多人数で神話を創る試み『ゆらぎの神話』の、徹底した用語解説を主眼に置いて作成します。蒐集に於いて一番えげつないサイトです。

書物

小事典という名が付いてるのに、内容が濃い事からすると、メジャーな神様に絞って記載した本なのかも知れない。

著者:ドコ・ブロイ

記述

ペレケテンヌルについて

燦然なるペレケテンヌル」「変容の司」等の異名を持つこの古き神は丈高い三角錐の体から一本の長い主枝と二本の短い副枝を生やした金属神である。その姿は三重水素、ひいては水爆を象徴するとも、五元素の一つたる金なる肉体のその四頂点によって他の四元素を統べるとも言われており、いずれにせよ科学技術を司る神であるということに諸宗の見解は一致していたが、最近の発掘調査によって初期石器時代以前より北方諸民族の信仰を受けていたことが判明し、物議を醸し出している。その形状から、“槍”そのものの分枝の一つではないかとの大胆な仮説もあるが、全体にわたりフラクタル構造を持つ“槍”のごく一部分のみがなぜ神格を得たのかという反論に対しては満足のいく答えが出されておらず、未だ空論の域を出ていない。

 この神については次のような古い伝承が残っている。


 大平原の真っ只中に悠然と立ちつくしていた《変異の三手》のもとに、ある日、一団のキャラバンが通りかかった。キャラバンの頭領は、ペレケテンヌルの御姿を認め、こう願った。

「わたくしのもつ粗金を、あなたのその御体のような輝かしい白金に変えてください」

 その願いに対して、ペレケテンヌルは粗金を白いパンに変えて答えた。

 またある日、ペレケテンヌルのもとに一人の飢え渇いた旅人が通りかかった。旅人はペレケテンヌルの御姿を認め、こう願った。

「わたくしの体の一部を、わたくしが飲み食べられるように変えてください」

 その願いに対して、ペレケテンヌルは旅人に便意と尿意を催させて答えた。

 またある日、ペレケテンヌルのもとに一人の女が通りかかった。女はペレケテンヌルの御姿を認め、こう願った。

「わたくしが想いを寄せる男性を、わたくしの方へと振り向かせてください」

 その願いに対して、ペレケテンヌルはその男のもっていた女に対する少しばかりの友情を心の底からの恐ろしい憎しみに変えて答えた。

 またある日、ペレケテンヌルのもとに一人の裕福な家柄の男が通りかかった。男はペレケテンヌルの御姿を認めたが、自分の現状に満足していて、さしあたり特に変えてほしいものもなかったので、こう言ってみた。

「ペレケテンヌル様、何かお望みのものはありますでしょうか?わたくしに捧げられるものであれば、お持ち致します」

 その申し出に対して、ペレケテンヌルは男にこう答えた。

「お前が不幸になってほしい。だがわたしにはお前がそれを望まない限り変えることはできない」
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