憲兵騎士団

団体

リクシャマー帝国においてバキスタの戦い以降急速に悪化した治安を回復させるべく、改革派のグレフ・ディ・モズルによって設立された武装治安維持部隊。
構成員の殆どが武芸達者な聖職者だったことから【ディの騎士団】あるいは【D騎士団?】とも呼ばれた。
それまでの治安維持組織がリクシャマー帝国政府創設のものであっても、リクシャマー公国内部と皇帝直轄領にのみしか捜査・逮捕・治安維持活動権限を持っていなかったのに対し、憲兵騎士団はリクシャマー帝国内部の全ての構成国領域に対して（ただし一部例外があった）これらの権限を持っていた。このことは、リクシャマー帝国のみならず、全ての西方諸国において後に治安維持部隊を創設する際に手本とされた。
当初は「改革派の道楽」とまで言われた彼らだったが、【単眼神の群（サイクロプス・クラウド）】の第二軍（予備部隊）との模擬試合に勝ったり、辺境地域で略奪を働いていた傭兵部隊の征伐に成功するなどの実績を見せ始めてからは「国内治安回復の旗手」と期待されるようになる。
しかし、騎士団の責任者でもあるグレフの改革法がより国教に対して原理的になっていくのに従い、彼らの行動もまた国教に原理的な方向に進み始め、やがて盗賊の逃げ込んだ集落を焼き討ちにするなどの極端な行動が目立つようになり人々の反感を買うようになった。

結局、グレフ・ディ・モズルの失脚とマグドール・ドゥ・ギボンの財務大臣への就任に伴い、予算削減を理由に解散させられたが、解散の際にこの決定に反対した一部騎士たちが本部建物に立てこもるという事件（【10月の擾乱】）を起こしている。

メンバー

ガバリエル・ディ・ベルド
トリスタ・ディ・ハウンゼル

権限について

当時の政府主導者であるロズゴールⅢ世とグレフ・ディ・モズルにより憲兵騎士団は「リクシャマー帝国領内の全ての土地と施設に対して捜査権・治安活動権を持ち、全ての人民に対して逮捕権を持つ」とされた。
これはバキスタの戦いにおいて、政府主導者の殆どを喪い、元々の政府内の派閥抗争が悪化し、事実上無政府状態になっていた構成国家リュベリーンが犯罪者の巣窟となっており、他の構成国家にて悪事を働いて同国へ逃げ込む者が多数存在していたことに対する対抗策としての色合いが強かった。
しかし、皇帝一族や聖職者、帝国内の有力者とその領土に対しては事実上この権限は行使されなかった。また、国内の有力者であるゼダ家がこの法案に猛反発したため、補足事項として「但し、一部例外がある」と記載されていた。これらのことから、名目上の権限は持っていたものの、その行使は非常に難しかったという見方もある。
だが、リュベリーン内に数多存在していた犯罪組織を摘発し、バキスタにおける傭兵部隊の暴動の鎮圧、また擾乱の防止等々においてこの権限は効力をいかんなく発揮したのも事実である。
国内において自由に捜査権・治安維持活動権・逮捕権を持つ組織というのは、バキスタの戦いによる政情不安という事情があったとは言え、諸侯の力の強い西方諸国においては非常に革新的な組織であり、その後の治安維持組織の創設の際に憲兵騎士団は手本とされた。

団体リクシャマー帝国