リリカルマンモス&オメガ2話

「大変だー! アースラに賊が侵入したー!」
「賊はなのはちゃんがここに来る際のゲートを逆に利用したと思われます。」
時空管理局の時空航行艦アースラ艦内では大騒ぎとなっていた。
そして、マンモスマンとオメガマンの二人は武装局員に包囲されていた。
「ゲェェェェェ!! 何か俺達包囲されてる!」
「ちょっと待て! 一体何の騒ぎだ?」
「俺達は女の子が落としたハンカチを届けに来ただけなのに何故こんな事に?」
ワケの分からないままマンモスマンとオメガマンの二人は逮捕、投獄されてしまった。

「ゲェェェェ!! 何か俺達いつの間にかに逮捕されちまってる!」
「ゲェェェェ!! このままじゃあの女の子にハンカチが渡せない!」
牢屋の中で頭を抱えながらそんな事を騒ぐマンモスマンとオメガマンだったが、
直ぐに冷静さを取り戻していた。
「まあいいや、こんな牢屋簡単に壊せるし。」
「少し一休みしてからあの女の子を探しに行くとしよう。」
と、そんな感じで二人はくつろぎ始めてしまった。

一方その頃、マンモスマンとオメガマンが追い駆けていた少女=高町なのはは
友人であるフェイト=T=ハラオウンに泣き付いていた。
「突然マンモスみたいな人とライフル背負った骸骨顔の人が追い駆けて来て…怖かったよぉ!」
「なのは…もう大丈夫だから…安心して…。」
フェイトは泣いているなのはの頭を撫でて励ます。
「でも…何故突然追い駆けて来たんだろう…しかもアースラ艦内にまで…。」
「え!? ここまで追い駆けて来たの!?」
「うん。なのはがアースラに入る時に使用したゲートを利用して侵入したらしいの。」
「ええ!? じゃ…じゃあ…私大変な事に…。」
なのはは真っ青になっていたが、フェイトは微笑みながらなのはの頭を撫でた。
「大丈夫。武装局員が包囲して逮捕したらしいから。とりあえず一通り拘束してから
元の世界に釈放すると思うよ。」
「何だ…良かった〜。」
なのははほっ胸を撫で下ろしていた。

アースラがミッドチルダ時空管理局まで帰還した後、マンモスマンとオメガマンも
そこに収容されて取調べを受けさせられていた。
「ゲェェェェ!! 俺達何か取り調べとか受けさせられてるー!!」
「すげぇな! 取調べなんて刑事ドラマでしか見た事無いぞ!」
「静かにしろ!」
緊張感の欠如した態度を取るマンモスマンとオメガマンに、何故か二人の
取調べをする事に決まったクロノ=ハラオウンが机を叩いていた。
「とりあえず…名前は?」
「マンモスマン。」
「オメガマン。」
「…。」
クロノは暫し沈黙した。何故両方とも名前に「○○マン」が付くのかと…
「職業は?」
「超人レスラー。」
「宇宙ハンター。」
「…。」
やはりクロノは沈黙した。何だその超人レスラーとか宇宙ハンターってのはと…
「出身地は?」
「ユーラシア大陸。」
「オメガ・ケンタウルス星団。」
「…。」
クロノはやっぱり沈黙。マンモスマンはユーラシア大陸とかなりアバウトであるし
何よりオメガマンの出身のオメガ・ケンタウルス星団って何だよと…
「それより俺達が今いる場所は一体何処なんだ?」
「そうだ! 俺は宇宙ハンターとして宇宙各地を飛びまわって宇宙事情には詳しいつもりだが…
こんな場所は見た事も聞いた事も無い。かと言って超人墓場とかとも違うしな〜。」
「ここはミッドチルダ。君らがいた宇宙とは別次元に存在する世界だよ。」
「何!? それが本当だとして…そんな場所に俺達を連れ去ってどうするつもりだ!?」
「無理矢理我々の艦に侵入したのは君達じゃないか! 普通なら重罪だぞ!」
「いや、あれは事故だ! 女の子が落としたハンカチを届けようとして追い駆けてて、
気付いたらあんな事に…。」
「そうだ! その女の子にこのハンカチを見せれば分かる!」
マンモスマンとオメガマンはなのはのハンカチをクロノに見せて力説するが、
クロノはまともに信じてくれる様子は見せてくれなかった。
「確かに高町なのははウチの局員の一人だ…。しかしそのハンカチが彼女の物で
あると言う証拠が何処にある? 君達はアースラに密航してテロ活動をしようとしたのでは無いか?」
「だからそんな事するつもりは無いって!」

結局話は纏まらず、続きはまた今度と言う事でマンモスマンとオメガマンは
局内の留置所に拘束されていたのだが、二人は暴れる事も無く大人しくしていた。
「ま…こんな牢屋なんか簡単にこじ開けられるんだがな…。」
「だがこの世界がどういう所なのかってのを把握するまでは下手に動かない方が良いだろうな。」
二人の内、特にマンモスマンは見て分かる程の怪力超人だが、決して単なる怪力馬鹿と言うワケでは無い。
知性の神に見出されて知性チームとして戦った事もある超人だ。だからこそその知性によって、
その気になれば脱獄など容易いが、今はまだその時では無いと言う事で
留置所の中でくつろぐ道を選んでいた。勿論今は…だが…。

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2007年08月06日(月) 12:43:42 Modified by beast0916




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