神話_テュール

チュール(tyr)


テュール(Tyr)は、ゲルマン神話や北欧神話における軍神。

古英語形ではティーウ (Tiw)、ドイツ語ではツィウ (Ziu)、またはティウ (Tiu)という。
想定されるゲルマン祖語ではティワズ (*Tiwaz)。

ギリシャ神話のゼウス(Ζε??)、ローマ神話のユピテル(Jupiter:原型はDieu pater)など
印欧語族の多くが天空神として信仰する神々と同語源と考えられ、テュールも本来は
天空神だったらしいが、現存する史料では概ね軍神とされている。
これは本来は法と豊穣と平和をつかさどる天空神であったのが、2世紀後半以降に
ゲルマン人の世界が激しい戦乱の時代をむかえ、戦争の神であるオーディンへの
信仰が台頭し、テュールは最高神の地位を追われて一介の軍神に転落したと考えられている。
こうした経緯もあり、「テュール」というのは、古くは古ノルド語で「神」を現す一般名詞でもあった。

テュールが最高神であった時代のゲルマン人諸族の王を意味する語は、
ティワズの祭司を意味するティウダンス (thiudans) であった。

絵画などでは隻腕の戦士の姿で表され、これはフェンリルに片手を食いちぎられたことを示す。
軍神という点でローマ神話のマルスと同一視され、英語で火曜日を意味する Tuesday
2005年07月17日(日) 01:58:24 Modified by chantagirl




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