タバサの心
「あ…おにいちゃ…」
これは夢なのか現実なのか…私にはわからなくなってきた。
ことの始まりは私とお兄ちゃんの誕生日が一緒だったことか…
それとも勇者という兄をもつ妹として生まれた誕生の際からの運命だったのか…
さっきまで私…ううん、グランパニアの人みんなが酔っていた…私たちの誕生日で…。
「どうしたタバサ?もう十分大人なんだから好きなだけ飲んで楽しんでいいんだよ。」
話してきたのはお父さんだった。
お父さんは(お母さんもだけど)私たち兄妹を目に入れても痛くないぐらい可愛がってくれている。
だからこそこんな盛大な誕生日パーティーを開いてくれているのだ。私から見ても過保護すぎると思うもん。
「大丈夫だよお父さん、楽しんでるし飲んでるから。」
と相づちを入れる。実際うれしいし、お酒も強くないけどちびちび飲んで楽しんではいる。すると
「そーだぞーターバーサーはもっと楽しめーーー…ぷぎゅ」
このように私に酔っ払って話し掛けてくるのは7年前勇者として人類の最大の敵ミルドラースを倒した私の兄、レックス。
私の自慢の兄であり、苦悩の種である。
あの時の旅は昨日の出来事のように今でもはっきり思い出せる…。
私はミルドラースを倒しおばーちゃんを救うため家族四人とお父さんの力で仲間になったモンスターのみんなと旅に出ていた。
当時兄はみんなが待ち望んだ伝説の勇者として尊敬を集めた。私も天才魔法使いとして神童扱いを受けていた。
しかし…それは違った。たしかに同年代の子や並みの人よりはすごかったかもしれない…けど…けどそれだけだった。
勇者としての兄、選ばれし血を引く親、色々な特技を持つモンスターのみんな…このなかでは私はひとつ劣る存在だった…。
でも私はレックスという兄…そう、勇者と同じ血を引いているのだから私にも出きる、と頑張った。
お父さんも私が頑張るのを見て最後まで一人の戦士としてみてくれた。
結果…
「危ないタバサ!」
と魔界のモンスターの筆舌を尽くしがたい攻撃から兄は私をかばい消えない傷を体に作った。
私は泣いて謝った。兄はまったく私を恨まなかった…今もまったくそのようなことおくびにも出さない。
私はその時から、『あぁ“勇者”と私のような“女”は違うんだ』という劣等感と、あと…兄は男ということを意識しはじめた。
兄と私が同列の力を持っていたならこのような感情は生まれなかったのでは…、そもそもなぜ私にだけ勇者という力をくれなかったのか?
そう思うとこの運命を憎んだ…。
しかし男という認識は憎むにはつらすぎた…惚れてしまったこの感情をどう排除しようとも排除仕切れず、また劣等感という葛藤を私に押しつけるだけだった…。
「…バサ…タバサ!」
「あっ、何お母さん!?」
深い考えごとのせいで意識が飛んでたみたいで驚いたように返事をした。
「あなたも酔っ払ったみたいね?お父さんもレックスもぐだぐだだし、今日はお開きにしましょうか?」
そういうとお母さんの鶴の一声でパーティーは終了した。そして
「メイド達はあとかたづけで忙しそうだから、私はお父さんをお仕置きするからあなたはレックスを寝室で寝かしてくれない?」
「え…」
そして気付くと兄の寝室までたどり着いていた。
普段はこの感情がいけないことだからと表に出さず普通に接しているのだが、酔ってあんなことを考えていたため微妙に意識してしまう…。
「うーん、ぎもぢばるい…」
兄をベッドに乗せたらいきなりしゃべりはじめた。
「だばざー洗面器とおみじゅー」
私は軽いため息をはき、厨房で洗面器とお水を用意して部屋にもどった。
すると兄はベランダから吐いていた。そしてすぐに駆け寄って
「もうレックスったら、…大丈夫?」
と背中をさすりお水を渡した。
兄はすぐに水で口をゆすぎ、私にお礼を言ってベッドに戻ろうとした。しかし足元がおぼつかないようなので肩を貸してつれていってあげた。
するといきなり服を脱ぎはじめた。酔って判断力もにぶっており
「ちょ…いやー!スケベー」
としばらく兄を殴っていた。
約5分は殴った(たたいた)だろうか?
その後落ち着きを取り戻し、兄をベッドへきちんと座らせて、私は椅子にもたれかかり話を聞くと、
暑かったから脱いだ、妹だし上着だけだからいっかな
と言うことだ。デリカシーもへったくれもない、と思った。
まぁ兄は私のことは可愛い妹と思ってるはずだし、他の感情なんかある分けないっか、
と帰ろうとしたそんなときふと小さい頃のかばってくれた傷が目に入った。
「…レックス…やっぱり傷はっきり残ったんだ…」
つい口から言葉が漏れた。
ひどく後悔した。なぜなら次に言う言葉はわかっているからだ。
兄は予想どおり明るい声で
「あータバサを守った勲章だし気にしてないよ、ってかこんな気にしてるのか?気にすんなって。」
といった。
これを私は聞きたくなかった。
なぜなら酔っていたのとさっき深く考えていたことがあり、普段なら兄が私に気を遣って言ってくれた言葉だと理解する。
する…はずなのにその時は私のなかにたまってる何かが兄のとある一言により爆発するほうが先だったからだ。
「その傷は“こんなの”とかで片付けていい傷じゃないのよ!“こんなの”?“こんなの”とか言われたって私には違うわよ。私がどれだけ苦しんだか、それに…」
それからは何をしゃべったか、なにを叫んだか、なにをしたかまったく覚えてなかった。
気付いたら兄に抱き締められ泣いている自分がいた。
そして兄は
「ごめん。いままでごめん。」
そうやさしい声でつぶやき、
「でも俺もずっと小さい頃からタバサが妹として、そして女として…」
「待って」
私はその後の言葉をさえぎっり言った。
「それ以上はいっちゃダメだよ。いっちゃダメだから…」
私もこの後に出る言葉を本当はいっちゃダメだとわかってる。けど私はずるい。
兄の…いやお兄ちゃんの心に甘えるほうをとった。
「…だから本当に思ってくれるなら今晩だけでも…」
「タバサ!」
そういうと私の口をお兄ちゃんの口がふさいできた。
「あ…おにいちゃ…」
お兄ちゃんの口付け…ダメとずっと押さえていた気持ちがあふれ出て、後悔と希望に包まれ夜はふけていく。
おしまい。
これは夢なのか現実なのか…私にはわからなくなってきた。
ことの始まりは私とお兄ちゃんの誕生日が一緒だったことか…
それとも勇者という兄をもつ妹として生まれた誕生の際からの運命だったのか…
さっきまで私…ううん、グランパニアの人みんなが酔っていた…私たちの誕生日で…。
「どうしたタバサ?もう十分大人なんだから好きなだけ飲んで楽しんでいいんだよ。」
話してきたのはお父さんだった。
お父さんは(お母さんもだけど)私たち兄妹を目に入れても痛くないぐらい可愛がってくれている。
だからこそこんな盛大な誕生日パーティーを開いてくれているのだ。私から見ても過保護すぎると思うもん。
「大丈夫だよお父さん、楽しんでるし飲んでるから。」
と相づちを入れる。実際うれしいし、お酒も強くないけどちびちび飲んで楽しんではいる。すると
「そーだぞーターバーサーはもっと楽しめーーー…ぷぎゅ」
このように私に酔っ払って話し掛けてくるのは7年前勇者として人類の最大の敵ミルドラースを倒した私の兄、レックス。
私の自慢の兄であり、苦悩の種である。
あの時の旅は昨日の出来事のように今でもはっきり思い出せる…。
私はミルドラースを倒しおばーちゃんを救うため家族四人とお父さんの力で仲間になったモンスターのみんなと旅に出ていた。
当時兄はみんなが待ち望んだ伝説の勇者として尊敬を集めた。私も天才魔法使いとして神童扱いを受けていた。
しかし…それは違った。たしかに同年代の子や並みの人よりはすごかったかもしれない…けど…けどそれだけだった。
勇者としての兄、選ばれし血を引く親、色々な特技を持つモンスターのみんな…このなかでは私はひとつ劣る存在だった…。
でも私はレックスという兄…そう、勇者と同じ血を引いているのだから私にも出きる、と頑張った。
お父さんも私が頑張るのを見て最後まで一人の戦士としてみてくれた。
結果…
「危ないタバサ!」
と魔界のモンスターの筆舌を尽くしがたい攻撃から兄は私をかばい消えない傷を体に作った。
私は泣いて謝った。兄はまったく私を恨まなかった…今もまったくそのようなことおくびにも出さない。
私はその時から、『あぁ“勇者”と私のような“女”は違うんだ』という劣等感と、あと…兄は男ということを意識しはじめた。
兄と私が同列の力を持っていたならこのような感情は生まれなかったのでは…、そもそもなぜ私にだけ勇者という力をくれなかったのか?
そう思うとこの運命を憎んだ…。
しかし男という認識は憎むにはつらすぎた…惚れてしまったこの感情をどう排除しようとも排除仕切れず、また劣等感という葛藤を私に押しつけるだけだった…。
「…バサ…タバサ!」
「あっ、何お母さん!?」
深い考えごとのせいで意識が飛んでたみたいで驚いたように返事をした。
「あなたも酔っ払ったみたいね?お父さんもレックスもぐだぐだだし、今日はお開きにしましょうか?」
そういうとお母さんの鶴の一声でパーティーは終了した。そして
「メイド達はあとかたづけで忙しそうだから、私はお父さんをお仕置きするからあなたはレックスを寝室で寝かしてくれない?」
「え…」
そして気付くと兄の寝室までたどり着いていた。
普段はこの感情がいけないことだからと表に出さず普通に接しているのだが、酔ってあんなことを考えていたため微妙に意識してしまう…。
「うーん、ぎもぢばるい…」
兄をベッドに乗せたらいきなりしゃべりはじめた。
「だばざー洗面器とおみじゅー」
私は軽いため息をはき、厨房で洗面器とお水を用意して部屋にもどった。
すると兄はベランダから吐いていた。そしてすぐに駆け寄って
「もうレックスったら、…大丈夫?」
と背中をさすりお水を渡した。
兄はすぐに水で口をゆすぎ、私にお礼を言ってベッドに戻ろうとした。しかし足元がおぼつかないようなので肩を貸してつれていってあげた。
するといきなり服を脱ぎはじめた。酔って判断力もにぶっており
「ちょ…いやー!スケベー」
としばらく兄を殴っていた。
約5分は殴った(たたいた)だろうか?
その後落ち着きを取り戻し、兄をベッドへきちんと座らせて、私は椅子にもたれかかり話を聞くと、
暑かったから脱いだ、妹だし上着だけだからいっかな
と言うことだ。デリカシーもへったくれもない、と思った。
まぁ兄は私のことは可愛い妹と思ってるはずだし、他の感情なんかある分けないっか、
と帰ろうとしたそんなときふと小さい頃のかばってくれた傷が目に入った。
「…レックス…やっぱり傷はっきり残ったんだ…」
つい口から言葉が漏れた。
ひどく後悔した。なぜなら次に言う言葉はわかっているからだ。
兄は予想どおり明るい声で
「あータバサを守った勲章だし気にしてないよ、ってかこんな気にしてるのか?気にすんなって。」
といった。
これを私は聞きたくなかった。
なぜなら酔っていたのとさっき深く考えていたことがあり、普段なら兄が私に気を遣って言ってくれた言葉だと理解する。
する…はずなのにその時は私のなかにたまってる何かが兄のとある一言により爆発するほうが先だったからだ。
「その傷は“こんなの”とかで片付けていい傷じゃないのよ!“こんなの”?“こんなの”とか言われたって私には違うわよ。私がどれだけ苦しんだか、それに…」
それからは何をしゃべったか、なにを叫んだか、なにをしたかまったく覚えてなかった。
気付いたら兄に抱き締められ泣いている自分がいた。
そして兄は
「ごめん。いままでごめん。」
そうやさしい声でつぶやき、
「でも俺もずっと小さい頃からタバサが妹として、そして女として…」
「待って」
私はその後の言葉をさえぎっり言った。
「それ以上はいっちゃダメだよ。いっちゃダメだから…」
私もこの後に出る言葉を本当はいっちゃダメだとわかってる。けど私はずるい。
兄の…いやお兄ちゃんの心に甘えるほうをとった。
「…だから本当に思ってくれるなら今晩だけでも…」
「タバサ!」
そういうと私の口をお兄ちゃんの口がふさいできた。
「あ…おにいちゃ…」
お兄ちゃんの口付け…ダメとずっと押さえていた気持ちがあふれ出て、後悔と希望に包まれ夜はふけていく。
おしまい。
2008年12月27日(土) 21:17:10 Modified by test66test