多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

物語

最も弱き神、少年アルセス
何のためか彼が世界を巡り歩いたという伝説は各地に残される。
アルセスは持ち前の身軽さと機転によって、次々と難題を乗り越えた。
彼の旅こそが、この神話体系の中で最も有名なエピソードであろう。

記述

アルセス・ストーリー(1-1)

「アルセス。こちらにいらっしゃい」

呼んだのはラヴァエヤナだった。知の神、書の守、ラヴァエヤナ。
槍の神のアルセスはゆっくりと振り返る。

「なんだい、ラヴァエヤナ。今日もまたおつかいかい?」
「いいえ、今は別の用事よ。あなたの槍を私にお見せ」


アルセス・ストーリー(1-2)

アルセスは槍を掲げた。紀元槍、世界の中心。
ラヴァエヤナは静かにじっと槍を見つめる。

「やはりそうだわ。この槍は死んでいる」
「死んでいる? 槍が?」
「その証拠に刃の輝きが褪せているわ。
 あなたは槍の所持者として、輝きを取り戻さないといけない」
「それは、一体どうやって?」

「もう一度、紀元槍へ向かいなさい」


アルセス・ストーリー(1.1)

「アルセス、餞別にこれを渡しておくわ」

 帰りがけ、ラアヴェヤナは袋を差し出しました。

「ミリョ餅かい?」

「ただのミリョ餅ではないのよ。
トルソニーミカ特性の【都合のよいミリョ餅?】なの。
危ないと思ったときにこれを使えば、何かとても『都合の良いこと』が起こるはずよ」

「それは有難い。ぜひとも袋ごともらっていこう」


アルセス・ストーリー(2)

アルセスは旅の仲間を求めて同胞を訪ね歩いた。
まずは猫の戦士シャルマキヒュに助けを請うた。

「ねえ、シャルマキヒュ。僕と一緒に紀元槍まで旅をしないかい?」

シャルマキヒュは猫の耳をぴくぴくと動かした。

「お子様のお守りかい? そんなことなら願い下げだよ」
「そういうつもりはないけどさ。僕は喧嘩が弱いから、守ってもらうことはあるかもね」
「坊や、あんたはもう少し逞しくなった方がいい。私抜きで行っといで。
それに私は、可愛いジャスマリシュ?たちにここで稽古をつけてやらないといけない」

そう言われては仕方がなかった。
アルセスはシャルマキヒュの練兵所を去った。


アルセス・ストーリー(3)

次に向かったのはピュクティエトだった。だがアルセスが口を開くや否や、
ピュクティエトはその豪腕でアルセスの頬を思い切り引っ叩いた。

「この、軟弱者がっ! 安易に人を頼ろうとするな、
そんなことだから貴様はいつも最弱と指を差されるのだ」
「いたた・・・、そんな事を言われても、実際僕は弱いし」
「最初から諦めてどうする!
まったく、貴様が嘲られる度に、私が一体どんな思いをしていると・・・・・・」

最後のほうの声は掠れてよく聞き取れなかった。怪訝に思ってアルセスは訊ねた。

「え? 今なんて言ったの? 聞こえなかっ」
「ええいさっさと一人で行かんか馬鹿者め!
一人旅でもすれば貴様とて多少は見れる男になろう!」

ピュクティエトはアルセスの背中を思い切り蹴飛ばした。


アルセス・ストーリー(4)

「ねえ、ペレンケテンヌル?

「うっさいなー勝手に行けよこのバカチン」

「……」

「うっざーうっざー。消えろ消えろ」

「……」

λ......


アルセス・ストーリー(10)

アルセスは結局、一人の共連れも見つけることなく里を出た。


アルセス(12ー2)
犬「アルセスさん、お腰につけたミリョ餅?をひとつ私にくださいな」


アルセス・ストーリー(14)

アルセスは巨大化・凶暴化した犬にミリョ餅を投げつけた。
ミリョ餅は光り爆ぜ、犬の身体を白煙で包む。
後には何も残らなかった。地面に焦げ跡が残った程度だ。

「今のがラヴァエヤナの言ってた刺客か。やれやれ」

アルセスは何事もなかったかのように再び歩みはじめた。


アルセス(88)

そこでアルセスはポンと手を打って言った。
「なるほど、この山の向こう、古き大谷の外れにと娘が住んでいるんですね」
老人は黙ったまま頷き、アルセスに古びた革袋を差し出した。
独特の光沢を放つその浅黒いビテロ?の鞣し革には、三つ叉の穂先の意匠、
遥か過去に絶えた聖花都?の貴族の紋章が入っている。
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