116 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 08:27:12 ID:2jHCF2xQ0
公式 http://www.liar.co.jp/28th_top.html
公式が設定厨なので一度は目を通すことをオススメする。
史実とは違う歴史を歩んだ1907年のニューヨークが舞台。
モチーフはオズの魔法使い、不思議の国のアリス等。
ほとんどのキャラの名前は実在の人物を元にしている。
ルート分岐は基本的になく、EDに辿り着くかBAD ENDになるかだけ。

○あらすじ
 発展と栄華を極めたにも関わらず、5年前の『大消失』によって一夜にして滅んでしまった都市、ニューヨーク。
 女子大生のエリシア・ウェントワースは恋人のアランがNYごと消えてしまった真相を知るために
 歩く鞄のジョンと共にマンハッタン北部に聳えるトレヴァータワーを目指す。
 また、エリシアがNYに足を踏み入れると同時に、どこかへ消えてしまったはずの人々が今も暮らす幻想的な空間『地下世界』で
 一人の少女、リリィが目を覚ました。

○登場人物紹介 
 リリィ:地下の主人公。記憶喪失。寂しい、嬉しいといった感情を理解するのが苦手だが旅の中で少しずつ理解していく。
 エリシア:地上での主人公。左目が黄金瞳。
 A   :車掌の格好をした青年。無感情で融通の利かない性格だが全ての行動はリリィのため
 アラン:エリシアの恋人。5年前の大消失によって行方不明に。
 マオ:リリィが行く先々で会う猫人間。口は悪いが遠回しにリリィが塔へ行くための手助けをする
 ルチアーノ:チクタクマンの手先だが悪い奴ではなく、チクタクとは別の思惑でリリィが塔へ行くことを望んでいる。
 ジャガーマン:ルチアーノの仲間のはずだが、チクタクマンの意思を無視してリリィを殺そうとするため、仲が悪い。
 チクタクマン:紫影の塔の頂上に座する地下世界の神。「あらゆるものは意味を持たない」が口癖。リリィが辿り着く事を望む。
 エジソン:発明王の称号を持つ天才であり、100年以上経っても若々しい姿を保つ人外。彼にとって人は観察対象で虫と同じ程度としか思っていない。

117 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 08:31:54 ID:2jHCF2xQ0
第一章 『リリィ ザ ストレンジャー』
  【地下世界】
ヴェラザノ海峡街で目覚めたリリィは黒い鉄人『ダークギャング』に捕まりそうになったところを親切な娼婦のミリアに助けられる。
家を聞かれるが記憶がなく、遥か向こうに見える紫影の塔に行きたいということしか分からない。
ミリアが仕事に行っている間、家で待つように言われるがリリィは鏡に映る自分の男のような姿(どう見てもキノ)が
イヤになって外に出てしまう。
街は体が鉄になっている人や完全な鉄の塊、「モール」ばかりでリリィのような普通の人間は一人もいない。
(ミリア曰く、ダークギャングに捕まると体を鉄にされてしまうという)
街を歩いているうちにリリィは猫人のマオに出会い、ミリアはその内殺されると忠告される。
 その頃、ミリアは仕事で常連の、ピーターに抱かれていた。
彼は体の殆どが鉄と化していた殺し屋で、ミリアは「必ず殺す」と言われているにも関わらずなぜか彼に情を抱いてしまう。
 リリィは殺し屋探しをしているうちに街の外れで一両の地下鉄を見つける。
中に入るとそこは少女趣味全開の可愛らしい服で溢れた部屋になっていた。
リリィは無意識にその中の翠色の服を手に取り、その様子を車掌の格好をした男『A』に見られてしまう。
Aはそれを咎めず服も電車も自分さえもリリィのものだと告げるが、リリィは見られた恥ずかしさで逃げだす。
その後、ミリアと鉢合わせて一緒に話しながら帰宅する。ミリアは「生まれ変わるなら次も女がいい」
と言うがリリィはその感情を理解できない。(リリィの中には女ではなく男として生きなければ、という強迫観念があった)
その日の夜、ダークギャングの群れがヴェラザノに押し寄せる。
ミリアが戦いに行き、留守番をするリリィ。
彼女の元に再びAが現れ、自分は殺し屋ではなく味方だと説明する。
そしてダークギャングはリリィを探しているだけなので人に危害を加えない、人を鉄に変えてしまうものは別にいると言う。
 その後、何故かミリアは帰ってくると今日一日の記憶を失っていた。朝と同じことを言うミリアに驚き、街に出ると
人々は街が破壊され、モールが増えているにも関わらず何も無かったかのように行動していた。
呆然とするリリィに一人だけ記憶を失っていなかったピーターが「ルフランだ」と告げる。

118 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 08:33:38 ID:2jHCF2xQ0
そこに追ってきたミリアが駆け付け、リリィをピーターから庇って好戦的な態度を取る。二人は殺す殺すと言い争いになるが
リリィには二人の苦しそうな心の声が聞こえる。
ケンカを割りこんで止めると、チクタクマンによって遣わされた天使の姿をした化け物、「御使い」が現れる。
御使いはかつて地上のヴェラザノでそうしたように圧力を操作する能力で街を破壊し、人々を殺そうとする。
リリィの影から現れたAはリリィが紫影の塔を目指すのならば自分は味方となり、あらゆる障害を排除し続けると言う。
Aにもう自分を偽らない、だからミリアとピーターを助けてと言うリリィ。
リリィの服は電車で見た可愛らしい翠色の服に代わり、Aはリリィの望み通り、クリッター・ランバージャックを召喚して御使いを両断する。
 地下鉄に乗ってAと共に紫影の塔を目指すことになったリリィ。
ミリアも誘うが彼女は首を振り、自分を庇い続けてモールになってしまったピーターと共にいることを選ぶのだった。
  【地上】
御使いによって圧壊したヴェラザノ海峡街。街は廃墟と化したにも関わらず、そこには死体一つ残っていなかった。
5年前に女を捨てると誓って努力してきたエリシアはその中の廃墟の一つで2つのマグカップを見つける。
それはミリアともう一人の誰か(ピーター)が共に暮らしていたことを示す痕跡だった。
エリシアはそれ見て涙し、人は簡単には変われない、なら自分は自分のまま進んでいこうと考える。
  【間章】
5年前よりもさらに前。今と違い、ふわふわな女の子の頃のエリシアが初恋を成就させるまでの物語。
天然で成績が悪かったため、優秀な家庭教師として紹介してもらったアラン・エイクリィにエリシアは一目惚れする。

120 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:07:42 ID:2jHCF2xQ0
第2章 『孤独の王』
  【地下世界】
地下鉄に乗って先を目指すAとリリィだったが突然列車が止まってしまう。
Aが言うには東の王の許可を得なくてはこの先の線路を使用できないらしい。
リリィは東の王、アーネスト・ヘミングウェイに会い、「王の命を狙う裏切りものを探せ」という条件を与えられる。
Aの能力を使い、可能性を持つ者全てと会うがそれらしき人物は誰もいない。
リリィは裏切り者なんて誰もいない、強いて言えばアーネスト自身が自分を傷つけているのだと答えを突き付ける。
 アーネストにとって、一人ぼっちでいることは何よりの苦痛で、誰か共に過ごす事が最大の楽しみだった。
しかしブロンクスの住人は既に全員鉄の塊と化している。アーネストは御使いに自分を鉄にさせることで記憶を全て消し去りたかったのだ。
そしてリリィは東の王を殺しにきた炎の御使いをアーネストの意思を無視してランバージャックに破壊させる。
(ランバージャックは重症を負い、クリッターが傷を負うとAもダメージを受けることを知る)
会ったばかりにも関わらず自分を無理やり助けるリリィをアーネストは面白い奴だと認め、リリィ達に先に進む権利を与える。
しかしリリィ達が去った後、アーネストは地下世界の神、チクタクマンの手先、機械姉妹の一人によって始末される。
  【地上】
ザ・ブロンクスエリアの地下、そこには不自然な火災の痕跡ばかりが残っていた。
御使いとの銃撃戦の跡が残るマフィアのアジトの一室でエリシアは一つの写真を見つける。
それはアーネストが家族、仲間、恋人たちと共に笑顔でいる写真だった。
  【間章】
初恋に戸惑うエリシアは緊張してロクにアランと会話することができない。
友人のアドバイス付きで1か月経ってやっとまともに会話できるようになる。

121 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:13:49 ID:2jHCF2xQ0
第3章  『しあわせを 両手いっぱいに』
 【地下世界】
リリィ達の地下鉄が人を轢きそうになって急停車する。
そこはロングアイランドのクイーンズブリッジ団地だった。
リリィは轢きそうになった幼女、カトリーンと仲良くなり、自宅に案内される。
そこで彼女の母親のユリアナになぜかいるマオ、その仲間のルチアーノと共にお茶会に招かれる。
穏やかな時間を過ごすリリィ。だがルチアーノは何故か殺気立っていてリリィに早く先に行けと言う。
逆にカトリーンはリリィに皆でずっと一緒に暮らそうと提案する。
 次の日になっても地下鉄が動くことはなかった。Aはリリィが本心ではそれを望んでいないからだと言い、、
リリィがここに留まり続けるとしても自分は味方だと言う。
悩むリリィはユリアナの家を訪れるが、昨日会ったにも関わらずユリアナはリリィのことを忘れていた。
ヴェラザノの時と同じように。リリィの問いにAが答える。
御使いが人を殺すと人は体の一部を鉄に変え、記憶を失う。それがルフラン。ルフランを繰り返すことで人はやがて物言わぬモールやダークギャングとなる。
(西の魔女の命令でリリィを探すモールがダークギャング)
団地であるにも関わらずここの人間はユリアナとカトリーンしかいなかった。
団地の人間はとっくに全滅し、ユリアナは毎晩カトリーンの目の前で御使いに殺されていたのだ。
ルチアーノはカトリーンの父親の友人で、何度も親子を守ろうとしたが御使いに勝てず、やがて一度見捨てて逃げ出した。
ユリアナは鉄化していないように見えるが実は人間に見える部分は全て作りもので本当はもうモールになる寸前なのだという。
ルチアーノはその事を告白し、あの親子に付き合ってやれるのか、それともAが死ぬまで戦わせるのかとリリィに強く問いかける。
 耐えきれずその場を逃げ出したリリィはルチアーノの仲間のジャガーマンに脆弱な意思だと罵倒され切り裂かれる。
一命を取り留め、やがてリリィは誰も傷ついてほしくないという答えを出す。
その日の夜、散歩している親子をリリィは見つける。
カトリーンによると、ユリアナはどうやっても毎日こうやって散歩に出てきてしまい、毎日、カトリーンを庇って死ぬのだという。
だから早く帰ってというカトリーンの声を無視して、リリィは現れた風の御使いとAのランバージャックを戦わせる。

122 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:15:06 ID:2jHCF2xQ0
ランバージャックは斧で両断しようとするが前回の傷口から風に侵入され、内側から破壊されてしまう。
リリィはそこで薔薇の魔女へ魔法少女的に変身する。
Aが言うにはクリッター1つにつき1回、リリィは変身して戦うことが出来るのだという。
変身したリリィはAの負傷に罪悪感を覚えながらもランバージャックの武器を黄金の斧に変化させ、圧倒的な力で敵を両断する。
その様子を遠くから見ていたルチアーノはリリィを襲ったジャガーマンに釘を刺しつつ、心の中でリリィに感謝するのだった。
 その後、地下鉄は動けるようになり、リリィはカトリーンの誘いを断って旅立つ事を選ぶ。
自分達のことを忘れないようにとカトリーンから父親の形見であるオルゴールを貰い、リリィは親子に見送られながら出発する。
  【地上】
表向きは原因不明のガス爆発が起きたとされているロングアイランド。
本当の理由は操作された気体によって全てが砕かれたことだった。
疲労と雨で衰弱し、足が鈍るエリシア。
エリシアはカトリーンが持っているものと同じオルゴールを拾う。
そこには父親のカトリーンへのバースデーメッセージが刻まれていた。
彼女の事を絶対に忘れないと誓い、エリシアは旅立つ。
  【間章】
アランと二人で遊園地にいくことになったエリシアだが、緊張しすぎて眠れず、
待ち合わせに2時間も遅れてしまう。おまけにアランの話についていけず、恥をかいたり
我慢して乗った観覧車の高さに耐えきれず泣いて抱きついたり醜態を晒してばかりで一日を終える。
しかしアランはイケメン全開で「楽しかった」と頬笑み、エリシアの空色の瞳を美しいと褒める。
そして自分は実は魔法使いで、いつかエリシアの瞳の色と同じ青い空を彼女に見せると言うのだった。
(シャルノスと同じで空は灰色の排煙によって覆われている)

125 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:34:56 ID:uH1KxHJF0
第4章『そして猫はか細く鳴いた』
  【地下世界】
ついにマンハッタン南部のウォール街に辿り着いた。しかし巨大な壁に阻まれて先に進むことができない。
Aは猫人とその主人に交渉する必要があると言う。
リリィはコスプレをして単身乗り込むがダークギャングに見つかってしまう。
そこをウォール街の主である少年、ルース=Bに助けられる。
同類であると思われたリリィは彼らの住居に案内され、ルースBのカリスマと猫人の彼への心酔っぷりを目撃する。
リリィは猫人の一人、ルシャによって一度バレそうになるものの、マオにさりげなく庇われてうやむやになる。
ルースはリリィに壁の向こうの怪物や西の魔女を倒せば地上に戻れる。そうなったらいつか大リーグでホームラン王になるのだと
熱く夢を語る。そしてルシャもまた地上に戻ってルースと本当の恋がしたいと夢を語る。
だがリリィは怪物の話も地上に戻れるなんて話も一度も聞いたことがなかった。
ルシャに何故かと聞くと「そう思わないと悲しくて死んじゃうからさ」と言われる。
ルシャの話を聞いた後、住処に戻ろうとすると機械姉妹の精神攻撃によって豹変したルースが現れる。
ルースの問いに正直に答え、壁を開けてとリリィは頼むが断られ縛られる。
ルシャたちの説得によってルースは正気に戻るが、そこに影の御使いが現れる。
ルースは逃げるために屋上から飛び降りて無残な死体となる。初めて見た死に困惑するリリィだったが
やがてルースの体が再生し始める。体の一部を鉄に変えて。
ルースの説明によるとリリィと猫人を除く地下世界の人間は全員5年前に地上で死んでからこの世界に落ちたのだという。
自分たちは地上の自分の影にすぎない、だから死んでもすぐ蘇る。
ルースはこの世界で唯一死体が地上に残っている人間なので死んでも記憶を失わないらしい。
本当は壁の向こうに怪物なんていないし、地上に戻る事はできない。そもそも既に死んでいるのだから。

126 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:36:04 ID:uH1KxHJF0
 翌日。突きつけられた事実に呆然として一人で考えていると、そこに猫人達が現れてリリィに懇願する。
ルースが壁を開けばすぐに御使いがやってきてルースを完全に殺してしまう。だから諦めて、と。
だがルースは猫人の意思を無視してリリィのために壁を開け、
リリィはAの第2の蜘蛛型クリッター・アントライオンに御使いを破壊させる。
 戦闘後、それを見てふっきれたルースの体が突然鉄化し始める。Aはルースが何かを諦めたことが原因だという。
皆に見守られる中、ルースは「俺は一人じゃないよな?」と言い残してモールとなる。
  【地上】
ウォール街には他の地区のような大規模な破壊の痕跡は存在しなかった。
ここでは建造物の入り口だけを狙った地震が起き、全ての人間が部屋に閉じ込められた。
全ての人間は一人きりで衰弱死を迎え、異形化した猫だけが生き延びたのだった。
 エリシアもまた壁に阻まれて途方にくれていた。
壁の周りを歩いていると今まで虫一匹いなかったにも関わらず、たくさんの野良猫が自分を見ていることに気付く。
野良猫に導かれ、壁の亀裂を進むとそこで初めてエリシアは自分以外の人間を見つける。
それは幼い少年の死体だった。そして彼の側には悲しげに寄り添う一匹の猫がいた。
彼の死を悼み、アランの死を受け入れてエリシアは先へと進む
  【間章】
アランが急遽、ニューヨークに戻るという話が持ち上がる。
世界最高の天才、ロード・アヴァン・エジソン卿が研究の助手として彼を求めているのだという。
絶望するエリシアは友人のアドバイスでアランに文通を申し込むが断られて気絶する。
その後、文通ではなく通信で話そうと言われ、結果的にエリシアは喜ぶのだった。

127 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:39:42 ID:t39HZr8L0
第5章『オン ザ ブロードウェイ』
  【地下世界】
ウォール街の出来事が原因でリリィは死について考えるがAはリリィは特別だから死ぬことはないという。
ならAは? と問いかけると自分は人間ではないし、リリィとも猫とも違うと言う。
悩んでいるうちに二人はブロードウェイの劇場へとたどり着き、
腹部が鉄化して空洞になった歌手、ジンジャー・ロジャースとピアニストのサムに出会う。
ジンジャーはルフランによって記憶を失い、サムのことを恋人だと思い込んでいた。
そしてサムは全く変わらないジンジャーの悩みと自分宛てではない愛の言葉を毎晩聞かされ、彼女を抱く。
自身に憤りながらもそれを繰り返してしまう。そんな苦痛の5年間を送っていた。
 執着心は人が鉄になる速度を緩める。執着さえ失わなければ人は完全に鉄になることはない。
だが、自分だけではもはやジンジャーの執着心を維持できないと思ったサムはリリィにここに留まって歌えと詰め寄る。
リリィは思わず頷きかけるがひとりでに「私には歌詞はつけられない」と呟いてしまう。
ジンジャーの歌に歌詞がないことはサムとジンジャー、元恋人のルチアーノの3人以外知らないはずで
サムは狼狽する。そしてリリィを捕えようとするサム、それを止めようとするルチアーノの争いを見て
ジンジャーは機械姉妹に操られるままに刃の御使いを呼び寄せる。
Aはアントライオンを召喚するが前回のダメージのせいでバラバラにされてしまう。
人間を嘲笑う御使いに激怒したリリィは薔薇の魔女に変身。
アントライオンの牙を黄金の槍に変えて冷酷無慈悲に御使いを粉砕する。
そして記憶を取り戻したジンジャーはこれまでと変わらず、サムのピアノと共に歌を紡いでゆくのだった。

128 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:40:59 ID:uH1KxHJF0
  【地上】
街のいたる所が切断された街、ブロードウェイ。
それは他の地区と同様に御使いが破壊と殺戮を行った跡だった。
エリシアは一つの蓄音機と音楽盤を見つける。
それには有名歌手、ジンジャー・ロジャースの歌詞のない歌が残されていた。
自分が完成させるべきなのかと悩むが、ジンジャーの歌は本人が完成させるべきだと結論付け、
「私には歌詞はつけられない」と呟く。
ブロードウェイを出発しようとしたころ、エリシアに異変が訪れる。
3年前に黄金色に変化した左目に今も歌い続ける地下世界のジンジャーの姿が映る。
  【間章】
アランの研究を手伝うという目標を掲げて猛勉強するエリシア。
ある日、友達づてにアランが自分との通信が楽しいと話していることを知る。
エリシアは「自分も楽しいです」とアランに告げる。
エリシアにとっては告白したつもりだったのだが、友達にそれは告白じゃないと呆れられる。

129 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:42:00 ID:t39HZr8L0
第6章(ここからタイトルなし)
  【地下世界】
ジンジャーに恋の話を聞かされたリリィは恋について考えていた。
思い浮かぶのはいつも守ってくれるAの顔で、彼を意識するようになるが、リリィはその感情が何なのか理解できない。
すると突然地下鉄が停車する。ここから先は歩いていかなければならないという。
歩いているうちに熱を出して倒れるリリィだったが西の魔女ことジルーシャ・アボットに保護される。
ジルーシャはこの館で恋人のジャーヴィスと共に暮らしているのだという。
今まで聞いていた西の魔女のイメージと違う優しさにリリィは戸惑う。
 その夜、館の中で迷ったリリィは一つの部屋でジルーシャと彼女が恋人と呼ぶものが交わっている所を見てしまう。
ジャーヴィスは水の御使いだった。人間であった彼はジルーシャを庇い、溶けて水の一部となった。
ジルーシャは水自身に彼の名残を見出し、御使いを相手に愛を捧げていたのだった。
逃げるリリィにジルーシャは人間でなくても愛することは出来ると言い、世界の真実を教える。
地下世界は誰かによって作られた幻の世界、人もただの記憶にすぎず、本当はどこにも実在しないのだと。
リリィはNYの地上を歩く誰かの影、その人間の行動をトレースするだけの幻で、記憶がないのはそれ以前に存在していないからだと言う。
そしてジルーシャは水の御使いを呼び寄せる。世界に実在するのは御使いだけで
世界の理を受け入れれば彼女のように御使いを味方にすることもできるらしい。
水の御使いがリリィを殺そうとするが、Aは最後のクリッター・スケアクロウで返り討ちにする。
ジルーシャは最後に紫影の塔に行けばリリィは役目を終えて消えてしまうことを告げ、
「世界を作りなさい」という言葉を残して消える。

130 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:51:57 ID:t39HZr8L0
  【地上】
街の全てが石化した地区、セントラルパーク。
その原因は超常の水によって全てが浸食されたことが原因だった。
5年前、NYの全ての人間を殺した6体の御使いはやがて融合を始め、人々の死体を呑みこんで地下へと消えた。
それが政府によって隠蔽された真相だった。
 エリシアはセントラルパークで一冊のノートを見つける。それはジルーシャの日記だった。
その中の「もっと早く告白すれば良かった」という一文にエリシアは自分を重ねる。
出発しようとした時、エリシアに再び異変が訪れる。精神が分裂するような痛みとリリィの記憶が頭に流れ込み、
左目の黄金瞳はリリィの目を通して地下世界の光景を見ることができるようになる。
落とした手帳を見るとそこにはリリィ、A、地下世界についてなど、書いた覚えのない自分の記述が残されていた。
  【間章】
一旦ニューヨークから帰ってこれたアランにエリシアは「金属の人形、子猫の置物、カカシの面」の3つをプレゼントする。
悪趣味なチョイスにも関わらずアランは喜んで受け取るが愛称の「エリィ」と呼ぼうとした所、間違えて「リリィ」と呼んでしまう。
エリシアは気にせずアランへ告白し、口付けをする。

131 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 09:57:39 ID:uH1KxHJF0


  最終章

5年前の大消失はエジソンが行った現象数式実験が全ての原因だった。
(現象数式とは数式のみであらゆる物理法則を捻じ曲げる力らしい)
その日の前日、エジソンは優秀な弟子であるアランを呼び出し、人類の文明の発達こそが彼の望み、
そして文明を発達させるのは人類の熱意であると説く。
人間の熱意はエジソンの重要な観察対象であり、エジソンはアランに明日の実験にどの様な熱意を持っているのかと問いかける。
アランは愛する女性に青空を見せると言ったのだと答える。
その答えにエジソンは満足し、「君の願いは叶う、ただし愛なるものが夢や幻でなければの話だが」と答える。
 翌日、12月25日午前0時。
現象数式体(御使い)が各地区で破壊活動を始め、エジソンはアランの言う『愛』を否定するための実験を開始する。
その様子を見たアランは弟子になった事を後悔し、最後に地下世界と地上にいくつかの細工をして息絶える。


ジルーシャの話を聞いてしまったリリィはAを突き放して一人で歩く。
誰かの影なら一人で勝手に辿り着けるし、どうせ消えるのにAが自分を庇って傷つく必要はないからだと。
その行為をマオには責められ、ルチアーノにはお前は今まで何を見てきたのかと説教される。
そこにジャガーマンが引き連れたダークギャングの群れが現れ、ルチアーノはリリィを先に行かせて戦う。
ジャガーマンはリリィが目的地に辿り着いてもいたずらにチクタクマンを喜ばせるだけ。
小娘一つの命で神を落胆させられるなら安いものだと言う。
ルチアーノは敗れ、リリィにジャガーマンの牙が迫る。
どうせ消えるのなら全てに意味はない、とヤケになっていたリリィは死を目前にして
やはりここで消えるのは嫌だと叫ぶ。

132 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 10:02:01 ID:uH1KxHJF0
ジャガーマンの牙が届く寸前でAが現れ、重症を負いながらもスケアクロウでジャガーマンを撃退する。
Aは「人は必ず死ぬ、ならばその人生に何も意味はないと思うかい?」と問いかけ、何があってもリリィを守り続けると言う。
それを聞いてリリィは自分がAを好きであることを自覚し、泣きながら「消えるまで一緒にいて」と伝える。
 傷が癒えるとAはおもむろに「君の望むままに」と言って突然リリィを押し倒す。
リリィはうろたえるがAは「問題ない」を連呼して半ば強引に合体。
行為が終わりに近づくとAがいきなりカウントダウンを始める。リリィは不思議に思うが、やがてAはカウントがゼロになると同時に膣内射精する。
 
情事を終えると二人は他愛のない話をしながら一緒に歩き出す。Aの好きな食べ物、飲み物、Aがリリィのために誰かに作られたことなど。
やがてリリィは目的地、トレヴァータワーに辿り着く。
そこには今までの全て敵の複合体である最後の御使いが待ち構えていた。
Aはリリィの制止も聞かずにスケアクロウを召喚するがあっけなく破壊されてしまう。
リリィは最後の力で変身し、黄金の鎌で敵を破壊する。
 最後の御使いが砕けると同時にトレヴァータワー以外の地下世界が全て消滅する。
Aは御使いこそがこの世界の構成する理、全ての御使いを破壊してこの地下世界の苦しみを終わせることこそがするべきことだったのだと言う。
そしてAもまた全てのクリッターを失ったことで消滅しようとしていた。
最後にAは自分がアランがエジソンから奪い地下世界に残した力の一部、アランの経験の影であること、リリィに一目惚れだったことを告げて完全に消滅する。

133 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 10:07:28 ID:t39HZr8L0
その頃、エリシアもまたトレヴァータワーを登っていた。
左目に映るリリィの体験、流れ込んでくるリリィの感情に耐えきれず、エリシアはリリィの代わりに涙を流す。
やがて二人は最上階、アランが最後の瞬間までいたはずの部屋に辿り着く。
そこには地上と地下、それぞれに二人のエジソン(チクタクマンと同一人物)がいた。
エジソンにとって地下世界はただの実験場、遊び場(ソナーニル)でしかなく、
この5年で「愛など存在しない」「人はやはり無意味である」という実験結果を得ることができた。
だからエジソンはNYを訪れたエリシアの感情の影からリリィを作り、御使いを破壊させることでこの実験場を閉じることにしたのだと言う。
エジソンは辿り着いたエリシアとリリィに満足しつつもリリィを所詮ただの幻、データだと断じて地下世界ごと消滅させようとする。
リリィは一度は消滅しそうになるがアランが残した現象数式によってなんとか形を保つ。
そして「人間は死ねば忘れられてそれで終わり。何も残せない。お前達は全ては無意味だ」と言うエジソンに、エリシアとリリィは
今まで触れてきた人々の想いは幻などではない、自分や誰かが覚えている限り無意味ではないと反論する。
弱者の逃避だと嘲笑うエジソンにリリィはAの武器だったはずの黄金の銃をどこからともなく作り出し、銃口を向ける。
それを見たエジソンは少しだけリリィ達の話を認め、撃たれた後に地上のエジソンと共にどこかへ消えてしまう。
そして主を失った地下世界も完全に消滅する。
リリィが完全に消滅しようとした時、見覚えのある手を差し伸べられる。

134 名前:紫影のソナーニル ◆l1l6Ur354A [sage] 投稿日:2011/01/17(月) 10:18:36 ID:uH1KxHJF0
エジソンが突然消えた事に驚くエリシアだったが、その後、部屋で録音されたアランの音声が再生される。
そこには5年前に残した自分への愛の告白と、雲に隙間を開け、青空を作るというアランの現象数式が残されていた。
空から陽の光が部屋に注がれる。
そしてエリシアもまた、アランに愛を伝えるのだった。

旅を終えて廃墟を歩くエリシア。
今までに拾った人々の痕跡で荷物が重くなったことを感じながらリリィのことを想う。
すると突然、地下から一両の地下鉄が飛び出してくる。
リリィとAを乗せて空へ駆け上がるそれをエリシアは見送る。
二人を乗せた列車は灰色の雲を突き抜け、青空の中をどこまでも進むのだった。
   END

最後の方は何が何だか理解できなかったけど
量子力学を題材にしたアニメ、ノエインで「人は他者に認識されて初めて存在できる」って言ってたのに近い考え方だと感じた。
エジソンもリリィの話に「ハイゼンベルク(量子力学の権威)か?」って返してるし。

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