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竹中微風と妻竹中ふじ

　２００５年（平成１７年）は、私の祖父、竹中微風の５０回忌、祖母、竹中ふじの２５回忌にあたる。祖父・竹中微風は本名、竹中宇平次、漆の工芸作家であった。微風は、パリ万国博覧会や帝展などに出品したりしていたが、没後約半世紀を経て、その名を知る人は少ない。竹中微風５０回忌を機に散逸している資料を集め、祖父を偲びたいとこの冊子をまとめた。微風の資料は多くはなく、資料集めは難航した。しかし、数多くの皆様のあたたかいご支援をいただき、少しずつ資料が集まってきた。こうしたご協力なくしては、この資料集はできなかったと思う。資料や情報を寄せて下さった皆様のご厚情に感謝の意を表したい。

　竹中微風の長男、静雄は１９４５年（昭和２０年）１月、１９歳で戦死した。微風の二男で私の父、外雄は１９７０年（昭和４５年）４３歳でこの世を去り、私の母、竹中静枝は昼も夜も外で働くようになった。そして祖母、竹中ふじが私達４人の子供の母がわりとなってくれたのである。ふじは、若き日は夫、竹中微風を支え続け、晩年は孫達を育んだ。凛としてかつ情の深いひとであった。

　資料集めには、母・竹中静枝や夫・清水享が同行してくれた。パソコンによる情報収集と資料整理は、微風のひ孫にあたる長男・清水佳範が担当している。

　祖父・竹中微風の６１年の生涯には、日清戦争から太平洋戦争までの戦争がすべて含まれている。困難な時代を芸術家として生きようとした竹中微風と、それを支えた竹中ふじにこの資料集をささげる。

　　　　２００５年１１月　　　　　　　清水紀子

目次

第１章　竹中微風とその時代?

1. 微風の故郷−城端?
2. 京都の工芸作家団体の中で?
3. 公募展への挑戦?
4. 微風の鶴、パリに飛ぶ?
5. 戦時体制と微風?
6. 戦後の１０年?

第２章　微風の作品を追って?

1. ヤンマー会館の見学?
2. 「葉樹の蒔絵棚」 の行方?
3. 未完成作品その他?

第３章　竹中微風を偲ぶ?

1. 番浦省吾氏宅を訪ねて?
2. 今日より明日へ?

竹中微風の子供たち?

参考文献?

おわりに　?