時計の針が0時を指した。今年の11月11日の幕開けである。
パソコンで家計簿をつけていたさゆみさんは、保存してからパソコンをシャットダウンさせる。
ノートパソコンを閉じると、構ってほしい仔犬のような目をしたれいなクンが従順に待っていた。

「れーな」
「なん?」
「お誕生日、おめでとう」
「ニシシ、ありがとうっちゃ」
「ちょっと待ってね、プレゼントちゃんと用意してあるから」

そう言って立ち上がり、雑多に物が置いてある畳部屋へと向かう。
プレゼントは裸のさゆで充分たい、そう口から出かけて慌てて飲み込む。
今日は仕事も休みをもらったのだ、さゆとの濃厚な一日を過ごすために序盤から機嫌をそこねさせたら意味がなか、と考えたからである。
さゆみさんはすぐに戻ってきて、大きめの紙袋をれいなクンに渡す。
中身を覗いたれいなクンは、訝しげに、

「……服?」
「そう。で、今すぐそれに着替えて。さゆみも着替えるから」

それだけ言って優樹の寝ている寝室に一人で入り、ドアを閉めた。
れいなクンはガサガサと紙袋を鳴らして、中身を取り出す。
最初に一目見て、不思議に思った通り、その服は。

「学ランたい」

なぜ、こんな日常では着れない服が誕生日プレゼントなのか。
倹約家のさゆみさんにしては珍しいシロモノをあちこちの角度で見ながら、それでも、

「まぁ……着れというなら従うばい」

パジャマ代わりにしているスウェットを脱いで、Yシャツに袖を通した。
ズボンにベルトを通し、シャツの裾はズボンの外に出し、上着はボタンを留めずに羽織るだけにする。
れいなクンなりに着こなして、一応と思ってリビングにある姿見で全身をチェックする。
そこには。背は高くなったものの、学生時代のれいなクンがいた。
似合いすぎることに、軽く凹みつつも、サイズがぴったりなそれのシャツの襟を正す。
すると、寝室から声が聞こえた。

「れーな、着替えた?」
「着替えたけん。ところでさゆ、これって、」

そこでれいなクンの言葉が途切れた。さゆみさんが寝室のドアを開けたからである。
さゆみさんは。

「……似合う?」

紺のブレザーの中に白のカーディガン、赤リボンを首元につけて、ベージュのチェックスカートを穿いている。
れいなクンの今月のお小遣いからさっぴかれた、数学女子学園の衣装を身に纏っていた。
目を丸くして口を開けているれいなクンを見つめながら、さゆみさんはトコトコとリビングに戻ってきた。

「……なにか言ってよ」

少し拗ねた口調で言われ、我に返るれいなクン。

「ば、ばり似合っとぅよ、さゆ! ばってん、その衣装は『勝手にン万円も使ったバツとして着てあげないの』って言っとらんかったと?」

さゆみさんはソファに腰を下ろし、

「れーなの誕生日だから、特別に、ね。ねえ……今年はさゆみがプレゼント、じゃダメ?」

言いながら丈の短いスカートの裾をピラ、と少しだけ捲った。

「も、もちろんダメじゃなか! 大歓迎たい!」

興奮しながら言うれいなクンは、即さゆみさんに覆い被さろうとして……。

「待って、れーな」

肩を押され、止められた。

「なんねさゆ、れなは我慢できんたい」
「なんとか我慢して、とにかく隣に座って」

ちえー、とかブツブツ言いながらも素直にソファに座る。

「そういえばさゆ、この学ランはどうしたと?」
「れーながフクちゃんに紹介したコスプレショップに、フクちゃんに案内してもらって買ってきたの」
「ばってん、れながコスプレする意味は……」
「いいじゃない、学生時代に戻った感じで」

夢で終わった、二人きりの学生時代に。

「というわけで、れーな、目を閉じて」
「言葉が繋がっとらん気がするっちゃけど……これでよかと?」
「そのままおとなしくしていてね」

目を閉じたれいなクンの耳に、カチャカチャと金属音が聞こえる。と、思ったら両手を後ろに回された。

「さゆー?」
「あとちょっとだから」

手首に冷たい感触と、カチャンッ、という音。そしてコロン、とソファに寝かされた。

「はい、もう目を開けていいの」

素直に目を開けると、照明が眩しく視界に入った。

「れーな、手が痛かったりしない?」

さゆみさんがひょっこり顔を覗かせる。

「大丈夫っちゃけど……さゆ、なにしたと?」
「んー? 後ろ手に手錠をかけてソファに寝転がせただけ」
「ああそれだけ……ってコラ! だいたい手錠なんてどこで……」
「れーなのエログッズ箱にあったから。こういうのを因果応報、って言うのかな」
「ちょ、ちょっと待つと! 今日はれなの誕生日で、さゆがプレゼントじゃなかとーと!?」
「そうだよ。だから……」

スル、シャツの上から胸板を撫で、耳元に唇を寄せる。

「さゆみがれーなを気持ち良くさせてあげるの」

熱い囁きに、カラダが疼く。

「今日はれーなが喘いでよ。……れーなの声ってゾクゾクするもの」

それだけ言って。
耳をねっとり舐めて耳朶を甘噛みする。もう片方の耳にも指を優しく突っ込まれた。

「うっ」
「声、我慢しなくていいからね……」

さゆみさんは嬉しそうにれいなクンのシャツのボタンを外し始めた。
ボタンを全て外し終えると、顔が寄ってきた。
頬を指でゆっくりなぞられる。
頬・額・アゴ・鼻の頭、とキスの雨が優しく降る。

「さゆ……」
「れーな」

近距離で見つめ合って、お互い目を閉じて唇を寄せる。
重ねるだけのキスを一度して唇を離す。れいなクンは誘うように薄く開いた。
入ってくるさゆみさんの舌。絡め合ったり舌を擦りつけ合ったり。

「ふう、んっ」

という声が聞こえたが、どちらのものだったか。もしかしてお互いかもしれない。
さゆみさんは舌をれいなクンの口腔に入れ、好きに動いているが、手を動かすことも忘れていない。
シャツを開き、胸板を撫でたり、ワキ腹に手を這わせたりする。
そのたびに、れいなクンはカラダが疼いて仕方がなかった。
長いディープキスが終わり、二人はゆっくり目を開ける。お互いに瞳は潤んでいて。
二人の唇を、細い透明な糸が繋いでいたが、れいなクンが「さゆ」と呟くと、プツンと切れて、れいなクンの口腔に吸い込まれていった。
さゆみさんの顔が移動する。首筋を舐め上げられ、鎖骨の窪みにキスされる。
それを微笑ましい気持ちで感じていると、サワリ、指が胸板の先端の周りをなぞった。

「はぁ……」

思わず吐息が洩れる。そんなれいなクンを見てさゆみさんは、

「男の人もここが感じるのは本当なんだね」

関心したようになぞり続け、起立しかけている先端をキュッと摘んだ。

「んっ。さゆ……どこでそんな知識を仕入れたと? ネット?」
「女子会情報」
「……だれに聞いたと?」
「秘密」

バッサリ斬って、もう片方の胸の頂を口に含んだ。
ちゅっ・ちゅっ、と慣れない感じで吸う姿が愛おしくて、頭を撫でたくなったが、あいにく両手は後ろで手錠に拘束されている。
チロチロと舐められると、「ふぅっ」と声が上がってしまう。

「れーな、気持ち良いんだ」

れいなクンの顔を見ながら胸への愛撫を続けるので、快感が顔に出るとすぐに分かってしまう。

「うん。ばり気持ち良いっちゃ」

だかられいなクンも素直に答える。
ひとしきり胸への愛撫をしてから、さゆみさんは顔とカラダを上げた。そしてれいなクンの腰へと移動していく。
それかられいなクンの足に跨り、ズボンのベルトを外し始めた。
カチャカチャと外され、ボタンやジッパーに手をかけられると、否が応でも期待で胸が高鳴る。

「れーな、腰、浮かせて」

素直に従うと、ズボンとパンツ、両方ずり下され、完全に足から抜けた。さゆみさんは脱がしたそれを、無造作にソファの下へと落とす。
れいなクンの股間が半勃ちになっているのを確認すると、さゆみさんはソファの下のスキ間に隠していた物を取り出す。それは……、

「……さゆ、なんでエッチ用のローションなんて持っとると?」
「これもれーなのエログッズ箱にあったやつだよ」
「あーどうりで見覚えが……じゃなくて、なんで今、そんなものを、ってことばい」
「さゆみも色々勉強したの。上手くできるか分からないけどさ」
「……どこで勉強したと?」
「秘密」

再びバッサリ斬られて、れいなクンはなにも言えなくなる。
黙って見ていると、さゆみさんは一度ソファから下りて、ゴソゴソとスカートを穿いたままショーツを脱いだ。
そして再びれいなクンに跨る。手の平にたっぷりローションを出して、ヌチャヌチャと擦って人肌に温める。
それから静かに、温めたローションをれいなクンの男根にたっぷり塗り込んだ。

「うあっ」

思わず声が出るれいなクン。ヌルリとした感触と、拙いながらも指が絡みつく感触。二つの刺激に、男根が一回り、大きくなった。
男根がすっかりローションまみれになったのを見て、さゆみさんは手を離す。
そして再びローションを手の平にたっぷり出して。
自らの秘所にローションを塗り込んだ。
スカートを捲り上げて塗り込む、という妖艶さに、れいなクンはアルコール度数の高い酒を一気飲みしたかのようにクラクラした。
互いの秘部にたっぷりとローションが塗られると、さゆみさんはスカートをめくれさせたまま、れいなクンの腰に跨った。

「イイ顔してね、れーな」

それだけ言って。右手で男根を握って、腰を突き出した。

「うん!」

心地良く男根を握られながら、ヌルヌルの股間の擦れ合い。
さゆみさんは片目を閉じて、腰を突き出したり引いたりする。
そのうち、自身が気持ち良くなってきたのか、顔を上気させながらハッハッ、と短い息を吐く。
手の平で包まれた亀頭は、さゆみさんが腰を引いてコンニチハ、腰を突き出しサヨウナラ、と見え隠れする。
なによりも、自分を気持ち良くさせるためにさゆみさんが腰を振る、このことがれいなクンの興奮を煽った。

「ふふ、れーな蕩けた顔してる」
「だって、ばり気持ち良いっちゃもん」
「なら良かった。じゃあ、そろそろかな」

腰の動きがピタリと止んで、さゆみさんはれいなクンから下りた。
え、終わりと? れなドラゴンになっとぅよ!?
そんな悲痛な叫びが口から出る前に、さゆみさんは行動をとる。
スカートの横にあるホックを外し、ぱさ……とスカートを床に落としたのだ。
上はきっちりブレザーを着て清楚な、下は太ももを広くローションでてからせて妖艶に、
というアンビバレンスな姿に、れいなクンはすっかり酩酊する。

「続き、するね」

さゆみさんの言葉に、れいなクンは激しく何度も頷く。
跨って再びヌチャヌチャと粘りのある音を出しながら、秘所同士を擦り合わせた。

「くううっ」

れいなクンは喉元を晒す。
ローションでグチョグチョになった手が、まるでさゆみさんのナカに入ったときの感覚に似ていた。
快楽に溺れながら、ぼんやりとした目でさゆみさんを見る。
すると。
さゆみさんは左手にスマホを持って、楽しそうに画面を見ていた。

「さ、ゆ。なんしとると……?」
「ムービーを撮ってるの」
「な……っ!?」
「れーなだって時々、シてる間に撮るじゃない。だからさゆみも真似したの。
 あは……っ、これ良いね。これもハメ撮りっていうのかな?」
「ちょ、撮るのは、うぅっ!」
「大丈夫、だれにも見せないから。……だから、れーなのイク顔を見せて?」

言いながらスライングを派手に大胆にする。
興奮しているのか、さゆみさんは顔を真っ赤にして額に汗を浮かべ、夢中になってれいなクンの顔や、ドラゴン化している男根を撮る。
循環したように、れいなクンの興奮も高まり、男根は膨張した。

「ぐぅっ、出る!」

……さゆみさんのスマホは天を向いて白い欲望を勢いよく吐き出す男根と、
真っ赤になって歯をくいしばって必死なれいなクンの表情を、ばっちり撮っていた……。


はああ、と大きく息を吐き出すれいなクンと、自らの手にかかった精子をぺろっと一舐めするさゆみさん。
さゆみさんは立ち上がり、ムービーを停止させてスマホをテーブルに置く。
れいなクンは、ただぼうっとさゆみさんの姿を視線で追う。
さゆみさんはれいなクンに近付き、

「今のが前菜、かな。メインディッシュはまだまだ、だからね」

悪戯っぽく微笑みながら言って、ウインクをした。
そしてソファで横たわっているれいなクンの眼前で上着を脱ぎ、リボンを外し、カーディガンも脱いだ。
そして焦らすように、プチリ・プチリとブラウスのボタンを外す。
ボタンが胸下まで外されたとき、れいなクンは大きく生唾を飲み込んだ。
女性が着ける下着、ブラが無かったのである。
ブラウスのボタンは全て外される。全裸にブラウスを羽織っただけ、という姿は艶かしく、そして美しかった。
れいなクンは吐精したばかりなのに、ムクリ、と股間は元気に立ち上がった。
れいなクンの脚を割って、間にカラダを入れるさゆみさん。そして再びローションを手にした。

「フクちゃんのように大きくないけれど……それでも頑張ってみるね」

なにを? と聞く必要は無かった。さゆみさんが胸全体にローションを塗ったからである。
そして今の言葉。最愛の女性に男の夢を叶えてもらえる期待に、男根はそそり立つ。
そそり立った男根は、ムニュッとした柔らかさと張りのある感触に包まれた。

「え、っと……こう、かな」

さゆみさんは思案顔で自らの両胸を動かし、間に挟んだ男根を刺激する。
先ほどの激しい快楽とは打って変わって、穏やかな心地良さがれいなクンの脳ミソを甘く痺れさせる。

「……で、こう動けばいいのかな」

さゆみさんは呟き、胸で男根を挟んだままカラダを上下させる。

「気持ち良かとぉ」

うっとりとした声に気を良くしたのか、はみ出ている亀頭の先端にチュ、と唇を落として、さらに胸を押し付ける。
先ほどの素股愛撫とは違う、ぬるりとした人肌に包まれる優しい感触を忘れないよう、脳ミソに刻み込む。
男根は徐々に元気を取り戻し、ドラゴンへと進化を始める。
れいなクンは、パイズリの気持ち良さもそうだが、頑張ってしてくれている、さゆみさんの気持ちが嬉しかった。
その喜びが一点に集中し、ドラゴンは再生した。
さゆみさんは胸での愛撫を止める。名残惜しい想いと、今からなにをしてくれるのか、という期待が交錯する。
両手でドラゴンを握り、さゆみさんは。

「れーな、次は全部飲ませてね」

上目遣いでれいなクンを見たままペロリと竿を舐めた。
今までとは違う、少しだけザラザラする舌が竿全体を舐め回す。
タマを片方の口に含んでモグモグし、もう片方をぷにぷにと揉む。空いている手はその間、竿を擦り、亀頭をサワサワ撫でる。
れろりとタマを舐めて、口を離す。ちゅ、と根元にキスしたかと思ったら、

「れーな、気持ち良い?」

可愛らしく小首を傾げられた。

「ばり気持ち良かと……。せやけん、もっとして」

だからつい、ねだるように言ってしまった。
さゆみさんは微笑んで。
それから指の腹で裏筋をツツーとなぞって、アリのとわたりを舌でちろちろ舐めた。

「くぅんっ!」

犬が鳴くような声がれいなクンの口から出る。
それに気を良くしたのか、さゆみさんはカリの部分に舌を伸ばした。
ぐるぐると舐めたかと思ったら、竿に唇を当て、ハーモニカを吹くように唇を滑らせる。
れいなクンのドラゴンが、ローションではなく、さゆみさんの唾液ですっかり濡れて。

「さゆぅ……」

れいなクンが切なげな瞳をした。
さゆみさんは声を出さずに笑って一つ頷いて。
にゅるりと生温かい湿った感触が、れいなクンのカリまでを包み込んだ。
さゆみさんはそのまま、深く・浅く、男根を咥える。
じゅっぷ・じゅっぷ、と咥えるだけじゃなく、竿を亀頭を尿道口を舌でつつく。
上目遣いで見つめられたままやられるので、れいなクンはとても興奮していた。
亀頭までを咥えたかと思ったら、そのまま強く吸引され、竿はリズミカルに扱かれたとき、
れいなクンは思わず「あうっ!」と声を出してしまった。
段々とれいなクンのカラダ中の血液が熱くなる。

「うぅ、さゆの口は気持ち良すぎると。イキそうたい」

切れ切れの声で伝えたら、さゆみさんは器用にも咥えたまま頷いた。
根元ぎりぎりまで深く咥え、タマをさわさわと撫でる。
そして、じゅう、と強く吸引した。

「うあっ、あ!」

堪えきれずにれいなクンは、ドクドクと脈打ちながら、さゆみさんの口中に射精した。


れいなクンは荒い息を吐きながら、さゆみさんが口元を手で覆いながらコクン・コクン、と白い欲望を飲み込むのを見ていた。

「……けほっ。れーなってば量が多いの」

文句を口にしながらも、表情は満更でもない感じである。
そんな姿に健気さと、どうしようもない愛おしさが込み上げてきて。

「よっ……と」
「れーな?」

腹筋の力だけで上半身を起こす。

「さゆ、そろそろ手錠を外してくれんと?」
「なんで?」
「今、この瞬間に、さゆを思いきり抱きしめたいけん」

その言葉に、さゆみさんの頬がぽっと赤くなる。

「嬉しいけれど……だめ」
「なんでと?」
「メインディッシュがまだだから」

再び寝かせようとしたさゆみさんの懐に素早く入って、その白いカラダに一つ、キスを落とす。

「あ……」
「それならせめて、唇で触れたか」

さゆみさんは迷っている様子だったが、れいなクンの真摯な瞳に。

「……うん。正直、さゆみも触れてほしかったから……」

本音を吐いた。

さゆみさんがれいなクンの頭を抱えて、熱い息を吐く。
れいなクンは乳房、胸の谷間にと、舌を伸ばして熱心に舐める。

「あん……はあん……」
「さゆの汗は、ばり甘いと」

言いながられいなクンはチュウチュウと吸う。

「さゆ、腋を出してほしか」
「え……? こう?」

出された腋を、れいなクンは躊躇いもなくべろんと大きく舐めた。

「ひゃあんっ」
「さゆの匂いがばりするっちゃ……」

飢えた仔猫が必死でミルクを飲むように、ぴちゃぴちゃと音を立てて集中的に舐める。

「やっ、恥ずかし……っ!」
「美味か……ばり美味いけん」

さゆみさんは尾てい骨からジワジワと上がってくる、不思議な甘い痺れを感じながらも腋を差し出していた。
腋がふやけるほど舐めた後、れいなクンはさゆみさんにヒザ立ちしてもらい、次はお腹に顔を埋めながら舐めた。

「はあ〜。さゆのお腹は至宝たい」

至福そうに言い、額を擦りつける。
そしておヘソに狙いを定め、またぴちゃぴちゃと音を立てて舐めた。

「ふっ、くぅんっ!」

さゆみさんは、くすぐったさと気持ち良さを半々に感じながら、れいなクンが求めるまま、カラダのあちこちを舐めさせた。

「ねぇ、れーなぁ……」

切なげな声に顔を上げると、切なげな瞳と目が合った。

「…………さゆみ、可愛い?」
「もちろんやけん。世界で一番可愛いけん」

真っ直ぐ瞳と瞳を合わせて言うと。
さゆみさんは泣くのを堪えるような笑顔になった。

「れーな……もう横になって」
「なんでと?」
「……さゆみがメインディッシュを欲しいから」

れいなクンは黙って素直に横になった。
普段は恥ずかしがって、あまり舐めさせてくれないところも充分に舐めることができたから、股間は既にドラゴン化している。

「れーなは動かなくていいから……」

さゆみさんの股間も、ローションではない、自らの蜜壷から溢れて垂れるほどの蜜で潤っていた。
亀頭と蜜壷の入口を擦り合わせてから、意を決したように、ズグズグと腰を下ろしていく。

「は、はぁぁ……」

竿の中ほどまで入れたところで、さゆみさんのカラダが小さく震える。
そして、もっと強い快感が欲しい、と言わんばかりに、ぐちゅんっ! と根元まで入れた。

「さゆ、無理しとらんと?」
「大丈夫……れーなのすっごく熱くてナカからカラダが溶けそう……」
「さゆのナカはトロットロに柔らかくて、れなもそこからカラダが溶けそうたい」
「じゃ……動くね」
「うん」

最初は緩慢で拙い動きだった。
それが段々と、腰を前後に動かしたり、捏ね回したり、ピストン運動したりと、バリエーションが増えていく。
腰の動きはどんどんとヒートアップしていく。

「あんっ! ふぅぅんっ、はあん!」

まるでれいなクンの存在を忘れたかのように無我夢中で腰を振る。
れいなクンはれいなクンで、ひっしに吐精しそうになるのを堪えていた。
ナカの襞がいつも以上に男根に絡みつく。さゆみさんが腰を動かすたびにオクへオクへと引っ張られるような感覚になる。

「くっ、くぅぅ!」
「ふあっ、あぁぁん! ……れーな? れーなは気持ち良い?」

腰を捏ねくり回しながら、さゆみさんは尋ねる。

「うぅっ! ……気持ち良すぎて死にそうばい」

れなが下っちゃけど、これも腹上死になると? なんて本気で考えてしまう。

「ねえ、さゆみ……イッちゃう、イキそうっ、イッていい?」

口を開きながら涙目で訴える姿に、心臓を撃ち抜かれる。

「れなもっ、イクッ、出るっ!」
「ああっイッちゃうー!」

ナカが急速に締まる。さゆみさんのカラダが反り返る。
その強い締め付けに耐えきれず、れいなクンは大量に吐精した。



ガチャ、と音を立てて手錠が外される。
手首は痛くないが、それでも摩ってしまうのは人間の性だろうか。

「さゆみのブラウスとれーなのシャツ、汗びしょびしょでヨレヨレだね」

所詮コスプレ服だから生地も裁縫も雑なのだろう。
れいなクンから上着とシャツを脱がせて、シャツをまじまじと見ながら、家庭用の洗濯機でも洗濯できるかなぁ、と言っているさゆみさんを。
れいなクンは腰を強く引き寄せた。

「きゃっ!」

可愛い悲鳴を上げてシャツを床に落として、さゆみさんはれいなクンの腕の中に収まる。

「な、なに? どうしたの、れーな?」
「どうした、って言われても。今年のプレゼントはさゆなんやろ?」
「え、だからさっきあげたじゃない」
「足りんと」
「はあ?」
「れなは一日中さゆと繋がっていたか。というわけで、有言実行!」

さゆみさんを素早くお姫様抱っこして寝室に入るれいなクン。
寝室のドアを閉める直前に聞こえた、

「さゆ、宇宙で一番愛してるっちゃ」

という甘ったるい声で言われた科白と、その後に恥ずかしそうに聞こえてきた、

「……ばかれーな。……さゆみもだよ」

という科白は、精神衛生上、早々に忘れたほうが良いだろう。





さゆみさんフルコース  終わり。
 

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