フルメタルまじかる3話

フルメタルまじかる 3ふもっふめ

グラーフアイゼンの言葉通り、はやては残りの騎士達全員を呼び、士郎たちにも話がわかるようにグラーフアイゼンがいている事をそのまま話すはやて。
ヴィータがなのはを見つけ、一緒に帰ろうとしたときに、急に誰かの襲撃を受けた。
魔力を感じられず、急な事だったのでグラーフアイゼンも対応が遅れた。
その後、ぴくぴくと痙攣しながら動かなくなった二人を、奇妙な格好をした男が二人をかばんにいれ、途中で現れた美由希と何かを話していて、その後彼はこの場を立ち去った。
グラーフアイゼンの話によれば、銃での狙撃だが血は出ていないため実弾ではないと想像し、まだ生きていると予測している。
「あのお……」
そういって、フェイト達も学校で起きた事を話した。
「ちょっとなのはをからかおうとして……黙っていてごめんなさい!」
アリサたちは必死で士郎たちに謝る。
まあ、過ぎた事は悔やんでも仕方がないので、とりあえず今度の事を考える。
(何とかせな……なんとか……)
「主、落ち着いてください」
はやては今あせっていた。
大事な家族が、大事な妹が危ない目にあっている。
なんとしてでも助けたかった。
一方、高町家でも心配と焦りが見えたが、その中士郎と恭也は落ち着いていた。
流石、もとしていた職業をしているだけのことはあるし、その血を受け継いでいる息子だった。
そのとき……
(はやて、はやて!)
ヴィータははやてたちに念話で話しかける。
(ヴィータ!よかった、無事やったんやな……)
ヴィータの無事にほっと一息つくはやて。
(ヴィータ、なのははいる?)
フェイトと言葉に、ヴィータはああという。
(今あたし等を連れ去った変なぬいぐるみと話を(バン!バン!バン!)うわ!?)
(ヴィータ!?)
突然銃声のようなものが聞こえ、慌てるはやて。
何で銃声なんかが聞こえてくるのだろうか。
どおぉん
続いて、念話なのに何故か爆発音も聞こえる。
(うぐ……ひっく……)
ふと、念話上でヴィータの泣き声が聞こえた。
確かにヴィータは見た目は小さいとはいえ、ずっと数々の主に仕えてきた歴戦の戦士。
そんな彼女が思いっきり泣いているのだ。
(は、はやてちゃん、フェイトちゃん……)
そんなヴィータに変わって、なのはが皆に念話を送る。
(なのはちゃん、何でヴィータが泣いとるん!?)
少々取り乱しているはやてはほぼ叫びながらなのはに言う。
(それが……大体の事はヴィータちゃんから聞いてると思うけど……私達の服に爆弾がつけられてるらしくて……)
「ば、爆弾!」
はやての叫びに桃子たちは驚く。
なのはもかなり不安そうな声をする。
なのははすべての事情を話した。
任務の帰りに空を飛んでいるところを取られて、その事で向こうは独自に調べていてなのは達を捕らえ、事情聴取をしているらしい。
事情聴取と言うよりは尋問に近い(というより尋問)
さらにもう一度の爆発。
翠屋対は騒然とする。
だが、うかつに警察を連絡する事もできない。
なのはとヴィータをさらい、さらった理由が「空を飛んでいて、その理由を聞いていた」なんていったら警察も信じてはくれないし、魔法の説明もしなければならない。
こうなると後々が面倒なので、自分たちだけで解決しなければならない(リンディとクロノを含むアースラ組は、
ただいま本局でアースラの定期的が行われているので今はいない)
その中で、シグナムが動く。
(主、私が探してきましょう、グラーフアイゼンの情報が確かなら、そこまで遠くへは行ってないはずです)
そういってシグナムはなのはに問う。
(高町、今自分がどのようなところにいるかわかるか?)
(はい、多分倉庫のようなところだと思いますけど他には……)
(わかった、それさえわかればだいぶ絞り出せる)
そういってシグナムは念話を切り、フェイトを見てる。
「テスタロッサ。私は海岸線の倉庫を調べる。お前は内陸部の倉庫を調べてくれ。」
「わかりました」
そういってフェイトはアルフとともに行こうとしたとき
「シグナム、私も連れてって」
と言うはやての言葉にシグナムは驚く。
まだはやては自分専用のちゃんとしたデバイスを持っていないし、そんな危ないところへは行かせたくはない。
「ヴィータが危ない目にあっとんのに、こんなところでまっとくんは嫌なんや」
「……わかりました。ですが、無理はしないでください。何かあればすぐに私を呼んでください。すぐに駆けつけます」
シグナムはあまり乗り気でなかったが、シグナムはいい事を思いついた。
シグナムの言葉にありがと、といって彼女の後をついていく。
こうして二班に分かれてのなのは、ヴィータ救出作戦が開始された。

(ヴィータちゃん、もうすぐシグナムさん達が助けてきてくれるから)
まだないているヴィータに、なのはは少しでも泣き止んでもらおうと助けの事を待つ。
(助けって、はやても来るのか?)
(そこまではわかんないけど……少なくともシグナムさんは確実に助けに来るよ)
そういうと、二人は宗介の方を見る。
「ふもふも、ふもっふ(まだ白を切るつもりか?)」
さっきからずっと黙っている二人を見て、宗助はしょうがないといいながらもう一つのスイッチを押そうとする。
「ふもふもっふ(スイッチの残りは後4つ)」
カチ
ドカアン
今度は二人のすぐそばで爆発が起こり、爆発で生じた熱風が二人を襲う。
「て、手前……」
ヴィータは相手を睨むが、まだ泣きべそをかいている。
流石のなのはも涙が再び浮かぶ。
普通ならここで相手は少しは戸惑うものだが……
「見事は演技だ。しかし、俺にはだます事はできない」
といって拳銃を突きつけたままなのだ。
相変わらずすごい主人公である。
(こうなったら……)
なのはは少し意識を集中させると、自身の体が少し浮いた。
「ふもふももっふ(いまさら何をする気だ?)」
そういって宗介はなのはに銃を向ける。
このとき、宗介はわからないが、なのはは周囲に魔力を放出している。
それで少しでも早く助けている人に気付いてもらおうと思っているのだ。
そのなのはその行為は吉とでた。
がしゃあん!と、天井が崩れる音がする。
「ふも!?(なに!?)」
宗介は天井を見上げると、何かが突撃してくる。
宗介はそれを横っ飛び回避すると、何かが床に激突し、粉塵が舞う。
その方向に向かって宗介はバン、バンと銃を放つ。
キィン、キン
粉塵が止むと、そこには女性が立っていた。
さっき宗介が放った銃も、どうやら彼女には命中していない。
避けられたか……
(コイツ…できる……)
宗助は銃を構えたままその女を見た。

シグナムは翠屋を出て、はやてをつれて近くの海岸線の工業地帯を回っていた。
そしてはやてがあせりながらいろいろと探す。
「主、そこまで急がなくても。気持ちはわかりますが、ばれてしまっては元も子もありません」
だが、はやての気持ちが十分わかる。
もし捕まっているのがはやてなら、自分もおそらく少しは動揺するかもしれない(それよりも怒りが勝ちそうだが……)
その時だった。
シグナムは微弱ながら魔力反応を感じた。
「主、この反応は」
「うん、間違いない、なのはちゃんのや」
二人は魔力が感じたところへ向かう。
(テスタロッサ、聞こえるか?……テスタロッサ?)
シグナムはフェイトを呼ぼうとしたのだが、なかなかつながらない。
それは、数分前にさかのぼる。

フェイトとアルフの二人は内陸部の倉庫をくまなく探していた。
そのうちの一つを調べようとしていた。
倉庫の規模を聞くのをすっかり忘れていたので、とりあえず片っ端から探す事にしたフェイト。
ちなみに、バリアジャケットを他人に見られるわけには行かないので、今フェイトは私服姿である。
「ここって、確かガッコウだよね?」
アルフの言葉に、フェイトはうんと頷く。
どうやら高校というところみたいであった。
フェイトはその高校、陣代高校の倉庫を調べるためにそこへ追いこうとしたときだった。
「そんなところで何をしておる?」
誰かに呼び止められ振り向くと、そこには一人の老人がいた。
「私はフェイト・テスタロッサです。えっと…あなたは?」
「わしか、わしはこの学校で住み込みで用務員を務めておる大貫善治じゃが…こんな小さなお嬢ちゃんががこんな夜中に何をしておる?」
夜中といっても、まだ8時なのだが、まあこんな時間帯に小学生が一人でいるのもおかしいのは確かだ。
「えっと、私達は友達がいなくなったから探してて……それで電話をしたら、
倉庫のようなところで閉じ込められて、鍵がしまって開かなくなったので助けてって言われて……」
フェイトは事情を混乱させないように少しアレンジして話す。
「そうか、ちょっと待ってなさい、今倉庫の鍵を持ってきてあげよう」
そういっ大貫は用務員室に戻っていく。
ふう、とフェイトは一息入れると、アルフがいない事に気づく。
「アルフ、どこいったんだろう?」
アルフはきょろきょろと辺りを見渡すと。
「フェイト、こっちこっち」
そういって声のほうを向くと、アルフは何か魚を銜えていた。
「あ、アルフ、その魚は?」
「え、これのことかい?いやあ、ちょっとおなかが空いちゃって、ふと見ると池においしそうな魚が……」
「だ、だめだよアルフ、それ人のものだから」
フェイトはアルフのしたことに思いっきりしかる。
「とりあえず、あとで用務員さんにちゃんと言って謝らなきゃ」
それと同時に、大貫がやってきた。
「鍵を持ってきたよ……早く行こうか……」
ただ、さっきとは管理違う雰囲気に少し戸惑うフェイトだが、彼の後へとついてく。
そして鍵を開けてもらい、中にはいるが、結局二人はいなかった。
大貫に話して別の場所を探そうと思っていたときだった。
ガチャリ、と大貫は鍵を閉めてしまったのだ。
「あの?」
フェイトは大貫に尋ねようとするが、彼はゆっくりと倉庫で何かを探す。
「そこの女性が食べていた魚……」
探しながら大貫はアルフが食べていた魚の話をする。
「名前をジェニファーといってね、16年前からずっと孫のように丹精込めて大切に育てていてね、ゆくゆくはギネス申請も夢ではなかった」
その話を聞いて脂汗を浮かべるアルフ。
「ご、ごめんなさい!」
アルフは正直に謝る。
だが……
「いや、君のいいたいこと話さっきの事ですべてわかった。
フェイトちゃんだっけか、君が私を用務員室へ連れて行って、その隙に彼女がジェニファーを捕らえ、食べた」
「あの、大貫さん?」
いきなり妙な事を言い出す大貫に、フェイトは戸惑う。
押しておもむろに何かを取り出す大貫。
それと同時に、ブルォーーーーーーン!どっどっどっど!とけたたましい音が聞こえる。
「ジェニファーの無念、晴らさなければならない。悪いけど、君達には死んでもらうよ。」
そういって、大貫さんはフェイトの前にごついチェーンソーを見せる。
二人はそれを見て愕然とする。
「キルゼムオール、ダーイ(皆殺しだ、死ね)」
狂気と化した大貫善治が二人に襲い掛かる。
それと同時に爆発が起こる。
こうしてフェイトとアルフは宗助と椿ですらかなりてこずる(ボン太装備でも一人で勝てるか不明)相手と戦う事になる。

と言うことがあり、フェイトは念話をする暇もなく大貫さんと戦っている。
だが、そんな事はわかるはずもないシグナム。
「テスタロッサも何かあったのか?」
だが、テスタロッサのことは心配ないし、アルフもいるので大丈夫だろうとシグナムは判断する。
「主、少々荒めにいきますので離れていてください」
そういってシグナムはレヴァンテインを構える。
「はあ!」
目標を見据え、突撃する。
倉庫の天井を破ると、そこにはなのはとヴィータがいた。
どうやら正解のようだ。
(何だあれは?)
シグナムは二人の前に立つ奇妙なぬいぐるみを着ている奴が居た。
おそらくそいつの仕業だろうとシグナムは剣を振るう。
だが、向こうはそれを察知してさっと回避する。
ぬいぐるみは避けた後シグナムにめけて発砲。
シグナムはそれをすべてレヴァンテインで叩き斬った。
(見た目によらずいい動きをしている……手は抜けんな)
シグナムはレヴァンテインを構える。
「なのはちゃん!ヴィータ!」
シグナムに続いて、はやてもシグナムから空けた天井からやってきた。
「はやて!!」
早敵が来た事でヴィータ顔が笑顔になる。
しかし……
「ふも」
ボン太君はさっきまで塚手いたのとは、別のスイッチを押した。
それと同時に、ういーーーんと、縄が移動し、なのは立ちは宙吊りになる。
「なのはちゃん、ヴィータ!」
はやてが二人のところへ向かおうとしたとき。
「ふもっふ!(動くな!)」
と静止するが、はやてとシグナムには通信機がないのでそんなの話わからない。
「何を言っているんだお前は?」
未だに事情を読み込めないシグナム。
「ふもふもふもっふ(警告を無視したな、ならば……)
そういって例のスイッチを押す。
ドカアン。
今度はシグナムの近くで爆発する。
「シグナム!」
はやてはシグナムのほうへ向かおうとするが。
「ふもふもふもお(動くな、動けばこの少女達につけられている爆弾を両方とも爆発させるぞ)」
相変わらずふもふもしか言わないので、さっぱりわからないはやて。
そこでなのはが通訳をする事に。
「えーと、動けば私達にはめ込まれてる爆弾を同時に爆発させるって……」
なのはの言葉を聞いて歯軋りするシグナム。
「貴様……卑怯者め……」
一方はやては叫びながら宗助に尋ねる。
「なんで、何でこんなことするん!?一体二人が何をしたん!?」
はやての言葉に、宗助は頷きながら答える。
「ふもふもふもっふ。ふもふもも。ふもふもも(貴様らが何か特殊な組織に入っている事は明らかだ。だから正直に答えればそれだけでいい。
それなのにこいつらは、魔法少女などというわけのわからない言葉を……)」
その時だった、がしゃあん!とけたたましい音が倉庫に響き渡る。
なんだ!?と思い音のするほうへと向くとそこには……
「ふもふもっふ!?(M6…ブッシュネル!?)」
一体誰がそんなものを、と思っていたら、そのオペレーター(操縦者)が通信を入れる。
「やっほーなのはちゃん、助けに来たよ」
その声を聞いて、なのはのほうも唖然とする。
「し……忍さん?」

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2007年06月27日(水) 21:58:29 Modified by beast0916




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