本家保管庫の更新再開までの暫定保管庫です。18歳未満立ち入り禁止。2013/2/15開設

「……来たか」
「薺さん!」
店内で見知った姿を認めて私は駆け寄る。
駅近くにあるこのカフェで、薺さんは私の下校時間を待っていてくれていた。

「お待たせしてすみません」
「こっちが呼び出したんだ。私こそ急に呼びつけて悪かったね」
「いえ。あ、この間のクリスマスの、びっくりしました! まさか早乙女先生と出場するなんて」
「あんな面白いイベント、出ないわけにはいかないだろ。……ま、その話は置いといて」
薺さんがじっと見つめてくる。
「お前、男鹿が好きなんだろう?」
「え……」
急にそんなことを言われて、私は思い切り動揺する。

「いえっ! あの、えーと……」
顔の前で両手をブンブンと振りながら、どう答えようか考える。
「私の前で隠す必要はないよ」
薺さんが優しく微笑む。
「……」
「あいつが好きなんだよな?」
あらためて問われて。私は観念した。
「……はい」
こくりと頷いた。

「やれやれ……」
薺さんはジャケットのポケットを探る。
「ほんとに……昔の私そっくりだよ、あんたは」
「えっ?」
「これやるよ」
テーブルに置かれたのは、小さく折り畳まれた紙包みだった。

「これは……?」
「開けてみな」
そううながされて、私は包みを手に取って開く。
一瞬何も入っていないと思ったが、よく見ると数ミリ程の小さな薬らしき物が1粒入っていた。
「島に古くから伝わる媚薬だよ」
「媚薬?」
「ホレ薬さ」
「ホレっ!?」
一気に顔が熱くなる。

「男鹿は鈍感だしあんたは真面目過ぎるし。このままだといつまで経っても進展しないよ」
「でも、惚れ薬って……」
「ちょっと薬の力を借りるだけだよ。効果は1時間。
束の間の恋人気分を楽しむも良し。なんなら、押し倒して既成事実を作っても……」
「押し倒し!? 既成事実っ!?」
自分には刺激の強い単語が次々出てきて、頭の中は軽くパニック状態になる。

「とにかく」
薺さんは真剣な顔になる。
「あいつのことが本当に好きなら、ちゃんと行動に移しな。大人になってから後悔しても遅いんだから」
「薺さん……」
きっとこれは自分の経験からのアドバイスだ。
私はしっかりと頷き返す。
「ありがとうございます。頑張ります」
「……よし」
そう言うと、目の前の先輩は満足そうに微笑んだ。

「それで、この薬の詳しい使い方だが――」



――翌日。
私は聖石矢魔の調理実習室にいた。
私用で放課後の実習室を借りたいと申し出ると、あっさり借りることができた。
まずは第一段階突破だ。
手際良くコロッケのタネを作っていく。

後20分ほどでここに男鹿が来る約束になっている。
作りながら昼休みのことを思い返す。

「男鹿、ちょっといい?」
「おう」
「あの……今日の放課後、空いてる? 料理の練習の為に、試食をお願いしたいの」
「いいぜ」
「寧々たちにも頼んだんだけど、みんな都合つかなくて……って、え、いいの?(そんなあっさり……)」
誘う理由を色々考えてから挑んだのだけど、拍子抜けするほど簡単に約束を取り付けることができたのだった。

最後のコロッケを丸めると、薬を取り出す。
効果は1時間。食べた後最初に触れた人に惚れる、だったわよね……。
慎重に薬をコロッケに埋め込む。
「……これで良し」

パン粉をつけたコロッケを全て揚げ終わり、冷蔵庫からあらかじめ作っておいたサラダを取り出していると、男鹿が入ってきた。
「おっ、コロッケじゃねーか。うまそーだなー」
「ダーッ!」
「そ、そう?」
思いがけず男鹿に褒められて、少し嬉しい。

早速座ろうとする男鹿に、普段のクセが出てしまった。
「食べる前にちゃんと手を洗うのよー」
「お前……お母さんみてーだな」
しまった、光太にいつも言ってるからつい……。
「ほ、ほら! ベルちゃんいるんだから、男鹿が日頃からお手本見せないと! ね?」
あたふたと言い訳をする。

男鹿は聞いてるのか聞いてないのか、素直に手を洗うと私の向かいに座る。
「んじゃ、いただきまーす」
「はい、召し上がれ」
箸を手に取る男鹿を見て、あることに気が付く。
「あ、男鹿、食べてる間ベルちゃん預かっておこうか?」
今日のベルちゃんは、男鹿の頭にのっている。

「問題ねーよ。いつものことだし」
こっちが良くないのよっっ!
私は慌てる。このままコロッケを食べられたら、男鹿はベルちゃんに惚れることになってしまう。
「でっ、でも、食べにくそうだし……。それに、なんだかベルちゃん眠そうよ? 寝かしつけた方がいいんじゃないかしら!?」
ごめんベルちゃん……。
実際のベルちゃんは、眠そうどころか目をきらきらさせてこちらを見ている。
だけど男鹿には、頭の上のベルちゃんの表情はわからない。
「そうか? じゃあ頼むわ」
と何の疑問を持つこともなく、私に預けてきた。

ふぅ、危なかった。
ベルちゃんを胸に抱きながら、男鹿が食べるのを見守る。
「うめーな、これ」
本当においしそうに食べるのを見て、私は嬉しくなる。
見る見る内にコロッケは最後の1つになる。

「ダッ!」
それまでおとなしくしていたベルちゃんが、男鹿の方に手を伸ばす。
「お、お前も食うか?」
男鹿はコロッケを箸で一口サイズに切ると、ベルちゃんに食べさせた。
本当の親子みたいね。
私はそんな二人を、微笑ましく見つめていた。

「ふー食った! ごっそーさん! うまかったぜ」
「ありがとう」
男鹿をじっと見る。見たところ特に変化はないようだ。
薺さんは即効性があるようなこと言ってたけど。もう触っていいのかしら? 不自然にならないように触らないと。
そんなことを思っていると、何やら胸に違和感を感じる。

「べ、ベルちゃん!?」
「アー」
違和感の正体はベルちゃんだった。いつもそんなことしないのに、今日はしきりに私の胸に触れてくる。
ベルちゃんの目はとろんとして、顔もほんのり赤い。
「何やってんだベル坊」
男鹿はまだ、ベルちゃんの様子がおかしいことに気付いていない。
一方私は、その変化の理由に思い当たる。
ひょっとして、ベルちゃんが食べたコロッケに薬が? ……ということは、私ベルちゃんに惚れられてるの!?

ビクン!
ベルちゃんの手が時折、服の上から敏感な箇所をかすめる。
やだ、赤ちゃんに触られて何反応してんのよ!
媚薬の効果なのか、ベルちゃんは赤ちゃんとは思えないほど徐々に、的確に私の感じる箇所に触れてくるようになった。
んん……ベルちゃん上手……じゃあなくてっっ……!

「……ベル坊?」
どうしよう、男鹿が不審に思い始めてる……!
「お、男鹿っ! ベルちゃんミルクが欲しいんじゃないかしら!?」
「ミルク? つっても、いつもミルクが欲しい時ってそんな風じゃねーんだけど……」
「ひゃんっ!」
「うお!?」
ベルちゃんが私の乳首のある辺りを強く握ってくる。
ああ、だめ、早くベルちゃんの気をそらせないと……。
「男鹿ぁ、早く……っ」
必死に懇願すると、男鹿は慌てて立ち上がった。
「わ、わかった! 今用意するからちょっと待ってろ!」


何がなんだかわからないが邦枝に涙目で頼まれたオレは、彼女に背を向けると急いでやかんに水を入れ、湯の準備を始めた。
粉ミルクを溶かし、程よい温度まで冷めたのを確認すると、振り返る。
「よし、出来たぞ! ……って、ぶはぁっ!」
ミルクを作っている間に、後ろはとんでもないことになっていた。
邦枝のブラウスは下着ごとずり上げられ、あらわになった胸にはベル坊が吸い付いていた。

「どっ、どっ、どーしてこうなったぁっっ!!」
「やぁっ……見ないで……っ」
邦枝の頬は、恥ずかしさからか赤く染まっていた。
「見るなって言われても……おいベル坊何してんだ、離れろっ!」
ベル坊を引き離そうとするが、こいつはひしっと邦枝にしがみついて離れない。
「てんめぇぇ〜、いい加減にしろよ……!」

オレとベル坊がぎりぎりと攻防戦を繰り広げていると、次第に奴が涙目になっていく。
「アウ……」
「げっ! 泣くなベル坊っっ!!」
邦枝に密着している状態で泣かれるのは非常にマズイ。
慌ててベル坊をなだめにかかる。
「よーし、ベル坊落ち着け……落ち着けよー?」
「アイ……」
「ふぅ、危なかったぜ」

とりあえず電撃が放たれるのは阻止したものの、事態は一向に好転していない。
「やんっ、だめぇベルちゃん……あんっ」
どうしたものかと考えあぐねるが、邦枝の喘ぐような声が気になって集中できない。
ぐっ、あんまり可愛い声あげんなよっっ。

視線を感じてベル坊を見ると、仲間になりたそうに……もとい、何か言いたげにこっちを見ている。
「なんだよ、ベル坊……」
「アダッ!」
ベル坊は得意の(?)ジェスチャーで伝えてくる。
「なになに? テクニック/勝負で/オレが/勝ったら/邦枝を/譲ってやる?」

オレは無言でベル坊に歩み寄ると、頭をはたく。
「アホかっっ(ベシッ!)」
「ウ〜……」
ベル坊は不満げに見つめ返してくると、再び邦枝の胸に顔をうずめる。
何のテクニックだよ! そもそもどうやって勝ち負け決めんだ。邦枝に判定してもらうのか!?

「あっ……男鹿……っ、ベルちゃんの……はぁ……言う通りに……っ」
「はあ!?」
邦枝がとんでもないことを言ってくる。
「このままだと……私……おかしくなっちゃう……!」
おかしく!? おかしくって、どうなっちまうんだよっ!?
オレはうろたえるが、本当に辛そうに荒い呼吸を繰り返す彼女を見て、覚悟を決める。

「よくわかんねーけど、と、とにかくベル坊に勝てば離れるんだよな? よ、よーし、やってやろうじゃねーかっっ」
ベル坊が吸い付いていない方の胸にそろそろと手を伸ばすと、おそるおそる触れる。
「ふぁっ」
敏感に反応した邦枝が短く声をあげる。
オレは形を確認するように彼女の胸を手で包み込むと、力を入れすぎないよう気をつけながら揉んでみる。
……やわらけぇ。
女の胸とはこんなにも柔らかいものだったのかと驚く。
男の自分とは全く違う触り心地に、夢中になる。

十分に柔らかさを堪能すると、オレの興味は、自分の手の内で硬く尖った突起の方へ移る。
指でそっと摘んでみると、甘い声があがる。
「やぁんっ」
赤く色付いたそれに吸い寄せられるように、膝立ちになると口を付ける。
唇で挟み、弾力を確かめると、口に含んで舌で転がす。

「あ……あっ」
オレの肩に手を預け、背を反らせて素直に反応を返す邦枝を、初めて可愛いと思った。
今までのオレは、邦枝を女として意識したことはなかったからだ。
……いや、そうじゃねぇな、と思い直す。
邦枝は身近な女、例えば姉貴なんかと比べるとよっぽど女らしくて、こんなオレでも多少は気を遣ってきた。
でもそれは石矢魔の仲間として、だ。
だが今となっては、これまでと同じ目で見ることはできない。

「邦枝……」
再び立ち上がると、彼女の身体を抱き締める。
初めて抱いた女の身体は、本当に華奢で柔らかで。
少し力を入れただけで折れてしまいそうだった。

抱き締めていると、こいつを抱きたいという自分の欲望を知る。
そのまま彼女を抱き上げると、机の上に寝かせた。
露になったままの胸がぷるんと揺れる。
白い太ももの間に身体を割りいれ、机に両手をついて邦枝を見下ろす。

「……男鹿?」
自分を見返すその瞳には、わずかに不安が見てとれた。
こいつには、この先起こることを予測できてるんだろうか。
今からオレはお前を――

「最後までしていいか?」
「え……」
返事を待つのももどかしくて、困惑している風の邦枝の唇に強引に口付ける。
自分よりずっと小さな手が、オレの肩を押し返そうとするのをわずかに感じるが、構わず舌を差し込むと彼女の舌を絡め取る。
「ふ……んんっ」
キスの間も邦枝が何か必死に言おうとしていたが、無視をする。
今のオレの頭の中は、先に進むことしかなかったからだ。

存分に味わい、満足したところで唇を離す。
わずかに涙の浮かんだ目で、邦枝がオレを見上げてきた。
「オレがこわいか?」
一呼吸おいて、返事が返ってくる。
「……こわい。いつもの男鹿じゃないみたい」
「いつものオレ……か」
そうだろうなと思う。自分でも少し戸惑いがある。

「でも……」
邦枝の声に、考えるのを中断させられる。
「あなたを信じてる」
オレの目を見て、そう言ってくれた。


男鹿の顔が近づいてきた。
私は目を閉じる。
抱き締められて。頬、首筋、胸元と順にキスを落とされていく。

不意に男鹿の手が太ももに触れて、無意識に身体が跳ねた。
その手は優しく撫でながら、少しずつスカートの奥の方へ行こうとする。
「やっ……」
思わず男鹿の手を押さえる。
そんなところ……恥ずかしい。

「邦枝……」
男鹿が顔を覗き込んでくるので、私は横を向いて視線を逸らす。
「手、どけろよ」
「だって……恥ずかしい、から」
「なあ」
胸と胸の間を、男鹿の舌がつぅーと滑る。
「焦らすなよ……」
「そんなんじゃ……あっ」
胸の頂を舌先で転がされる。

快感で力が抜けていく。
その隙に乗じて、男鹿の手が私の足の付け根に滑り込んできた。
下着の上から指で撫でられるのを感じる。
そこは自分でもわかるくらい、じっとりと湿っていた。

「ああ……やあ……」
男鹿の腕を掴む。
気持ちいいのと恥ずかしさが入り混じる中、男鹿は構わず私の下着に手をかける。
そのまま引き下ろされると、足首から脱がされてしまった。
私のそこを覆うものは、スカートだけになっていた。

足を閉じようとしたけれど、男鹿の身体に遮られてそれも叶わない。
それでも少しでも閉じようともがいていると、彼がその場でしゃがみこむのが分かった。
「いや!」
叫びも虚しく、スカートをたくし上げられ、やわらかく温かいもので舐められる。
「ああ……やめて、お願い……」
恥ずかしくて、今すぐここから逃げ出したかった。
「男鹿……いやだってば……っ」
本当にいやだった。
夕方の学校で、好きな人の前で足を開いている自分。
なんていやらしいんだろう。

舐められ続けているところが痺れたように熱く、頭の中は徐々に霞がかったようにぼうっとしてきた。
気持ちいい。
やめてほしいのに、身体は快感に溺れていく。
自分が自分でなくなる。
こわい。
思わず手を伸ばした先にあった男鹿の髪を、無意識に掴んでいた。
「だめ……男鹿あっ……!!」
頭の中で何かが弾けた瞬間、私は身体を痙攣させながら絶頂の只中にいた。

達した余韻に浸りながらゆっくりと目を開くと、男鹿の顔が目に映る。
立ち上がった彼は、手の甲で口許を拭っているところだった。
その男鹿と目が合う。
私は完全に脱力していて、恥ずかしくても顔を逸らす気力も残っていなかった。
見つめていると、男鹿の濡れた唇が動いた。
「いいか? 邦枝」
鈍る頭では、問われた意味を理解するのに時間がかかった。
その間男鹿は微動だにせず、じっと自分を見つめていた。
彼に魅入られたように、私はこくんと頷いた。


邦枝を見下ろしながら、オレはベルトを緩めていく。
オレも緊張しているが、こいつはもっとだろうなと思う。
ズボンからモノを取り出し、持ち上げようと邦枝の足に手をかけると、身体が強張るのが分かる。
「力抜けよ」
「……」
オレの言葉に、女の身体がわずかに弛緩する。
膝裏を持って足を大きく開かせると、濡れた膣口に押し当てる。
腰に力を込め、ゆっくりと沈めていく。
「痛っ……」
邦枝が呻く。

オレはといえば、途中で押し返されるような抵抗を感じていた。
体重をかけるように、めりめりと中を押し広げていく。
「……ああ!」
邦枝が身を捩る。
武道をやっているから痛みにはある程度耐性があるはずだが、初めての痛さはやはり別らしい。
目の端にはうっすらと涙が浮かんでいる。

「大丈夫かよ」
オレの問いに邦枝が答える。
「平気……」
全然大丈夫そうじゃないのに、こいつは無理に笑顔を作ってみせる。

邦枝の中は温かかった。
入れる時はオレを拒むようだったのが、完全に繋がった今も、異物を追い出そうとするかのようにオレを締め上げていた。
痛そうな邦枝に悪いと思いながらも、欲望を抑えきれず、オレは少しずつ腰を動かし始める。
「きつ……」
抜き差しが困難に思えるほど、中は狭かった。
邦枝を見ると、唇を噛み締めて辛そうだ。
オレだけ気持ちがいいのを申し訳なく思う。

「やっぱ痛いか……?」
邦枝がオレを見る。
「痛い……けど、それ以上に幸せ、だから」
それを聞いて愛しさが込み上げる。

邦枝が続ける。
「男鹿は……どうなの……?」
どう言おうか迷ったが、正直に答える。
「……すげー気持ちいい」
途端に邦枝が恥ずかしそうな顔をする。本当に可愛い。
なんで今まで気付かなかったんだ、オレ。

「……ねえ」
「ん?」
「もっと……動いていいから……」
頬を染めながら伏し目がちに言う邦枝に、くらくらと眩暈がする。
その言葉に甘えるように、少しずつ動く速さを上げていく。
結合部からは愛液が零れ、中のキツさを和らげていく。

「あっ……あ」
邦枝が徐々に声を上げるようになってきて、オレはますます興奮する。
こいつの奥の奥まで自分の物にしたくて、強く腰を打ち付ける。

「邦枝……っ!」
オレの頭の中は、出すことしか考えられなくなっていた。夢中で動かし続ける。
そんな中、邦枝の唇が小さく動くのが見えた。
――大好き
そう言ったように見えた瞬間、オレは呆気なく彼女の中で果てた。


二人で後始末をし、制服を整えている時だった。
「男鹿、ベルちゃんは?」
「ベル坊?」
邦枝との行為に没頭していて、すっかり忘れていた。
そういえば途中からいなかった、ような気がする。

「やべぇ! どこ行った!?」
机の下を順番に覗いていくがいない。
「あ、男鹿! そこ!」
邦枝が指差す方を振り返ると、わずかに開いたドアの隙間から廊下を歩いていくベル坊の姿が見えた。
いつの間に!
「どこ行くんだこらぁぁ!!」
オレはベル坊を追って、慌てて教室を飛び出した。





(終)
タグ

どなたでも編集できます