価損    50
 その他所得 100
_饉匚浩
 法法59による損金算入額=債務免除益300+(評価益10−評価損10)=300
→特例欠損金を300充当する。

 法法57による損金算入額=その他所得100−評価損(純額)40=60
→青色欠損金を60充当、140を翌期に繰り越す。

¬瓜再生(損金経理方式)※
 法法57による損金算入額=債務免除益300+その他所得100−評価損50=350
→青色欠損金を200充当する。

 法法59による損金算入額=青色欠損金控除後所得150(< 債務免除益等250)
→特例欠損金を150充当する。

L瓜再生(別表添付方式)
 法法59による損金算入額=債務免除益300−評価損(純額)40=260
→特例欠損金を260充当する。

 法法57による損金算入額=その他所得100
→青色欠損金を100充当、100を翌期に繰り越す。



13-01-11
繰越欠損金の引継制限・特定資産譲渡等損失の損金算入制限に係るバグ修正

 買収してきた子会社を適格合併する場合、繰越欠損金の利用制限や特定資産譲渡等損失の損金算入制限を受けることがあります。

 しかし、次のケースでは、それらの制限を受けることなく適格合併されてしまうという問題点が政府税調の資料で指摘されています。

【設例】
 法人Yは法人Xが設立した100%子会社であり、設立当初より、法人Xと法人Yは完全支配関係にありました。

 法人Pは、個人Aから法人X株式100%を取得し、法人X・Yグループを買収しました。
【買収前】       【買収後】
┌───┐              ┌───┐
│個人A│       │法人P│
└─┬─┘              └─┬─┘
    │100%                 │100%
┌─┴─┐              ┌─┴─┐
│法人X│       │法人X│
└─┬─┘              └─┬─┘
    │100%                 │100%
┌─┴─┐              ┌─┴─┐
│法人Y│       │法人Y│
└───┘              └───┘
 法人Xは含み損資産αを有しています。この含み損と法人Pの所得を相殺すれば節税が図れるため、法人Pは法人Xを吸収合併することを検討しました。

 しかし、買収後5年以内に行う適格合併により、引継いだ含み損資産αを譲渡しても、その譲渡損は損金不算入とされ、法人Pの所得と相殺することはできません。

 そこで、法人Xを法人Yに吸収合併(適格合併)させ、その後に法人Yを法人Pに吸収合併(適格合併)させることにしました。

 そうすると、あら不思議、含み損資産αは、法人X・Yグループの買収日後に法人Yに取得された資産ということになり、特定資産譲渡等損失の損金算入制限を受けなくなります。
(政府税調資料)※クリックする画像が拡大されます。

 また、この資料にあるとおり、法人Xを法人Yに吸収合併(適格合併)させる前に含み損資産αを譲渡して、法人Xの繰越欠損金に変換した上で、適格合併により法人Yの(法人Pとの)支配関係事業年度以後の事業年度にこの繰越欠損金を引継がせることで、同様の効果を得ること(含み損と法人Pの所得の相殺すること)ができます。



 法人Xを買収した後に法人Yを設立し、法人Xを法人Yに吸収合併させることで、繰越欠損金の利用制限や特定資産譲渡等損失の損金算入制限を回避するというスキームの防止規定は既にあるのですが(法令112て鵝123の8‘鵝法⊂綉のような回避スキームまでは想定し切れてなかったということだと思います。



13-01-10
総合主義から帰属主義への移行

 現在、日本に恒久的施設(支店など)を有する外国法人に対しては、国内源泉所得の全額を法人税の課税対象としています。これを総合主義といいます。

 一方、(例えば)日米租税条約第7条第1項を見ると
 1 一方の締約国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行わない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
 
 一方の締約国の企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行う場合には、その企業の利得のうち当該恒久的施設に帰せられる部分に対してのみ、当該他方の締約国において租税を課することができる。
となっており、米国法人の日本支店に帰属する所得のみ日本で課税できると規定されています。これを帰属主義といいます。

 2010年にOECDモデル租税条約第7条が改正され、帰属主義の厳格化が求められたのを受けて、国内法も総合主義から帰属主義へ移行しないといけないという議論があります。
(政府税調資料)※クリックする画像が拡大されます。

 国内法が総合主義から帰属主義に移行した場合、日本法人の海外支店に帰属する国外所得の計算にも影響が出ると言われています。

 帰属主義の厳格化により、海外支店を独立企業と扱うことになるため、海外子会社との取引について移転価格税制を配慮するのと同様の配慮が必要となります。

 「恒久的施設及び帰属主義への移行に関する論点整理(日本公認会計士協会)」では、以下のような点を今後の課題として挙げています。

◆単純購入非課税の原則の変更
 従来は、本店のために行う商品の購入から生じる損益を所得計算から除くこととされていましたが、このような単純購入活動から生じる損益も所得として認識することになるのではないか。

◆本支店間の内部利子、内部使用料の問題
 本支店間取引から生じる損益も所得として認識することになるのではないか。
 内部利子の金額の決定にあたっては、支店への資本の配賦を行うことになるが、その配賦方法をどう定めるか。
 内部利子を過小資本税制・過大支払利子税制により損金算入制限される利子の範囲に含めるのか。

◆本店経費の配賦の見直し
 現在は本店経費の配賦が認められているが、今後は単純なコストの配賦ではなく、本店・支店に帰属すべき費用の算定が求められるのではないか。

◆内部取引に係る文書化、移転価格税制との関係の整理
 内部取引価格の妥当性を示す文書を作成する必要が出てくるのではないか。
 本支店間取引にまで移転価格税制を適用するか否かを検討する必要があるのではないか。

◆外国法人への外国税額控除の適用
 現在は、外国法人には外国税額控除の適用が認められていないが、帰属主義の厳格化により、日本支店に帰属する国外源泉所得にも課税されるのであれば、外国法人にも外国税額控除の適用を認めないと二重課税の回避ができなくなってしまう。

◆外国税額控除制度の国外所得に係る認識時期・認識金額等の整備
 内国法人においても、所在地国において認識される海外支店の所得と、日本において認識される当該海外支店の国外所得を一致させなければ、二重課税の回避ができなくなってしまう。



13-01-09
日本版ISAの行方

 2013年末で、上場株式の譲渡益・配当に対する税率を10%とする軽減措置が廃止され、20%に戻ります。

 それを受けて、2014年から3年間、毎年100万円までの少額投資に係る譲渡益・配当について非課税とする優遇措置(=日本版ISA)が導入される予定でした。

 金融庁は日本版ISAについて恒久措置とすることを求めていましたが、本日の日経新聞では、「3年」を「5年以上」に期間延長することを検討しているとされています。

<少額投資非課税制度の概要>
予定していた仕組み検討する改正案
導入時期2014年1月
対象者満20歳以上の居住者
投資期間2016年末までの3年間5年以上に
非課税の最大投資額300万円500万円に拡大
非課税対象上場株式、公募株式投信
の譲渡益・配当
将来は公社債に拡大
配当・譲渡益の非課税期間10年5年に短縮
途中売却自由だが、売却部分の枠は再利用できない
(日経新聞より)

 非課税期間が5年に延長されるメリットよりも、10年分の配当非課税を5年分に短縮されるデメリットのほうが大きいのでは?
  →(130120日経新聞朝刊)1年目の投資額のうち100万円までは、6年目以降も非課税扱いとする方針。

 今年後半あたりから、配当割合の大きい銘柄の株価が高くなったりするのでしょうか?



13-01-08
相続税・贈与税の課税範囲が拡大?

 平成25年度税制改正にて、相続税・贈与税の課税範囲が拡大する可能性があるとのこと(T&A master No.476より)。

<改正前>


<改正後>

 ※網掛けの部分が改正。課税範囲が国内財産のみから全財産に拡大。


 日本に住んでいる親が、外国籍を持つ子や孫に対し、国外財産を相続・贈与しても課税されませんでしたが、この改正が行われると、課税されることになります。



13-01-04
今年もよろしくお願いします
 昨年は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。
 

(寒川神社の鳥居と富士山)

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