スマブラのエロパロスレまとめ

――よいですか、ピット。天使たるもの、いついかなる時も油断は禁物ですよ。
――はい!心得ております、パルテナ様!


「うわーっ!!ここにこんなものがあるなんて……!」

ある晴れた日の昼下がり、天使は一人感嘆の息を漏らす。
二度目となる大乱闘への参戦、本日試合のないピットは、
一度目とはまた仕様の異なる施設内を探索していた。
人の分け入らないであろう森林の奥へと好奇心の赴くまま進んだ先に見つけたものは……

ピットが愛してやまない温泉であった。

「これこそまさに、秘湯!ってやつかなぁ。こんなとこ、滅多に来れないよね。」

温泉の周りをぐるぐる歩き品定めをするかのように観察する。
大人数で入るには小さい温泉だが、一人で入るとするなら十分すぎるほどで、
文字通り羽を伸ばして堪能できること請け合いである。
ファイター達の過ごす寮にはもちろん浴場があるが、
なにしろ大乱闘に参戦する人数は毎度増えており、
いくら広い浴場と言えど常に人や人でないものでごった返していて
広い風呂を独り占めして悠々と過ごす、ということはほぼ不可能であった。

「ここは見つけた人の特権ということで……入っちゃってもいいよね!ピット、一番風呂行きまーす!」

と、勢いよく温泉に飛び込もうとしたが何かを思いピタッと静止する。


「誰も来ないだろうし、たまには……いいかなぁ」

普段、ピットは神殿以外で温泉に入る際、着衣のまま入浴していた。
それは主パルテナからいかなる時であれ油断は禁物であると口を酸っぱくして教えられため、
それに忠実に従っていたのであった。
しかし、着衣入浴に慣れているとは言え、やはり服を脱いで入る時とは解放感もリラックス感も違う。
できればやはり、着衣のままではなく裸で湯に入りたい。
ピットは人目を警戒して辺りを見回す。

空は抜けるように青く晴れ渡っていたが、森は静寂に包まれており、何者かが潜む気配もない。
ファイター達が普段行動している範囲からもかなり遠く外れている場所であるため、突然誰かが現れる!
といった可能性とは無縁のように思われた。

――そもそもここまで遠くに来てしまって、ボクはちゃんと帰れるんだろうか?

と別の不安が生まれる。

「とりあえず……多分、きっと、誰も来ない!……はず。短い時間だったら大丈夫だよね。……きっと。」

もごもごと言い訳をしながら自らの羽衣に手を掛ける。そのままするすると脱いでいく。
パルテナがピットに着衣のまま入浴せよと指示しているのは、
もちろん裸の時や着替えの最中など油断しているときに敵に襲われなどしないように、
という予防策としての面と、もうひとつ理由があった。
すっかり衣服を取り払い、一糸纏わぬ姿となったピットの胸には、ほんのわずかにだが膨らみがあった。
脚の間には、雄の証明――は、無く、無毛の丘に未だ誰の侵入も許していない乙女の秘所があった。


「ピット、我々にとって人間は守るべき対象ではありますが、
 同時に警戒しなくてはならない存在でもあります。
 彼らは知恵を持つ賢き民ではあるのですが……
 獣のような野蛮な面を秘めている者がいるのも確かです。」
女神パルテナはかつての大乱闘参戦の際に、愛しい天使にこう指導した。
「ですから、地上に降り立つ際にはこのように性別を隠し、
 決して暴かれぬように気を付けるのです。いいですか?」
「わかりました、パルテナ様!」
「大乱闘に参戦するファイター達は皆紳士的な英雄だとは思いますが、一応対策しておかないと。
 男性陣がかなり多いので何が起こるかわかりませんから……万一、本が薄くなるような展開になったら即ヤラレチャッタですよ。」
「本……?」
「こちらの話です。幸いある程度隠せばあなたの性別は傍目にはわからないはず。くれぐれも気を付けて。」
「はい!パルテナ様!」
「胸もまっ平らだから潰さなくても大丈夫ですね。まな板でよかったですねピット。」
「うう……パルテナ様ひどい……。」

それ以来、ピットは女神パルテナの指示に忠実に従い、前の大乱闘では見事隠しおおせたのであった。


「ちゃちゃっと出たら大丈夫だよね!前だって全然バレやしなかったし、
 今回はパルテナ様だって一緒に参戦してるから何かあったらきっと何とかしてくださるはず!」

慢心しきったピットはすっかり油断して、女神との約束に反し、温泉を素肌で堪能するべく足を差し入れた。

「うひゃー!!癒されるー!!」

あれよあれよという間に肩まで浸かる。温泉は天使にとって癒しの力が強いようで、
ピットの顔はふにゃふにゃに弛緩しきっていた。

「すごいなー。プライベートビーチならぬプライベート温泉……。
 なんか変だな。温泉って英語でなんていうのかなぁ。まぁいいや。」

一人であれこれ言いながら、翼を湯のなかに思いっきり広げ、四肢を放り出して湯を堪能する。
夕日に近づきつつあるが日はまだまだ明るく、さんさんと気持ちのいい陽射しを浴びながら入る温泉は格別であった。
短い時間だったら大丈夫……などと入る前には言っていたはずが、完全に時間を忘れ、ご機嫌な天使は歌まで歌い出す始末。

「パルテナ様は〜いつも笑顔〜♪ボクはおかわり二杯まで〜♪」


「妙な歌だな。」

突然後ろから声をかけられる。
しまった。こんなに寮から離れた場所なら誰かに見つかることもないと思っていたのに。油断していた。
ごめんなさいパルテナ様……などと思考をあちこちに巡らせながら、ピットは声の主を確認しようと後ろを向く。
逆光でその大きな影のみが一瞬映し出された。

「ゴリっ……!?」

やがて目が光に慣れ、その姿をとらえる。

「あ、アイクさん!!??」
「いま一瞬何か違うことを言いかけなかったか?」

アイクは少しむっとした様子であったが、ピットにとってはそれどころではなかった。
まずい、バレてしまう、このままではパルテナ様曰く即ヤラレチャッタだ。
なんとかしなくては。なんとかできるのか……。
早くなんとかしないとアイクが獣のように襲いかかってくるかもしれない!ああ今にも……!

「しかし……温泉か。こんな奥にこんなものがあるとはな」

(……あれっ?)

ピットの焦りに反してアイクの反応は至極穏やかなものであった。

(パルテナ様の話だと、もっと、なんか、ウガー!でグオー!な感じになるかと思ってたのに……)

予想外の反応に拍子抜けして呆けていると、アイクが自分の鎧を外し、
服も脱ごうとしていることに気づいた。

「えっ……ぬ、脱ぐんですか!?」
「ああ。俺も折角だから入ってみようかと思ってな。なんだ、独占する気か?」
「い、いえ別に全然そんな気は……ええっと、ただその、なんていうか」
「なんだ?男同士なんだから気にすることもないだろう。妙な奴だな。」

その言葉にはたと気がつく。

男同士。
そう言った。

(バレてない!ウソ!?)

視線を落とし自らの体を確認する。
この温泉は澄んだ湯ではなく濁っており、湯のなかに入ってしまえば中の様子は見えない。
下半身は全く見えないため、肝心な所はアイクにはまったくわからないだろう。
鎖骨から胸の上にかけての部分は湯から出ているため見えてしまっているが、
幸い?その膨らみがわずか過ぎるため、全くバレていないようだ。
穏やかな胸ですね――ふと誰かの声が浮かんだ気がする。

そうか……ボクの胸程度だと全く気付かれやしないんだな……。


まな板でよかったですねピット。

パルテナの声が脳裏に蘇る。ハイ、よかったですパルテナ様。よくないけど。

とにかく今のところはバレていない。
このまま温泉に浸かり続け、アイクが出ていったあとにこっそり出よう。
そうすればきっと最後までバレずにすむはずだ。そうだ、そうしよう。

一人であれこれ考えているうちにアイクの方はすっかり裸になっており、まさに湯に入らんとしていた。

「あ゛っ…わわわ、わ!」

変な声が出た。それも仕方がない。アイクの肉体は見事に鍛え上げられ、まさに筋骨粒々という言葉がふさわしい。
前の大乱闘ではその振るう剣に比べてむしろ華奢であるとまで言われていたが、いまやその面影はどこへ消えたのやら。
華奢という言葉とは程遠い、泣く子も黙るような逞しい姿に成長していた。

対してピットは部下のイカロスマッチョ以外に雄々しい肉体の持ち主などほとんど見たことはない。
そのイカロスマッチョや、ほかの部下のイカロスでさえ裸体など見たことがない。

目の前のジャングルでも余裕で生きていけそうな蒼炎の勇者が、ピットが初めて目にする異性の裸体であった。

(こ、これは……ダメ、ダメだ!)

思わず手で顔を覆う。が、好奇心もあり指の隙間から窺い見てしまう。

(あー……あれが、その、いわゆる……)

指の僅かな間から天使が凝視するのは、アイクの脚の間。
話には聞いたことがあったが、それはピットが最初に見る男性器であった。

(大きいなぁ……あれ何にどう使うんだろう……って言うか
 何見てるんだボクは!うそ!うそうそ!別に興味なんか無いんだからな!!)

手で顔を覆ったままはげしくかぶりを振る。自分の中にある邪な好奇心を振り払うかのように。

「どうしたんだ?」

湯に浸かったアイクはピットが妙な様子である事に気づいた。

「ベベベ別にっ!?何でもナイデスけど!?あーいいお湯デスネ!?」

本人としては極めて冷静を装っているつもりであるが、怪しすぎる事は言うまでもない。
しかし本人は混乱していて気づかない。

「そう言えば、風呂場であんたと会ったことが無かったな」
「エエ……そそそうですね……!」
「苦手なのか?他人と一緒の風呂は。例えば、裸を見られるのが嫌だとか。」

「!」

そうだ!その手があったか!このまま頑なに湯に浸かり続けていればいずれ怪しまれてしまうだろう。
しかし、裸を見られるのが嫌だとか、そういうことにしてしまえば怪しまれずに済むかもしれない。

「そうなんです……ボク、羽が生えてたりほかの人と身体が違うでしょ?だから……」

どうかこのまま誤魔化されてくれ。パルテナ様、ボクをお守りください。
必死で祈りながらピットは言葉を紡いだ。

「そうか、だが気にすることはないだろう」
「へ?」
「確かに常人とは身体の構造が違うだろうが、ここにはもっと変なやつがいるだろう。
 玉に手足が生えたようなやつまで複数いる。羽どころか尻尾や角まで色々生えているやつもいる。
 違うからといって気にすることはない。違うか?」

しまった。

確かにファイター達は翼があるからどうこうとか言っている場合ではないほど多種多様である。
この言い訳は通じなかったか。

「それに、俺のいたテリウスではお前のように翼がある種族もいる。
 鳥翼族と言うんだが……だから、その、なんだ。俺は見慣れているし、本当に気にすることはない。」

なんと暖かい気遣いであろう。もし本当にコンプレックスを持っていたなら救われたであろうが、
ウソをついている身としてはただただ肩身が狭くなるのみであった。


「ぁ……アリガトウゴザイマス……」

うまく盾にできると思っていた前提が儚く崩れ去り、更に嘘をついている罪悪感もあり項垂れる。

どうしよう。
元々嘘をついたりするのは上手くない。これ以上どう誤魔化せばいいんだ。
考えを巡らせているピットの耳にザブザブという音が聞こえる。
次いで、頭に何かが乗った感触。

「ほら、気に病むことはない。な?」

気づけばアイクがそばにいてピットの頭を撫でていた。
大きな体つきにそぐわぬ優しい手つきであったが、ピットとしてはそれどころではない。

(あ゛あ゛あ゛あ゛近い!近い!っていうかバレちゃう!ダメ!ダメ!どうしよう!!!)

予想外の事態にただただ混乱する。とにかくこれ以上近くにいると間違いなくバレてしまう!
彼から離れなければ!どうやって!?ああ、近くで見ると本当に逞しい肉体。
まったく未知の雄の肉体。顔が熱い。そんな事に気をとられている場合ではないのに!

思考がぐるぐる回る。
そして視界も回りだす。

(あれ……!?)

音と湯の温度が遠ざかる。視界も薄く暗く閉じていき……
「おい、どうした!のぼせたか!?」アイクの声が彼方で聞こえたような。
アイクがこちらに急いで駆け寄ってくる様子がかすかに見える。世界が遠い。
自分の肉体が誰かに持ち上げられたような気がする。
あれ?それってけっこうまずいんじゃ。朦朧とした頭でぼんやりとそんな事を考えた。

ピットは湯から上げられると徐々に意識を取り戻した。
どうやら興奮やら何やらが相まってのぼせたようだ。
温泉の縁の岩場に上半身を預ける姿勢で寝かせられていた。
思考が回復するにしたがって状況をじわじわと理解した後、
ハッと気づいて身を起こし、身体を隠す。が、もうすっかり遅かった。

「その、すまん……。のぼせていたようだったから、夢中で……。
 全然気づかなかったが、そういうことだったんだな。」

アイクが隣で気まずそうに目をそらしながらぽつりぽつりと呟く。


  バレた。


ようやっと冷静さを取り戻したピットは自分の状況を悟った。
自分の身体は濁った湯からすっかり上げられ、もう隠すものなど何もない状態ですべてをアイクに曝したのだ。
これ以上はもう何もごまかせはしない。

――天使たるもの、いついかなる時でも油断は禁物です。

パルテナの教えが響く。ああ、パルテナ様、申し訳ありません。
ボクはどうやらこのまま即ヤラレチャッタコースのようです。
ピットが絶望のまま放心していると、次にかけられた言葉は予想外に優しい声色のものであった。

「安心しろ。誰にも言わん。俺もこの事は忘れる。」

仕方がなかったとはいえ、悪かったな、とアイクは付け足す。
よく飲み込めず、頭のなかで反芻する。

「え……言わないって……忘れる、って……?」
「言葉の通りだ。何か事情があるんだろう?俺はもう触れない。その方が良いだろう。」
「うそ……。」
「何がうそだ。信頼できないか?」
「いや、あの、ええっと、パルテナ様から聞いてたことと随分違うから……驚いて、その、ごめんなさい」
「あの女神から?一体どんな話を聞かされていたんだ」
「えーっと人間は賢いけど獣で油断すると即ヤラレチャッタだから
 気を付けなさいってずっと言われていたんです」
「……???よくわからんが随分な言われようだな」
「ごめんなさい、その、騙すつもりがなかったって言ったら嘘になるんですが……」
「ああ、気にするな。女神も考えあっての事だろうからな。悪意がないのはわかっている。」

なんと優しいのだろう。前々から頼れる人物であることはわかっていたが、
こうやって実際にその優しさに触れると感動する。
改めて、目の前の勇士は信頼に足ると実感した。

「アイクさん。ありがとうございます。……その、アイクさんでよかったです。」
「礼を言われるような事じゃない。まあ、あまり気にするな。
 ……そうだ、このままだといかんな……。俺はもう上がろう。
 あんたも着替えるといい。気まずいだろう、色々と。」

アイクはいまだ裸のままの少女天使に気をつかって切り上げようとしたが、
当の天使からの返答は意外な提案だった。

「いいえ。まだ浸かっててください。ねえアイクさん、
 どうせバレちゃったんだしもうこのまま一緒に温泉に入りましょうよ。」
「それは……。あんたが良いって言うなら構わないが……いいのか?」
「はい。ボクの都合でアイクさんの折角の温泉を邪魔しちゃ悪いですし。
 それにもうアイクさんには隠す必要ないですしね。何て言うんですっけ。
 毒キノコ食べるなら軸までってやつですよ!」
「それはそんな誤った食育指導のような言葉ではなかったと思うが」
「いーから!湯冷めしちゃいますよ、浸かりましょ!温泉ですよ温泉!」

ピットの勢いに押されてアイクはずるずると湯に引き込まれる。
アイクが温泉の底に座り込むと、そこにピットがぴったりとくっついてきた。
もはや何も隠す必要はないからと開き直っているのか、打って変わってえらく積極的だ。

「やー、いいですねえ!温泉!これ裸の付き合いってやつですか?
 あー隠す必要がないって気楽〜〜」


天使は危機感など一切無しにのんきすぎる事を言いながら体重を預けてくる。
先程抱えあげたときは無我夢中で意識していなかったが、やはりその柔肌は少女のそれである。
ピットの体型はまだまだ幼い子供に近いようなものであったが、
その柔らかさを妙に意識してしまい――

(まずい!)

アイクはまだまだ若い精力溢れる青年である。
多少幼いとはいえ異性に密着されて無反応でいられるほど枯れてはいない。
しっかりその性器は興奮を受けとめ勃起していた。
濁った温泉で助かった。これが丸見えだったらピットは悲鳴をあげていたかもしれない。
先程まではピットがバレないよう苦悩していたが、立場逆転である。
今度はアイクがバレぬよう苦心する番であった。

ピットはと言うと、もはや自らを煩わせるものは何もないとばかりに楽にしている。
物珍しげにアイクの肉体を観察して、わあアイクさんの腕、
ボクより二周りくらい大きいんじゃないかなーなどと呑気な歓声をあげているが、アイクは気が気ではない。
と、その時、足を滑らせたのかピットの身体がアイクの方へ倒れこんだ。
行き場を失った手が、今アイクが最も触れて欲しくない場所へと触れた。

「えっ!?な、なにこれ」

ピットは驚いて手を引っ込める。なにか未知なる固いものに触れた。
脚だろうか?いいや、それは脚とは大きさのまったく異なる棒状のナニカであった。

(まずい……このままだと非常にまずい!!)

アイクはどうにかこのまま何事もなく切り抜けねばと思ったが、
次の瞬間またしても股間にピットの手が触れる。

「あった!これだ!」
「!?何をっ……」

なんとピットはわざわざもう一度自ら探り当ててきた。
小さな指先がアイクの性器をちらちらと撫でていく。

「こ、これはなんですか?一体……どうなっているんですか?」
「っ……!」

無知ゆえの天然の言葉責めめいた疑問を口にする。その間も探る手つきは止まらない。
やっている本人は完全に無自覚だが、
アイクの方としてはくすぐったいような快感を与えられ続けているのだからたまらない。
更に、探っていたピットの手がアイクのそれを握りこんだ。刺激に限界を受け、白濁を発する。

「うわっ!?跳ねた!?」
「……ぅ、はっ……ゃ、めろ」

やっとのことでアイクは制止の言葉を絞り出すが、すでに遅かった。
赤茶に濁った温泉の湯のなかに白が混ざり込んでいく。

「あの、ごめんなさい……ボク何かしてしまったんですか?」

鈍いピットもアイクの様子の変化におろおろしだす。

「すみません、ボク、えっと……何か変なことしてたらごめんなさい」

とんでもないことをしでかしておきながら無知故になにもわかっていない。
その無垢な姿に妙な気がわき起こる。

汚してみたい。
この白を、純白の翼を背に持つ何も知らぬ天使を己の色で染めてみたい。

アイクの内にそんな感情が芽生えた。
その勢いのまま、欲望がアイクの理性を食いつくさんとする。

アイクも、そしてピット当人も、パルテナが警告していた本当の懸念である、
天使のもつ魔性の魅力については無知であった。
人を狂わせ、理性を殺し、獣の性を目覚めさせる天使の魔性を。

アイクが湯から立ち上がる。先程射精したばかりだというのにもう股間のそれは硬く屹立していた。

「う、わぁ!?」

ピットは思わず素っ頓狂な声をあげた。

なんだアレは!?

ピットは眼前の状況がうまく飲み込めず目を白黒させる。
さっきアイクが温泉に入る際に見たものと同一とは到底思えないが、
別のものに生えかわったわけがないので恐らくソレがアレなのだろう。

なぜこんなことになっているんだ。
最初見た時からすごいものがぶら下がっていると思っていたが、あれはもはや凶器である。

「あの……一体何が……どうなって……」

しどろもどろにピットが言葉を紡いでいると、アイクがそのままピットに覆い被さってきた。

「んひゃっ!?」
「……これが何か知りたいか」

アイクが低く唸る。

「えっ……」
「教えてやろう。お前の体に」
「ちょ、ちょっと何を――!?」

抵抗しようとするもアイクの圧倒的な力量の前ではたやすく征服される。
武骨な手がなだらかな胸に触れる。ほとんど肉が付いていないような薄い身体だが、
男にはない柔らかさがそこにあった。

「ゃ、くすぐった……ひゃん!!」

太い指が淡い色合いの乳首を摘まむ。そのままゆっくりと指の腹で擦る。

(なに?これ……)

くすぐったいような、微弱に電流が走るような初めての感覚にピットはただひたすらに戸惑う。

「あ!」

とうとう片方を口に含まれる。ピットは逃げない。
身をよじって抵抗しようにもアイクに易々とねじ伏せられるのは目に見えている。それに……。

「んぁ!あっ……は、ぁ……」

ピットの身体が跳ねる。自身の胸に吸い付くアイクの頭を抱き締め、呟く。

「もっと……」

ピットはもはや逃げたり抵抗することは考えていなかった。
今まで知らなかった感覚が自分の中に芽生えつつある。
くすぐったいような、怖いような。
ソレが何なのかもっと知りたい。恐怖はあるが、それよりも好奇心が勝った。

要求に答えてアイクは更に勢いを強める。

「あ!……や、やあぁ……!!」

与えられた刺激に素直に反応する。

「や、ぁあ!気持ちい……!!」

感じたまま善いと言葉にする。自分の発言に驚きピットが思わず両手で口を抑える。
ピットの腕から自由になったアイクの頭が胸から離れる。

「次だ。」

短くそれだけ告げると、指を下の方へと這わせて行く。

「ひぅ……っ!」

くすぐったさにピットが耐えていると、指先は下腹部を経て秘所へと行きつく。
既にそこは十分に潤っていた。
誰も受け入れたことのないそこをほぐすかのようにゆっくり指を動かす。
すると愛液がくちゅくちゅと音を立てる。

「ぁ……だ、だめそこっ……!」
「こんなに濡らしておいて何を言う」
「お……温泉、入ってた、から……やっ……!」
「違うな。温泉の湯じゃない。自分でもわかっているだろう」
「ひぅっ……し、知らない……こんなのわかんない……初、めて……んぁっ!」

アイクの太い指がより内部に進もうと侵略してくる。
ただの指の一本ですらも、初な身体には、思考をそれに乗っ取られる程の刺激になる。

「ぁ、はぁ、はぁ…あっ……!」

自分の内部が、突如訪れた異物に困惑している。だがアイクはお構いなしに指を進める。

「ひあぁあ…っ!やだ…だめだめだめ、怖いっ……!」
「だめ?何がだ……随分としっかりくわえこんでいるようだが」

内部をゆっくり掻くように指を動かす。
異物に驚いていた身体も徐々にそれを受け入れ、しっかりと吸い付き締め上げていく。

指一本でもかなり狭い。
自分のを挿れたら裂けるのではないか、とふとアイクは考えたが、ここでやめることは叶わない。
アイクの方も、天使の魔性に悩まされているのである。
身体を密着させるとピットの肌の柔らかさと共に不思議な香りが伝わってくる。
その芳香は天性の媚薬とも言うべきで、嗅ぐ者の脳を支配し理性を徐々に蹂躙していく。
頭の一角が痺れるような心地がする。
本来ならば指ではなく己の剛直を突き立て獣が如く犯し尽くしたいところではあるが、
ピットを必要以上に苦しめてはならない、と辛うじて残った理性が衝動と闘っているのだ。

「ぃあっ!あ……あふ……」

指をもう一本増やす。相変わらず狭いものの、徐々に解されてきたそこは二本目を受け入れた。
そのまま腹の方に指を折り曲げ内壁を強く摩ってやるといっそう強く吸い付いてくる。

「あ、あ、だめ、ぇ、変になる、変になっちゃうからぁ……っ!」

何か未知なるものが自分の中に生まれてきている。
中を摩られると電撃のような快感が走り、身体の奥がジンと痺れる。
それを連続してやられるからたまらない。

「ぁ、だめ、ぁ、あ、あぁあ゛ー……っ!!」

とうとうひときわ大きい電流が肉体を駆け抜けた。
いつのまにかピットの目尻に涙が浮かんでいる。
熱に浮かされた虚ろな目ではぁはぁと荒い呼吸を吐く。
霞がかったような思考の一角で自分の内部がアイクの指を強く締め上げているのを感じていた。

「どこがいいか……人間も天使も、変わらないようだな」

アイクも呼吸を荒くしながらゆっくりと指を引き抜く。
指と共に透明な愛液がたっぷりと引き出され、温泉の湯の中に重く垂れていく。

「はっ、はっ、ぁ……」

ピットは快楽の名残に身を震わせていたが、
ゆったりと余韻に浸る暇も、自分に何が起きたか考えさせる暇も、アイクはピットに与えない。
もう理性の限界であった。

「ひっ……!?」

ピットの片足を上げさせ、愛液に光るそこに男性器を宛がう。その熱に思わずピットが怯む。

「うそ、でしょ、入らないです……!!こんなの、指よりずっとおっきくて太い……!!」
「……悪いが、こっちも、色々……限界なんでな……すまないが」
「ひ!?ぃ゛あっ……む、無理無理無理!!!」

すさまじい圧迫感と共に亀頭が肉を割り開きながら浸入してくる。

「痛゛、いだぃ、痛いよ……ひぎっ!!あ゛ぅ、ぐ、むりぃ……っ!!」

誰も受け入れたことのない箇所にその剛直は辛すぎた。
極太の杭を身体に打ち込まれるが如き激痛が走る。
より内部へと進もうとする度、メリメリと破壊される音が聞こえるような気さえする。

ああ、自分の肉体は今、侵略されている。身を裂かれる痛みがそれを如実に伝えてくる。

「………ぁ゛っ……ぃ゛いい゛…痛ぃい…ッ!!」
「最初なら仕方がない……、受け入れろ」

切羽詰まった様子のアイクの声が聞こえる。
受け入れろとは言うがこの激痛は耐えがたい。
内部を火掻き棒で拡張されているような感覚。
結合部からは血が流れ、破瓜の痛みを視覚化する。
だがそんな状況でもとうとうアイクの全てを納めてしまう。

「動くぞ」
「だだだめそんな……ッ!!壊れる……ぅ、ぁ、や゛っ!!あぐぅぅ……っ!!」

強引にアイクが腰を動かす。ピットの出血には気づいてはいたが、
それで動きを緩めるほどの理性はもはや残っては居なかった。
己の中の獣の衝動に従うまま、狭い狭い膣内を無理矢理に動いていく。

「い゛っ!や、あ゛あ゛ぁぁあ!痛、やめて、やめて死んじゃう!!」

あまりの激痛に悲鳴をあげるが、動きは止まらない。
涙がぼろぼろ出てきてピットの頬を濡らす。
激しい動きに温泉の湯が跳ね、ばしゃばしゃと派手な水温を鳴らす。

「ぃ……は、ぁ、あう……ん……」

時と共にピットの声に艶が出てくる。
恐るべきは天使の驚異的な回復力。
場所が温泉であるが故に、その癒しの力で急速に回復したのだ。
信じられないくらいの激痛を味わっていたはずなのに。
痛みが段々と遠ざかり、新たな感覚が首をもたげる。

「はぁあ……あん!……ひぅ……」
「……っは、善く、なってきたようだな……」

アイクの上擦った声が更にピットを興奮させる。
自分の肉体はこの男にどれ程の快楽を与えているのだろう。

「はぁ……あ!やっ、奥、気持ちいい……っ!!」

とうとう口をついでた快楽の言葉。先程破瓜の痛みに咽び泣いた同じ身だとは思えぬほど。
痛覚はとうに消え、今は完全に快感に塗り替えられていた。
恥らいなど持つ余裕もなく、ただ素直に己に打ち込まれるそれから生じた愉悦に身を委ねる。

「ここか……っ?」
「あぁあっ……!!うんっ……そこ、奥、気持ちい、です……っ!もっと……!!」

口の端から唾液が垂れていることにも自分では気づかない。
この天使はすっかり快楽に堕ちたのだ。
内部を太い杭が出入りするような感覚がたまらない。
特に最奥をごりごりと刺激されると、頭が真っ白になるほどの快感が生まれる。
言葉を紡ぐことすら出来ずただただ嬌声を垂れ流すより他はない。
あとはもう、ただ昇り詰めるのみ――

「ああ……っ!やぁ、ああ……っ、ぉ、おかしくなっちゃう……ぼ、ボク、もう、もう……!!」

無意識に、より深く快感を貪ろうとアイクの動きに合わせて腰をグラインドさせる。
悦楽にうち震え、翼の先がピンと伸びる。
アイクもお望み通りとばかりに最奥を滅茶苦茶に突きまくると、
ピットの膣肉が一層アイク自身を強く締め上げた。

「ぃいい……はっ、もうだめ、あ、ああぁあ゛ーーッ!!!」
「うっ……ぁっ!!」

一際大きな喘ぎと共にピットが果てる。ビクビクと背中が撓り、手足ががくりと力なく垂れる。
強い締め付けに耐えきれずアイクもピットの膣内に己の精を放つ。
大量に膣内に叩き込まれた白濁を、ピットの膣は吸い上げるような動きで子宮内に取り込んでいった。

身体がだるい。あれこれ考える余裕もない。
今はただ、この快楽に浸っていたい――――ピットは目を閉じて己の感覚に酔いしれた。

一連の行為が終わり、双方頭が冷えてくると、徐々に自分達の状況を飲み込み、驚愕する。


――しまった!!
もはやそんな言葉では済まされぬ有り様だ。

アイクは頭を抱える。天使を、それも見たところ13歳ばかりのピットを犯してしまった。
これでは丸っきり犯罪じゃないか……。
ピットは呆然とする。なんだかとんでもない事になってしまったのはわかる。
パルテナ様、ボクはヤラレチャッタんですね……。

いつの間にか日は暮れ始め、夕陽が二人の姿を赤く照らす。

「……その、すまなかった。謝って済む事じゃないが……」
「いえ、ボクも変なことして……。ゴメンナサイ……。」

お互いぎこちなく謝りあったあと、しばし顔を見つめあい、やがてどちらともなく吹き出す。
なんだか愉快な気持ちになりしばらく笑いあった。

「今日の事、色々秘密にしてくださいね?」
「ああ。勿論だ。……色々と、な。」
「あ、早く帰らないと暗くなっちゃう。」
「まずいな、迷って帰れなくなるかもしれん。
 急いで帰らないとな……。とりあえずお互い服を着るか。」

服を取ろうと方向転換したアイクの背にピットが密着してくる。そして、囁く。

――また来ましょう、ね?
――お前がいいのなら、な。

夕陽に照らされる中、秘密の約束が結ばれた。

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