【傾向と対策】:回帰型の徘徊

【定義】


認知症の高齢者・要介護者が、「自分が一番輝いていた頃」に戻って
その時の自分が果たしていた役割を再び果たそう、とすることによって生じる徘徊


【傾向】


「回帰型の徘徊」とは、

「子供を学校に迎えに行く」

「会社に行かなければいけない」

「ビルマに出征する」など、

認知症の高齢者・要介護者の方が、過去の自分に戻って
過去の自分が果たしていた役割を再び果たそうとする
ことによって生じる徘徊です。

年老いて何もできなくなった自分の現状に対する不満、
それゆえの「自分が一番輝いていた頃」に戻りたい、という
欲求の現れ、と見ることができます。


【対策】


回帰型の徘徊を行う人の表情・言動は、
「使命感」と「確信」に満ちているケースが多いです。

自分が一番輝いていた時、自分が一番人から期待されていたときに
行ってきたことをやろう、としているのですから、
これはある意味当然のことなのかもしれません。

よって、回帰型の徘徊をする人に対しては、
言葉による説得は無効な場合が多いです。
無理に引きとめようとすると、怒った本人からの暴力行為に
発展する危険性もあります。

最も効果的な方法は、
「本人の意思をいったん認め、しばらく徘徊に付き合うこと」です。

しばらく徘徊に付き合った後、うまく理由をつける、
食事や別のことを話題に出して気をそらす、などの方法で、
「役割の遂行」を延期、中止してもらう、というアプローチが
有効です。

(例)「会社に行かなければ」という人に対し、
しばらく同行した後、「あ、そういえば、今日は会社お休みでしたよ」
「会社に行くには、まず背広を着なければダメですよ。
明日、背広を見に行きましょうよ」
「あ、まずご飯を食べてからいきましょうか」などのように、
うまく理由をつけて、徘徊を静める

回帰型の徘徊を行う人は、「実際にその場所に行きたい」
「実際にその役割を果たしたい」という欲求よりも、
「かつて自分はこんなに頼りにされていた」ということ、
「自分はこんなにみんなから必要とされていた」ということを
周りの人に分かって欲しい、という欲求が、
背後にあることが多いです。

そうした「裏の欲求」を読み取ることが、回帰型の徘徊を行う人と
接する上で、非常に大切になります。



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2007年03月12日(月) 15:53:56 Modified by e0874




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