音楽_ニーベルング

ニーベルングの指輪


ニーベルングの指環(または ニーベルングの指輪)は、リヒャルト・ワーグナーによって
書かれた楽劇で、「序夜と三日間のための舞台祝典劇」と題される。
1848年から1874年にかけて作曲された。上演に約15時間を要する長大な作品であり、
そのため、通しての演奏はあまりされないが、ドイツのバイロイトにある祝祭劇場で
毎年行われる音楽祭の際によく上演される。

当初は北欧神話の英雄として知られるシグルズの物語をモチーフとした
『ジークフリートの死』として着想されたが、次第に構想がふくらみ現在の形となった。

四日間の内訳は以下の通り

序夜 楽劇『ラインの黄金』(Das Rheingold)
第一夜 楽劇『ワルキューレ』(Die Walküre)
第二夜 楽劇『ジークフリート』(Siegfried)
第三夜 楽劇『神々の黄昏』(Götterdämmerung)

内容
注意:作品の内容に関する記述が以下には含まれます。
本作品は、並外れたスケールと領域の作品である。指揮者のペース配分にも依存するが、
全体の演奏時間は約15時間ほどであり、4夜に渡って演奏される。
最も短い『ラインの黄金』は約2.5時間ほどであり、最も長い『神々の黄昏』は最長6時間ほどかかる。

物語のスケールと領域は叙事詩である。それは、全世界の支配を可能とする
魔法の指輪をめぐる、神、英雄、神話上のいくつかの生物の戦いの物語である。
神代の終わりまでの、最終的な大洪水まで、ドラマと陰謀は三世代にわたって続く。

本作品の音楽は、重厚で裕福な感触があり、サイクルが進むに連れて複雑になっていく。



序夜 楽劇『ラインの黄金』(Das Rheingold)

第一場 - ライン川の水底。三人のラインの乙女が泳いでいると、そこにアルベリッヒが現れる。
ラインの黄金が世界を支配する力を持つと聞いた彼は、それを強奪する。
第二場 - ヴォータンはフライアを報酬にして、巨人族に居城ヴァルハラを建設させる。
城は完成したものの、フライアは巨人族に身を捧げることを拒否する。
ローゲはラインの黄金を身代とすることを提案し、ヴォータンとともに地下の
ニーベルング族の国へ向かう。
第三場 - アルベリッヒがラインの黄金で作られた指輪の力でニーベルング族を支配している。
ローゲは策略と弁舌でアルベリッヒを捕縛する。
第四場 - 地上に引き立てられたアルベリッヒから、ヴォータンは自由の代償として
ラインの黄金を奪取する。アルベリッヒは指輪に死の呪いをかける。
エルダが現れ警告を発するが、ヴォータンは聞き入れない。
指輪を手に入れた巨人たちは、財宝を巡って争いを起こしファーフナーがファゾルトを
殺してしまう。神々は呪いに恐れおののくが、一転して虹の橋を渡りヴァルハラに入場する。
剣の動機が高らかに奏され英雄の登場を暗示する一方、ラインからは黄金を奪われた
乙女の嘆きが聞こえる。

第一夜 楽劇『ワルキューレ』(Die Walküre)
第一幕 - 嵐の夜、フンディングの館にジークムントがあらわれる。
彼とフンディングの妻、ジークリンデはお互いに惹かれあう。
やがてフンディングが帰宅し、フンディングが一族の敵であることとジークリンデが
生き別れの妹であることを知る。
第二幕 - 荒涼たる岩山。ワルキューレの長姉ブリュンヒルデとヴォータンがいる。
そこへ結婚を守護する女神でヴォータンの妻フリッカが現れる。フリッカは、妻を奪われた
フンディングの復讐と婚姻の神聖を守るためとして、ヴォータンにジークムントの死を求め、
ヴォータンはやむなく承諾する。ブリュンヒルデはヴォータンからジークムントが
フンディングによって殺害されること、そしてそれを見殺しにすべきことを告げられる。
ブリュンヒルデは兄妹を守ろうとするが、ジークムントはフンディングの槍に貫かれてしまう。
第三幕 - ヴォータンの怒りを逃れ、ブリュンヒルデはヴァルハラに駆け込み、
妹たちに助けを求める。ブリュンヒルデはジークリンデがみごもっていることを告げ、
胎内の子をジークフリートと名付ける。そこへヴォータンが現れ、ブリュンヒルデの
神性を奪うことを宣告する。荒涼たる岩山にヴォータンはブリュンヒルデを連れて行き、
ブリュンヒルデがそこで眠りに付き、誰であれ彼女の眠りを最初に覚ました男のものと
なることを宣告する。ブリュンヒルデは己の運命におびえ、許しを請うがヴォータンは
聞き入れない。ただし恐れを知らない英雄だけが超えられる炎でブリュンヒルデの周りを
覆うことを約束する。親子は抱きしめあい、永遠の別れを告げる。ブリュンヒルデは
岩山の頂に眠り、ローゲの炎がその周りに燃え上がる。
第二夜 楽劇『ジークフリート』(Siegfried)
第一幕 - ミーメはジークフリートによって指輪を手に入れようとたくらむ。
ミーメによって育てられたジークフリートは、自らの出生の秘密を知り、
折れたる剣ノートゥングを鍛えなおす。
第二幕 - 恐れを知らぬジークフリートは、竜に化身したファーフナーを倒し、
その返り血により小鳥の言葉が分かるようになる。小鳥の教えにより、指輪を手に入れ、
陰謀をめぐらしていたミーメを倒し、さらには岩山に花嫁ブリュンヒルデが眠っていることを知る。
第三幕 - 荒涼たる岩山の麓。ジークフリートは道をさえぎる「さすらい人」(ヴォータン)の
槍を砕き、炎を乗り越え、ついにブリュンヒルデを接吻により目覚めさせる。
二人は永遠の愛を誓い合う。
第三夜 楽劇『神々の黄昏』(Götterdämmerung)
陰謀で記憶をうしなったジークフリートは、ブリュンヒルデと愛を誓ったことを忘れる。
ブリュンヒルデは復讐を誓い、ジークフリートを死に至らしめる。指輪を手にいれた
ブリュンヒルデは、ラインの娘たちに指輪を返し、ヴァルハラは崩壊する。
2005年07月17日(日) 02:48:44 Modified by chantagirl




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