その他61
逆境をチャンスに変え、謎の襲撃者ヴィータを撃退したなのは。
結界は解除され、急行したフェイトやユーノ、アルフとも合流し、彼らは再会を喜び合うのだった。
しかし、団欒の時間も束の間。新たな結界が四人を戦闘空間へと隔離する。
そこで再び襲い掛かって来たのは、ヴィータの仲間であるシグナムとザフィーラであった。
今宵、二度目の死闘が開始される―――。
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「仲間の敗北は、仲間が返す―――覚悟して貰うぞ、幼い魔導師」
「……こいつぁ、なかなかグレートな状況なの」
ブレイドタイプのデバイスを構えた女戦士が放つヴィータ以上のプレッシャーを前に、しかしなのはもまた顔色一つ変えずに佇んでいた。
普段の年相応な少女の顔を消し、歴戦の猛者の如き迫力を放つなのはを見て、ユーノとフェイトは既視感を覚えていた。
(この……なのはから感じる『凄み』! 普段のなのはじゃない! 私やアルフと戦った時と同じ、なのはの中にある『何か』のスイッチが入ったんだ……ッ!)
それは、なのはが『覚悟』を決めた時の姿だった。
敵を倒す時、『必ずやる』と決めた時、いつもなのははやり遂げる『凄み』を持っていた。
フェイトは普段の優しいなのはの方が好きだったが、今この状況で、今の状態のなのはほど頼もしい存在はいないッ! そう確信もしていた。
「な、なのは……」
「フェイトちゃん。私はこの結果を破壊する為に『スター・ライト・ブレイカー』の用意をしなくちゃあいけない。
だから、ユーノ君達と協力してあの二人と戦って。もちろん、倒しちゃってもいいよ……」
シグナム達を睨んだまま、振り返りもせずに言い切るなのはの自信に満ち溢れた姿。
その姿を見る度に、フェイトは憧れを抱き、同時に自分がどうしようもなく弱気になるのを感じていた。
なのはは偉大だ。とても同い年の少女とは思えない。そんな彼女の『心の強さ』に、フェイトはいつも縋りそうになってしまうのだった。
「で、でも……なのはァ……。
あ、あんまり私に期待しないでよ……私なんかに。結界は私が壊すから、なのはが戦った方がきっと勝ち目も大きいと思うし……」
かつて『母親の為』ならば冷徹な戦闘マシーンのようになれたフェイトも、その母を失ってからはもはやあの時の仮面を被れなくなっていた。
すぐ傍に、なのはという大きな存在がいる事も原因だ。
泣き言を漏らすフェイトに振り返ると、なのははそっと手を伸ばす。
フェイトは殴られると思った。なのはが自分を叱責する時、いつもまず一発入れてから目を覚まさせるのだ。
しかし、なのはは殴る事などせず、フェイトの顔に両手を添えると、互いの額をコツンとつき合わせて視線を合わせさせた。
あまりに近いなのはの顔に、そして覗き込む思わぬ優しい瞳に、フェイトの頬は赤く染まる。
「フェイト、フェイト、フェイト、フェイトちゃァ〜ん。
わたしはフェイトちゃんを信じてるの。わたしがいつも怒ってる事なら……『自信を持って』
フェイトちゃんのスピードや魔法は、その気になれば何者にも負けない能力なんじゃあない? そうでしょ?
『自信』を持っていいんだよ! フェイトちゃんの魔法をね―――」
「そ……そうかな?」
「そうだよ」
たったそれだけのやり取りの中で、フェイトの中にみるみる『自信』が湧いてくるのを感じた。
使い魔の自分を差し置いての会話に、面白くなさそうな表情をするアルフ。彼女はフェイトの支えになっているなのはという少女が苦手だった。
「……茶番だな。お前は戦わないのか? そこの情けない小娘に任せて、お前はどうする?」
なのはとフェイトの会話を聞いていたシグナムが嫌悪を露わに吐き捨てる。
自分の意思で戦えない者は、彼女にとって未熟者でしかなかった。
「フェイトちゃん、任せたよ」
「わ、わかったよ、なのは!」
なのははシグナムの挑発を無視し、SLBを撃つ為に手ごろなビルの屋上まで移動していく。
完全に背を向けた無防備な後姿を隠すように、バルディッシュを構えたフェイトが立ち塞がった。
「アナタの相手は、私です」
「貴様はあの魔道師の部下か?」
「違う! 私は……『友達になりたい』と、思っています」
「……茶番だ」
シグナムは吐き捨て、次に瞬間フェイトに襲い掛かった。
同時に、アルフとユーノもザフィーラと戦闘を開始した。
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結界は解除され、急行したフェイトやユーノ、アルフとも合流し、彼らは再会を喜び合うのだった。
しかし、団欒の時間も束の間。新たな結界が四人を戦闘空間へと隔離する。
そこで再び襲い掛かって来たのは、ヴィータの仲間であるシグナムとザフィーラであった。
今宵、二度目の死闘が開始される―――。
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「仲間の敗北は、仲間が返す―――覚悟して貰うぞ、幼い魔導師」
「……こいつぁ、なかなかグレートな状況なの」
ブレイドタイプのデバイスを構えた女戦士が放つヴィータ以上のプレッシャーを前に、しかしなのはもまた顔色一つ変えずに佇んでいた。
普段の年相応な少女の顔を消し、歴戦の猛者の如き迫力を放つなのはを見て、ユーノとフェイトは既視感を覚えていた。
(この……なのはから感じる『凄み』! 普段のなのはじゃない! 私やアルフと戦った時と同じ、なのはの中にある『何か』のスイッチが入ったんだ……ッ!)
それは、なのはが『覚悟』を決めた時の姿だった。
敵を倒す時、『必ずやる』と決めた時、いつもなのははやり遂げる『凄み』を持っていた。
フェイトは普段の優しいなのはの方が好きだったが、今この状況で、今の状態のなのはほど頼もしい存在はいないッ! そう確信もしていた。
「な、なのは……」
「フェイトちゃん。私はこの結果を破壊する為に『スター・ライト・ブレイカー』の用意をしなくちゃあいけない。
だから、ユーノ君達と協力してあの二人と戦って。もちろん、倒しちゃってもいいよ……」
シグナム達を睨んだまま、振り返りもせずに言い切るなのはの自信に満ち溢れた姿。
その姿を見る度に、フェイトは憧れを抱き、同時に自分がどうしようもなく弱気になるのを感じていた。
なのはは偉大だ。とても同い年の少女とは思えない。そんな彼女の『心の強さ』に、フェイトはいつも縋りそうになってしまうのだった。
「で、でも……なのはァ……。
あ、あんまり私に期待しないでよ……私なんかに。結界は私が壊すから、なのはが戦った方がきっと勝ち目も大きいと思うし……」
かつて『母親の為』ならば冷徹な戦闘マシーンのようになれたフェイトも、その母を失ってからはもはやあの時の仮面を被れなくなっていた。
すぐ傍に、なのはという大きな存在がいる事も原因だ。
泣き言を漏らすフェイトに振り返ると、なのははそっと手を伸ばす。
フェイトは殴られると思った。なのはが自分を叱責する時、いつもまず一発入れてから目を覚まさせるのだ。
しかし、なのはは殴る事などせず、フェイトの顔に両手を添えると、互いの額をコツンとつき合わせて視線を合わせさせた。
あまりに近いなのはの顔に、そして覗き込む思わぬ優しい瞳に、フェイトの頬は赤く染まる。
「フェイト、フェイト、フェイト、フェイトちゃァ〜ん。
わたしはフェイトちゃんを信じてるの。わたしがいつも怒ってる事なら……『自信を持って』
フェイトちゃんのスピードや魔法は、その気になれば何者にも負けない能力なんじゃあない? そうでしょ?
『自信』を持っていいんだよ! フェイトちゃんの魔法をね―――」
「そ……そうかな?」
「そうだよ」
たったそれだけのやり取りの中で、フェイトの中にみるみる『自信』が湧いてくるのを感じた。
使い魔の自分を差し置いての会話に、面白くなさそうな表情をするアルフ。彼女はフェイトの支えになっているなのはという少女が苦手だった。
「……茶番だな。お前は戦わないのか? そこの情けない小娘に任せて、お前はどうする?」
なのはとフェイトの会話を聞いていたシグナムが嫌悪を露わに吐き捨てる。
自分の意思で戦えない者は、彼女にとって未熟者でしかなかった。
「フェイトちゃん、任せたよ」
「わ、わかったよ、なのは!」
なのははシグナムの挑発を無視し、SLBを撃つ為に手ごろなビルの屋上まで移動していく。
完全に背を向けた無防備な後姿を隠すように、バルディッシュを構えたフェイトが立ち塞がった。
「アナタの相手は、私です」
「貴様はあの魔道師の部下か?」
「違う! 私は……『友達になりたい』と、思っています」
「……茶番だ」
シグナムは吐き捨て、次に瞬間フェイトに襲い掛かった。
同時に、アルフとユーノもザフィーラと戦闘を開始した。
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2007年07月01日(日) 09:21:25 Modified by beast0916