作曲家・多田武彦〔通称・タダタケ〕のデータベース。

男声合唱組曲「雨」

アメ作詩指示速度調性拍子備考
1雨の来る前アメノクルマエ伊藤整やや早く,はっきりと4分音符=約104ヘ長調2/4
2武蔵野の雨ムサシノノアメ大木惇夫遅く,印象深く4分音符=約76ニ短調4/4
3雨の日の遊動円木アメノヒノユウドウエンボク大木惇夫中庸の速度で,歯切れよく4分音符=約88ト長調3/4
4十一月にふる雨ジュウイチガツニフルアメ堀口大学遅く,悲しく4分音符=約72ト短調4/4
5雨の日に見るアメノヒニミル大木惇夫中庸の速度で,しみじみと4分音符=約88ハ長調4/4
6アメ八木重吉やや遅く,心をこめて4分音符=約80イ長調3/4Ten.1 Solo

作品データ

作品番号:T23:M21n
作曲年月日:1967年2月?日

初演データ

初演団体:明治大学グリークラブ
初演指揮者:外山浩爾
初演年月日:1967年5月28日
明治大学グリークラブ第16回定期演奏会(於東京文化会館)

楽譜・音源データ


「十一月にふる雨」は、以下に収録されている。
音楽之友社「合唱名曲コレクション B15 雨」(1968年刊、絶版)…東京文化会館音楽資料室所蔵
メロス楽譜「明治大学グリークラブ 愛唱曲集」…数年前にカタログに掲載されていた、現在一般人が入手できるかどうかは不明

作品について

数年の休筆の後に初めて書いた作品。休筆直前は混声合唱組曲「京都」など技巧的で難解な作品が多くなっていたことへの反省から、この作品は原点回帰の意味も籠めて平易で分かりやすいものをと意識して書かれている。全曲が単曲として取り上げられる完成度を持っていながら、難易度はそれほど高くなく、聴き易く親しみやすい。特に終曲の『雨』は多田の代表作の1つとして愛唱されている。また多田自身この作品を書いた際「第2曲『武蔵野の雨』を作曲し始めてから、芸術の神ミューズが宿った」とライナーノートに記したり、あちこちで「終曲『雨』は私自身の鎮魂歌である」といった旨の記述をしたりなどから、多田にとって特別な作品であると考えられる。

のちに『十一月にふる雨』を差し替えた改訂版が作られる。差し替え理由は、この詩に差別用語といわれる単語が含まれることによるといわれている。ただ『十一月にふる雨』を高く評価する合唱団が多いことや、差し替え後に挿入された『雨 雨』が他の楽章に比べて突出して難易度が高いことなどの理由から、現在でも『十一月にふる雨』を含めた6曲編成で演奏されたり、第4楽章にあたる曲をカットした5曲編成で演奏されることが少なくない。
なお、作曲者は現在『十一月にふる雨』に対して「なかったものとして扱ってほしい」と明言しており、この曲の演奏について問い合わせを受けたら許諾しない旨の返答をしているとのこと(実例:「中也の四季:合唱道楽 歌い人」コメント欄)。
詩の出典
「雨の来る前」……『雪明りの路』(椎の木社、1926年)
「武蔵野の雨」……『風・光・木の葉』(アルス、1925年)
「雨の日の遊動円木」……『秋に見る夢』(アルス、1926年)
「十一月にふる雨」……『月光とピエロ』(籾山書店、1919年)
「雨の日に見る」……『危険信号』(アルス、1930年)
「雨」……未刊詩篇(八木重吉が編纂した2冊の詩集には収録されていない)

歌詩

雨のおとが きこえる
雨がふっていたのだ。
 
あのおとのように そっと世のために
はたらいていよう

雨があがるように しずかに死んでゆこう。

ほか下記リンク参照

参考文献

なまずの孫 1ぴきめ 「III 愛と整―『雪明りの路』『吹雪の街を』を歌うために―」
なまずの孫 2ひきめ 「X ふたりの詩人―「雨」と「春愁」を歌うときのために―」
なまずの孫 3びきめ 「VI 水晶山をもとめて―大木惇夫の詩による合唱曲『遠い母に』『西湘の風雅』『雨』について―」

リンク

MIDI
音取りデータ集:「十一月に降る雨」
音取りデータ集:「十一月に降る雨」以外
動画

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