作曲家・多田武彦〔通称・タダタケ〕のデータベース。

男声合唱組曲「Portrait de Famille(家族の肖像画)」(作詩:南邦和)

Portrait de Famille(家族の肖像画)ポルトレ ドゥ ファミーユ(カゾクノショウゾウガ)指示速度調性拍子備考
1ウミAndantino4分音符=72 ca.ト長調4/4
2フエVivace4分音符=164 ca.ヘ長調3/4
3ハナAndante4分音符=76 ca.変ホ長調4/4
4ウマAllegretto付点4分音符=108 ca.ヘ長調6/8
5花冷えハナヒエAndante4分音符=70 ca.ニ短調4/4
6ロカ岬ロカミサキModerato4分音符=88 ca.ハ長調4/4Bariton solo

作品データ

作品番号:T85:M67n
作曲年月日:200?年?月?日
フルトン男声合唱団により創立40周年を記念して委嘱

初演データ

初演団体:フルトン男声合唱団
初演指揮者:甲斐勝利
初演年月日:2007年12月2日
フルトン男声合唱団創立40周年記念演奏会(於宮崎県立芸術劇場アイザックスターンホール)

作品について

多田と南の出会いは、2001年、宮崎県のフルトン男声合唱団からクラブソングの委嘱を受けた際、作詞を同県在住の南が担当したことにさかのぼる。2005年に再び作曲依頼をされた折に、多田自らが彼の詩に作曲したいとの意思を示した。

組曲のタイトルは詩句には存在しない。南の詩集の中から「家族に対する詩人の飾り気のない深い愛情が綴られた詩群」を選んだ作曲家が名付けたものと思われる。多田の組曲の中では現在、唯一の「外国語タイトル」である(フランス語)。

意識的にそうしたかは不明だが、歌詞を多くの人に歌ってもらおうとする作曲家の配慮がこの組曲には見られる。以下がその理由である。
1.歌詞は、6曲目のバリトンソロを除くと必ず2パート以上で歌われている。
2.全ての曲に「バリトン・バスがユニゾンで旋律を歌う部分」が存在する。
ホモフォニックな曲においては主旋律がテナーに偏ってしまうものだが、こうすることでバランスをとっている。
もっとも、詩の立場(詩の語り手は、父親であり、夫であり、老境に達した「おれ」「私」「自分」「ぼく」である)から低声部重視にしたとも思われる。

1に関して、曲全体を俯瞰してもほとんどが2声以上で書かれており、特定パートが丸裸になる状態は『海』の85小節目のみである。
2声〜4声の組み合わせとしてはT1T2, T1B1, T1B2, T2B1, T2B2, B1B2, T1T2B1, T1T2B2, T2B1B2, T1T2B1B2の10通りが考えられるが、
この組曲で使われているのはT1T2, B1B2, T1T2B1B2の3通りのみである(1パートが休み、残りが歌う部分が存在しない)。
1パートのみが担当する箇所を極力なくし声部の組み合わせも限定する作曲手法は、練習を容易なものにする反面、音楽的に単調になりがちという欠点を持つ。
簡単で、外連味のない外装なだけに、歌い手の音楽性、詩に対する共感が問われる組曲といえよう。

宮崎在住の詩人・南邦和が自分の娘の結婚式から、孫の成長の姿や、老後の夫婦の情景を描いた詩6編をテキストとした無伴奏男声合唱組曲です。
宮崎県で活動を続けるフルトン男声合唱団の創立40周年を記念して委嘱され、去る2007年12月2日に初演されました。(パナムジカ新刊案内より)
詩の出典
「ロカ岬」以外……『メニエール氏』(鉱脈社、1998年)
「ロカ岬」……『グラナダの犬』(本多企画、2003年)

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