ゆらぎの神話百科事典 - キュトス
紀神

qythos、cythos, cutos, cutoss

『死を禁じられた者には生もまた無い、死を求めぬ限りは。(死ざるキュトス/不死神キュトス) 』

古い神。死ざるキュトス。
死を禁じられた神。

しかし、人間が誕生する以前に既に死んでいる。
現在は71の断片体となって世界に散らばっている。
その断片体たちはキュトスの姉妹と呼ばれている。

性格

異性の好み

キュトスの姉妹には、71人それぞれひとつづつ、71種類の異性への趣味がある。
紀神キュトスはこの71の異性への趣味を全て持ち合わせている。
つまり、めっぽう惚れやすいということだ。

伝承・研究・信仰

厄介なのはキュトスが現在死んでしまっている事である。
此の為、現世利益を重視するあたりでは、マイナーな神格とされてしまっている。

共同作業

もちろん、1つだったキュトスが71に分裂し、それぞれが生き始めたなどということが本当にあったわけはなく、キュトスの1人71役、あるいは元々71人1役でキュトスをやっていた、と考えるべきである。

そもそも、キュトスという神そのものの存在がどのようなものか、人間が誕生する前に死んでいる以上解らないのである。
一説によれば、キュトスという言葉は古き神々の言語で【姉妹】を意味するというものさえある。

非実存

架空神。実在しない神。
多くの伝承にまるで最初からいたかのように登場する。

ワールド・イーター

生と死をつかさどる神キュトスは、文明が持つ「破壊と再生」という機能の象徴として語られることが多い。
このことから、キュトスという神が世界を終末に導く【ワールドイーター】であると考える学者も存在する。
ワールド・イーターとしてのキュトスが復活すれば、世界は滅び、そしてまた新たに創世されるという。
世界の創世を終えたキュトスは「永き眠り=死」をむかえ、ふたたびこの世界が滅びをむかえるそのときまで、魔女たちの中で眠り続けているという。
このキュトスの性質、何かと似てはいないだろうか?
そう、天地開闢獣パンゲオンだ。

母神キュトスの再生によりこの世界を再び再構成しようとするキュトス教徒の秘密結社が存在している。
キュトスの再生とはすなわちこの世界を構築しているさまざまな要素の合一化であり、そこでは旧来の生物は存在し得ない。
全ての生命は再生したキュトスの中に胚として吸収され、新たなる世界に生れ落ちるのを待つことになる。
此の秘密結社は、キュトスの魔女に対する迫害に、1枚噛んでいたとされ、「パレルノ山六千人殺し」の際に結構なダメージを受けたらしい。

地母神

生命の母
ある民族の間(例えば、草の民など)ではキュトスは大地の神であるらしい。
その土地の伝承を調べてみると、生き物はみな大地から生まれてきたとされている。
つまり、彼らはキュトスを地母神として崇拝していることがわかる。
さらに草の民には土葬という風習がある。死者も大地に還すのである。
このキュトス信仰からも、始まりと終わりの意味を読み取ることができるのだ。

大地崇拝の民族でも、たとえば母神キュトスと球神ドルネスタンルフのどちらを信仰しているかで対立が起こることがある。
これは大地創造の神話がそれぞれの民族ごとに異なっていることが原因であり、数百年にも及ぶ宗教戦争に発展するケースもある。
大地の神
散らばった大地の時代散らばった大地を髪で編んでまとめ平たい大地?にした女神はキュトスであり、平たい大地の時代、激化する戦争に涙しを作った大地もまたキュトスである。
そして大地の球化前に死亡した。

失われた神

キュトス

フィリージア・トルクレートが発掘したエクリーオベレッカの秘跡に記されていた古代記述によって再発見された「失われた神」の一柱。
厄闇神、紅九神と共にその名前は暗黒紀に失われて久しかったが、フィリージア率いる探検隊の発見は中世以降の神学を大きく発展させた。
神話体系の中枢に常に存在し、槍のアルセスら多くの神々の騒動の根源であったのではないかとされている。
いわゆるトリックスター、神話構造を動かす為の動力部であったのではないかという説が有力である。

不死の理由

『お前はすべてのものにクズと認識されている。だが自ら命を絶つことは許されない』
そう耳元に囁くことでキュトスは強力な呪いをかける。
だが、ただ一言を真実を言い返され、キュトスは「自ら死ねぬ不死の呪い」に囚われた。

想像図

関連項目