作曲家・多田武彦〔通称・タダタケ〕のデータベース。

男声合唱組曲「雨」[改訂版]

アメ作詩指示速度調性拍子備考
1雨の来る前アメノクルマエ伊藤整やや早く,はっきりと4分音符=約104ヘ長調2/4
2武蔵野の雨ムサシノノアメ大木惇夫遅く,印象深く4分音符=約76ニ短調4/4
3雨の日の遊動円木アメノヒノユウドウエンボク大木惇夫中庸の速度で,歯切れよく4分音符=約88ト長調3/4
4雨 雨アメ アメ尾形亀之助極めてはやく,激しく4分音符=約208ト短調3/4
5雨の日に見るアメノヒニミル大木惇夫中庸の速度で,しみじみと4分音符=約88ハ長調4/4
6アメ八木重吉やや遅く,心をこめて4分音符=約80イ長調3/4Ten.I Solo

作品データ

作品番号:T23:M21nR

初演データ

初演団体:?
初演指揮者:?
初演年月日:19??年?月?日

楽譜・音源データ

「武蔵野の雨」は、高校の音楽の教科書にも掲載されている。音楽之友社の『最新 高校の音楽1』(1999年版)や、教育芸術社『Mousa1』(1998年版)など。

作品について

数年の休筆の後に初めて書いた作品。休筆直前は混声合唱組曲「京都」など技巧的で難解な作品が多くなっていたことへの反省から、この作品は原点回帰の意味も籠めて平易で分かりやすいものをと意識して書かれている。全曲が単曲として取り上げられる完成度を持っていながら、難易度はそれほど高くなく、聴き易く親しみやすい。特に終曲の『雨』は多田の代表作の1つとして愛唱されている。また多田自身この作品を書いた際「第2曲『武蔵野の雨』を作曲し始めてから、芸術の神ミューズが宿った」とライナーノートに記したり、あちこちで「終曲『雨』は私自身の鎮魂歌である」といった旨の記述をしたりなどから、多田にとって特別な作品であると考えられる。

改訂版で挿入された『雨 雨』は他の楽章に比べ突出して難易度が高いなどの理由から、この楽章だけカットして5楽章の組曲として演奏されることが多い。

『雨 雨』の作詩者について、男声版、混声版ともに楽譜では「尾形亀之」と表記されているが、「尾形亀之」が正しい(現在では訂正されているかも)。『なまずの孫 3びきめ』ではちゃんと「助」と書かれている。
詩の出典
「雨の来る前」……『雪明りの路』(椎の木社、1926年)
「武蔵野の雨」……『風・光・木の葉』(アルス、1925年)
「雨の日の遊動円木」……『秋に見る夢』(アルス、1926年)
「雨 雨」……『色ガラスの街』(恵風館、1925年)
「雨の日に見る」……『危険信号』(アルス、1930年)
「雨」……未刊詩篇(八木重吉が編纂した2冊の詩集には収録されていない)

歌詩

雨 雨
DORADORADO――
TI-TATATA-TA
TI-TOTOTO-TO
DORADORADO

TI-TOTOTO-TO
DORADORADO――
雨は
ガラスの花

雨は
いちんち眼鏡をかけて
雨のおとが きこえる
雨がふっていたのだ。
 
あのおとのように そっと世のために
はたらいていよう。

雨があがるように しずかに死んでゆこう。

ほか下記リンク参照

参考文献

なまずの孫 1ぴきめ 「III 愛と整―『雪明りの路』『吹雪の街を』を歌うために―」
なまずの孫 2ひきめ 「X ふたりの詩人―「雨」と「春愁」を歌うときのために―」
なまずの孫 3びきめ 「VI 水晶山をもとめて―大木惇夫の詩による合唱曲『遠い母に』『西湘の風雅』『雨』について―」
なまずの孫 3びきめ 「intermission2 付・尾形亀之助『雨 雨』について」

関連項目

リンク

動画












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