王妃様は気持ち良いことがお好き
グランバニア王妃フローラは、非常に困惑していた。
時は真夜中。
山々に囲まれたグランバニアの夜は静寂に包まれ、微かに聞こえるのは、
平地よりも早い冬の到来を思わせる冷たい風が森の木々を凪ぐ音ばかりである。
決して華美ではないが質の良い調度品に飾られた室内は、
サイドテーブルに置いたランプの仄かな明りだけを残し、暗く影を落としていた。
壁にかけられた、拙いけれど一生懸命描かれた肖像画。
幸せそうに寄り添い微笑む夫妻の肖像は、別室に眠るその作者達と共に、
静かな寝息をたてているようにひっそりと息づいている。
繊細な刺繍と最高級の布地で仕立てられたそのベッドは、
キングサイズの名の通り、グランバニア王リュカと愛妃フローラの常床である。
そしてここに、その豪奢な布団にくるまれてやすらかな寝息をたてている青年が一人。
偉大なる先王パパスとマーサ妃の一粒種にして現王、リュカその人である。
フローラは、激務に疲れ子供のようにすやすやと寝息をたてる夫を起こさぬようそっと掛布を持ち上げて、
ベッドに滑り込んだ。
慣れない王位に就いて早2年。
魔王との戦いを経て王都に帰還してからというもの、リュカ王とフローラ妃は、
あたたかい民衆や城の者達、赤子返りをしたかのような甘えたい盛りの双子の王子と王女に囲まれて、
幸せの内にいっそう愛を育んできた。
しかし、やはり王の公務は、冒険の旅とはまた違う疲労を伴うものだった。
このように、つい先ほどまで語り合っていたのに、フローラが鏡台で髪を梳いているその僅かな合間に
リュカが眠りに落ちてしまうこともままあるのである。
もっともそういった日の翌朝のリュカは、悪戯がバレた子供のようにバツの悪い顔をして謝るのだが……。
フローラは、眠る夫の頬を微笑みながら撫で、労りのキスをその額にすると、
自身もふかふかのベッドに身を埋めた。
しかし。一向に眠れないのである。
それどころか、時間が経つにつれフローラの意識は研ぎ澄まされていくようだった。
幾度めかになる寝返りを打ち、夫に背を向けて胎児のように身体を縮こませながら温かい布団にくるまれる。
しんと静まり返った室内でつく僅かなため息が、まるでこの世の終わりを憂れう嘆きのように響く。
(どうしよう………)
フローラは、今、非常に困惑していた。
ここ数週間、激務に追われたリュカとフローラは、夜を共にしていないのだ。
疲れきった身体に寝心地の良すぎるベッドは毒だ。
愛を語らいたくとも強烈な睡魔に襲われてしまい、朝までぐっすり。
そして爽やかな朝を迎えるのだが……
フローラがその身体に異変を感じ始めたのは数日前のこと。
それから毎晩甘い疼きに耐えてきたのだが、今夜という今夜はもう限界だった。
身体の芯は熱く、手足の先までじんじんとその痺れを伝える。
頭は冴えているのに、少しでも気を抜くと、どこか夢を見ているような朦朧とした意識に飲み込まれそうになる。
フローラは下腹部からくる、じん、とした疼きに耐えかねて強く目を閉じた。
しかし、振り払おうとしても甘やかに脳裏に広がるのは、夫との激しい夜の事。
普段は温厚で少年のように無邪気に笑う夫が、逞しい体躯でフローラにのしかかり、
とろけるような口付けと妖しい指づかいでフローラを翻弄し、そして……
(やだ、私ったらはしたないわ……!!)
フローラはかぶりを振った。
そんないやらしいことを考えてしまう自分が卑しく思えて、しかしその身体の甘い痺れに抗うことは酷く困難で。
殆ど無意識のうちに、薄い夜着の上から、自身の両の乳房に触れた。
(ああ……!!)
フローラは目を閉じて一つ大きな溜息をつき、リュカの掌の感触を想像した。
いつも穏やかに優しく微笑うリュカ。しかしその身体の全ては、立派な戦士のそれ。
大きくたよりがいのある掌は豊かな胸を下方からたっぷりと掬い上げ、
その柔らかさをフローラ自身に伝えるかのように優しく揉みしだく。
リュカの掌の中で、たぷたぷと形を変えるフローラの豊かな二つの膨らみ。
そしてリュカの硬く長い指。その指先は……
フローラは、細い指先で自身の胸の蕾に触れた。
(…ぁっん……)
驚くほど優しく、フローラの、早々に敏感になっている蕾を捉える。
愛しそうに円を描いて転がすと、堅くなった先端がピンッ、ピンッ、っと弾かれてぷるぷると震えた。
(あっ、あっ、だめあなたっ、あんっ)
フローラは声にならない声を必死で抑えながら、少女のような愛らしい顔を快楽に歪ませた。
グランバニアの天空と讃えられる空色の美しく長い髪は、枕の上で乱れ、
汗のせいでフローラの頬や首筋に張り付いている。
小さく華奢な白い掌で、幼い顔立ちには不似合いなほど豊満な胸を揉みしだくフローラ。
そして、薄い紅色に彩られた爪を持つ細く白い指先は、フローラの蕾を執拗に攻める。
きらめく宝石を拾い上げるかのようにそっと摘み上げ、人差し指と親指の腹で挟んでくにくにと弄ぶ。
もはや彼女の指先は、彼女の想像の中では夫リュカのものだった。
フローラは、リュカからされる愛撫を想像して、身悶えしながらどんどん快感の深みにはまってゆく。
ひとしきり蕾をいじめるとフローラは、足首まで長さのあるたっぷりとした夜着を
無意識のうちに喉元までたくし上げる。
もはやフローラの肢体は、掛け布の中で、完全に露わにさらされていた。
そうして今度は掌全体を使って、堅くなった蕾に触れるか触れないかのぎりぎりのところでなぞる。
夫が彼女にそうするように。
「……ぅ……ぁ、ぁ、ッはぁ……」
その焦らされるような動きにフローラは、抑えきれない苦しげな声を漏らしてしまう。
脳裏に浮かぶリュカに、
(もっともっと、もっとちゃんと、たくさん触って!たくさんいじめて!!)
と懇願してしまうフローラ。
普段のフローラは、夫との最中にこんなことを言わない。
あくまで本物のリュカに言っているのではないという安心感のおかげか、
フローラは普段到底口にすることができない淫らなセリフを、想像のリュカに繰り返し投げかける。
(…もうダメッ…焦らさないでお願い……あなた…アアッ!!)
フローラの指先はついに再びその蕾を強く摘み、ぐりぐりと擦るように練った。
フローラは堪えきれずに
「っぁん……」
と声を漏らしてしまってから、びくりとして目を開け隣を窺うが、規則的な寝息を立てる夫が起きる気配はない。
ホッと息をつきながらも、指先は止まらない。
……リュカは……ここをいじってくれている時にどんな表情をしていただろうか…
フローラは再び目を瞑って思い出した。
フローラが堪らなく気持ち良さそうにすると、リュカはそれを面白がるかのように意地悪くにやりと微笑み、
いっそう蕾をいじくりまわす。
時に強く、時に弱く。
そして蕾から離れ、掌で胸全体の柔らかさを愉しむように揉んだかと思うと、
フローラの息が整ってきたのを見計らって、再び蕾を摘み上げるのだ。
(ん、ん……あっ、はぁっ……)
フローラは、無意識のうちに夫の手つきを忠実に再現しながら、自身の疼きを慰めていた。
野苺を思わせる両胸の蕾は、いやらしく堅く天に向かって勃ち上がって、その存在を主張している。
その苺は、フローラの自身の華奢な指先によってひっきりなしにこねくりまわされているのだ。
卑しい、と、フローラは頭の片隅で思った。
しかし、圧倒的な快楽と愛するリュカの面影の前には、そんな自責の念は何も意味を為さない。
そしてフローラは、手を休めることのないまま、いつのまにか自分の唇をぺろりぺろりと舐め上げていた。
ぷっくりと愛らしく弾力のある薔薇色の唇を、まるでそれ自体が生き物であるかのような舌が
なめらかに這い回る。
右に左にうごめくフローラの舌は、妖しくなまめかしく唇を濡らしていた。
静寂の中で、微かに、しかしひっきりなしに響くフローラの肌を擦る音。
(あなた……ぁン、気持ち…気持ちイイ……!!…あぁ、わたし…あぁ……)
もはや自らの織り成す快楽に飲み込まれたフローラは、疼きを我慢していた分一気にタガが外れてしまい、
遠慮せず思いのままに淫らな快感に堕ちていた。
隣で眠る者の寝息が止んだことにも気付かずに。
(あぁ、あなた……早く、早く舐めてください……!早くぅ…!!)
想像の中のリュカは、フローラの胸の膨らみの稜線に唇を落とし、その白い肌を食むように愛撫してゆく。
フローラが蕾を口に含まれる事を望んでいるのを知りながら、
リュカはわざと焦らすように蕾の周囲のみを刺激する。
フローラは思わず心のままに物欲しげな表情で目を潤ませてしまうのだが、
そんな愛妻の様子を凝視するリュカの瞳はいやらしく熱を帯び、
彼女が欲しがれば欲しがるほど、中々その蕾には触れないのだ。
その身悶えするほどのもどかしさといったら。
フローラの豊かな胸なら不可能ではないはずだが、
まさか自分で自身の胸を舐めるなどということを思いつかない彼女は、
指の幾本かを口に含み、だ液でべとべとにするように舐めまわした。
自身の指を舐める感触は夫のモノに奉仕する感触を思い起こさせ、
フローラは想像の夫の存在をより確かなものにしてゆく。
夫の舌に敏感な蕾を舐めとられる様を想像して期待にうち震え、思わず甘く疼く腰をくねらせてしまうフローラ。
両膝と腿を擦り合わせ、柔らかい肌触りの布団がもぞもぞと音を立てた。
そうしてついにフローラの濡れた指先は、ランプの仄かな光にてらてらと滴るものを映しながら、
再び胸の蕾に到達した。
(…あぁ………!!あなたが舐めてくれてる……!!)
あたかも「触って欲しい」と懇願するように突き出ている蕾を、
フローラは夫の舌に見立てた自身の濡れた指先で撫で上げた。
(あッ、ぁあッ!!)
その艶かしい感触にびくりと身体が反応し、フローラの瞑っていた瞳にはぎゅっと力がこもる。
リュカは、フローラをより一層感じたいと言って、よく舌を使ってフローラを愛撫してくれる。
リュカの充分に湿った柔らかい舌は、ざらざらした感触でフローラの蕾を舐め続ける。
勢いをつけて一気に舐め上げると豊かな乳房はプルンッと揺れ、
堅くそそり立ったその中心はプルプルと名残惜しそうな余韻を残しながら細かな動きを見せる。
リュカが蕾を舐めるとフローラはいつも、両の膝をしっかり突き合わせて、
腰を引き目にぐっとその快感に耐える。
しかし、舌が触れる度に膝には力が入り、腰は悩ましげにくねってしまうのだ。
そんなフローラは、快感を与られる度にそのふっくらとした愛らしい唇を淫らに半開きにして、
苦しげにせわしない吐息を漏らし、艶を含んだ喘ぎ声――そう、喘ぎ声!
「サラボナの白薔薇」と呼ばれた奇跡のように美しく純真な令嬢が、
リュカから与えられる快感を我慢しきれずに、心のままに淫らな声を絞り出すのだ!
そんなフローラを前にリュカが理性を保っていられるわけがない。
昼間見せるたおやかで従順な姿からは想像もできないほどに、
卑猥で美しい様をさらけ出した愛妃のその痴態は、
まるで「お願い、もっと気持ち良くして!」と訴えかけているようにも、倒錯したリュカは感じてしまう。
その上フローラは、恥かしいのか純白のシーツを強く握り締めて声を出すまいと必死に耐えるのだが、
しかし本能に抗えずに嬌声を漏らしてしまう。
優しく語り掛けるためにあるフローラの唇は、淫らで熱のこもった喘ぎ声を紡ぐ。
フローラ本人は意識しないまでも、健康な二十台半ばの青年であるリュカの表情を一変させ、激しすぎるほどにフローラを攻めたて、焦らし、狂わせる獣のごとくに変貌させるには、充分の媚薬なのである。
フローラは、自身の手で自身を慰めながらも、
優しい面影を残しながらも獣の如く変貌し男の顔を見せるリュカを、心も身体もとろけそうに求めていた。
フローラの指先は、縁取るように蕾の側面に沿ってぐるっと一周這うと、
再びその先端を優しく撫でつけてから、今度はぐりぐりと、蕾を埋め込むように強く細かく振動を与える。
そしてまた蕾全体をゆっくり撫でまわしてその堅さを確かめてから、集中的に一点を攻め込む。
だ液という滑活油を得たフローラの指先は、白く豊かな両のふくらみと、
紅色に染まった愛らしい蕾をだ液でべちゃべちゃに濡らしながら、
休むことなくなまめかしく這い回り、フローラを更なる快感へと高めるのだ。
フローラは、夫が甘噛みをしてくれることを想像しながら、軽く爪を立てた。
(っん……!!)
軽い痛みを伴う刺激は、フローラがリュカから与えられる愛撫の中でも、最も好きなうちの一つだった。
勿論そんなことは、恥ずかしくて夫には言えないのだが……。
(あなたっ……そんなにいじめないで……!!)
フローラは、夫に愛撫されていることを想像しながら、必死で自身を貪った。
そうしているうちに、片方の手は自然と秘所へ伸びていった。
疼きの中心である、下腹部の奥の方からの痺れ。
もうその疼きは限界といっていいほど切羽詰ったものになっていた。
フローラの指先は、華奢な腰伝いにそろりそろりと伸びてゆく。彼女の夫が、いつも彼女にそうするように。
(私…どうしよう、何してるのかしら、ひとりでこんな…ああでも、もう……)
ひんやりとした感触と、疼きに迫ってゆく期待感で、フローラはもう我を忘れていた。
(あぁ、でも触りた………ぁ、ぁ…!!)
フローラの白魚のような繊細な指先は、ついに柔らかな茂みに到達した。
(…ん、あなた、あなた……フローラ、あなたにここを触って欲しいの……ッ!)
そこはもう、しっとりと露を含んでいた。
固く閉じていた膝はゆるゆると開かれ、指の侵入をたやすく受け入れる体勢を整える。
(…ッ!!)
とうとうフローラは、熱く濡れた秘所を探り当てた。
薄い茂みの奥、二つに割れた境目を、フローラの指先はゆっくりと往復を繰り返す。
そこに溢れかえるねっとりとした愛液は、フローラ自身の指によってクチュクチュと淫靡な音を立てる。
(…ぁ…も、もうわたしおかしくなっちゃう……!!)
ぬめる指先が、柔らかい秘所を這い回る。
フローラは、そうと知らないうちに腰を動かし始めていた。
フローラは、人差し指と中指でねっとりとした蜜を溢れさせる入口周辺を繰り返しなぞりながら、
親指で堅くなった豆の部分を探り当てた。
(あっぁん、イイの……!!あ、も、もう私……!)
驚くほどの快感。
そこから身体中に電気が走るような気持ち良さを得て、フローラの指先は執拗にそこをなぶった。
蜜をしたたらせた指は、ぬめり、敏感になった部分を面白いようにこねくりまわす。
既にフローラの息遣いは、そうとわかるほど荒くなっていた。
淫豆はどんどん堅さを増し、皮を脱ぎ捨ててそそり立ってゆく。
(あぁ……あなたが、欲しい…早く……!)
淫豆を激しく擦りながら、溢れんばかりの蜜で待ち受ける入口は、フローラの指を待ち受けていた。
入口周辺で指を遊ばせていたフローラは、強く閉じた目じりに涙をにじませた。
(ももう、が、我慢できなぃ……!!)
く ぷ ん っ
(……ッ………!!!)
その指が、やっとそこに入りかけた瞬間、フローラは勢いよく首をのけぞらせて、ランプの光に白い喉元を晒した。
フローラの後頭部は白い枕に深々と埋もれ、乱れてからまった空色の髪はふわりと広がった。
(…あ、あなた……!!)
ず、ず、ず……
フローラの唇は大きく開けられ、どうにか喉元で止められた声は、色を殺して熱い吐息を中空に溶かす。
自分の指が、自身の膣内を犯す。
膣内は柔らかくぬめり、夫が自分を狂わせるように、フローラの指はその中のあちこちを、
揉みしだくようにうごめいている。
激しく、時にねっとりと蜜を絡ませながら、フローラの指は根元までそこに埋め込まれ、
ぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てている。
そうしてフローラはついに探り当てた。
自分がいつも求めてやまない、膣内の堅くなった部分。
夫がG(ゴールド)オーブと呼んでいるそこに指を強く押し当て、ぐりぐりとこねくりまわすと、
(…ぅ、あぅ……ッ)
足の先から頭までを突き抜けるような快感があった。
フローラは、無我夢中でその部分をこねくりまわした。
グチュグチュという水音は、グニングニンという擬音を思わせるような快感に伴って、
いっそう激しくフローラの腿にしたたってゆく。
その両脚は、爪先までがピンとつっぱっている。
(あ、あ、あなた……リュカ……!!)
フローラは強く目を閉じながら、愛する人の名前を呼んだ。と、その時……
「可愛いよ、フローラ」
フローラは一瞬、何が起こったのか全く理解できなかった。
しかし次の瞬間状況を察して背筋が一気に冷たくなり、秘所をかき回していた右手も、乳房を責め立てていた左手も、固まってしまった。
「すごく…可愛い……。こんなフローラ、初めてだ……」
声も出せずに、ハァ、ハァ、と苦しげな息をつくフローラ。
(見られた)
目尻に溢れた涙は、つと一滴、頬を伝った。
(こんなあさましい、はしたない姿をあなたに見られた……!!)
「…ゃ……やぁぁ……!!」
フローラは恥ずかしさのあまり、悲鳴を上げながら掛け布を頭までかぶった。
夫リュカは、布団に潜り込んで悲痛な声を漏らしている愛妻を後ろからそっと抱きしめ、苦しそうに息をついた。
「ごめん…僕が眠ってしまったから、淋しかったんだね…?」
フローラは求めてやまないあたたかく広い腕にくるまれて、幼子のように頼りない気持ちに還った。
(こんなことをしてしまうなんて…こんなところを見られたなんて……消えてしまいたい!!)
夫の優しさが嬉しくて、けれど急に怒涛のように恥ずかしさと淋しさが蘇る。
口を開けば嗚咽を漏らしてしまいそうで、涙を零しながら、ただただ何度も大きく頷いた。
「でも、今の君、とても可愛かった。素敵だった……!!」
そうしてリュカは、フローラを抱く腕に力をこめた。
「…ぁ………」
「ん?」
「…ぃ、ぃや…こんな、こんなはしたないの、私……」
リュカは掛け布をのけると、顔を覆って大粒の涙を零すフローラの頭を、そっと撫でてやった。
「はしたなくなんてないさ」
大きくかぶりを振るフローラ。
すると。
「ダメだよ」
リュカはフローラの両手を顔から引きはがした。
そうしてリュカは、恐怖にも似た表情でしゃくりあげる愛妻フローラのその可憐な唇に、優しく口付けた。
フローラは一瞬びくりとして、しかしそのあたたかさと優しい夫の匂いに安心して、
そっと、ランプの淡い光を受ける夫の顔を見上げた。
その面は冒険者というにはいささか整いすぎ、王というにはあどけなさの残る、
フローラが愛してやまないいつもの夫だった。
しかしその表情はとても真剣で、澄んだ瞳には抗いようもない強さが込められていた。
リュカのその表情は単に自身の興奮からくるものなのだが、激情で混乱するフローラにはそれがわからない。
「君は僕の妻なんだから、君の全てを僕に見せなくちゃいけない」
そのあまりにも過酷な宣告に、フローラはただ涙を流すばかりだった。
「…ぅっ、くっ、だって…あなた……」
「泣かないで、フローラ。僕も、君には僕の全てを知ってもらいたいから」
そうして彼は、フローラの右手を自身のモノへと導いた。
驚いて、濡れた目を見開くフローラ。
そう、そこは既に堅く大きく、そそり立っていたのだ。
「…僕が見ている事を知ってしまったら、君は泣いてしまうだろうとわかっていた。それでも僕は」
リュカは言葉を切って、恥ずかしそうなバツの悪そうな顔で視線を落とした。
「さっきの君を見て、その…酷く興奮してしまったんだ。こんなふうに……」
そしてフローラの指先は、彼のいきり立った竿の根元から突端まで誘導させられた。
フローラの指先が触れる繊細な感触だけでも、リュカはウッと顔を歪ませ、その竿をビクンと脈打たせてしまう。
フローラは、自分を慰めていた時とは違う胸の高鳴りを覚えた。
「…あなた……」
「ね?僕だっていやらしいし、君が悲しむのをわかっていて、こうして君に触れてしまった。
だから、恥ずかしがることなんて全然ない。君がはしたなくなればなるほど、僕は…
…そんな君が可愛くてしかたないんだよ…フローラ…」
そうしてリュカは、フローラの堅くなっている胸の蕾をそっと舐め上げた。
「ひゃぁんッ……」
求め続けたリュカの舌。
自身の慰めによって感度が上がっているフローラは、途端に嬌声を上げてしまった。
「僕たちは夫婦なんだ。僕は君にもっと気持ちよくなって欲しいよ……。わかる?今僕は、とても嬉しいんだ。
君には僕の前では、もっと、どんどんはしたなくなって欲しい……!」
フローラは透明な涙を一滴落としながら、空色の瞳を瞬かせて頷いた。
「あなた…私、あなたが欲しかったの。あなたが、すごく欲しかったの……ッ!」
するとリュカは、にっこり微笑んで、フローラの額に口付けた。
フローラが安堵と幸せな気持ちで表情を緩ませると、
「あっ……!!」
リュカは、濡れそぼっているフローラの秘所に指を這わせた。
途端に背を弓なりにして反応してしまうフローラ。
しかしそれだけでは済まなかった。リュカは、フローラの入口に宛てた自分の指に、
フローラ自身の手を誘導したのだ。
「僕の指を使って、やってみせてよ」
「…え……?」
フローラは血の気の退いた顔で凍りついた。
「ね。」
言葉に詰まるフローラを、リュカは、罪のない笑みで促す。
「フローラが自分でこういうことするの、本当に嬉しいんだ。だから、最後まで見たいよ。
僕の指を貸してあげるし、淋しくないように抱きしめていてあげるから」
涙でくしゃくしゃな表情を歪ませるフローラは、大きく首を横に振る。
「…ゃー…そ、そんなこと、できません……」
「できるさ」
リュカは秘所に潜り込ませた指を微かに動かしながら、フローラを抱きしめる左腕に優しく力を込めた。
「僕の可愛いフローラは、ちゃんと一人でもできる偉い子だよね?」
そう言いながら、再びクチュクチュと音を立て始める秘所を、リュカは丹念になぶっていく。
「ぁ……」
「もうこんなに濡れちゃってるんだもん、最後までイきたいよね、フローラ?」
フローラはだらしなく口を開け、恍惚とした表情で目を閉じて、何度も頷いた。
「でも君が自分でやらないんなら、僕はもう何もしてあげないよ?」
ふっとリュカの指がフローラの秘所を離れると、途端に、
リュカを求めてフローラの腰がなまめかしい動きを見せる。
「や…やめないで……」
身をよじるフローラにリュカは満面の笑みを浮かべて、自分の手をフローラに差し出した。
「はい」
フローラは暫くもぞもぞと腰を微かに動かしながら、困惑の表情でその手と、
リュカの嬉しそうな表情を交互に見つめていたが…
「……ない?」
「ん?」
消え入るような声で何事か囁いたフローラに、リュカは優しく問い掛けて、
その汗にぬれた前髪を一房取りのけてやった。
「…フローラのこと、きらいにならない……?」
リュカが大きく頷くと、フローラは一つ息をついて、おずおずとその手を取った。
耳まで真っ赤に染めて目を閉じ、しかしフローラは、リュカのその手を確実に下腹部へと誘ってゆく。
リュカは思わずゴクリと喉を鳴らして、その様を見守った。
フローラは今、自らの意思によって、夫の男性的な指先を彼女の最も恥ずかしい部分に誘導しつつある。
(ああ、私達の結婚の契りを聞き届けた天空の神よ、
わたしは永遠に清廉で貞淑な妻でありたいと誓ったはずなのに、今こうして、
恐ろしくて目も開けられないほど恥ずかしい行為を夫に見せようとしています……!!)
夫リュカの食い入るような視線を感じながら、フローラは、その恥辱に唇を噛んで耐える。
と、自分が支え持つリュカの手が、充分に湿り気を帯び熱くなった腿に触れた。
「…ぁっ……」
フローラは小さく声を漏らし、心なしか小刻みに震え、秘所に触れる一歩手前で少しばかり迷いを見せた。
「フローラ」
最後の最後で小さなためらいを見せるフローラに、リュカはささやいた。
「もう我慢しないでいいんだよ?大丈夫。僕が、望んでいるんだ。さあ……」
フローラの秘所はひくひくと蠢き、豊かな胸は大きく上下し、瞳は熱い涙で潤んでいる。
(あなたが、望んでる…それにもうわたし、えぇ、我慢…できない……ッ!!)
フローラは、リュカの指先に手を添えて秘所に
「あぁああっんっ!!」
触れた。
フローラが求めてやまなかった、愛する夫。一旦触れてしまったら、もう止めることなど到底できない。
それは、自分の指で慰めていたよりも遥かに強烈で、とろけるように甘い感触だった。
リュカの中指を握り締めて、蜜をしたたらせる入り口を何度も何度も撫で、いや、なぶる。
既に充分に準備されたフローラの秘所は、リュカの指先によって、狂わんばかりの快感に満たされ始めていた。
自分の指とは明らかに違う、夫の男の指。顔に似合わず男らしい堅く無骨な指先は、
フローラの手によってその入口を淫らに溶かしてゆく。
そうしているうちにフローラは、不自然な疼きを覚え、今度はリュカの親指を以って淫豆の在り処をまさぐった。
「あ、あ、あ、…!」
再び閉じた皮に秘められていた淫豆は、リュカの指の往復によってその姿を表してゆく。
充血し、ぷっくりとふくらんでくるそこは、フローラに、うろたえるほど極度の快感を覚える。
「あ、す、すごいのあなた…!は、恥ずかしいのに、フローラ恥ずかしいの…にっ」
閉じていた両脚は、徐々に開かれてゆく。
リュカの親指でせわしなく淫豆を触り続けるフローラは、腰さえも前後に揺らし始めた。
まるで、リュカのモノを咥え込んだ時のように。
そして、あ、と小さく喘ぐと、びくりと身体を震わせた。
そうして肩を大きく上下させて苦しそうに荒く息をつきながら、フローラは言った。
「お、お願いがあるの、あなた」
ハァハァと息を上げながらフローラはリュカを見上げた。
その瞳は潤み、紅潮した頬は、清楚な王妃を色っぽく淫らな女の表情へと変えていた。
「わたし、もうここから指を離したくない、だけど、…こっちにもあなたの指を入れて…欲しいのっ!」
未だに恥ずかしそうな表情を見せながらも、フローラはなりふり構わずリュカに懇願した。
するとリュカは、無情にも言い放つ。
「こっちって、どこ?」
途端に泣きそうな表情になるフローラ。
しかしその手は、リュカの指で淫豆をまさぐり続けることをやめない。
「や、意地悪……」
「教えてあげたんだから知ってるよね?ちゃんと言えたら、協力してあげないでもないけど?」
「あっ、あっ、あん、…ハァハァ……」
フローラは休みなく手を動かしながら、拗ねたように唇を結び…しかし。
「……ま……………っ」
ず ぷ っ
「あ、ああああああっ、んっ!!!」
フローラが掠れたような小さな声でその名前を口にするのと、
長く堅く節の太い中指が夫自身の意思でフローラの穴に力強くねじこまれたのは、ほぼ同時だった。
「ひゃあっあ、あ、あ!あなた…あゃっ、あ、あああ――!!」
深く埋め込まれたリュカの指と、淫豆をなぶるその快感は、
ようやくリュカを受け入れることができた歓びとあいまって、想像を絶するものだった。
リュカは、差し入れを何度も何度も繰り返した。勢いよく引き抜いて、またすぐ深く差し入れる。
その度に、リュカはフローラの中で激しく指を暴れさせる。
その、いつもとは違う辱めと、いいように犯されているような感覚は、
フローラの腰を激しく前後に揺り動かさせた。
そうしてまたフローラも、リュカの親指を強く握り締めて、淫豆をもて遊ぶ。
リュカの指先は堅く、充血したそこをぐりぐりとこねる。
その両方を一度に犯される感触に、フローラは急速に高まっていった。
膣内を犯すリュカに捧げるように、秘所を思う存分差し出すフローラ。
既にその華奢な両足はめいいっぱい開かれ、つま先まで力がこもって、
硬直したようにピンと高く掲げられている。
あんなに恥ずかしがっていたのに、まるでリュカに見せつけるかのように。
「フローラ…、可愛い……!!」
リュカは息も荒くささやいた。
青年王リュカは、今正にその若さに似つかわしい欲望に支配され、視姦するように愛する妻を凝視していた。
端整な顔立ちのせいか心根の純粋さからか溢れ出る奥ゆかしい気品は隠しようもないが、
それでも確実にその瞳には普段の温厚堅実な面影は薄れ、一人の男としての性欲に満ち満ちていた。
リュカは、中指を膣内で暴れさせ、親指で淫豆をむさぼりながら、
律動に揺れるフローラの胸にむしゃぶりついた。
「あ、あっあっ!!」
膣内を繊細な動きでかきまわされる感触、淫豆をこねくりまわされる快感、
胸の蕾を執拗に責め立てられる歓びで、フローラは狂ったように腰を動かし、喘ぎ続けた。
「可愛い、フローラ。なんていやらしいお嬢様なんだ……」
快感に堕とされながらもフローラは、歯をくいしばってかぶりを振った。
「何で認めないの?いやらしいよ。僕の隣でこんな風に一人で乱れちゃって。
僕の指でオナニーするのがそんなに気持ち良いのかい?」
フローラは手を休めないまま、頬を膨らませて精一杯の抵抗を見せた。
「ん?こんなにぐちょぐちょにして……。足だってこんなに開いちゃって、見てくださいと言わんばかりじゃないか。
丸見えだよ、フローラ。やらしいな、そんなに見せたいの?試しに誰か呼んでみようか?」
フローラは目を強く閉じ、とうとう泣きそうな表情でリュカをうらめしそうに見つめた
しかし、その手は休むことを知らない。
「…ゃ…やめてくださいあなた…お願いそんなこと言わないで…!」
するとリュカは指先の出し入れを繰り返しながらも、フローラの頬に優しく口付けた。
「ごめんね、フローラ。あまりにも君が可愛いからいけないんだよ。いじめたくなっちゃうんだ」
フローラは熱い吐息を漏らしながら、顔を背けた。
「あ…はぁ…ん、あっ、あんっ…告白……しますわ……」
その白魚の指先に誘われたリュカの親指はひっきりなしに淫豆をこね、
十分に蜜をしたたらせた淫穴はジュボッジュボッっと音を立てて出入りを繰り返している。
リュカは、息を飲んでフローラの言葉を待った。
「あなたにそうやって…いじめ…られるのが…フローラとても好きなの…気持ち良く…なっちゃうの!!…あ!!
あんっ!あ、あ、ゃんっ!あ、ダメそんなにっ!!!」
リュカは、火がついたように指を激しく動かした。
そうして、奇妙に落ち着いたいつもより少し低い声色で、フローラの耳元に語りかけた。
「いい子だ……。偉いよ、フローラ。ご褒美をあげる…」
リュカはグラインドさせていた指の動きを止めると、フローラの膣内の堅くなった部分にゆっくりと押し宛てた。
「…うっ、あ、あぁ…」
一瞬身体の全ての動きを奪われ、耐え難い快楽に、苦痛とも見えるほどに美しく妖しく顔を歪ませるフローラ。
「G(ゴールド)オーブだよ。フローラ、ここ好きだよね?」
ぐりぐりと、その部分をこねるリュカ。
「うっ、うっ、…あ、あぅ…!!」
何度も首を立てに振るフローラは、満足に声も出せない。
その目じりから、涙が一滴伝ってこぼれた。
「あぁ…なんて可愛いんだ、フローラ……」
リュカは、徐々にGオーブを突くスピードを速めていった。
その堅い部分を強く強く押し上げ、こねくりまわすように振動を与えながら可愛がってから、
入り口まで引き抜き、また休む間もなく強く突き立てる。
ぐちゅりぐちゅりという音が、静かな室内に遠慮なく響きわたる。
と、フローラは突如我に返ったように身体をびくんと波打たせた。
「あ、ダメ、フローラ、ダメなの、」
リュカは、ハッ、っと荒い息をつきながら、精一杯無理をして微笑んだ。
「…どうしたの?何がダメ?」
フローラは強く首を左右に振って、唇を噛み締めた。
「ダメなの、やだ、ももうダメ、い、イっちゃう……」
「可愛いフローラ、いいよ、イッていいよ…!」
フローラは淫豆への愛撫を一層強くし、リュカもまた激しく膣壁を擦り上げる。
うん、うん、と何度も大きく頷いたフローラは、唯一自由になる頭部をリュカの胸に強く押し付けた。
「あっ、ダメ、あ、あ、あ――、あ、あなたぁ―――!!!」
フローラの身体中が強張り、弓なりになったその華奢な背中がひときわ大きくびくりと撥ね…
…ふかふかのベッドにどさりと落ちた。
「あ…ぁんっ、あん、ぁ……」
ぴくり、ぴくり、とフローラの身体は撥ね続ける。
リュカは、そんなフローラの華奢な身体をきつくきつく抱きしめて、頭を撫でてやった。
「あぁフローラ…可愛いよ…。最高だ…!!」
フローラはハァハァと荒い呼吸で豊かな胸を上下させながら、幸せそうに深く息をついた。
「あ…愛してるの、あなた……」
そうして涙を一滴こぼすフローラ。
フローラは眩暈のする快感の中でリュカの首に両腕をまわし、やっとの思いで声を搾り出すと、
リュカを見つめてそっと微笑んだ。
絶頂の果てに少しばかりまどろんだフローラがそっと目を開けると、
愛する夫リュカは、優しい瞳で自分を見つめてくれていた。
「おは…よう…ございます……?」
「おはよう、フローラ。疲れただろ。身体は大丈夫?」
そう言って、にっこり微笑むリュカは、優しくフローラの髪を撫でた。
その心地良さにフローラはまたうっとりと瞳を閉じかけたが、ふと、気が付いた。
裸だった自分の身体はきれいに清められ、元着ていた通りの夜着を身につけていた。
「あなたが…?」
「きれいにしておいてあげたよ。まだ朝には早いから、何も心配せずに眠るといい」
フローラはその言葉と夫の優しい表情に、先ほどの痴態をありありと思い出し、頬を染めて顔を手で覆った。
「や…わたし、恥ずかしいわ…あ、あんなこと…!!」
「フローラ、フローラ」
リュカはそんなフローラを優しく撫で、手をのかせた。
「そんな風に恥ずかしがって欲しくないよ。僕を愛してくれているから、あんなことをしたんだろう?」
フローラは鼻をすんっと鳴らすと、こくりと頷いた。
「いい子だ」
リュカは満足気にフローラを抱きしめた。
「僕もだよ、愛してる。……でもフローラ、」
フローラはゆっくりと顔を上げ、夫の顔を見上げた。
「今度から、僕に内緒で一人であんなことしちゃダメだよ」
フローラは急に恥ずかしさを思い出し、涙でくしゃくしゃにした顔をしかめ、消え入りそうな声で答えた。
「ハイ……」
「する時はね、」
リュカはそんなフローラの頬を手で包みこみながら、言った。
「する時は、必ず僕の見てる前ですること」
フローラは驚いた顔をして、そして真っ赤になった。
「……そんな……こと、できませんわ………」
リュカは少女のように愛らしい妻の額、瞼、頬、鼻、全てに甘いキスを降らせた。
「ダメだよ。…実は、あんな君をまた見たいと思ってしまっているんだ……。
あの時の君は、一生懸命で、とても可愛かった。だからこれは、僕達夫婦の決まり事だ。いいね?」
フローラは困った顔をして、けれど頷いた。
「はい、あなた……」
そうして二人は、顔を見合わせて微笑んだ。
「それとね、お願いがあるんだ」
リュカは照れたように小声になって頭を掻いた。
「一旦は静まったんだけど…君が起きて、その…声を聞いてしまったら…」
リュカは、再びフローラの手を自身のモノへ誘導した。
あ、と小さく声を上げるフローラ。
「ごめん……」
フローラは頬を染めて恥じらいながらも、悪戯っぽく微笑んだ。
「はしたないフローラは、容赦いたしませんわよ?」
終
時は真夜中。
山々に囲まれたグランバニアの夜は静寂に包まれ、微かに聞こえるのは、
平地よりも早い冬の到来を思わせる冷たい風が森の木々を凪ぐ音ばかりである。
決して華美ではないが質の良い調度品に飾られた室内は、
サイドテーブルに置いたランプの仄かな明りだけを残し、暗く影を落としていた。
壁にかけられた、拙いけれど一生懸命描かれた肖像画。
幸せそうに寄り添い微笑む夫妻の肖像は、別室に眠るその作者達と共に、
静かな寝息をたてているようにひっそりと息づいている。
繊細な刺繍と最高級の布地で仕立てられたそのベッドは、
キングサイズの名の通り、グランバニア王リュカと愛妃フローラの常床である。
そしてここに、その豪奢な布団にくるまれてやすらかな寝息をたてている青年が一人。
偉大なる先王パパスとマーサ妃の一粒種にして現王、リュカその人である。
フローラは、激務に疲れ子供のようにすやすやと寝息をたてる夫を起こさぬようそっと掛布を持ち上げて、
ベッドに滑り込んだ。
慣れない王位に就いて早2年。
魔王との戦いを経て王都に帰還してからというもの、リュカ王とフローラ妃は、
あたたかい民衆や城の者達、赤子返りをしたかのような甘えたい盛りの双子の王子と王女に囲まれて、
幸せの内にいっそう愛を育んできた。
しかし、やはり王の公務は、冒険の旅とはまた違う疲労を伴うものだった。
このように、つい先ほどまで語り合っていたのに、フローラが鏡台で髪を梳いているその僅かな合間に
リュカが眠りに落ちてしまうこともままあるのである。
もっともそういった日の翌朝のリュカは、悪戯がバレた子供のようにバツの悪い顔をして謝るのだが……。
フローラは、眠る夫の頬を微笑みながら撫で、労りのキスをその額にすると、
自身もふかふかのベッドに身を埋めた。
しかし。一向に眠れないのである。
それどころか、時間が経つにつれフローラの意識は研ぎ澄まされていくようだった。
幾度めかになる寝返りを打ち、夫に背を向けて胎児のように身体を縮こませながら温かい布団にくるまれる。
しんと静まり返った室内でつく僅かなため息が、まるでこの世の終わりを憂れう嘆きのように響く。
(どうしよう………)
フローラは、今、非常に困惑していた。
ここ数週間、激務に追われたリュカとフローラは、夜を共にしていないのだ。
疲れきった身体に寝心地の良すぎるベッドは毒だ。
愛を語らいたくとも強烈な睡魔に襲われてしまい、朝までぐっすり。
そして爽やかな朝を迎えるのだが……
フローラがその身体に異変を感じ始めたのは数日前のこと。
それから毎晩甘い疼きに耐えてきたのだが、今夜という今夜はもう限界だった。
身体の芯は熱く、手足の先までじんじんとその痺れを伝える。
頭は冴えているのに、少しでも気を抜くと、どこか夢を見ているような朦朧とした意識に飲み込まれそうになる。
フローラは下腹部からくる、じん、とした疼きに耐えかねて強く目を閉じた。
しかし、振り払おうとしても甘やかに脳裏に広がるのは、夫との激しい夜の事。
普段は温厚で少年のように無邪気に笑う夫が、逞しい体躯でフローラにのしかかり、
とろけるような口付けと妖しい指づかいでフローラを翻弄し、そして……
(やだ、私ったらはしたないわ……!!)
フローラはかぶりを振った。
そんないやらしいことを考えてしまう自分が卑しく思えて、しかしその身体の甘い痺れに抗うことは酷く困難で。
殆ど無意識のうちに、薄い夜着の上から、自身の両の乳房に触れた。
(ああ……!!)
フローラは目を閉じて一つ大きな溜息をつき、リュカの掌の感触を想像した。
いつも穏やかに優しく微笑うリュカ。しかしその身体の全ては、立派な戦士のそれ。
大きくたよりがいのある掌は豊かな胸を下方からたっぷりと掬い上げ、
その柔らかさをフローラ自身に伝えるかのように優しく揉みしだく。
リュカの掌の中で、たぷたぷと形を変えるフローラの豊かな二つの膨らみ。
そしてリュカの硬く長い指。その指先は……
フローラは、細い指先で自身の胸の蕾に触れた。
(…ぁっん……)
驚くほど優しく、フローラの、早々に敏感になっている蕾を捉える。
愛しそうに円を描いて転がすと、堅くなった先端がピンッ、ピンッ、っと弾かれてぷるぷると震えた。
(あっ、あっ、だめあなたっ、あんっ)
フローラは声にならない声を必死で抑えながら、少女のような愛らしい顔を快楽に歪ませた。
グランバニアの天空と讃えられる空色の美しく長い髪は、枕の上で乱れ、
汗のせいでフローラの頬や首筋に張り付いている。
小さく華奢な白い掌で、幼い顔立ちには不似合いなほど豊満な胸を揉みしだくフローラ。
そして、薄い紅色に彩られた爪を持つ細く白い指先は、フローラの蕾を執拗に攻める。
きらめく宝石を拾い上げるかのようにそっと摘み上げ、人差し指と親指の腹で挟んでくにくにと弄ぶ。
もはや彼女の指先は、彼女の想像の中では夫リュカのものだった。
フローラは、リュカからされる愛撫を想像して、身悶えしながらどんどん快感の深みにはまってゆく。
ひとしきり蕾をいじめるとフローラは、足首まで長さのあるたっぷりとした夜着を
無意識のうちに喉元までたくし上げる。
もはやフローラの肢体は、掛け布の中で、完全に露わにさらされていた。
そうして今度は掌全体を使って、堅くなった蕾に触れるか触れないかのぎりぎりのところでなぞる。
夫が彼女にそうするように。
「……ぅ……ぁ、ぁ、ッはぁ……」
その焦らされるような動きにフローラは、抑えきれない苦しげな声を漏らしてしまう。
脳裏に浮かぶリュカに、
(もっともっと、もっとちゃんと、たくさん触って!たくさんいじめて!!)
と懇願してしまうフローラ。
普段のフローラは、夫との最中にこんなことを言わない。
あくまで本物のリュカに言っているのではないという安心感のおかげか、
フローラは普段到底口にすることができない淫らなセリフを、想像のリュカに繰り返し投げかける。
(…もうダメッ…焦らさないでお願い……あなた…アアッ!!)
フローラの指先はついに再びその蕾を強く摘み、ぐりぐりと擦るように練った。
フローラは堪えきれずに
「っぁん……」
と声を漏らしてしまってから、びくりとして目を開け隣を窺うが、規則的な寝息を立てる夫が起きる気配はない。
ホッと息をつきながらも、指先は止まらない。
……リュカは……ここをいじってくれている時にどんな表情をしていただろうか…
フローラは再び目を瞑って思い出した。
フローラが堪らなく気持ち良さそうにすると、リュカはそれを面白がるかのように意地悪くにやりと微笑み、
いっそう蕾をいじくりまわす。
時に強く、時に弱く。
そして蕾から離れ、掌で胸全体の柔らかさを愉しむように揉んだかと思うと、
フローラの息が整ってきたのを見計らって、再び蕾を摘み上げるのだ。
(ん、ん……あっ、はぁっ……)
フローラは、無意識のうちに夫の手つきを忠実に再現しながら、自身の疼きを慰めていた。
野苺を思わせる両胸の蕾は、いやらしく堅く天に向かって勃ち上がって、その存在を主張している。
その苺は、フローラの自身の華奢な指先によってひっきりなしにこねくりまわされているのだ。
卑しい、と、フローラは頭の片隅で思った。
しかし、圧倒的な快楽と愛するリュカの面影の前には、そんな自責の念は何も意味を為さない。
そしてフローラは、手を休めることのないまま、いつのまにか自分の唇をぺろりぺろりと舐め上げていた。
ぷっくりと愛らしく弾力のある薔薇色の唇を、まるでそれ自体が生き物であるかのような舌が
なめらかに這い回る。
右に左にうごめくフローラの舌は、妖しくなまめかしく唇を濡らしていた。
静寂の中で、微かに、しかしひっきりなしに響くフローラの肌を擦る音。
(あなた……ぁン、気持ち…気持ちイイ……!!…あぁ、わたし…あぁ……)
もはや自らの織り成す快楽に飲み込まれたフローラは、疼きを我慢していた分一気にタガが外れてしまい、
遠慮せず思いのままに淫らな快感に堕ちていた。
隣で眠る者の寝息が止んだことにも気付かずに。
(あぁ、あなた……早く、早く舐めてください……!早くぅ…!!)
想像の中のリュカは、フローラの胸の膨らみの稜線に唇を落とし、その白い肌を食むように愛撫してゆく。
フローラが蕾を口に含まれる事を望んでいるのを知りながら、
リュカはわざと焦らすように蕾の周囲のみを刺激する。
フローラは思わず心のままに物欲しげな表情で目を潤ませてしまうのだが、
そんな愛妻の様子を凝視するリュカの瞳はいやらしく熱を帯び、
彼女が欲しがれば欲しがるほど、中々その蕾には触れないのだ。
その身悶えするほどのもどかしさといったら。
フローラの豊かな胸なら不可能ではないはずだが、
まさか自分で自身の胸を舐めるなどということを思いつかない彼女は、
指の幾本かを口に含み、だ液でべとべとにするように舐めまわした。
自身の指を舐める感触は夫のモノに奉仕する感触を思い起こさせ、
フローラは想像の夫の存在をより確かなものにしてゆく。
夫の舌に敏感な蕾を舐めとられる様を想像して期待にうち震え、思わず甘く疼く腰をくねらせてしまうフローラ。
両膝と腿を擦り合わせ、柔らかい肌触りの布団がもぞもぞと音を立てた。
そうしてついにフローラの濡れた指先は、ランプの仄かな光にてらてらと滴るものを映しながら、
再び胸の蕾に到達した。
(…あぁ………!!あなたが舐めてくれてる……!!)
あたかも「触って欲しい」と懇願するように突き出ている蕾を、
フローラは夫の舌に見立てた自身の濡れた指先で撫で上げた。
(あッ、ぁあッ!!)
その艶かしい感触にびくりと身体が反応し、フローラの瞑っていた瞳にはぎゅっと力がこもる。
リュカは、フローラをより一層感じたいと言って、よく舌を使ってフローラを愛撫してくれる。
リュカの充分に湿った柔らかい舌は、ざらざらした感触でフローラの蕾を舐め続ける。
勢いをつけて一気に舐め上げると豊かな乳房はプルンッと揺れ、
堅くそそり立ったその中心はプルプルと名残惜しそうな余韻を残しながら細かな動きを見せる。
リュカが蕾を舐めるとフローラはいつも、両の膝をしっかり突き合わせて、
腰を引き目にぐっとその快感に耐える。
しかし、舌が触れる度に膝には力が入り、腰は悩ましげにくねってしまうのだ。
そんなフローラは、快感を与られる度にそのふっくらとした愛らしい唇を淫らに半開きにして、
苦しげにせわしない吐息を漏らし、艶を含んだ喘ぎ声――そう、喘ぎ声!
「サラボナの白薔薇」と呼ばれた奇跡のように美しく純真な令嬢が、
リュカから与えられる快感を我慢しきれずに、心のままに淫らな声を絞り出すのだ!
そんなフローラを前にリュカが理性を保っていられるわけがない。
昼間見せるたおやかで従順な姿からは想像もできないほどに、
卑猥で美しい様をさらけ出した愛妃のその痴態は、
まるで「お願い、もっと気持ち良くして!」と訴えかけているようにも、倒錯したリュカは感じてしまう。
その上フローラは、恥かしいのか純白のシーツを強く握り締めて声を出すまいと必死に耐えるのだが、
しかし本能に抗えずに嬌声を漏らしてしまう。
優しく語り掛けるためにあるフローラの唇は、淫らで熱のこもった喘ぎ声を紡ぐ。
フローラ本人は意識しないまでも、健康な二十台半ばの青年であるリュカの表情を一変させ、激しすぎるほどにフローラを攻めたて、焦らし、狂わせる獣のごとくに変貌させるには、充分の媚薬なのである。
フローラは、自身の手で自身を慰めながらも、
優しい面影を残しながらも獣の如く変貌し男の顔を見せるリュカを、心も身体もとろけそうに求めていた。
フローラの指先は、縁取るように蕾の側面に沿ってぐるっと一周這うと、
再びその先端を優しく撫でつけてから、今度はぐりぐりと、蕾を埋め込むように強く細かく振動を与える。
そしてまた蕾全体をゆっくり撫でまわしてその堅さを確かめてから、集中的に一点を攻め込む。
だ液という滑活油を得たフローラの指先は、白く豊かな両のふくらみと、
紅色に染まった愛らしい蕾をだ液でべちゃべちゃに濡らしながら、
休むことなくなまめかしく這い回り、フローラを更なる快感へと高めるのだ。
フローラは、夫が甘噛みをしてくれることを想像しながら、軽く爪を立てた。
(っん……!!)
軽い痛みを伴う刺激は、フローラがリュカから与えられる愛撫の中でも、最も好きなうちの一つだった。
勿論そんなことは、恥ずかしくて夫には言えないのだが……。
(あなたっ……そんなにいじめないで……!!)
フローラは、夫に愛撫されていることを想像しながら、必死で自身を貪った。
そうしているうちに、片方の手は自然と秘所へ伸びていった。
疼きの中心である、下腹部の奥の方からの痺れ。
もうその疼きは限界といっていいほど切羽詰ったものになっていた。
フローラの指先は、華奢な腰伝いにそろりそろりと伸びてゆく。彼女の夫が、いつも彼女にそうするように。
(私…どうしよう、何してるのかしら、ひとりでこんな…ああでも、もう……)
ひんやりとした感触と、疼きに迫ってゆく期待感で、フローラはもう我を忘れていた。
(あぁ、でも触りた………ぁ、ぁ…!!)
フローラの白魚のような繊細な指先は、ついに柔らかな茂みに到達した。
(…ん、あなた、あなた……フローラ、あなたにここを触って欲しいの……ッ!)
そこはもう、しっとりと露を含んでいた。
固く閉じていた膝はゆるゆると開かれ、指の侵入をたやすく受け入れる体勢を整える。
(…ッ!!)
とうとうフローラは、熱く濡れた秘所を探り当てた。
薄い茂みの奥、二つに割れた境目を、フローラの指先はゆっくりと往復を繰り返す。
そこに溢れかえるねっとりとした愛液は、フローラ自身の指によってクチュクチュと淫靡な音を立てる。
(…ぁ…も、もうわたしおかしくなっちゃう……!!)
ぬめる指先が、柔らかい秘所を這い回る。
フローラは、そうと知らないうちに腰を動かし始めていた。
フローラは、人差し指と中指でねっとりとした蜜を溢れさせる入口周辺を繰り返しなぞりながら、
親指で堅くなった豆の部分を探り当てた。
(あっぁん、イイの……!!あ、も、もう私……!)
驚くほどの快感。
そこから身体中に電気が走るような気持ち良さを得て、フローラの指先は執拗にそこをなぶった。
蜜をしたたらせた指は、ぬめり、敏感になった部分を面白いようにこねくりまわす。
既にフローラの息遣いは、そうとわかるほど荒くなっていた。
淫豆はどんどん堅さを増し、皮を脱ぎ捨ててそそり立ってゆく。
(あぁ……あなたが、欲しい…早く……!)
淫豆を激しく擦りながら、溢れんばかりの蜜で待ち受ける入口は、フローラの指を待ち受けていた。
入口周辺で指を遊ばせていたフローラは、強く閉じた目じりに涙をにじませた。
(ももう、が、我慢できなぃ……!!)
く ぷ ん っ
(……ッ………!!!)
その指が、やっとそこに入りかけた瞬間、フローラは勢いよく首をのけぞらせて、ランプの光に白い喉元を晒した。
フローラの後頭部は白い枕に深々と埋もれ、乱れてからまった空色の髪はふわりと広がった。
(…あ、あなた……!!)
ず、ず、ず……
フローラの唇は大きく開けられ、どうにか喉元で止められた声は、色を殺して熱い吐息を中空に溶かす。
自分の指が、自身の膣内を犯す。
膣内は柔らかくぬめり、夫が自分を狂わせるように、フローラの指はその中のあちこちを、
揉みしだくようにうごめいている。
激しく、時にねっとりと蜜を絡ませながら、フローラの指は根元までそこに埋め込まれ、
ぐちゅぐちゅと淫靡な音を立てている。
そうしてフローラはついに探り当てた。
自分がいつも求めてやまない、膣内の堅くなった部分。
夫がG(ゴールド)オーブと呼んでいるそこに指を強く押し当て、ぐりぐりとこねくりまわすと、
(…ぅ、あぅ……ッ)
足の先から頭までを突き抜けるような快感があった。
フローラは、無我夢中でその部分をこねくりまわした。
グチュグチュという水音は、グニングニンという擬音を思わせるような快感に伴って、
いっそう激しくフローラの腿にしたたってゆく。
その両脚は、爪先までがピンとつっぱっている。
(あ、あ、あなた……リュカ……!!)
フローラは強く目を閉じながら、愛する人の名前を呼んだ。と、その時……
「可愛いよ、フローラ」
フローラは一瞬、何が起こったのか全く理解できなかった。
しかし次の瞬間状況を察して背筋が一気に冷たくなり、秘所をかき回していた右手も、乳房を責め立てていた左手も、固まってしまった。
「すごく…可愛い……。こんなフローラ、初めてだ……」
声も出せずに、ハァ、ハァ、と苦しげな息をつくフローラ。
(見られた)
目尻に溢れた涙は、つと一滴、頬を伝った。
(こんなあさましい、はしたない姿をあなたに見られた……!!)
「…ゃ……やぁぁ……!!」
フローラは恥ずかしさのあまり、悲鳴を上げながら掛け布を頭までかぶった。
夫リュカは、布団に潜り込んで悲痛な声を漏らしている愛妻を後ろからそっと抱きしめ、苦しそうに息をついた。
「ごめん…僕が眠ってしまったから、淋しかったんだね…?」
フローラは求めてやまないあたたかく広い腕にくるまれて、幼子のように頼りない気持ちに還った。
(こんなことをしてしまうなんて…こんなところを見られたなんて……消えてしまいたい!!)
夫の優しさが嬉しくて、けれど急に怒涛のように恥ずかしさと淋しさが蘇る。
口を開けば嗚咽を漏らしてしまいそうで、涙を零しながら、ただただ何度も大きく頷いた。
「でも、今の君、とても可愛かった。素敵だった……!!」
そうしてリュカは、フローラを抱く腕に力をこめた。
「…ぁ………」
「ん?」
「…ぃ、ぃや…こんな、こんなはしたないの、私……」
リュカは掛け布をのけると、顔を覆って大粒の涙を零すフローラの頭を、そっと撫でてやった。
「はしたなくなんてないさ」
大きくかぶりを振るフローラ。
すると。
「ダメだよ」
リュカはフローラの両手を顔から引きはがした。
そうしてリュカは、恐怖にも似た表情でしゃくりあげる愛妻フローラのその可憐な唇に、優しく口付けた。
フローラは一瞬びくりとして、しかしそのあたたかさと優しい夫の匂いに安心して、
そっと、ランプの淡い光を受ける夫の顔を見上げた。
その面は冒険者というにはいささか整いすぎ、王というにはあどけなさの残る、
フローラが愛してやまないいつもの夫だった。
しかしその表情はとても真剣で、澄んだ瞳には抗いようもない強さが込められていた。
リュカのその表情は単に自身の興奮からくるものなのだが、激情で混乱するフローラにはそれがわからない。
「君は僕の妻なんだから、君の全てを僕に見せなくちゃいけない」
そのあまりにも過酷な宣告に、フローラはただ涙を流すばかりだった。
「…ぅっ、くっ、だって…あなた……」
「泣かないで、フローラ。僕も、君には僕の全てを知ってもらいたいから」
そうして彼は、フローラの右手を自身のモノへと導いた。
驚いて、濡れた目を見開くフローラ。
そう、そこは既に堅く大きく、そそり立っていたのだ。
「…僕が見ている事を知ってしまったら、君は泣いてしまうだろうとわかっていた。それでも僕は」
リュカは言葉を切って、恥ずかしそうなバツの悪そうな顔で視線を落とした。
「さっきの君を見て、その…酷く興奮してしまったんだ。こんなふうに……」
そしてフローラの指先は、彼のいきり立った竿の根元から突端まで誘導させられた。
フローラの指先が触れる繊細な感触だけでも、リュカはウッと顔を歪ませ、その竿をビクンと脈打たせてしまう。
フローラは、自分を慰めていた時とは違う胸の高鳴りを覚えた。
「…あなた……」
「ね?僕だっていやらしいし、君が悲しむのをわかっていて、こうして君に触れてしまった。
だから、恥ずかしがることなんて全然ない。君がはしたなくなればなるほど、僕は…
…そんな君が可愛くてしかたないんだよ…フローラ…」
そうしてリュカは、フローラの堅くなっている胸の蕾をそっと舐め上げた。
「ひゃぁんッ……」
求め続けたリュカの舌。
自身の慰めによって感度が上がっているフローラは、途端に嬌声を上げてしまった。
「僕たちは夫婦なんだ。僕は君にもっと気持ちよくなって欲しいよ……。わかる?今僕は、とても嬉しいんだ。
君には僕の前では、もっと、どんどんはしたなくなって欲しい……!」
フローラは透明な涙を一滴落としながら、空色の瞳を瞬かせて頷いた。
「あなた…私、あなたが欲しかったの。あなたが、すごく欲しかったの……ッ!」
するとリュカは、にっこり微笑んで、フローラの額に口付けた。
フローラが安堵と幸せな気持ちで表情を緩ませると、
「あっ……!!」
リュカは、濡れそぼっているフローラの秘所に指を這わせた。
途端に背を弓なりにして反応してしまうフローラ。
しかしそれだけでは済まなかった。リュカは、フローラの入口に宛てた自分の指に、
フローラ自身の手を誘導したのだ。
「僕の指を使って、やってみせてよ」
「…え……?」
フローラは血の気の退いた顔で凍りついた。
「ね。」
言葉に詰まるフローラを、リュカは、罪のない笑みで促す。
「フローラが自分でこういうことするの、本当に嬉しいんだ。だから、最後まで見たいよ。
僕の指を貸してあげるし、淋しくないように抱きしめていてあげるから」
涙でくしゃくしゃな表情を歪ませるフローラは、大きく首を横に振る。
「…ゃー…そ、そんなこと、できません……」
「できるさ」
リュカは秘所に潜り込ませた指を微かに動かしながら、フローラを抱きしめる左腕に優しく力を込めた。
「僕の可愛いフローラは、ちゃんと一人でもできる偉い子だよね?」
そう言いながら、再びクチュクチュと音を立て始める秘所を、リュカは丹念になぶっていく。
「ぁ……」
「もうこんなに濡れちゃってるんだもん、最後までイきたいよね、フローラ?」
フローラはだらしなく口を開け、恍惚とした表情で目を閉じて、何度も頷いた。
「でも君が自分でやらないんなら、僕はもう何もしてあげないよ?」
ふっとリュカの指がフローラの秘所を離れると、途端に、
リュカを求めてフローラの腰がなまめかしい動きを見せる。
「や…やめないで……」
身をよじるフローラにリュカは満面の笑みを浮かべて、自分の手をフローラに差し出した。
「はい」
フローラは暫くもぞもぞと腰を微かに動かしながら、困惑の表情でその手と、
リュカの嬉しそうな表情を交互に見つめていたが…
「……ない?」
「ん?」
消え入るような声で何事か囁いたフローラに、リュカは優しく問い掛けて、
その汗にぬれた前髪を一房取りのけてやった。
「…フローラのこと、きらいにならない……?」
リュカが大きく頷くと、フローラは一つ息をついて、おずおずとその手を取った。
耳まで真っ赤に染めて目を閉じ、しかしフローラは、リュカのその手を確実に下腹部へと誘ってゆく。
リュカは思わずゴクリと喉を鳴らして、その様を見守った。
フローラは今、自らの意思によって、夫の男性的な指先を彼女の最も恥ずかしい部分に誘導しつつある。
(ああ、私達の結婚の契りを聞き届けた天空の神よ、
わたしは永遠に清廉で貞淑な妻でありたいと誓ったはずなのに、今こうして、
恐ろしくて目も開けられないほど恥ずかしい行為を夫に見せようとしています……!!)
夫リュカの食い入るような視線を感じながら、フローラは、その恥辱に唇を噛んで耐える。
と、自分が支え持つリュカの手が、充分に湿り気を帯び熱くなった腿に触れた。
「…ぁっ……」
フローラは小さく声を漏らし、心なしか小刻みに震え、秘所に触れる一歩手前で少しばかり迷いを見せた。
「フローラ」
最後の最後で小さなためらいを見せるフローラに、リュカはささやいた。
「もう我慢しないでいいんだよ?大丈夫。僕が、望んでいるんだ。さあ……」
フローラの秘所はひくひくと蠢き、豊かな胸は大きく上下し、瞳は熱い涙で潤んでいる。
(あなたが、望んでる…それにもうわたし、えぇ、我慢…できない……ッ!!)
フローラは、リュカの指先に手を添えて秘所に
「あぁああっんっ!!」
触れた。
フローラが求めてやまなかった、愛する夫。一旦触れてしまったら、もう止めることなど到底できない。
それは、自分の指で慰めていたよりも遥かに強烈で、とろけるように甘い感触だった。
リュカの中指を握り締めて、蜜をしたたらせる入り口を何度も何度も撫で、いや、なぶる。
既に充分に準備されたフローラの秘所は、リュカの指先によって、狂わんばかりの快感に満たされ始めていた。
自分の指とは明らかに違う、夫の男の指。顔に似合わず男らしい堅く無骨な指先は、
フローラの手によってその入口を淫らに溶かしてゆく。
そうしているうちにフローラは、不自然な疼きを覚え、今度はリュカの親指を以って淫豆の在り処をまさぐった。
「あ、あ、あ、…!」
再び閉じた皮に秘められていた淫豆は、リュカの指の往復によってその姿を表してゆく。
充血し、ぷっくりとふくらんでくるそこは、フローラに、うろたえるほど極度の快感を覚える。
「あ、す、すごいのあなた…!は、恥ずかしいのに、フローラ恥ずかしいの…にっ」
閉じていた両脚は、徐々に開かれてゆく。
リュカの親指でせわしなく淫豆を触り続けるフローラは、腰さえも前後に揺らし始めた。
まるで、リュカのモノを咥え込んだ時のように。
そして、あ、と小さく喘ぐと、びくりと身体を震わせた。
そうして肩を大きく上下させて苦しそうに荒く息をつきながら、フローラは言った。
「お、お願いがあるの、あなた」
ハァハァと息を上げながらフローラはリュカを見上げた。
その瞳は潤み、紅潮した頬は、清楚な王妃を色っぽく淫らな女の表情へと変えていた。
「わたし、もうここから指を離したくない、だけど、…こっちにもあなたの指を入れて…欲しいのっ!」
未だに恥ずかしそうな表情を見せながらも、フローラはなりふり構わずリュカに懇願した。
するとリュカは、無情にも言い放つ。
「こっちって、どこ?」
途端に泣きそうな表情になるフローラ。
しかしその手は、リュカの指で淫豆をまさぐり続けることをやめない。
「や、意地悪……」
「教えてあげたんだから知ってるよね?ちゃんと言えたら、協力してあげないでもないけど?」
「あっ、あっ、あん、…ハァハァ……」
フローラは休みなく手を動かしながら、拗ねたように唇を結び…しかし。
「……ま……………っ」
ず ぷ っ
「あ、ああああああっ、んっ!!!」
フローラが掠れたような小さな声でその名前を口にするのと、
長く堅く節の太い中指が夫自身の意思でフローラの穴に力強くねじこまれたのは、ほぼ同時だった。
「ひゃあっあ、あ、あ!あなた…あゃっ、あ、あああ――!!」
深く埋め込まれたリュカの指と、淫豆をなぶるその快感は、
ようやくリュカを受け入れることができた歓びとあいまって、想像を絶するものだった。
リュカは、差し入れを何度も何度も繰り返した。勢いよく引き抜いて、またすぐ深く差し入れる。
その度に、リュカはフローラの中で激しく指を暴れさせる。
その、いつもとは違う辱めと、いいように犯されているような感覚は、
フローラの腰を激しく前後に揺り動かさせた。
そうしてまたフローラも、リュカの親指を強く握り締めて、淫豆をもて遊ぶ。
リュカの指先は堅く、充血したそこをぐりぐりとこねる。
その両方を一度に犯される感触に、フローラは急速に高まっていった。
膣内を犯すリュカに捧げるように、秘所を思う存分差し出すフローラ。
既にその華奢な両足はめいいっぱい開かれ、つま先まで力がこもって、
硬直したようにピンと高く掲げられている。
あんなに恥ずかしがっていたのに、まるでリュカに見せつけるかのように。
「フローラ…、可愛い……!!」
リュカは息も荒くささやいた。
青年王リュカは、今正にその若さに似つかわしい欲望に支配され、視姦するように愛する妻を凝視していた。
端整な顔立ちのせいか心根の純粋さからか溢れ出る奥ゆかしい気品は隠しようもないが、
それでも確実にその瞳には普段の温厚堅実な面影は薄れ、一人の男としての性欲に満ち満ちていた。
リュカは、中指を膣内で暴れさせ、親指で淫豆をむさぼりながら、
律動に揺れるフローラの胸にむしゃぶりついた。
「あ、あっあっ!!」
膣内を繊細な動きでかきまわされる感触、淫豆をこねくりまわされる快感、
胸の蕾を執拗に責め立てられる歓びで、フローラは狂ったように腰を動かし、喘ぎ続けた。
「可愛い、フローラ。なんていやらしいお嬢様なんだ……」
快感に堕とされながらもフローラは、歯をくいしばってかぶりを振った。
「何で認めないの?いやらしいよ。僕の隣でこんな風に一人で乱れちゃって。
僕の指でオナニーするのがそんなに気持ち良いのかい?」
フローラは手を休めないまま、頬を膨らませて精一杯の抵抗を見せた。
「ん?こんなにぐちょぐちょにして……。足だってこんなに開いちゃって、見てくださいと言わんばかりじゃないか。
丸見えだよ、フローラ。やらしいな、そんなに見せたいの?試しに誰か呼んでみようか?」
フローラは目を強く閉じ、とうとう泣きそうな表情でリュカをうらめしそうに見つめた
しかし、その手は休むことを知らない。
「…ゃ…やめてくださいあなた…お願いそんなこと言わないで…!」
するとリュカは指先の出し入れを繰り返しながらも、フローラの頬に優しく口付けた。
「ごめんね、フローラ。あまりにも君が可愛いからいけないんだよ。いじめたくなっちゃうんだ」
フローラは熱い吐息を漏らしながら、顔を背けた。
「あ…はぁ…ん、あっ、あんっ…告白……しますわ……」
その白魚の指先に誘われたリュカの親指はひっきりなしに淫豆をこね、
十分に蜜をしたたらせた淫穴はジュボッジュボッっと音を立てて出入りを繰り返している。
リュカは、息を飲んでフローラの言葉を待った。
「あなたにそうやって…いじめ…られるのが…フローラとても好きなの…気持ち良く…なっちゃうの!!…あ!!
あんっ!あ、あ、ゃんっ!あ、ダメそんなにっ!!!」
リュカは、火がついたように指を激しく動かした。
そうして、奇妙に落ち着いたいつもより少し低い声色で、フローラの耳元に語りかけた。
「いい子だ……。偉いよ、フローラ。ご褒美をあげる…」
リュカはグラインドさせていた指の動きを止めると、フローラの膣内の堅くなった部分にゆっくりと押し宛てた。
「…うっ、あ、あぁ…」
一瞬身体の全ての動きを奪われ、耐え難い快楽に、苦痛とも見えるほどに美しく妖しく顔を歪ませるフローラ。
「G(ゴールド)オーブだよ。フローラ、ここ好きだよね?」
ぐりぐりと、その部分をこねるリュカ。
「うっ、うっ、…あ、あぅ…!!」
何度も首を立てに振るフローラは、満足に声も出せない。
その目じりから、涙が一滴伝ってこぼれた。
「あぁ…なんて可愛いんだ、フローラ……」
リュカは、徐々にGオーブを突くスピードを速めていった。
その堅い部分を強く強く押し上げ、こねくりまわすように振動を与えながら可愛がってから、
入り口まで引き抜き、また休む間もなく強く突き立てる。
ぐちゅりぐちゅりという音が、静かな室内に遠慮なく響きわたる。
と、フローラは突如我に返ったように身体をびくんと波打たせた。
「あ、ダメ、フローラ、ダメなの、」
リュカは、ハッ、っと荒い息をつきながら、精一杯無理をして微笑んだ。
「…どうしたの?何がダメ?」
フローラは強く首を左右に振って、唇を噛み締めた。
「ダメなの、やだ、ももうダメ、い、イっちゃう……」
「可愛いフローラ、いいよ、イッていいよ…!」
フローラは淫豆への愛撫を一層強くし、リュカもまた激しく膣壁を擦り上げる。
うん、うん、と何度も大きく頷いたフローラは、唯一自由になる頭部をリュカの胸に強く押し付けた。
「あっ、ダメ、あ、あ、あ――、あ、あなたぁ―――!!!」
フローラの身体中が強張り、弓なりになったその華奢な背中がひときわ大きくびくりと撥ね…
…ふかふかのベッドにどさりと落ちた。
「あ…ぁんっ、あん、ぁ……」
ぴくり、ぴくり、とフローラの身体は撥ね続ける。
リュカは、そんなフローラの華奢な身体をきつくきつく抱きしめて、頭を撫でてやった。
「あぁフローラ…可愛いよ…。最高だ…!!」
フローラはハァハァと荒い呼吸で豊かな胸を上下させながら、幸せそうに深く息をついた。
「あ…愛してるの、あなた……」
そうして涙を一滴こぼすフローラ。
フローラは眩暈のする快感の中でリュカの首に両腕をまわし、やっとの思いで声を搾り出すと、
リュカを見つめてそっと微笑んだ。
絶頂の果てに少しばかりまどろんだフローラがそっと目を開けると、
愛する夫リュカは、優しい瞳で自分を見つめてくれていた。
「おは…よう…ございます……?」
「おはよう、フローラ。疲れただろ。身体は大丈夫?」
そう言って、にっこり微笑むリュカは、優しくフローラの髪を撫でた。
その心地良さにフローラはまたうっとりと瞳を閉じかけたが、ふと、気が付いた。
裸だった自分の身体はきれいに清められ、元着ていた通りの夜着を身につけていた。
「あなたが…?」
「きれいにしておいてあげたよ。まだ朝には早いから、何も心配せずに眠るといい」
フローラはその言葉と夫の優しい表情に、先ほどの痴態をありありと思い出し、頬を染めて顔を手で覆った。
「や…わたし、恥ずかしいわ…あ、あんなこと…!!」
「フローラ、フローラ」
リュカはそんなフローラを優しく撫で、手をのかせた。
「そんな風に恥ずかしがって欲しくないよ。僕を愛してくれているから、あんなことをしたんだろう?」
フローラは鼻をすんっと鳴らすと、こくりと頷いた。
「いい子だ」
リュカは満足気にフローラを抱きしめた。
「僕もだよ、愛してる。……でもフローラ、」
フローラはゆっくりと顔を上げ、夫の顔を見上げた。
「今度から、僕に内緒で一人であんなことしちゃダメだよ」
フローラは急に恥ずかしさを思い出し、涙でくしゃくしゃにした顔をしかめ、消え入りそうな声で答えた。
「ハイ……」
「する時はね、」
リュカはそんなフローラの頬を手で包みこみながら、言った。
「する時は、必ず僕の見てる前ですること」
フローラは驚いた顔をして、そして真っ赤になった。
「……そんな……こと、できませんわ………」
リュカは少女のように愛らしい妻の額、瞼、頬、鼻、全てに甘いキスを降らせた。
「ダメだよ。…実は、あんな君をまた見たいと思ってしまっているんだ……。
あの時の君は、一生懸命で、とても可愛かった。だからこれは、僕達夫婦の決まり事だ。いいね?」
フローラは困った顔をして、けれど頷いた。
「はい、あなた……」
そうして二人は、顔を見合わせて微笑んだ。
「それとね、お願いがあるんだ」
リュカは照れたように小声になって頭を掻いた。
「一旦は静まったんだけど…君が起きて、その…声を聞いてしまったら…」
リュカは、再びフローラの手を自身のモノへ誘導した。
あ、と小さく声を上げるフローラ。
「ごめん……」
フローラは頬を染めて恥じらいながらも、悪戯っぽく微笑んだ。
「はしたないフローラは、容赦いたしませんわよ?」
終
2008年12月27日(土) 05:46:48 Modified by test66test