東静高速鉄道グループ資料集 - 東静高速鉄道
東静高速鉄道(とうせいこうそくてつどう)は、静岡県沼津市に本社を持つ鉄道事業者。略称として『東静電車』を使用している。現在は(旧)東静高速鉄道が純粋持株会社に移行したことにより事業を継承した完全子会社となっている。このページでは旧東静高速鉄道の前身企業である静岡東部交通及び静岡東部鉄道についても記述する。



企業データ

  • 企 業 名:東静高速鉄道株式会社(ToseiRapidTransitRailway Co.ltd)
  • 略   称:東静電車
  • 本社所在地:静岡県沼津市南来宮226-7(旧TER-NNCビル3F,4F)
  • 会社設立日:平成18年(2006年)10月4日
  • 代 表 者:代表取締役社長 笠原 浩海 
  • 業   種:陸運業
  • 事業内容 :旅客鉄道事業 等
  • 資 本 金:1億円(2009年6月現在)
  • 主要株主 :東静ホールディングス出資比率:100%
  • 従業員数 :2019人(2009年6月現在)
  • 主要取引先:東静ホールディングス、東静バス(株)、塩田鉄道、名古屋急行電鉄など

歴代社長

(静岡東部交通発足から完全持株会社移行まで)
初 代:笠松 耕一郎(静岡東部交通創業者)
第二代:野村 信五郎
第三代:美好 秀平
第四代:南野 一郎
第五代:田上 義信
第六代:高倉 憲一
第七代:秋月 百合子(東静ホールディングス 移行)

(完全持株会社移行に伴う、新規子会社として発足後)
初 代:高柳 義徳(現 東静ホールディングス副社長)
第二代:高島 聡史(現 東静バス相談役)
第三代:笠原 浩海(現職)

歴史(静岡東部鉄道時代)

  • 1930年05月14日:静岡東部鉄道株式会社設立。
  • 1935年10月19日:三島駅〜駿府丸子駅(現:静岡市駅)開業。
  • 1938年12月12日:駿府丸子駅〜(旧)掛川駅間開業。
  • 1940年10月15日:鉄道省二俣線(現:天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線)に乗入開始。
  • 1945年09月29日:静岡東部鉄道最後の営業日。日本国有鉄道二俣線との乗入廃止。
  • 1945年09月30日:事業を停止。会社再建を模索したが1946年に清算会社へ移行。
  • 1947年10月12日:清算完了。

歴史(静岡東部交通時代)

  • 1947年05月25日:静岡東部交通株式会社発足。引継に伴い鉄道線復旧事業開始に伴い再建。
  • 1954年10月21日:伊豆下田線(現在の三島線の一部及び東伊豆線全線)開業。
  • 1962年12月13日:静岡線延伸(駿府静岡駅〜新浜松駅)開業。
  • 1965年03月13日:沼津電鉄線(現:東静高速鉄道沼津線)開業。沼津駅共同駅化。
  • 1965年04月21日:三島車輌製造が静岡東部交通の傘下企業となる。同時に隣接地へ工場が移設された。
  • 1987年10月13日:神崎鉄道静神線(現:東静高速鉄道三島線)開業。静岡東海闘争事件が起こる。
  • 1990年06月14日:神崎鉄道が鉄道事業停止届出と同時に和解。双方の線路利用を目的に第三種鉄道事業者『静岡東海鉄道』を設立。
  • 1991年05月20日:神崎鉄道(既廃業)から事業一切を譲受した東海電気鉄道が営業運転を開始。
  • 2005年03月15日:東静バス株式会社発足(当社出資100%)。
  • 2006年06月20日:東静バス株式会社に自動車部の資産及び事業一切を譲渡。

歴史(旧東静高速鉄道時代)

  • 2006年10月01日:組織改編の一環として『東静高速鉄道株式会社』に社名変更。
  • 2006年10月12日:東海電気鉄道株式会社を傘下企業とし、事業再建に着手。
  • 2006年11月10日:再建の一環として東海電気鉄道から静岡県内の鉄道事業を譲受。静岡東海鉄道解散。
  • 2007年09月01日:IC乗車券『IluCa』導入。
  • 2008年03月20日:三島駅の引込み線を一部転用する形で京神急行電鉄との連絡線を建設。
  • 2008年04月21日:京神急行電鉄へ3000形電車7編成21両貸出。
  • 2008年10月14日:京神急行電鉄へ10000形電車10連3本貸出。
  • 2008年09月01日:京神急行電鉄から8000系電車3編成24両借入。
  • 2008年10月20日:4200形電車を全車、東海電気鉄道から購入。
  • 2008年10月30日:2700形電車導入。
  • 2008年11月04日:名古屋急行電鉄線との相互乗入開始。
  • 2008年11月10日:京神急行電鉄へ8000系電車全編成返却。
  • 2008年11月30日:愛佳交通から返却された2000形電車を8両固定編成化。再度運行開始。
  • 2009年04月25日:静岡空港線(東静藤枝〜東静菊川)開業。
  • 2009年06月04日:静岡空港正式開港により、空港アクセス列車運行開始。
  • 2009年06月10日:完全子会社『新東静高速鉄道』へ鉄道事業移管。純粋持株会社化とともに社名変更。

歴史(現東静高速鉄道時代)

  • 2009年05月30日:休眠会社『東海リムジンバス』を『新東静高速鉄道』へとして社名及び組織変更。
  • 2009年06月10日:完全子会社『新東静高速鉄道』が鉄道事業を引き継ぐと同時に現社名に変更。
  • 2010年03月14日:特急料金を撤廃。10両編成車両の共通運用化を行い、5200形なども特急運用に充当開始。
  • 2017年06月01日:駅ナンバリング開始。(例:三島駅TS-01)
  • 2019年07月13日:静岡線三島〜静岡市で、NK電鉄との相互直通運転開始
  • 2020年03月11日:この日をもって、NK電鉄との相互直通運転廃止。

列車種別

特急列車、快速列車、各駅停車の3つの種別を運転している。
  • 特急列車
沼津線を除く各線で運転されている。各線の主要駅に停車しながら速達で到着する列車で、まなか号及びSDLinerを除く全列車は2階建て車両を連結した10両編成で運転されており、2階建て車両は指定席となっている。尚、まなか号は6両編成のうち2両を指定席車両としている。SDLinerは9両編成で運転され、そのうち3両が指定席車両である。
現在、以下の列車が各線で運転されている。
・グランビューうみかぜ(三島線・西伊豆線・東海電気鉄道春菜線
・グランビュー静浜  (静岡線・一部列車は静岡空港線直通)
・SdLiner       (静岡線・静岡空港線)   
・まなか       (三島線・東伊豆線・愛佳交通愛佳線
平成21年3月14日ダイヤ改正より特急料金を無料化。まなか号以外の全列車が10両編成化。その運用には特急車両の他に10連の通勤車両も使用されている。尚、同年6月4日に運転を開始した静岡空港アクセス特急『SDLiner』は使用車両の関係から9両編成で運転されている。
平成30年3月17日ダイヤ改正をもって、静岡線での特急列車は全て10両編成の通勤型車両の運用へ変更され、グランビュー静浜の名称は使用中止となった。用いられていた7800形電車は運用を離脱し、8両編成に短縮、両端先頭車を展望車に改造された。
令和2年3月ダイヤ改正より、『グランビューうみかぜ』運用を改造済の7800形電車に置き換え。運用を外れた7500形も順次7800形同様の改造工事が実施される。
  • 快速
沼津線を除く各線で運転されている。
当初は各駅停車と運用を共通にして運転していたが、あまりにも好評なため増発するとともに静岡線内の快速を筆頭に2階建て車両を連結した専用車両を運用に用いることとなった。現在のところ静岡線は2階建て車両を連結した10両編成を用いて運転しているが、三島線・西伊豆線・東伊豆線は同じく2階建て車両を連結した8両編成を用いて運転されている。尚、2階建て車両については全車指定席だが普通乗車料金で乗車できる。ほとんどの快速列車は2線を跨いだ直通運転を行っており、静岡線については名急線直通の列車は8両編成で運転されており、塩田鉄道甲富線へ直通する列車は5両編成(時と場合によっては10両編成)で運転されている。尚、京神急行電鉄線へ直通する列車については現在、8両編成を主体としている。
10両編成で運転の快速列車は臨時列車を除いて消滅している。
  • 各駅停車
各駅に停車する列車で、各線区で折り返し運転を行う。特急と快速の前後に運転されており、特急や快速列車の停車しない駅と停車する駅の連絡などに使用される。一部の列車は特急車両を用いる場合があるが、それは回送を兼ねた列車であり、普通乗車料金で優等車両に乗車できることから満員となることが多い。

所有車両

特急車両
通勤車両
事業用車両

過去の在籍車両

製造メーカー

自社系列の東静車輌工業か東急車輛製造で製造されている。基本的には東静車輌工業に発注・製造するのがほとんどだが、時折東急車輛製造に製造を依頼する場合がある。割合的には8:2である。

運行路線

その他

全線でIC乗車券『IluCa』を使用する事が出来るが、名急線や塩田鉄道線へ跨ぐ場合は使用する事が出来ない。その他の東海電気鉄道線・愛佳交通線・京神急行電鉄線に関してはIluCaの利用は可能となっている。尚、現在の東静高速鉄道本社がある建物は最盛期に東海電気鉄道が沼津支社を開設した際に建設したものである。東海電気鉄道が破産に伴い東静高速鉄道の傘下に入り、静岡県内の路線を全て移管した際に引き継がれたものである。

静岡東海闘争事件

1954年10月21日に静岡東部交通が伊豆下田線(現在の三島線の一部及び東伊豆線全線)を単線によって開業していたが、 1987年10月13日に平行するように東海電気鉄道三島線が開業した事により、双方の威信をかけた乗客争奪合戦が繰り広げられることとなった。これが後に『静岡東海闘争事件』といわれる出来事の発端で、1990年06月14日に両社が和解するまで双方の列車運行妨害を初めとした多くの騒動が繰り広げられた。その中でも特に、列車の運転間隔をできる限り短くして『待たずに乗れる』政策やスピードアップなどを図って『速く快適に移動』政策などが展開された。しかし、双方の線路が単線という中で対抗していくというのは無理な話であった。和解政策後は第三種鉄道事業者『静岡東海鉄道』を設立して、平行していた線区を両社が譲渡して相互使用可能となるようにしていた。その後、2006年11月にこれまで東海電気鉄道で運行していた沼津線や西伊豆線を東静高速鉄道の路線としたことから、相互使用する理由がなくなり静岡東海鉄道は解散、三島線は東静高速鉄道の路線となった。