作曲家・多田武彦〔通称・タダタケ〕のデータベース。

男声合唱組曲「鳥の歌」(作詩:三好達治)

鳥の歌トリノウタ指示速度調性拍子備考
1揚げ雲雀アゲヒバリAllegretto4分音符=108ca.イ長調3/4
2ウグイスAndantino4分音符=80ca.ホ短調4/4Tenor Solo
3百舌モズAndantino付点4分音符=80ca.ヘ短調6/8
4夏の祭ナツノマツリAllegro4分音符=132ca.変ホ長調3/4
5鳶なくトビナクAndante4分音符=72ca.ロ短調4/4Bariton Solo
6カラスAndantino4分音符=80ca.変ロ長調4/4Bass Solo
7ワシAllegro4分音符=132ca.ニ短調4/4

作品データ

作品番号:T107:M89n
作曲年月日:2013年10月22日

初演データ

初演団体:男声合唱団タダタケを歌う会
初演指揮者:髙坂徹
初演年月日:2014年9月20日
男声合唱団タダタケを歌う会コンサート第参(於川口リリアホール)

※「髙」=『高』の異体字(いわゆるハシゴ高)

楽譜・音源データ

作品について

詩の出典
「揚げ雲雀」「鶯」「百舌」……『硫崕検戞併裕┝辧1934年)
「夏の祭」……『砂の砦』(臼井書房、1946年)
「鳶なく」……『故郷の花』(大阪創元社、1946年)
「鴉」……『南窗集』(椎の木社、1932年)
「鷲」……『日光月光集』(高桐書院、1947年)

歌詩

揚げ雲雀
雲雀の井戸は天にある…… あれあれ
あんなに雲雀はいそいそと 水を汲みに舞ひ上る
杳かに澄んだ惷の あちらこちらに
おきき 井戸の樞がなつてゐる
「籠の中にも季節は移る 私は歌ふ 私は歌ふ 私は憐れな楚囚 この虜はれが
私の歌をこんなにも美しいものにする 私は歌ふ 私は歌ふ やがて私の心を費ひ果して
私の歌も終るだらう 私は眼を瞑る 翼をたたんで 脚を踏ん張つて
この身の果を思ひながら それは不幸だらうか? 私は私の歌に聽き耽る」
百舌
槻の梢に ひとつ時默つてゐた 分別顏な春の百舌
曇り空を高だかと やがて斜めに川を越えた
紺屋の前の榛の木へ…… ああその
今の私に欲しいのは 小鳥の愛らしい 一つの決心
夏の祭
夏の祭りの海の上
祭の樂は雲の間に

天使たちがそそくさと
しだらに脱いだ白い沓

鷗の群れはむきむきに
沖べの巖に動かない

彼らの仲間も陽に醉つて
しばしは天上の夢を見る

夏の祭りの海の上
祭の樂は雲の間に
鳶なく ――『故の花』序に代へて
日暮におそく
時雨うつ窓はや暗きに
何のこころか
半霄に鳶啼く
その聲するどく
しはがれ
三度かなしげに啼きて盤桓す
波浪いよいよ聲たかく
一日すでに暮れたり
ああ地上は安息のかげふかく昏きに
ひとり羽うち叫ぶこゑ
わが屋上を遠く飛び去るを聽く
靜かな村の街道を 筧が横に越えてゐる
それに一羽の鴉がとまつて 木洩れ陽の中に
空を仰ぎ 地を眺め 私がその下を通るとき
ある微妙な均衡の上に 翼を戢めて 秤のやうに搖れてゐた
ああこのきらら雲高き日を
越路より信濃のかたへ
鷲一羽飛びゆくを見る
高く小さく

ああなほ高く小さく
ひとり雄々しくかがやきて
眞一文字に飛びゆくを見る

かくして一羽の鷲は
路上に疲れかなしめる者
世に老いし者とはつひにかかはりもなく

関連項目

リンク

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